楽天・星野仙一監督(64)、嶋基宏選手会長(26)、田中将大投手(22)をはじめとする選手らが8日、宮城県内の被災地を訪問した。1泊2日の強行日程ながら、3月11日の東日本大震災後、初めて帰った本拠地。いまだに苦しむ被災地を目の当たりにした選手らは、12日から始まるシーズンに向けて、より強い決意をにじませた。
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仙台を見て、被災地を見て、被災者を見た。開幕直前の強行日程。2日連続の被災地訪問となった星野監督は「昨日は夜で暗かったから分からなかった。海は好きだけど海を許さないと思った。まともに受けたところを見て回ると、生で見ると地獄だった」と、被災地のすさまじさに驚きを隠せなかった。
星野監督、田淵ヘッド兼打撃コーチ、佐藤投手コーチと、選手では永井、戸村、外国人を除く1軍選手全員が、4班に分かれて山元町、女川町、東松島市、名取市と仙台市の小中学校をそれぞれ訪問。万全ではない交通事情も影響し、大幅に予定が狂ったが、(1)被災者と触れあうこと(2)被災地を確認すること、という2点については、選手の強い要望で予定通り行われた。
誰もが待ち望んでいた一時帰仙だった。東松島市を訪れた嶋は「なかなか足を運べなくて、申し訳ない気持ちでいっぱいです」と、震災直後に駆けつけられなかったことをわびた。だがそこにあったのは被災者の笑顔。田中は「迎え入れてもらえるかという思いがあったけど、逆に元気な姿が見られて、シーズンで頑張る姿を見せることが必要なのかなと思った」と気持ちを再確認した。
大人気の嶋と田中に、サインを待つ長蛇の列ができた。サインを終えた他の7人の選手は、校庭で野球を楽しむ子供たちと触れあった。大広は「体育館は寒いだろうなと思って、直接渡したくて」と、救援物資とは別に、自らジャージーを手に持って登場するなど、短い時間ながら、それぞれの思いを行動に移した。
前夜、東日本大震災の余震とされる震度6強の強い揺れが、仙台を襲った。同時に発生した大規模な停電。仙台市内の自宅にいた星野監督は「初めてのことで驚いた」という。大震災当日は明石にいたが、仙台へ戻って早々に自然の猛威を味わうことになった。
チームはこの日夜にバスで千葉へ移動。次に仙台へ戻るのは4・29、本拠地初戦となるオリックス戦だ。「頑張れ!とか、あきらめるな!という言葉より、我々が勝ち進んでいくことだな。イーグルスを応援してくれる人々のために、勝つんだ!という気持ちになる」と締めくくった闘将。強い楽天としての再会を待望し、杜の都を後にした。
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