3月26日、柳氏は作家としての表現衝動を抑え切れなかったのだろうか、自身のツイッターで、こう宣言した。
「(福島原発から20〜30Km圏内にある)南相馬に行きたいのです。そして、書きたいのです。息子がいる。締切がある。でも、必ず、行く」
東京ではなく北海道を選択
ここまで紹介した3人とは少々事情が異なる人もいる。昨年の吉川英治文学新人賞を受賞した作家の冲方丁(うぶかた・とう)氏(34)だ。冲方氏は福島市内の自宅で仮眠をとっていたところ震度7の揺れに襲われている。東京にも家を借りていたので、そちらに避難するという選択肢もあった。
「最初のうちは新幹線も数日で復旧するだろうと思っていたぐらいで、東京に移る予定だったんです」
だが、予想に反して東北新幹線の復旧は遅々として進まず、東北自動車道も通行止めという事態が続き、冲方氏は焦りを感じたという。
「地震に津波、原発事故、ライフラインの断絶。わずか数日で都市機能がなくなった。このままでは青森から茨城までが巨大な陸の孤島になると感じ、とにかく無事な場所へ動こうと考えたんです」
震災から4日後の15日、冲方氏は妻と4歳の息子を連れて、タクシーで福島市を出発した。一般道を進み新潟空港に辿り着くと、そこから空路で、母親と妹夫婦が住む北海道中川郡に向かった。
東京にも家があった冲方氏だが、避難先として北海道を選んだ経緯についてはこう語る。
「ガソリンや食料が長期的に確保される可能性が高く、原発事故の影響も小さいと判断して、北海道に進路をとりました。そもそも東京の家はオール電化で、電気の供給が止まってしまえば"ただの箱"になる。言わば"思考停止した家"に住むことが正しいのかどうか、考えた末に決断したんです」
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放射能汚染への恐怖は日に日に募っている。あなたはどう判断するだろうか。
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