政治【大震災特別連載】官邸機能せず(上)「開かずの扉」のその奥は…+(6/7ページ)(2011.4.10 00:29

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[政治]ニュース トピック:菅内閣

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【大震災特別連載】
官邸機能せず(上)「開かずの扉」のその奥は…

2011.4.10 00:29 (6/7ページ)
閣議に臨む菅直人首相=5日午前、国会内(酒巻俊介撮影)

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閣議に臨む菅直人首相=5日午前、国会内(酒巻俊介撮影)

 「指示はとっくに出した。なぜ進まないんだ!」

 菅は逆ギレした。ところが菅の「指示」とは口頭で個別の官僚に命じただけ。これでは官僚組織は動かない。長島らは慌てて指揮系統を自衛隊に一元化させる関係閣僚への「指示書」を作成させた。これがその後の放水作業につながった。

 それでも菅は納得しなかった。18日に官邸を訪ねた元連合会長で内閣特別顧問・笹森清にこんな不満を漏らしている。

 「現場の意思疎通がうまくいっていないんだ…」

「セカンドオピニオン」

 菅の官僚機構と東電への不信は深まるばかり。東工大教授で原子炉工学研究所長の有富正憲らを次々と内閣官房参与として官邸に迎えたことは証左だといえる。

 その数はすでに6人。「セカンドオピニオン」を背後に付け、菅はますます高飛車になった。東京電力や原子力安全・保安院などが自らの指示に抵抗すると「俺の知ってる東工大の先生と議論してからこい」と言い放った。

 ところが、3月末になると菅はすっかり淡泊になった。細野が日課となった東電福島第1原発の状況を報告しても「そうかあ…」「それでいい」-。どうやら事態の長期化が避けられないことを悟り、気合を持続できなくなったようだ。

 菅は4月1日の記者会見で「専門家の力を総結集しているが、まだ十分安定化したというところまでは立ち至っておりません」と長期化をあっさり認めた。

 淡泊になったのは理由がある。東日本大震災の発生後、菅の頭は原発でいっぱいだったが、ようやくガソリンや物資供給など被災者支援が後手に回っていたことに気づいたようだ。

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閣議に臨む菅直人首相=5日午前、国会内(酒巻俊介撮影)
うつろな目で国会に入る菅直人首相。最近は官邸での怒号が消え、真顔で心配する向きも多いという=5日(酒巻俊介撮影)

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