植村花菜「歌うことで元気を！！」　名古屋で全国ツアースタート

　「トイレの神様」のヒットで昨年末のＮＨＫ紅白歌合戦に初出場したシンガー・ソングライター植村花菜（２８）が８日、名古屋・中京大文化市民会館で全国ライブツアーのスタートを切り、１３日配信開始の「きみとぼく」（収益全額を東日本大震災の被災地に寄付）をファン１１００人の前で初披露。終演後は募金箱を持って寄付を呼び掛けた。

　「被災者の苦労を思うと、何かをせずにはいられなかった」。兵庫県出身で１９９５年の阪神大震災では被災した。小学校６年の冬だった。ライフラインが途絶え、給水車からバケツに水をくんだ記憶は今も消えない。

　東北大震災を受けてツアー中止の議論が起こる中、「自分が被災した際に歌に笑顔をもらった。今度は私が歌って被災者を元気づけたい」と主張。植村の“恩返し”の意志が強く、実施に踏み切った。

　ライブでは「きみとぼく」や「トイレの神様」など１７曲を熱唱。「きみと−」は「♪支え合って　許し合って　世界は変わってゆくんだろう」の歌詞には「人は支え合って生きている。苦労したことや悲しかったことはいつかむくわれる」という思いを込めた。

　被災地ライブの計画も進んでいる。所属事務所関係者は「数件のオファーが届いている。日程を調整中」と明かした。植村も「ギター１本あれば歌える。被災者を勇気付けたい」と青空ライブに意欲をみせる。

　ツアーは７月中旬まで、全国３０カ所を回る。東京公演は１５日に渋谷Ｃ・Ｃ・Ｌｅｍｏｎホールで。