東日本大震災の被災者支援のため、行田市に住むスリランカ人のスジーワ・カルガマゲさん(40)が仲間たちと、被災地での炊き出し支援を行う。スリランカは04年のインド洋大津波で被災した。スジーワさんは「当時スリランカを助けてくれた日本を、今度は私たちが助けたい」と話している。
スジーワさんは9年前に来日し、中古車販売業を営んでいる。今回の震災後、「被災者を助けよう」と関東に住むスリランカ人同士で声を掛け合い、すぐに学生や会社員ら約20人が集まった。
スリランカ料理のレストランを経営するメンバーが、スリランカの代表的な料理で、日本人にも人気のカレーの炊き出しを提案。知人を介して宮城県気仙沼市の避難所と連絡を取り、炊き出しを行うことにした。スジーワさんも早速米500キロを購入。持参する調理器具や燃料などもそろえた。スジーワさんらは、29日に被災地に向けて車で出発し、6~7カ所の避難所を回るという。
メンバーは日本などに住んでいたため、大津波の被害に遭ったわけではないが、日本による援助への感謝が共通の思いという。スジーワさんは「日本とスリランカは友達。早く行って温かいご飯を食べてもらいたい」と意気込んでいる。【藤沢美由紀】
毎日新聞 2011年3月29日 地方版