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第23回 中川 昭一さん(衆議院議員)

おいしいそばと聞けば
何処へでも―
無類のそば好きです。

第23回
中川 昭一さん
(衆議院議員)

中川 昭一(なかがわ しょういち)
衆議院議員。自由民主党所属。1953(昭和28)年東京生まれ。東京大学卒業。日本興業銀行勤務を経て、83(昭和58)年北海道旧五区から立候補し当選。以後、入国管理政策小委員長、農林水産政務次官、繭糸価格小委員長、大蔵委員会・農水委員会各筆頭理事、WTO特別委員会理事、逓信常任委員長、農林水産大臣を2期、経済産業大臣などを歴任。党政務調査会長、同農林水産物貿易調査会長なども務める。現在当選8回。党の水の安全保障研究会会長。対外経済特命委員長、拉致問題特命委員長などを務める。選挙区には新得町など有数のソバ生産地があり、地元でもそばの食べ歩きをして、その都度記録をとっているというそば好き。「日本の蕎麦を愛好する会」幹事長。

各地に行きつけの
そば屋がある

― かなりのそば好きだそうですが。

中川 昨日も食べたし、今日もこれから食べます。常時行きつけの店が6店……どころじゃないな。地元(十勝地方)もソバ産地として有名なので、あちらにも行きつけの店があります。札幌にもある。国内だけでなく、パリにも日本人がやっているYというおいしい店がある。そばなら何でも食べます。更科系でも田舎そばでも板そばでも、その土地で生産され、食べられるそばは地産地消の典型だから、おいしいといわれているものは何でも食べる。食べ歩いた店で、おいしかった30軒ほどをメモしてあります(と言って、鞄から取り出したシステム手帖のメモ欄には、細かい文字で店のデータと感想がびっしり書き込まれていた)。

― 汁の加減はいかがですか。

中川  更科系なら薄い方がいいし、田舎そばなら濃いめがいいですね。江戸っ子はほとんど汁をつけずに飲み込むっていうけど、ある老舗のそば屋で「汁をたっぷり浸けて食べちゃだめですか」と聞いたら、「お好きな食べ方でいいんですよ」。以来、しっかり汁をつけて食べます。落語なら「噛まずに飲み込む」などというけど、実際はちゃんと汁に浸けて噛む方がおいしい。
 そば屋に入ったら、最初そば茶を飲む。そばは温かいものも冷たいものでも、食べた後そば湯を入れずに汁もそのままちょっと飲みます。そば湯はワサビとネギをいただいて、改めて飲みます。

地元のそばが最高!?

第23回 中川 昭一さん(衆議院議員)

― そば好きになった動機は何でしょうか。

中川 親父(故・中川一郎氏)がそば好きで、「今、東京駅に着いたから、ざるそばを二枚頼んでおいてくれ」と電話をしてきたことがあり、そばが届いたのに帰って来ない。一時間以上たち、本人が帰ってきた頃には完全にそばは伸びちゃってる。もう一度注文し直そうとすると、「いいよ、日本酒を持ってきてくれ」と言う。それをかけて「うまい、うまい」。僕も一度やってみたが、おいしくなかったな(笑)。これは好き好きだけど。親父がそんな風にそば好きだったから、その影響でしょうね。

― 昭和天皇の頃、入江侍従長も同じことをされていましたよ。ところでそば以外の麺だと、どんなものがお好きですか。

中川 北海道が地元だからラーメンも好き。帯広にとてもうまい店があるんだけど、こってりしたスープで、体調が悪いときは食べられない。うどんは普段あまり食べないが、体調の悪いときは食べます。これはいいね。

― 北海道の「豪雪うどん」はジャガイモのグルテンを使っているのでコシがあります。

中川 地元の中札内では最近枝豆を練り込んだ麺をつくっているとか。それにしてもそばの自給率が25%というのは淋しいな。そのうち半分近くを北海道で生産している。他県でも取れるけど北海道産のが一番おいしい(笑)。昔、飛騨高山で入った老舗のそば屋で食べたそばがおいしかったので、どこのそば粉だと聞いたら、新得町産だといわれて、うれしかったですね。

― お酒の方はいかがですか。

中川 やりますよ。それについていえば、最近のおしゃれなそば屋でワインしか置いていない店がある。そば好きの友人がそばの本を書き、それをもとに食べ歩いた店の一つです。「お酒ください」と言ったら「お酒はない」。ワインを置くのもいいが日本酒がないというのは変だ。禁煙は一歩譲っても、ワインだけしか置いてないというのはおかしいんじゃないか。結構有名なそば屋ですが、それを聞いて食べないで帰って来ちゃったけど。

つくるより
食べる方がいい

― 他にそば屋への注文などありましたら。

中川 その店で使っている粉の原産地を教えてもらえるとうれしいですね。昔、中選挙区時代に、地元のおいしいそば屋、ラーメン屋、その他おいしいと思っている店のことを書こうと思ったけど、そこに入っていない店の人が怒っちゃうと思ってやめました(笑)。

― 北海道はおいしい店が多いですね。他にこれはという店は?

中川 札幌のS庵、新潟長岡駅前の海藻を練り込んだそばK。僕の親父のルーツが富山の山方なので砺波市利賀村のそば、福光のK。うどん屋はよく知らないが、東京の高円寺で、元男性モデルだった人がやっているSという店。環状七号線沿いで、酒が50種くらい置いてある。若い人もカレーうどんなどを食べに来る。小鉢料理の突き出しもうまい。ついでにいうと、そば屋やうどん屋のカレーはおいしい。そういえば、昆布もそば粉も北海道から全国に広がっている。食材はやはり北海道ですね(笑)。

― 余計なことですが、健康管理のために何かされていますか。

中川 朝晩の体重測定と、ダンベルとテニスくらいかな。夜に腹いっぱい食べるので確実に太ってしまう生活です。「日本の蕎麦を愛好する会」のメンバーだけど、自分ではそばは打ちません。息子の方はうまくそばを打ちますよ。帯広のMの主人からそばをいただくんですが、自分はゆでるのもあまり上手じゃない。やはり餅は餅屋で、店で食べる方がいい。

(‘07年11月12日、砂防会館にて収録)
撮影/STUDIO MAX 高橋昌嗣




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