オウム真理教(アレフに改称)の麻原彰晃被告(本名・松本智津夫=45)の
長女松本美和容疑者(22)が、東京都北区のスーパーで万引し、
窃盗の現行犯で警視庁王子署に逮捕されたことが19日、分かった。
万引したのは食料品ばかり100点以上。捕まると
「私は木更津の女王だ。無礼者」などと叫んだという。
同行の信者などはおらず、教団の中で孤立していたことが浮き彫りになった。
調べによると、美和容疑者は18日午後3時半ごろ、東京都北区のスーパーで
食料品ばかり100点以上も万引し、同店の店員に取り押さえられた。
その後、
王子署に引き渡され、窃盗の現行犯で逮捕された。調べに対しては、
自分の名前や逮捕事実について黙秘しているという。
目撃者らによると、美和容疑者は店内に入ってきた際から挙動不審だったという。
ねずみ色のフード付きロングコートにサンダルばきのいでたち。
店のカート上下に2つのかごを置き、
手当たり次第に食品ばかり100点以上を一心に詰め込んだ。
かごがいっぱいになると、ビニールの袋をポケットから取り出して、
さらに食品を詰め込み続けたという。
万引したのはチョコレートなどのお菓子、うな重、てんどん、すし、サンドイッチ、コロッケなどで2万2000円相当。
店員によると「周りの客も店員も、みんなに『おかしなことをしているな』
という目で見られていた」という。
30分近く売り場で商品を詰めた後、6つのビニール袋に移し替えて、
両手に持ちながら無人のレジを通って店外に出たところを店員に押さえられたが、
路上に寝転んで「私は(母親の実家の)木更津の女王だ」とわめき、
触られると「無礼者」と叫んだ
通報を受けた警官が駆け付ける間に、何事が起こったのかと、
美和容疑者を囲んでやじ馬の輪ができたという。
現場にいた女性は「腰まで伸ばした髪は、コートで見えなかったので、
店内にいたときには、色白でひ弱な男だと思っていました」と驚きを隠さない。
美和容疑者は、麻原被告の長女でありながら、現在は教団と絶縁状態にある。
昨年1月に教団がアレフに改称して以降、会員登録していないという。
万引した際に、同行の信者などがいなかったとみられることから、
孤立していたとみられる。所持金などはなかった。
昨年4月には、交通事故を起こし、
車内にろう城、ナイフを所持していたため
銃刀法違反の疑いで警視庁に逮捕されている。王子署では、万引した動機などについて
引き続き調べていく方針。