「WBC世界Sフェザー級タイトルマッチ」(8日、神戸ワールド記念ホール)
王者・粟生隆寛(27)=帝拳=は、挑戦者ウンベルト・グティエレス(22)=メキシコ=を4回KOで下し、悲願の初防衛に成功した。
強烈な右のパンチをグティエレスのみぞおちにぶち込んだ。苦悶(くもん)の表情でリングにうずくまる挑戦者を見届けると、粟生は高々と右腕を掲げ、勝利の10カウントを聞いた。4回1分6秒。鮮やかなKO勝ちでトリプル世界戦の先陣を飾った。
戦う前から勝利を確信していた。前日計量で挑戦者はウエートを500グラムオーバー。頭髪をそって3度目の計量でなんとかパスした。減量ミスでダメージの残る相手に対し、1回から左右のパンチを的確に腹部に打ち込んだ。「相手がしっかりしていないんで、勝ったといってもイマイチすっきりしない」と余裕の表情で振り返った。
09年3月にWBC世界フェザー級王座に就いた時はわずか4カ月の短命王者に終わった。「前回、初防衛戦でコケてしまったので、ずっと心に重いものがあった。ありきたりだけど、ほっとした」という言葉に実感がこもった。「次はちゃんとしたチャレンジャーと戦いたい。強い選手とやることで自分も成長できる」。天才サウスポーは力強く防衛ロードを突き進むことを誓った。
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