「計画停電」打ち切り…企業に使用制限で夏場も見送り

　東京電力は８日、地域ごとに交代で電気を止める計画停電の実施を同日で打ち切り、冷房用の電力需要が高まる夏も原則実施しないと発表した。

　東電は当初、５月の大型連休前後をめどに計画停電を終了する方針だった。だが、気温上昇で暖房用の電力需要が減る一方、震災や定期点検で停止中だった火力発電所の再稼働が進み供給力が回復したため、前倒しの終了宣言となった。

　東電によると、６月上旬までの電力需要は最大で３９００万キロワットとなり、約４２００万キロワットの供給力を確保できる見通し。ただ、冷房需要がピークとなる７月末は、最大電力需要５５００万キロワットに対し供給力は４６５０万キロワットと、約１０００万キロワットの供給不足が生じる見込み。東電はガスタービン発電の新設などで「最大５０００万キロワット程度の供給力確保を目指す」（藤本孝副社長）。

　政府は同日、夏場の電力不足対策の骨格案を正式提示した。契約電力が５００キロワット以上の企業など大口需要家には、７〜９月の平日午前１０時〜午後９時の電力使用を昨年比２５％程度削減。枝野幸男官房長官は「国民生活や産業経済への影響をできるだけ小さくできるようお願いしたい」とした。

　東電は同時に、計画停電を実施した地域の利用者の電気料金を１日ごとに最大４％割り引くと発表。３月１４〜２８日に１時間以上停電した管内の約１３００万件が対象で、一般家庭の場合、基本料金８１９円に対し割引は１日あたり３２・７６円。５月の精算時から実施する。

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