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復旧途上の生産に再打撃 半導体工場相次ぎ停止、部品供給停滞も

産経新聞 4月8日(金)16時7分配信

 7日深夜に起きた東日本大震災後で最大規模の余震は、復旧に向けて歩みを進めていた企業の生産活動に再び打撃を与えそうだ。特に海外企業も含め影響が大きく、ようやく再稼働し始めたばかりの半導体工場が、大規模停電の影響で相次いで再び停止に追い込まれた。また一部通行止めになっている東北自動車道の復旧が遅れれば、部品や素材の調達が再び停滞し、生産再開の足かせとなる恐れもある。

 「振り出しに戻ってしまった」。富士通の担当者は肩を落とす。

 余震の影響を最も受けたのが半導体工場だ。半導体の生産には、ほこり一つない環境が必要で、瞬間的な停電や電圧低下が起きても、その後の点検や洗浄に多大な時間を要する。停止が長期化すれば、幅広い業界に影響が及ぶ。

 富士通は7日深夜からの大規模停電で、岩手県金ケ崎町にある半導体工場の操業が停止。同工場は3日に操業を一部再開したばかりだった。

 ルネサスエレクトロニクスも山形県米沢市など東北4工場が停電の影響で停止した。数週間かけてほぼフル生産に回復していたが、「再び生産水準を戻すには時間がかかりそうだ」としている。

 半導体製造装置を手がける東京エレクトロンも、震災後、通常稼働に復旧した岩手県奥州市や仙台市内などの3工場が停止した。震災で稼働開始を7月以降に遅らせていた宮城県大和町の新工場の状況も確認を急いでいるが、同社関係者は「これからというところだったのに」と肩を落とす。

 セイコーホールディングスも停電で秋田県大仙市の半導体工場がストップ。停電が解消すれば、再開できる見通しだが、「千葉県にある工場からの素材の輸送に支障が出るかもしれない」と懸念している。

 半導体材料のガリウムなどを生産するラサ工業も、一部操業を再開したばかりの岩手県宮古市など2工場が止まった。

 素材産業では、DOWAホールディングスの亜鉛生産拠点である秋田製錬(秋田市)などが停止。同工場は、4日に再開したばかりで、停止が長引けば、自動車鋼板などに使われる亜鉛の供給不足に拍車がかかるのは避けられない。

 自動車関連メーカーには大きな被害はなかったもよう。11日からの完成車工場の操業再開を目指しているホンダと日産自動車はともに予定通り、生産を再開できる見通し。

 部品や素材の供給への影響も大きな懸念材料だ。大震災による物流網の寸断が徐々に回復してきたばかりだっただけに、ショックも大きい。NECでは、「停電や物流網の混乱などで必要な部品を安定的に調達できなくなる恐れもある」とし、確認を急いでいる。

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最終更新:4月8日(金)19時20分

産経新聞

 

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