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震災発生から1か月になるが、東松島市に住む知人とはまだ連絡が取れない。この1か月のうち、特に後半の2週間、テレビは福島県と三陸方面に関心を集中させ、石巻から南の被災地の報道が極端に少なかった。原発については福島県、津波については三陸地方。同じスポットばかりをルーティンで定点観測する。しかし、最も多くの死者と行方不明者を出しているのは、石巻市から東松島市、多賀城市、仙台市、名取市、岩沼市、亘理郡に至る宮城県の中部から南部にかけての海岸沿いなのである。報道の印象を言えば、被災地全体の南と北ばかりが取材・撮影され、その中間にある広大な地域が忘れ去られている。荒浜や閖上は、震災の初期にマスコミが脱兎の如く殺到し、その後も東京のマスコミが「名所」のように扱う報道を続けているが、そこから南へは焦点を当てようとしない。仙台ではまだガソリン不足が深刻に続いていて、食料等の買い物に市民が難儀している。不思議なのは、そうした苦境について仙台市長が国民や政府に訴えないことだ。震災以来、仙台市長は一度もマスコミに登場していない。県知事と同格の政令指定都市の長でありながら。仙台は東北の中枢である。ここの復興が遅れると、東北経済全体に影響が出て後遺症が残る。仙台が仙台の機能を取り戻さないと、東北経済の自律的な復興と再生は難しい。NHKで報道したとおり、医療もそうだ。仙台に東北の首都機能が集中している。
by thessalonike5 | 2011-04-10 23:30 | 東日本大震災 | Trackback | Comments(0)
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