2010年12月11日17時0分
信長や政宗がお城でエスコート――。戦国武将に扮したイケメンが観光客をもてなす「武将隊」が各地で次々と生まれている。昨年誕生した名古屋市に続き、今年は仙台市や山形県にも登場した。多くが失業対策でできた、国による雇用創出の基金を利用したものだ。400年の時を超えた活躍に「歴女」たちも心を躍らせている。
仙台市街が一望できる仙台城跡に黒い甲冑(かっちゅう)などに身を包んだ一団が現れた。黒の眼帯の武将が「心からのもてなしが、我らの流儀じゃ」と叫ぶ。500人ほどの観客が「政宗さまーっ」と歓声を上げ、雄姿をカメラに収めた。
彼らは、仙台市が結成した「伊達武将隊」。委託先の企画会社が伊達政宗や家臣の片倉小十郎らに扮する8人を採用した。前歴はフリーターや俳優志願者ら。殺陣や歴史を学び、8月にデビューした。
仙台城跡で観光案内するほか、殺陣を織り交ぜた「演武」も披露。伊達家18代当主の泰宗さん(51)は「仙台を効果的に宣伝してくれてうれしい」と太鼓判を押す。
「追っかけ」も登場した。奈良市の会社員女性(26)は「政宗は、戦国武将の中でも一、二を争う人気。会いたくなって来た」。香港のテレビ局からも取材を受けた。
伊達武将隊のお手本は名古屋市が昨年11月に結成した「名古屋おもてなし武将隊」だ。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康役ら10人がメンバー。旅行会社主催の武将による名古屋城案内ツアーも人気で、結成から11カ月で城への入場者は前年同期比で18%増えた。
宮城県内では、片倉小十郎ゆかりの白石市で「白石戦國武将隊 奥州片倉組」が9月に発足。こちらは市が始めた祭りの合戦シーンに参加する甲冑愛好家の発案だ。NHK大河ドラマ「天地人」で注目された山形県は7月、直江兼続役ら5人による「山形おきたま愛の武将隊」を結成。仙台、白石の2武将隊と互いのイベントで連携する。
日本相撲協会は八百長問題を受けて、2011年春場所の開催中止を決めた。力を抜いて相手に勝ちを譲る無気力相撲をチェックするはずの相撲競技監察委員会は、まったく機能していなかった。