海釣りで一番沢山釣れる魚はサバです。
スズキ目:サバ科:サバ属:マサバ又はゴマサバ
私はサバが釣れると生きているうちに首の後ろから中骨までナイフを入れ首を折って頭と腹ワタたを抜き取って捨てます。サバの内蔵にアニサキスという虫が居てこれを人間が食べると胃袋に食いついて48時間程生きていて、これが本当に痛いそうです。アニサキスはサバが生きている間は内蔵に居ますがサバが死ぬとサバの身の方に移動する習性があるそうなのでこいつが移動する前に内蔵を取り除いてやればアニサキスは内蔵と一緒に海の中に戻りますのでサバの身は食べても安心です。
またサバの生き腐れと言われるほど鮮度の落ちるのが早く、ちょっと温かい所に数時間放置しても痛んでしまいます。 この痛んだサバを〆サバで食べるとジンマシン出やすいと言われています。私はまだジンマシンの経験は有りませんが。
それで頭と腹ワタを抜き取って海水できれいに洗ったサバを素早く氷でよく冷えた海水の入ったクーラーボックスに入れます。人によっては頭を取ってしまうと解けた氷でサバが水ぽっくなって美味くないという人もいますが、その心配がある人は塩をクーラーボックスの中にたっぷりと入れれば良いと思います。
持ち帰ったサバは三枚に下ろし腹骨をすき取りますが、この時腹骨が身から剥がれて浮いているサバは鮮度が落ちているので煮るか焼くか捨てましょう。三枚に下ろした身にたっぷりの塩を掛け30分位水分を搾り締めます。サバの塩漬けでも作るくらい沢山の塩を振りかけて水分を搾りましょう。
ところで先程の〆サバに向かないサバは、はっきり言って焼いたり煮たりしてもあまり美味くありません。日本人はノルウエー産の脂ギトギトサバに完全に慣らされてしまったので近海で釣れたサバを焼いたり煮たりしても美味く感じません、腹骨の浮いたサバは捨てるのが正解かも・・・・?
先ほどの塩たっぷりで締めたサバは水がたくさん出ますので30分位経ったら、これを酢と水を半々に混ぜた酢水で洗って塩分を洗い流します。この時たっぷりの酢水で塩を良く洗い流さないと塩辛い〆サバになってしまいます。酢は沢山用意しましょう。
その後、酢につけ込みますがこの酢には砂糖を沢山入れます。酢に砂糖を入れながら味見をしてみれば解りますが、驚くほど沢山の砂糖を入れないと甘く感じません。隠し味に醤油や昆布を入れても良いでしょう。ジッパー付きのビニール袋に入れて漬け込めば酢の量が少なくてすみ経済的です。これをそのまま冷蔵庫に入れます。
酢につけ込んで30分程経ったらビニール袋から取り出して魚の皮の薄皮を首側からゆっくりと剥きます。さらに側骨を毛抜きを使って一本ずつ丁寧に抜きます。首との切り口の所に1、2本太い骨が有りますので忘れずに抜き取りましょう。 酢に良く締まったほうが好みの人は冷蔵庫に入れる時間を長くしてください。一晩おいて翌日食べてもおいしいです。
また、この〆サバの腹側に酢飯を置きラップで巻いてタッパに押し込んで冷蔵庫に入れておけば、サバの押し寿司(棒寿司)が出来上がります。これも本当に美味しいですよ、一度ためしてください。
最後に切りますが真ん中に浅い切り込みの飾り包丁を入れて幅8mmくらいに切って皿に盛りつければ完成です。こんな美味い〆サバは食べたことがないと言われること請け合いです。漁師のあいだではこの〆サバを33〆と言うそうです。 塩で30分、酢で30分締めるからです。鮮度が良いのが解っている釣り士ならでは〆サバ(と言うより刺身に近い)でした。
サバが釣れたら是非どうぞ。ただし鮮度保持には細心の注意をお願いします。 |