サソリ沼の迷路

 

 

キャラクターコンバート&タイタンの神話(1) --Scorpion Swamp-- 

 

 つーわけで領民の安全を守るため、ブリッツ君は、今度はサソリ沼に向かいます。ところがこの地で迷っているうちに…いつのまにか…???

 イギリスではなく、アメリカのスティーブ・ジャクソン(そう、かのGURPSのデザイナーです!)が、まだ無名のゲーム青年だった頃に記したゲームブック『サソリ沼の迷路』の開幕だー!!(^v^)

 

 その前に、恒例のキャラクターコンバート。

 まずは能力値を原点までリセット。そして達成点を1点獲得したので、これを原体力点上昇にそのまま費やします。よって彼の能力値は、こうなった。

 

【技術点11/11 体力点19/19 運点11/11

 

 体力点は次でもう1+1させて、大台の20点まで乗せたいな。そうすれば今後が楽になるから。

 そしてルールの確認。戦闘とかはオーソドックスだが・・・おお、今回は食料も原点回復薬も、なーし!!(泣)

 その代わり、魔法石(Magic Stoneを使うことになる。これはつまり1回使いきりの魔法で、1つ持っていると、一度に1種類の術が使える。その後、魔法石は消えうせてしまうのだ(何となく『バルサスの要塞』に似た方式だね)。

 今はまだ1つも持っていないけど、サソリ沼の冒険を通じて、魔法石を手に入れる機会がある。だけど、ちょっとだけ厄介なのは…魔法石には<善><悪><中立>の3タイプがある。

 これはいわゆる属性(アライメント)だな。つまり、これからの冒険で遭遇する善の魔法使いは<悪>の魔法石なんかもってないだろうし、同様に悪い奴から<善>のそれをもらうこともない、ということだ。

 これから登場するであろう、魔法石の種類は全部で12個ある。このうちどれだけ手に入れられるかは、ブリッツの冒険次第だ。

 

○中立の魔法石 <技術回復><体力増強><開運><火炎><氷結><目くらまし>

○善の魔法石 <友情><繁茂><祝福>

○悪の魔法石 <脅し><枯らし><呪い>

 

 <技術回復><体力増強><開運>の3つの能力値回復系の魔法石は、戦闘中を除きいつでも使える。回復点数は原点の半分(端数切り上げ)だ。つまり技術点は+6、体力点は+10、運点は+6回復することができる。あとの魔法石は、本文中で指示がないと使えないから注意が必要だそうだ。うむうむ。

 

 さて次に所持金だ。まずは持ち越しの金貨7枚。それに加え、トカゲ王の島で獲得したアイテムは・・・おっけっこうマジックアイテムがあるな。

 炎の剣が金貨100枚、サーマの首飾りが金貨50枚、ソッグの兜が金貨50枚、登り上手のブーツが金貨20枚、底なしの袋が金貨20枚、ヴァルハラの角笛が金貨20枚、業物の剣が金貨5枚、改造トカゲ男の盾が金貨5枚。

 ま、こんなところでしょう。あわせて金貨277枚×0.1金貨28を初期所持金としよう!

 あ、サルのアブーとタイガー・ガールは、ウチの城に置いときますんで・・・いちおう・・・(笑)

 

* * * * * * * * * * * * * * *

 

 さてそれでは、ブリッツの冒険しているタイタン世界の紹介の続きだ。

 今回はタイタンの神話、というか、どうしてこの大地ができたのか、ということを中心に見ていこう。ちょっと長くなるよ〜。

 

 この大地ができるずっと前、神々は天の王宮でのーんびりとしていた。

 当時は何百という神様がいて、それぞれに異なっていた。そして彼らに仕えるデミゴッドという半神や下位神もいた。彼らはそれぞれやるべき仕事を持っていたのだが、けっこう退屈だったようだ。なんせ死なないからいつも同じ毎日の繰り返しだし、だんだん天の王宮に上がってくる神様の数も増えてくるからね。

 中にはその名も“死”という鼻つまみの神様もいて、こいつは“疫病”“腐敗”といったデミゴッドを手下にして暴れまわり、風変わりな余興をしたりもしたのだが、やがてそれすら飽きられて、誰も相手にしないで放って置かれた。

 

 ところがあるとき、スロッフという女神が、姉のガラナといっしょに王宮の庭を掘り返していたら、何だか変なものが見つかった。それは大きな魔法の土の塊で、生命を持ってドクドクと震えていた!

 姉妹はその土塊を父である大神タイタンに持っていった。彼はそれを2つに分け、1つを完全な球体にして、みんなから見えるところ、宇宙(プレイン)の中心に置いた。神々はみんな注目してタイタンのなすことを眺めていたが、鼻つまみ者の“死”とその一派は、やって来て見ようともしなかった。

 それから大神タイタンは、もう1つの方を神々に分け与えた。神様たちは大喜びしていろんなものを作った。例えばハイダナは海を作り、スロッフは陸を作り、ガラナは植物を作り、そんな感じで作ったいろんなものを、大神タイタンの作った完全な球体(今や彼の名をとってタイタンと呼ばれるようになった)に置くことが許された。美しいグランタンカはこの出来事を喜び、タイタンの周囲を踊りながら回って、彼女は“太陽”になった。彼女の弟も後をついて踊り、彼は“月”になった。

 こうしてみんなが新しい創造を祝っているとき、一人だけ変な奴がいた。例の“死”だ。奴はこの場に加われず、何となく出遅れちゃったことを悔しく思い、土塊を少しだけ盗んだ。そしてそれを自分の黒いマントの中に隠して、姿をくらましたのだった。

 

 さて、タイタンの世界はいろんな動物が闊歩するようになった。神様は自分の創造物と遊ぶことができて、退屈な日常が楽しくなった。幸福になった。このことに大神タイタンは大きく満足した。

 だけど策略の神ロガーンが不満を申し立てた。彼は土塊が配分されたときは“死”に騙されて不在だったので、今さらながら取り分が欲しいと言った。しょうがないから、大神タイタンは少しだけ土塊を渡した。

 ロガーンはこれで何を作ろうか考えた。そして彼らしく考えたことには、今までの常識を超越した、まったく新しいものを作ることにした。二本脚で、胴の上部に頭を乗せて、2本の腕を持つ背が高く痩せた姿。そして何より特別なのは、ロガーンが自分の欠片を1つ、そいつの頭の中に埋め込んだことだ。彼はこれを“男”と名づけた。

 

 ロガーンが自分の創造物をタイタンに置こうとしたとき、他の神様はゲラゲラ笑った。そいつはヒョロヒョロしていて、二本脚で歩くのがとても風変わりだったからだ。

 ところがこいつは、いきなり大地を掘って石を取り出し、その石で木を切り、切り出した木で小屋を建てたのだ。さらには石を打ち合わせて火を作り暖をとった。神様たちは不思議に思った。どうしてこいつはこんなに頭がいいんだ?俺たちと同じように???

 ロガーンは種明かしをした。創造物に自分の欠片を組み込んだのだと。それを聞いて神々は嫌悪感でゾッとした。神が体を分割するのを薄気味悪く感じたのだ。そしてロガーンを仲間はずれにして、自分たちの領域に引っ込んでしまった。

 ただ、シューンとしょげているロガーンを哀れに思ったのか、それとも単に興味があったのか、3柱の神様だけが彼の側に留まった。ガラナと、スロッフと、大神タイタンだ。彼らはどうやって“男”を作ったのかロガーンに尋ねたので、彼は仕方なくもう1回同じ方法を繰り返した。二番目の創造物にも自分の欠片を心臓に入れて、“女”が完成した。

 3柱の神は感動して、自分たちも同じことをやろうと決心した。大神タイタンは自分の力強さと大きさから“巨人”を作り、スロッフは自分の岩のような肌から“ドワーフ”を作り、ガラナは自分の優美さと知識から“エルフ”を作った。

 彼らは自分の作ったものをタイタンに置き、それらが人間の傍らで増えていくのを天の王宮から見守った…。

 

 この時代を「神の時代」と言う。人間やドワーフ、エルフ、巨人族にとって、もっとも平和で幸せな頃だった。

 始めはみんないっしょに暮らしていた彼らも、数が増えるにしたがって、それぞれ適した場所に別れていった。人間は平地を、エルフは森を、ドワーフは丘陵を、巨人たちは山岳を選んだ。 彼らは町を作り始め、どんどん知恵を重ね、強く、丈夫になっていった。それぞれの神が見守る中で、武器や道具を作り、他の生き物を狩り、自然の魔法をどうやって利用するか考えた。

 毎日、金色のグランタンカは天を舞い、夜には月の神が銀色の光を大地に投げかけた。とてもとても輝かしい時代である。ところが…

 

 とと、話が長くなってしまった。(><)

 この話の続きは、ブリッツ君がサソリ沼から帰ってきたときに!!

 それでは、新シリーズ、スタート!(^v^)ノ 

 

 

 

運命の魔女に導かれ、いつの間にやら暗黒大陸クールへ… --Scorpion Swamp-- 

 

【技術点11/11 体力点19/19 運点11/11

 

 (怪しい外人風に)ミーチーニィ、マーヨーッタァ。 (((;-д- =3ハァ

 

 あ、どもども。俺の名はブリッツ。

 火吹山を制覇し、バルサスの要塞を陥落させ、ストーンブリッジに戦いのハンマーを戻し、シルバートンの街を救い、ファングの地下迷宮を突破したチャンピオンで、この前は南国の火山島でトカゲ王をぶっ潰した。新進気鋭の冒険者、ってとこだな。

 それで俺は、こう見えてもチアンマイの地方領主なんかやってる。でだ、今、自分の領地に含まれる湿地帯の真ん中で、途方に暮れている…(泣)

 そもそもここらへんがなんで「サソリ沼」って名前がついたかというと、別にサソリがいるわけでもなんでもなくて、ただぽつんと「ここより先、サソリ沼」なんて書いた木の立て札が出ているから、周りの住民がそう呼んでいるだけだ。

 で、ここから怪物が現れて困るってんで、様子を見にきたんだけど…。

 

 どこを歩いてるか、わかんなくなっちゃった(;´Д`)

 

 テキトーに歩いているうちに、さらに、ますます霧がかってきた。ううう、太陽も星も見えねえから、方角もわかんねえ。マジでこのままじゃ、遭難しちゃうぞぉ…。

 こんなことならタイガー・ガール、彼女を連れてくりゃよかったなあ。あいつなら“臭い”だの“野生の勘”だので、こんなとき、何とかしちゃうかもしれないもんなあ。うーん、ちと後悔。

 だけどおかしいな?なんかここらへんから、周りの植物や小動物とかが、今までと違うような気がする。上手く言葉ではいえないけど、今まで見たこともない虫や、草や、変わった魚が見つかるのだ。どうなってんだろ?いちおーここらへん、俺の領地、だよなあ…(・へ・)

 

 そんな感じでとぼとぼと沼地を彷徨ってたら、埃にまみれてぐったりしている1人の老女に出会った。見捨てるのも何だか何なので、俺は彼女を木陰に連れて行き、水を飲ませる。

 

ブリッツ「おい、大丈夫か?」

老女「ああ、すまないねえ…」

ブリッツ「いいってことよ。俺も道に迷って心細かったしな。俺はここの、チアンマイを治めている領主のブリッツだ。ほれ、背負ってやるよ。その代わりここから抜け出る道を教えてくれ」

老女「よいしょっと…おお、いい按配じゃ。だけど“ちあんまい”って、どこだい、それは?」

ブリッツ「いや、コク河流域のさ、チアンマイだよ。ここはコク河の河口だろ?」

老女「何言ってんだい?」

ブリッツ「アランシアの…」

老女「いんや、ここはクールだよ、暗黒大陸クールさ!」

ブリッツ「 は い ? Σ(゚д゚lll) 」

 

 老女をおんぶして話しながら歩いているうちに、だんだん事情が飲み込めてきた。

 コク河の河口の沼地に漂う混沌の霧に巻かれて、俺はどうやらいつのまにか、テレポートゲートらしきものをくぐり、違う大陸に着いちゃったようだ(マジかよ)。

 もうこの場所は勝手知ったる西アランシアではなく、暗黒大陸クールなのだ。

 そうか、だから見たこともない植生界なのか。はあ、そうでしたか…。

 

 って、おい!ヽ(`Д´)

 

ブリッツ「それで、どうすりゃ元の土地に戻れるんだよ!」

老女「そんなこと、わしに聞かれても…」

ブリッツ「そりゃそうだけどさぁ。ウワァァ-----。゚(゚´Д`゚)゚。-----!!!!

老女「泣くな泣くな、えー年こいて!ほれ!歩かんかい!もうすぐフェンマージに着くぞ!!」

 

 老女は意外と知恵のあるお婆さんで、突然の事態に困り果ててる俺に対し、見るに見かねて助言をくれた。行き倒れを助けてくれた恩を返したわけだ。

 この先にはフェンマージという村があって、さらにその先には本家「サソリ沼」という広大な沼沢地が広がっているらしい。そこから無事に帰ってきた者はおらず、小径が入り組んで前人未到の迷路のようになっているそうだ。

 ひょっとしたらそのどこかに、さっきと同じような“混沌の霧”が漂っていて、アランシアに抜け出るテレポートゲートがあるかも…。

 

老女「もしそうでなくとも、フェンマージには3人の魔法使いがいてな、そのうちの誰かは、元の大陸に戻りたいお前に力を貸してくれるかもしれん。ほれ、だから歩け歩け!フェンマージが見えてきたぞ!!」

 

 こうして俺らはフェンマージに着いた。

 老女はおんぶから降りると真鍮の指輪を俺に差し出す。「感謝の印にこれをあげよう。どうか、道に迷うことがありませんように!」と祝福の文句を唱えながら。

 すると不思議なことに、真鍮の指輪は光り輝いた。そして俺の小指にぴったりとはまる。この婆さん、相当な魔術の使い手だ!!

 

老女「これは魔法の指輪じゃ。はめている限り、どんな場所であっても北の方角がたちどころにわかる。絶対に方角を見失ったりはしない。」

ブリッツ「 … … … 」

老女「それだけではないぞ、そばに邪悪な者が存在すると、熱を持って警告してくれる。そいつがどんなに親しげな笑みを浮かべて近寄ろうとも、指輪が魔法で奴の醜い本心を暴く。」

ブリッツ「 … … … 」

老女「こいつがあれば、お前も元のブリッツ・キャッスルに、戻れるかもしれんのお?いったいどうやって戻るか、うーん、楽しみだのお♪」

ブリッツ「おい、ばあさんよ…」

老女「何じゃ?」

ブリッツ「元のアランシアに、あの立て札、こさえたのあんただろ。“ここより先、サソリ沼”っていう…そして俺を混沌の霧に誘い込んで…ちっきしょうめ!」

老女「くふふ…。この難しい運命をどう打開するかな。おもしろくかき回してくりゃれ、勇者ブリッツ殿よ。期待しておるぞ!」

ブリッツ「この魔女め!」

 

 「運命の魔女」は高笑いを浮かべながら村の人たちの中にまぎれる。慌ててその後を追ったが、彼女の姿は…消えていた…。

 要するに俺は彼女の暇つぶしとして弄ばれた、ってわけだ。

 呪いの文句を吐きつつも、冒険者的に、俺の顔は不適に笑っている。今まで誰も戻ってこない「サソリ沼」だって?前人未到の迷路だって?

 

 お も し ろ い ( ̄▽ ̄)

 

 だったら、探険してやろうじゃないの!

 ひょっとしたら、今までにない栄光と財宝が見つかるかもしれないぞ!!(←もうヤケクソ)

 

 

 

謎の男、グロナール(1) --Scorpion Swamp-- 

 

【技術点11/11 体力点19/19 運点11/11

 

 とりあえず日も暮れたので、俺はフェンマージの村で一軒しかない居酒屋に入ることにした。いろいろと情報も仕込んどきたいしな。

 フェンマージは多くの旅人が通過する村らしく、一見さんの俺が入っても、村人は別に驚いた様子もない。だが…俺が「サソリ沼に行くんだけど、誰か何か知らない?」と不用意に口を滑らした瞬間だ。ざわざわざわっ!と全員がどよめき、呆れかえって俺の周りに近寄ってきた。

 

村人1「よしたほうがええ、あの沼地から帰ってきたものはいねえずら!」

村人2「んだんだ、あんたのような冒険者の骨、いっぱい埋まってるだあよ」

村人3「あそこにいんのは、けだもの、怪物、飢えた山賊…ああっ、おっかねえっっ!!」

ブリッツ「あの、ええっと…」

酒場の主人「聞いたとおりだお若いの。つい最近“あるじ”と名乗る魔法使いの一団が、サソリ沼を自分の領地だと宣言したんさ。先週そのうちの1人の『狼のあるじ』が店にやってきただがね、ロクに話もしねえ無愛想な大男で、でっかい灰色狼2頭も連れとった。イヤ怖かったの何のって!!」

 

 フェンマージの村人はみんな善良で、もちろん俺がアランシアで数々の冒険を成功させていることなんて知らないわけだから、十中八、九はサソリ沼で命を落とすと思っているらしい。中には「あそこに行かせるわけにはいかねえだ!」と手を俺の肩にかけて引き止める人もいる。

 

 うれしいけどさあ、お節介だなあ。たはは…。なんとかなるってば。心配するなよ(つ´∀`)

 とにもかくにも、サソリ沼を冒険しないと元のアランシアに戻れなさそうだしな。まあ、この善良な村人といっしょに畑を耕して余生を暮らすってのも悪くはないかもしれないが。

 そんなわけで、酔っ払いどもに丁寧に事情を説明して、俺は居酒屋を出ようとする。ところがここで、1人の男が俺の行く手に立ちふさがった。

 なんだなんだ、お前も俺を引きとめようっての?(A )

 こいつは中年の小男で、四角く切りそろえたあごひげを生やしている。

 

グロナール「ブリッツさん…ですね?私はグロナールといいます」

ブリッツ「ああ、こいつはどうも…(ハッとして)って、何で俺の名を知っているんだ?」

 

 農夫にしか見えないグロナールだが、こいつは何か怪しい、と俺の直感が告げた。彼は俺の腕をつかみ、居酒屋の片隅にあるテーブルに連れて行く。

 

グロナール「私は、あなたが今日おぶってきた老婆、あの“運命の魔女”と知り合いでしてね…」

ブリッツ「…!それで?」

グロナール「貴方が本気で沼の恐怖に立ち向かうつもりなら、手当たり次第に探険するとか、けだものを退治するとかいうのではなくて、何かの目的があるのでしょうね?」

 

 ああ、そうさ。俺の目的はサソリ沼にあるかもしれないテレポートゲートを…っとと、アブネエ!

 まだこいつがどんな奴かわからねえ。真鍮の指輪は熱を発していないから悪人じゃないことは確かだが、とりあえず用心して「いやあ、オラ、アッタマ悪いけん、おめえの言ってることよくわかんねえや、ナハハ!」 と間抜けな振りをして、ヘラヘラ話をはぐらかす。

 だがグロナールは俺の猿芝居に騙されなかった。

 

グロナール「サソリ沼は今や、たいへん強力な魔法が働いているのです。あなたは見たところ勇敢な戦士のようですし、多少は魔法の心得もおありでしょう。けれども、魔法使いの助けを借りなければ、いったん沼地に踏み入れたが最後、おそらくは生きて戻れないと思われますね」

 

 俺はだんだん彼の話に引き込まれていく。なぜなら、男の声はとても物静かにも関わらず、俺の心にズンと響くような感じがするのだ。

 

グロナール「この村に、自分自身はとても沼地に出向けそうにない者が3人いましてね。その誰もが、進んで冒険に乗り出す勇士を求めています。そのうちの1人は、<善>に身を捧げた魔法使いです。彼ならばあなたを…」

ブリッツ「ちょっと待てよっ!」

 

 俺はグロナールの話を遮り、荒々しくどすんと椅子を立った。そういうふうに脅しながら、勝手に話を進めていくやり方は、ちょっとむかつくなあ(-∀ー#) 俺にだってちっぽけだけど、冒険者としてプライドはあるんだぜ。だからこう言い返してやった。

 

ブリッツ「依頼を受けるかどうかは、俺が決める!!」

 

 

 

謎の男、グロナール(2) --Scorpion Swamp-- 

 

【技術点11/11 体力点19/19 運点11/11

 

ブリッツ「がっかりだぜ、グロナールさん…」

 

 俺が怒鳴りつけるも、グロナールは黙ってビールのジョッキを飲み干している。

 

ブリッツ「“運命の魔女”といっしょに俺をアランシアからクールくんだりまで引っ張ってきて、結局はただの斡旋人ってわけか?あんたらの仕組んだ筋書き通りに俺は動かされて、今度はサソリ沼で骨までしゃぶられようってか?俺はあんたらのチェスの駒じゃないんだ、自分で必死に考えながら生きてんだよっっ!!」

 

 …ここで、ふと冷静さを取り戻した。そしてちょっと恥ずかしくなって、顔を赤らめる。

 あーなんか、勝手にキレちゃってる俺。カッコワルイなぁ。まあここんところ、環境の激変もあって、ちょっとストレス溜まっていたわけで…゛(6 ̄  ̄)ポリポリ

 だがグロナールは、そんなけんか腰の俺の態度に対して「あなたの声には正直な響きがある、ブリッツさん」と晴れやかに笑いながら返事した。

 

ブリッツ「あー、その…。すいません(ぺこり)。つまり俺が言いたいのは…」

グロナール「この世の中には、一見したところは荒っぽいというか単純でも、必ずや正義のために戦う者がいる」

ブリッツ「いやははは、そんな買い被らんといてぇな。照れるよ、ちょっと…」

グロナール「“善良なるセレイター”はその一人…勇士よ、そなたと同じ仲間だ。ただし、そなたは多くのことを学ばなくてはならないが…」

 

 あれれ?

 俺は目をこする。グロナールが、なぜか、だんだん姿が大きくなっていくような…。

 彼は十字架を縫いとったローブなんか着ていたっけ?

 あの腰に下げている立派な剣は、どこから現れたんだ??

 今は夜なのに、何で彼の後ろから光が差し込んでいるんだぁー???

 

ブリッツ「あなたは、どなたさま、ですか…((n;‘Д‘))ηガクガク」

 

 グロナールの発する後光に目がくらみ、俺は目をつぶってそう言うのが精一杯だった。

 彼はテーブル越しに手を差し伸べて、俺の額に触れる。情けないけど、びくん!と身じろぐ俺様。そしてくらくらっと目眩を感じてしまう。

 

グロナール「そなたが剣を捧げるべき属性は、ここに定まった」

ブリッツ「それはつまり…俺は…<善>…」

グロナール「幸いあれ、若き勇士よ。セレイターを訪ねなさい…」

 

 俺が再び目を開けると、グロナールの姿はなかった。戸口から出て行ったのか、ふっと消えうせてしまったのか、俺には何ともわからない。

 わかるのは、目眩がおさまった後、俺の気分はすごく爽やかで晴れ晴れとしている、ということだ。

 

 『原運点に2を加えよ』

 

 マ ジ で す か ぁ ! ヽ(゚∀゚)(゚∀゚)( ゚∀゚)(゚∀゚ )(゚∀゚)(゚∀゚)

 

 原点を上昇させるということは、これから先ずうっと(キャンペーンを通して)俺の能力値は上昇するということじゃねえか!!

 そっか、たぶん人間じゃなかったんだろうなあ。グロナールって…。俺は神様クラスの存在から直接、強烈な祝福光線を浴びたってわけだ。

 

 俺はザックを担ぎ、居酒屋を出る。

 超常存在であるグロナールからの天啓を受けた通りに、セレイターという<善>の魔法使いを訪ねることにしたのだ。ほら、なんつっても「善は急げ」ていうじゃん(←うわ、オヤジギャグ…)

 しかし、うーん、なにげにここが、人生最大のイベントというか選択肢だったのかもしれないな。

 この世に存在する3つの属性<善><中立><悪>のうち、どのスタンスでこれから俺は冒険していくか、という…。

 

 

 

善き魔法使いセレイターの依頼 --Scorpion Swamp-- 

 

【技術点11/11 体力点19/19 運点11/13

 

 鋳鉄でできた角灯の下をくぐり、俺は居酒屋の外に出る。そういえば…セレイターの家はどこなんだ?グロナールも肝心なこと教えてくれなかったじゃんよ(><)

 しょうがないので隣の店の親父に声をかけたり、通りすがりのオバサンなんかに道を聞いたりして、彼らに教えられた通りに歩いてみる。

 驚いたのは、誰もがみなセレイターの居場所を知っていた、という事実だ。俺が思っている以上に、彼は「いい人」で、村の人気者なんだろうな。

 

 夜中はちょっと村から離れたところで仮眠をとって野宿して、早朝、村はずれにある小さな家に辿り着いた。俺が近づくと、家の中からずんぐりした小男が出てくる。白いチュニックとリネンの半ズボンを身につけて、ニコニコしている。

 

ブリッツ「セレイターさんかい?俺は冒険者の…」

セレイター「あー!ブリッツ君だね!(にこにこ)グロナールから話は聞いたよ。助けになってくれるそうだね。(にこにこ)さあさあ、わしの家で話を聞きながら朝食はいかがかな?(にこにこ)」

 

 おお、噂どおりのいい人だ!(・∀・)

 初対面の俺に向かって、こんなにフレンドリーに接してくれるとはなあ。俺はあつかましくもお邪魔して、美味しいトーストと目玉焼きをご馳走してもらう。

 

セレイター「ところで、未知の沼地をどうやって通り抜けるつもりかね?」

ブリッツ「えっと、実はとある魔女から、悪人を感知できる真鍮の指輪を授かってね。こいつがあればなんとかなるかなあ、と思って、はい…」

セレイター「うん!君は実にわしが捜し求めていた相手だ。君ならば、成すべきことがちゃんとできるだろう!」

 

 <善>の魔法使いセレイターは微笑みかけ、俺はちょっと誇らしいキモチになる。えへへ、照れるなあ( ´∀`)

 そんなわけで和やかな雰囲気の中、セレイターは仕事の依頼を話すのだった。

 

○昔々、アンセリカという植物があった。これは様々な病を治す薬草として、白魔術師にとって貴重な植物だった。

○そのため邪悪な魔道師たちは、この偉大な植物を根絶やしにしようと考えた。この企みは成功し、クール大陸、いや、タイタンの世界から、アンセリカはほとんど姿を消してしまった…。

○ところが!セレイターが調査を重ね、水晶玉で占ったところ、サソリ沼地帯の奥深くにアンセリカが1本だけ生き残っているのがわかったのだ。

○アンセリカは深緑のちっぽけな灌木で、よい匂いのする白い花と、紫色の実をつける。その実を一個だけでも持ち帰ってくれたなら…

 

 「わしの魔法で、白魔術師全員に行き渡るほどのアンセリカを育てられる!」何となくチャーミングな老人のセレイターは、ウキウキした様子で話を続ける。「あの沼地に眠るたくさんの宝物は、全て君のものだ。わしはアンセリカの実が1個あればいい。それからさらに報酬として…」

 

 彼はキラキラと虹色に光る不思議な石を、俺に見せた。

 

セレイター「これはこの世に1つしかない<瞬間移動>の魔法石だ。昨日、グロナールとかいう謎の男がやってきてね、“アランシアからやってくるブリッツという勇者が君の冒険を助けるから、成功したら、これを報酬として与えたまえ”と言って、わしの元に置いてった」

ブリッツ「わお!それさえあれば!!!(・∀・)

セレイター「うむ、君の元いた大陸…アランシアとか言ったっけ?…そこまでたちどころに帰還することができるそうだ。ただし!これを授けるのは!?」

ブリッツ「ああ、アンセリカの実と引き換え、だろ?わかってるって!!(^v^)」

 

 「サソリ沼」の宝は全部俺のもので、しかも俺の領土のブリッツ・キャッスルまで戻してくれる手段も授けてくれるとなりゃあ、この依頼は受けるしかないな!

 俺は二つ返事で快諾する。セレイターとしっかり握手!!

 セレイターはニコニコしながら、自分の手持ちの(さっきの<瞬間移動>は別にした)魔法石のコレクションを俺に見せてくれる。さらに、この中から6つの魔法石を選んで持っていけ、と言ってくれる。

 ただし、セレイターは<善>の魔法使いだから、この中に<悪>の魔法石はない。選べるのは<中立>と<善>の魔法石のみ、か。

 

○中立の魔法石 <技術回復><体力増強><開運><火炎><氷結><目くらまし>

○善の魔法石 <友情><繁茂><祝福>

 

 この中から6つか。うーん…よし、こうしよう!俺が選んだのはこんな感じ。

 

 <技術回復> <体力増強>×2 <火炎> <友情> <祝福>

 

 これで計6個だ。能力回復系では、まあFighting Fantasyのルールシステム上、<技術回復>は絶対外せない。その代わり<開運>は、さっき原運点が上がったことだし、いらないと思った。その分<体力増強>を2個にした。都合20点分のダメージを回復できる。原点回復薬1本分だな。

 <火炎>は中くらいの大きさのものを発火させる魔法。今回、植物系の敵が出てくるとみた!

 <友情>はいわゆるチャーム・パーソン。戦闘じゃどうにもかなわない敵が出てくるときもあるかもしれない。ま、そのときの保険だな。

 <祝福>は自分じゃなくて他人の怪我を治す魔法。失った技術点・体力点・運点が3点ずつ回復するらしい。これも役に立ちそうだ!こういうところで傷ついて弱っている人ってのは、だいたい助けてあげると、すごいアイテムくれるはず。それがFFクォリティ。

 

 俺はこれらの魔法石をザックにしまい、セレイターに別れを告げて、一路サソリ沼に向かう。

 これからの旅は危険がつきまとうが、年取った魔法使いの知恵と好意に支えられている…はずだ…たぶん…。

 というわけで<善>ルートを選択した、俺の使命はこうなった。

 

 『アンセリカの実を見つけ、セレイターの元へ持ち帰れ』

 

 

 

狼のあるじに魔法をかける --Scorpion Swamp-- 

 

【技術点11/11 体力点19/19 運点11/13

 

 さてここから、いよいよサソリ沼に入るわけだが…。

 

 このGamebook、じつは世界初の「パラグラフ双方向型」である、つまり、ある地点に入るとイベントが起こるのだが、このGBの場合、それは「空地」だ。イベント地点の空地には番号が振られている。それを線と線でつないでマッピングしていくと、より冒険が成功に近づくわけだ。

 さすがGURPSやカー・ウォーズを生んだゲームデザイナー、アメリカの方のスティーブ・ジャクソンだ。新大陸からの風、吹き込んでくれるねえ。

 

 さて、俺はサソリ沼の南端に立っている。

 相変わらず薄どんよりとした霧が立ちこめているのだが、真鍮の指輪のおかげでどちらが北かちゃんとわかるので、心強いことこの上ない。

 北に伸びる小道の近くの丸石には、頭蓋骨と交差した骨の薄気味悪い図柄と、警告文が書きなぐられていた。「止まれ!サソリ沼だ!引き返せ!!」

 だけど小道から外れて泥の中にずぶずぶと埋まるのもなあ…。ということで俺はかまわず小道をたどって、「サソリ沼」の中に足を踏み入れたのだった。

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地1だ。 ここから出ている小道は東、西、南。このうち南はフェンマージに戻る道だ。東と西はわからない。

 3本の小道が出会って広くなった場所で、地面はぬかるんで歩きにくい。空地の中にところどころ、巨大な昆虫が飛び交う大きな泥沼が侵食してきているぞ。

 さて、この泥地を注意深く迂回して歩くか、それとも「けんけんぱっ」の要領でさっと飛び越えていくか…。こんなとこで怖気づいて時間を浪費してもしょうがない。颯爽と俺はジャンプして飛び越えることにした。

 するとなになに、2d6して現在の体力点以下なら、飛び越え成功か。まあ、今の体力点は19点だから、絶対成功するけど…。失敗したときは技術点-1だってさ。相当リスク高いじゃん。体力を消耗して帰ってくるときには、注意しとかなきゃな。

 さあ、次の空地に進もう。俺はとりあえず当てずっぽうでここから西に進む。

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地4だ。ここから出ている小道は東、北。このうち東は空地1(泥沼)に続く道だ。北はわからない。

 丸太小屋が建っている。かすかに犬の唸り声も聞こえる…いやちがう、小屋の横手から俺を警戒してにらみつけているのはだ!

 いきなり小屋の扉が開き、たくましい大男がぬうっと出てきた。こいつの服装は剣を吊るしたレンジャーのようだが、胸に光るのは銀でできた狼の護符だ。そうか、居酒屋の噂で聞いたな。こいつが「狼のあるじ」か!

 

 顔は怖いけど根はいい奴かもしれない。俺はとりあえず親しげに話しかけてみた。しかし狼のあるじは「ここからさっさと立ち去れ!」とぶっきらぼうに答える(´・ω・`)ショボーン

 まあ、そう言うならさっさと立ち去るのもいいけどさあ…。でもここでいっちょ、セレイターのもらった魔法石を実用テストしてみるのもいいかもな。というわけで<友情>の魔法石を発動させてみた!

 …どうなるかな???俺はドキドキしながら結果を見守る。

 すると、狼のあるじはニコッと笑う。そして「さあさあ!入りたまえ!」と俺の背中をバンバン叩いて、自分の住居へ招きいれようとしてくれるではないか!(・∀・) おおー、魔法石って、こりゃあ強力なアイテムだぞ。以後は大事に使うことにしよう。

 ここで彼の無防備な背中に不意打ちを食らわすこともできるが、ほら、俺、今回は<悪>じゃなくて<善>だからさあ、それはやめておくよ(笑)。

 

 こうして俺は狼のあるじと仲良くおしゃべりできた。「川を渡る楽な道を行きなさい。早まってワナがあると勘違いしてはいけないよ」と、彼は忠告をくれる。なるほど、そこは安易な手段で渡る方が、より安全ってことだな。

 それから、狼に脅されたときに唱える呪文も教えてくれた。「イサナケツオキ、ヨノナミカオオハコトオ」と発音すればいいそうだ。

 

 ちょっとまて、それって逆に読むとバキューン(←粛清音)

 

 ま、まあとにかく、その言葉を口にすると、狼はおとなしくなるらしい。これから先、飢えた狼はモンスターとして出てきそうだから、役に立つことは間違いないな。アンガトヨ!(^v^)

 さあ、そろそろ<友情>の持続時間が切れる頃だ。出発しなくちゃな。

 俺はこの空地から北に向かうことにする。

 

 

 

ヒルの棲む川を渡り、剣の木と初戦闘 --Scorpion Swamp-- 

 

【技術点11/11 体力点19/19 運点11/13

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地34だ。ここから出ている小道は南、北。このうち南は空地4(狼のあるじ)に続く道だ。北はわからない。

 いくつかの浅い小川を渡ってきたが、この空地を横切っている川は、どーんと幅が太く、底も淀んで見えない。無事に渡れるかどうかちょっと不安だ…。ここでの選択肢は3つ。

 

1)<氷結>の術を使うか?

2)<枯らし>の術を使うか?

3)細心の注意を払って川を渡るか?

 

 <氷結>も<枯らし>も持っていないから、足で渡るしかないね(´・ω・`)ショボーン

 でもさっきの空地4“狼のあるじ”が言ってたじゃん。「川を渡る楽な道を行きなさい。早まってワナがあると勘違いしてはいけないよ」って。だったら大丈夫だろう!

 というわけで俺は一歩一歩、用心深く川の中に入っていく。

 ばしゃ…ばしゃ…ふう、無事に渡りきったぜ!やっぱり何事もなかっ…あれえ、何だか脚がむず痒いんですけど???

 俺がズボンの裾を上げてむこうずねを見てみると…

 

 Σ(゚д゚lll) ひいっ!!ひひひ、ヒルだあ!

 

 何匹かの大きなヒルが、ちうちうと俺の脚の血を吸っている。『サイコロを2つ振り、小さい方の目の数だけ体力点を失う』だって!ここで2d6…出目は2,3か。俺はここで体力点を2点、無条件に失ってしまった。狼のあるじ、ウソツキだ…(´;ω;`)ウウッ

 だけどまあ、他の選択肢だったら、もっとヒドイ目に遭っていたのかもしれないな。そう納得することにしよう。

 俺はこの空地から北に向かうことにする。

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地18だ。ここから出ている小道は西、南、北。このうち南は空地34(ヒルの川)に続く道だ。西と北はわからない。

 周りには見慣れない木が何本か立っている。その脇を通らないと先に進めないわけだが…この樹木の色は深緑で、小さく曲がりくねった枝がついているうねうねうね…え?何だか枝が動いているような(つд⊂)ゴシゴシ

 あらら、やっぱ動いてるう!しかも剣持ってるう!!

 こいつらは枝に剣をくくりつけ、旅人に襲いかかる剣の木という奇怪なモンスターだったのだ。俺という非常に高タンパクな動物がテリトリーに侵入してきたので、切り刻んで自分たちの肥やしにしようと待ちかまえている。

 相手は植物性だし<火炎>を使うか?いやだめだ、数が多すぎる。というわけで俺は剣を握り締め、戦闘に突入した!

 剣の木は何本か生えているが、全体をまとめて1つの敵として戦うことになる。

 

【剣の木 技術点9 体力点12

1R (剣の木/15)(ブリッツ/18) 剣の木/体力点-2

 幸い、こいつらには視覚能力がない。

2R (剣の木/16)(ブリッツ/19) 剣の木/体力点-2

 だからやみくもに剣で切りつけるだけだ。

3R (剣の木/16)(ブリッツ/22) 剣の木/体力点-2

 落ち着いて戦えばこっちのペースだぜ!(^v^)

4R (剣の木/18)(ブリッツ/22) 剣の木/体力点-2

5R (剣の木/11)(ブリッツ/23) 剣の木/体力点-2

6R (剣の木/15)(ブリッツ/23) 剣の木/体力点-2

 

 最後は力でガンガンガン!と押しきり、奴らの伸びた枝はことごとく斬り払われた。幹、というか胴体だけとなり、クネクネするだけの剣の木。さすがに斧は持っていないから、根元からぶち切るわけにはいかないな。

 俺は辺りを見回す。目につくのは剣の木から落ちたであろう何粒かの種だけだ。俺はそれをザックにしまい、さっさとここを抜けることにした。

 ギクッ!((((;゚Д゚))) 枝を切られてクネクネうねるだけの剣の木の幹から、早くも新芽が吹き出ている!何て成長力だ!!急がなきゃ…

 俺はこの空地から西に向かうことにする。

 

 

 

鉤爪獣を撃退し、剣の木とのセカンドバトル --Scorpion Swamp-- 

 

【技術点11/11 体力点17/19 運点11/13

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地6だ。ここから出ている小道は東のみ。このうち東は空地18(剣の木)に続く道だ。

 不気味にぽっかりと細長く開けた場所に出た。他に小道はひとつもなく、どうやら行き止まりのようだ。やれやれ… ┐(゚〜゚)

 とりあえずちょっと休憩するか。おれは空地の真ん中にある大きな丸石に腰掛けようと近づく。

 ところがその丸石は、不意にのそーりと動いた!

 あれは灰色の石じゃない、灰色の粗い毛だ!

 赤い目がぎろりと俺をにらむ。このモンスターは『バルサスの要塞』でも遭遇したことがあったな。鉤爪の生えた6本足の獣、鉤爪獣のお出ましだ!

 この凶暴な獣は強靭な皮と巨大な鉤爪を持ち、しかも俺より足が速い!対抗できる魔法なんざ持ってねえ。というわけで、生き残るために俺は剣を振るうことになる。

 

【鉤爪獣 技術点9 体力点10

1R (鉤爪獣/15)(ブリッツ/23) 鉤爪獣/体力点-2

2R (鉤爪獣/19)(ブリッツ/16) ブリッツ/体力点-2

3R (鉤爪獣/13)(ブリッツ/18) 鉤爪獣/体力点-2

4R (鉤爪獣/15)(ブリッツ/21) 鉤爪獣/体力点-2

5R (鉤爪獣/13)(ブリッツ/15) 鉤爪獣/体力点-2

6R (鉤爪獣/17)(ブリッツ/18) 鉤爪獣/体力点-2 ←Kill!!

 

 あっつー!1回引っかかれて血がぴゅーっと吹き出たものの、何とかやっつけた!戦闘の記念として、岩のように堅い鉤爪をいくつか切り落として持っていくことにしよう。何かの役に立つかもしれないな。たとえば、うーん、髭剃りとか…(笑)

 さて、ここは行き止まりなので小道は東にしかない。というわけで…

 俺はこの空地から東に向かうことにする。

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地18だ。ここから出ている小道は西、南、北。このうち南は空地34(ヒルの川)、西は空地6(鉤爪獣)に続く道だ。北はわからない。

 さっきはここで剣の木と一戦やらかしたわけだがうねうねうね…え?モーレツなデジャブーを感じる俺様(つд⊂)ゴシゴシ

 奴ら復活してるう!剣を持って、また襲いかかってくるう!!

 あーもう、シツコイ奴らだなあ!ヽ(`Д´)

 

【剣の木 技術点9 体力点12

1R (剣の木/15)(ブリッツ/14) ブリッツ/体力点-2

2R (剣の木/17)(ブリッツ/17) Draw

3R (剣の木/15)(ブリッツ/17) 剣の木/体力点-2

4R (剣の木/18)(ブリッツ/18) Draw

5R (剣の木/17)(ブリッツ/17) Draw

 う、今度はちょっと手ごわいぞ。というか、俺が疲れているのか…。

6R (剣の木/17)(ブリッツ/20) 剣の木/体力点-2

7R (剣の木/16)(ブリッツ/21) 剣の木/体力点-2

8R (剣の木/17)(ブリッツ/18) 剣の木/体力点-2

9R (剣の木/18)(ブリッツ/18) Draw

 ぜえぜえ、息が切れてきたよ…(;´Д`)

10R (剣の木/16)(ブリッツ/20) 運試し吉 剣の木/体力点-4

 こいつ体力点12もあるんだもんなあ。えーいめんどくせえ!!

 

 どりゃ!消耗戦にケリをつけるべく、俺は「運任せスマッシュ」を放ち、再び剣の木の枝を裁ち切って無力化した。あー疲れた。もう植木職人にでも転職しようかな…。

 だがまた奴らの幹からは新芽がひいい!Σ(゚д゚lll

 急いでこの空地から出なきゃ。それから、何回倒しても、ここの空地18は剣の木と戦うことになる(パラグラフ双方向型、恐るべし!)。

 無意味な戦いをこれ以上したくないなら、フェンマージに帰還するときは別のルートを選ぶ必要がある。このこともしっかりと覚えておくことにしよう。

 俺はこの空地から北に向かうことにする。

 

 

 

ユニコーンの怪我を治す --Scorpion Swamp-- 

 

【技術点11/11 体力点13/19 運点10/13

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地29だ。ここから出ている小道は東、西、南、北。このうち南は空地18(剣の木)に続く道だ。東と西と北はわからない。

 いくぶん下り坂となった小道を歩くと、草の生えた空地に出た。空地の真ん中には身体の白い動物が横たわっている。

 馬?いや違う!額に突き出た一本の角…ユニコーンだ!(・∀・)

 気高いユニコーンの脇腹に大きな鉤爪の跡がついている。どうやら傷を負っているらしい。だが俺は処女じゃないわけで(笑)、こっちを見ると立ち上がって角を低く構え、ヒヒィーン!と雄たけびを上げた。やっぱり男は敵なわけね。アハハ…

 襲いかかられたらタマランしなあ。ここは退散しよっか?でも、何となく見捨てておけない。ちょっとここで魔法を使って、こいつの怪我を治してあげよう。

 俺は<祝福>の魔法石を発動させてみた。

 

ブリッツ「大丈夫、大丈夫…怖くない…ね?」

 

 と、ナウシカのように優しく語りかける俺様( ● ´ ー ` ● )

 ユニコーンの怪我はみるみるうちに治っていき、「ヒヒーン…」と優しくいななく。傷はほぼ治って、彼はたくましさを取り戻した!!

 よかったな、って、おい、どこに行く??

 ユニコーンはちょっと俺から離れて、空地の縁に歩いていき、そこの地面を角でざくざくと掘り返した。そうしてからこの空地から遠ざかっていき、姿を消してしまった。

 俺はその穴を覗いてみる。すると…おお!セレイターにもらったのと同じ魔法石が2個埋まっていた!<友情><開運>の魔法石だ!!

 やったぜ、差し引き1個分の魔法石をゲットしたわけだ(^v^)

 ユニコーンの感謝の気持ちをありがたく受け取り、俺は旅を続けることにする。この空地からは東西南北どこからも出られるが…。

 さっきは西で行き止まりだったしな。よし、今度は東に向かうことにしよう。

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地5だ。ここから出ている小道は東、西、北。このうち西は空地29(ユニコーン)に続く道だ。東と北はわからない。

 木の茂みが途切れて空地に出てきたわけだが、ここは、どうにも修羅場だったらしいな…。

 地面はめちゃくちゃにえぐられ、草の上に血しぶきがかかっており、木には矢が突き刺さっている。ついさっきまで戦闘が行われていたようだ。

 手負いのモンスターがいるかもしれない。俺は注意深く空地に踏み込み、周りを調べてみる。

 ぐにゃ。うわビックリ(>ω<)

 俺が踏んづけたのは沼オークの死骸だ。

 じゃあ、この忌まわしいヒューマノイドに止めを刺した人物は…

 

 …見つけた。

 

 大木にもたれかかり、3本の矢を胸に突き刺して、絶命している人間の戦士だ。彼の足元にはさらに2匹の沼オークが死んでいる。壮絶な死に様だ。なむなむ…(ー人ー)

 そうだな、明日が我が身かもしれないしな。俺は土を掘り、この戦士を手厚く葬ることにした。そうしている途中で、彼の胸に磁石の形をした金のペンダントがぶら下がっているのに気づく。

 あのう、これ、埋葬料代わりにもらっていきますんで…ヒトツヨロシク…。

 

 さて、そのほかには、ここに何もないようだ。

 この空地から出る小道は3本あるが、東への道は他よりも狭くて暗い。じゃあ避けた方がいいな。無理して危険に飛び込むことはあんめえ。かといって、西はユニコーンの空地に戻っちゃう。

 じゃあ、北だな。北。俺はこの空地から北に向かうことにする。

 

 

 

いけしゃあしゃあとした泥棒 --Scorpion Swamp-- 

 

【技術点11/11 体力点13/19 運点10/13

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地9だ。ここから出ている小道は東、南、北。このうち南は空地5(戦場跡)に続く道だ。東と北はわからない。

 割りと見晴らしが開けていて、気持ちのよい空地だ。節くれだった樫の木の幹にもたれて、黒っぽい服を着た陽気な小男がランチを広げている。傍らに置かれた、食料を詰めたピクニック用のバスケットが、何とものどかに見える。

 彼はチーズ切り用のナイフ以外に、武器は持っていないようだ。俺に気づくと気さくに声をかけてきた。「やあ、戦士君。いっしょに食事をしないかね?」 

 人懐っこい笑みだ。だが、俺の指にはめた真鍮の指輪がチリチリと熱い。

 警告を発しているのだ。彼は<悪>だと。

 

 俺は用心しながらそーっと腰を下ろす。

 

ブリッツ「あんたの名は?」

泥棒「俺はネッコーソ・ギウバウ。以後よろしく(ウィンク)」

ブリッツ「で、ギウバウさんは、ここで何をしてるんだい?」

泥棒「旅人の持ち物を盗むのさ」

 

 いけしゃあしゃあと、奴はそう答えやがった!!!

 

泥棒「そこの小道から人が来ると、俺のしかけた網が落ちて、そいつを捕らえるんだよ」

 

 男は人差し指を上に向ける。今まさにネットが俺の頭上に落下するところだ!

 はい、ここで運だめーし!2d610、ギリギリ吉!!あっぶねー!!!Σ(´Д`lll)

 俺はとっさに降りかかるネットを避けて地面に転がる。それが幸運だった。さらにこの男は腕を伸ばし、俺の首に細く強靭な紐、ギャレット(絞首具)を引っかけようとしていたのだ。だが俺は伏せていたので、それも避ける。

 素早く跳ね起きて剣を抜く俺。泥棒も舌打ちしてから「死にさらせえ!」と怒りの声を上げ、短剣で鋭い突きを仕掛けてくる。だがな、死ぬのは貴様の方だ!!

 

【泥棒 技術点10 体力点9

1R (泥棒/16)(ブリッツ/16) Draw

2R (泥棒/16)(ブリッツ/19) 泥棒/体力点-2

3R (泥棒/15)(ブリッツ/21) 泥棒/体力点-2

 奴がペロッと舌なめずりする。そして「本気でイクぜ!」とほざきやがった

4R (泥棒/21)(ブリッツ/18) ブリッツ/体力点-2

 うわ、こいつ、速い!

5R (泥棒/17)(ブリッツ/1ゾロ) ブリッツ/体力点-3

 やべえ、ファンブった!!

6R (泥棒/17)(ブリッツ/16) ブリッツ/体力点-2

 だめだ、敵の方が足が速い、逃げられねえ!!

7R (泥棒/13)(ブリッツ/18) 泥棒/体力点-2

 くそ!この!!

8R (泥棒/17)(ブリッツ/14) ブリッツ/体力点-2

 あーもう、蛇のようにしつこいな、こいつのナイフは!!

9R (泥棒/12)(ブリッツ/15) 泥棒/体力点-2

 だが、奴が泥でずるっと足を滑らす。もらった!

10R (泥棒/14)(ブリッツ/20) 泥棒/体力点-2 ←OverKill!!

 一瞬の隙を見逃さず、俺は奴を唐竹割りに仕留める!!

 

 ふえー、ヤバイヤバイ(;´Д`)

 泥棒の死闘を終えたら、体力点-9、残り4点まで低下しちまった!!

 決して利口じゃないが、手ごわい奴だったな…。俺は奴の荷物を調べる。役に立ちそうなのは、奴が身に着けていた、たっぷりした赤マントだけだ。バスケットの中の弁当を食べるも…体力点は回復しないのねえ(´・ω・`)ショボーン

 とりあえず体力点が残り4点では、即お陀仏なので、俺は<体力増強>の魔法石を発動させる。回復点数は原体力点の1/2(端数切上げ)だから、これで体力点が+10されたぞ。

 だけど、まだまだ序盤なのになあ…(泣)

 

 まあ、悲観的になってもしゃあない。ここからまだ行っていない方角は東と北。どうやら北は下り坂のようだから、疲れなくていいな。

 よし、さらに北へ向かってみよう!

 

 

 

腐蛆病川沿いに歩くも、渡河点見つからず… --Scorpion Swamp-- 

 

【技術点11/11 体力点14/19 運点9/13

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地20だ。ここから出ている小道は西、南。このうち南は空地9(泥棒)に続く道だ。西はわからない。

 歩き進むにつれて今度は上り坂になっていく。行く手には空が広がるくらいの急な登りだ!ええっと、疲れたくないのにい…ちょっと待ってよ(><)

 そしてとうとうたどり着いたところは、断崖だ。北の方角に陰気な腐蛆病川(Foulblood River)を見下ろすところに出た。ここから河面までは約20m。下の水辺では、巨大なワニたちが日なたぼっこをしている。はるか東には橋らしきものも見えるが…さてどうする?

 

1)南を目指し、湿原に入り込むか(つまり空地9に戻る)

2)川に沿って西に歩くか

3)川に飛び込んで、北に泳ぐか

4)川に飛び込んで、東に泳ぐか

 

 いやあ、川に飛び込むのは論外だろう。高さ20mだよ、20m。しかもワニつきだよ(笑)

 はいはい、無理しない、ムリ、しなーい( - _ - )

 というわけで俺は無難に(3)を選び、てくてくと川沿いに西へ向かうことにした。

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地33だ。ここから出ている小道は東、南。このうち東は空地20(断崖)に続く道だ。南はわからない。

 ここも腐蛆病川に面した空地だ。この川、なかなかでかくて、北の対岸まで200mはあろうかという川幅だ。そして水の中には…ワニ。

 <氷結>の魔法石があれば、水面を凍らせて渡るってのも選択肢のひとつなんだが…まあ、ないもんはないで、しょうがない。東に戻るのもムダなので、俺は腐蛆病川の河岸から離れ、南に歩く方向を変える。

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ごほげほ!( >д<);'.

 南に歩いていくと、ひどい悪臭のする霧に巻き込まれた。硫黄?いや、メタンだ、メタンガス!そこかしこにある腐敗した動物の死骸に溜まった毒ガスだ!!

 俺は極力息を止めて歩き続けるが、それでも少し肺に入り、体力点2を失う。くそ!

 空地33の南の小道は、強制イベントで体力点-2…と。しっかり覚えておいて、二度と通らないようにしないと!

 この地点は北と南に行ける。北は腐蛆病川沿いの空地33なのがわかっているので、南に歩くと…たぶん…

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 やっぱり!

 ここは空地29だ。ここから出ている小道は東、西、南、北。このうち東は空地5(戦場跡)、南は空地18(剣の木)、北は悪臭の霧を抜けて空地33(川沿い)に続く道だ。西はわからない。

 以前ユニコーンと出会った空地だが、今は何もない。ぐるっと回って、またここに戻ってきたわけだ。やれやれ…。

 ここからまだ行ってない方角は、西しかないか。俺はそっちに足を向ける。

 

 

 

「恐怖の花」の幻 --Scorpion Swamp-- 

 

【技術点11/11 体力点12/19 運点9/13

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地23だ。ここから出ている小道は東、北。このうち東は空地29(ユニコーン)に続く道だ。北はわからない。

 そこかしこに花が咲いている野原に来た。あらメルヘンねえ♪(*´∀`)

 

 だが…チリチリ…チリチリ…真鍮の指輪が熱い。

 

 どこだ、どこに<悪>がいる?あたりを見回してもきれいな花が目に入るだけなのだが??いや、ひょっとしたら、この小さな白い花は…そうだ、花自体が…!!

 俺はサラモニスの魔法学校時代に読んだ、古い書物を思い出す。

 

=======================================

「恐怖の花」

 それは太古より伝わる呪いの植物。

邪悪なマナをたっぷり吸い込んだ土壌を養分として、小さな白い花を咲かせ、群生する。

花粉を吸い込んだ者に恐るべき幻覚をもたらし、精神を変調させ、最悪の場合は死に至らしめる。

=======================================

 

 だが、思い出すのが一歩遅かった。俺はすでに空地の中央まで入り込んでいたのだ。

 

 ふはははは…ふははははははは…!!

 どこからか俺をあざ笑う声がする。振り返ると、お、お前は火吹山のザゴール!そうか俺に復讐しに、冥土から甦ったゾンビだな、コノヤロー!

 俺は剣を振るうも、火吹山の魔法使いの身体をすり抜けてしまう。

 くそっ!幽霊か、実体がねえんだ、ああっ、背後には、バルサス!バルサス・ダイア!!貴様も甦ったのか、俺の一撃をくらえいいい!!

 だめだ、奴も傷つけられねえ…。いつの間にか俺は、今までの冒険で倒してきた面々、ダークウッドの森の女盗賊、黒き塔のザンバー・ボーン、さらには、俺の戦友だった、ファングの地下迷宮の蛮人スロム(!)、オイスターベイの快活な戦士マンゴ(!!)たちに囲まれている。それぞれが血をダラダラと流し、半ば白骨、半ば腐敗した肉体の身体をカタカタと動かし、恨めしそうな目でずるずると這い寄ってくるのだ。

 

亡者たち「お前にやられたあぁぁあぁぁ…いたいぃぃぃ…いたああいいいい…」

ブリッツ「や、やめろ、来るな、ひいいいいい!!」

亡者たち「お前は、俺を、見捨てたああぁぁぁぁ…」

ブリッツ「違う、そうじゃない!スロム、マンゴ、仕方なかったんだっ!!」

 

 俺は無茶苦茶に剣を振るうも、なぜか奴らに当たらない。そのうち奴らの骨だらけの手が俺の腕をつかむ。やめろお、さわるなああああ!!

 身震いが止まらない。戦慄した俺は無条件で技術点-1だ。パニックだ!もう、どうしていいかわからない!

 

 だが、戦士の本能として、とにかくここから逃れなければならないことだけはわかる。

 そうだ、これは幻だ!恐怖の花が見せる幻覚だっ!そう心に言い聞かせ、俺は目をつぶって一目散に空地を走る、走る、走る!!

 だがしかし、背中から追ってくる亡者たちのうめき声。さらに激しくなる恐怖。そうなるとさらに技術点-1だ…

 

亡者たち「待てえええ…待てええええええええ…」

ブリッツ「うっっっわああああああっっっ!!」

 

 俺は喉もかれろとばかりに大声で叫びまくり、何とか意識を正気の世界に繋ぎとめる。

 周りに白骨があった。おそらく恐怖に耐え切れなくなってこの場で自殺したり、発狂して空地を出られなくなり、飢え死にした犠牲者たちだろう。

 

 だが、俺は、何とか、耐え抜いた!

 

 ぜえ、はあ、ぜえ、はあ…。ここまで来れば大丈夫かな。生き残った代償は技術点-2か。ううう今回もだんだん、能力値がカツカツになってきたなあ(><)

 花粉を吸い込まない場所まで走りぬくと、恐怖感もいくらか薄らいできた。深呼吸して落ち着いてから、次に進む方角を定める。

 ぶるるっ!まだ寒気がする。もう二度とこの空地23には来たくないな。何とか迂回できるといいんだが…えーと、まだ行ってない方角は北か…。

 俺はこの空地から北に向かうことにする。

 

 

 

鳥の女あるじの御厚意 --Scorpion Swamp-- 

 

【技術点9/11 体力点12/19 運点9/13

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地14だ。ここから出ている小道は南のみ。このうち南は空地23(恐怖の花)に続く道だ。

 あたりの様子が変わってきて、沼地というより、熱帯のジャングルのようになってきた。前方の低い木の枝にオウムが止まっている。オウムは俺に話しかけてきた!「君は誰だね?鳥の女あるじ様にどんな用がある?」

 そうか、ここはサソリ沼に点在する“あるじ”のテリトリーらしいな。そしてオウムによれば、“鳥のあるじ”はどうやら女性らしい。とりあえず能力値もヤバ目だし、ここは友好的にいくか…。

 

ブリッツ「俺は冒険者ブリッツ。あんたの主人にお会いしたいんだけど…」

オウム「まっすぐ歩いていきなさい。女あるじ様は君が来るのをご存知だよ」

 

 オウムは小利口にそう告げる。丈の低い棕櫚(しゅろ)の木立を潜り抜け、俺は美しい空地に足を踏み入れた。

 チチチ…チュンチュン…クエークエー…うわー、すごい音の鳴き声だ(@o@)

 アオサギ、ワシ、ハト、フクロウ、その他もろもろ、何千羽もの鳥が飛び回ったり、地面でくつろいでいる!!

 そしてその真ん中に、きれいな妙齢の女性、鳥の女あるじが腰を下ろしていた。

 

鳥の女あるじ「ようこそ我が領域へ。あなたがサソリ沼に来ているのは、すでに鳥たちが知らせていました。さて、私に何の御用ですか?」

 

 彼女はゆっくりと微笑んでこう聞いてきた。文章によると『君の答えはもちろん、仕えている相手次第だ』だってさ。

 指輪は冷えている。彼女は<悪>ではない。だったら正直に話すことにしよう。<善>のセレイターの依頼を受けたこと。そしてアンセリカの実を探していること…。

 すると彼女は手を叩いて喜んだ!「本当に、アンセリカの木がまだ残っていたの?」

 そう、彼女も<善>の魔法使いだったんだ!俺の使命が<善>の勢力拡大になることを、彼女は重々承知している。だから熱っぽく俺の手を握り、激励してくれるのだった。えへへ、照れるなあ(〃⌒ー⌒〃)

 

 彼女はさっそく偵察役として頭の良さそうな小鳥を何羽か飛ばし、アンセリカの居場所を探ってくれた。

 そして待っている間に魔法薬までくれる!俺の能力値のうち1つを原点まで回復させることができる!わぁ。すっごくいい人だぁ(* ̄∇ ̄*) 

 回復させるのは技術点と体力点、どっちがいいかな…うーん、よし、ここは体力点を回復させよう。技術点は<技術回復>の魔法石があるからな。

 

 そんなこんなして、鳥の女あるじとお茶でも飲んでくつろいでいると、小鳥たちが戻ってきた。ちちち、ちちち…と鳥の言葉で会話を交わす彼女。そして、にっこり微笑んで、俺にこう言った。

 

鳥の女あるじ「セレイターは正しかったわ!アンセリカの木は、ここの北東に生えています」

ブリッツ「マジっすか!(゜∀゜) あ、でも…(A )

鳥の女あるじ「どうしたの?」

ブリッツ「この空地14から出るには南に行くしかなくて、南の空地23には“恐怖の花”があるんですよショボーン━━(´・ω・`)━━。まだまだ先は遠いですねえ…」

鳥の女あるじ「(チャーミングにウィンクして)なんでしたら、そなたを送り届けてあげましょう!」

ブリッツ「え?なに?何のことです??って、おおおあああああああ!!!」

 

 次の瞬間、俺は巨大なワシに身体ごとつかまれて、空中に持ち上げられていた!

 たあすけえええてえええ!くわれえええるうううううう!(><)

 

鳥の女あるじ「たった今、私が旅をするときに使う大ワシを呼び寄せました。馬に乗るようなわけにはいきませんが、私が命令を下したなら、腐蛆病川の向こうにある自分の巣まで、そなたを運んでくれるでしょう。そうすれば何時間もの危険な旅をしなくてすみますよ」

ブリッツ「イタイイタイ!鳥の女あるじ様、爪が食い込んで、いたいですぅ〜( TДT)」

鳥の女あるじ「さあお行きなさいワグイヒア!ブリッツ殿を無事に届けるのですよ♪」

大ワシ「グエエエーーーーーー!!!!」

ブリッツ「… … … (白目むいてる)」

 

 ワグイヒアとかいう名前の怪鳥は一声叫ぶと、俺の腰をがっちり鉤爪で固定して、ばっさ、ばっさと勢いよく風を切って北東への飛行を始めた。

 見る見るうちに空地が遠ざかる。

 緑がかった川幅の広い腐蛆病川を渡り、眼下にはワニや様々な獣がいるものの、はるか上の空を飛んでいる俺は安全だ。脇 腹 は 痛 い が な (泣) 

 

 やがて、俺はとある空地に辿り着いた。大きな巣のある高い木が1本だけ生えているところで、ここは空地16だ。地面に俺を下ろすと、大ワシは空の彼方に飛び去ってしまう。

 俺はぶんぶんと手を振る。ちょっと痛かったけどさ、お前のおかげで、技術点ペナルティを喰らう“恐怖の花”の空地23を迂回できたぜ。ありがとおー!!(^v^)

 

 さて、ここからどうしようか…。

 この空地からの出口は東、西、南か。うーん、とりあえず南だな。目指すアンセリカが北東にあるのは承知だが、まずは今まで踏破したところと道をつなげておきたい。そうすればアンセリカの実を手に入れてサソリ沼から脱出するとき、楽になるからね。

 というわけで、俺は南に向かうことにした。

 

 

 

小道を繋げて退路を確保する --Scorpion Swamp-- 

 

【技術点9/11 体力点19/19 運点9/13

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地35だ。ここから出ている小道は南、北。このうち北は空地16(大ワシの巣)に続く道だ。南はわからない。

 木立が途切れると、幅広の腐蛆病川が東西に流れている。そしてここには、川をまたぐかたちで石造りの大きな橋がある。そうか、以前空地20でかすかに見えた橋が、これらしいな。

 木の橋なら腐っている危険性もあるが、石橋ならたぶん丈夫だろう。だけどタチの悪い幻影魔法とかかもしれないので、俺は慎重に棒で一歩一歩叩きながら渡ることにした。まるで対人地雷を警戒するグリーンベレーのように、ゆっくり、こつこつ叩いていく…。

 コツコツ…コツコツ…コツコツ…。ふう、何事もなかったぜ!v(^v^)v

 橋は古びていたものの、きちんとメンテナンスされていたみたいだ。俺は安堵のため息をつきつつ、腐蛆病川の南岸に渡った。

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地13だ。ここから出ている小道は東、西、北。このうち北は空地35(石橋)に続く道だ。東と西はわからない。

 ここは小道が合流してできた小さな空地だ。たぶん方角からいって西は…と考えていると…。

 かさかさかさっと、音がする。なんだあ?俺は足元を見る。

 うわわっ(゚д゚lll) いつの間にか、サソリの大群に囲まれていた!!

 サソリたちは一目散に俺目がけて這い寄ってくる。もちろん尻尾の毒針を高く掲げて!

 くっそお、ここで運試しですかあ…吉だ!幸い、まだ距離があったので、俺は素早くステップを踏み、なんとか包囲されずに済んだ。

 さてどうしよう。剣を振るって追い散らすか?いやダメだ。数が多すぎる。じゃあ上を飛び越えて逃げる?それもリスク高し。もし失敗して転倒したら、毒針にめった刺しジャン。

 じゃあ…これだっ!!

 俺は<火炎>の魔法石を発動させる。

 ぼおっ!!俺を取り囲んで草原に火の輪が出現した。この火は一瞬燃え盛ってからすぐに消え去ったが、おかげでサソリをひるませるには十分な時間が稼げた。

 さあ、急いで通り抜けろっ!!ε=ε=ε=ε=ε=(o゚ー゚)oスタタタ

 俺は大急ぎで出口を選ぶ。目指す方角は西だ。たぶん俺の方向感覚が正しければ…

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 OK!(^^)

 ここは空地9だ。ここから出ている小道は西、南、北。このうち西は空地13(サソリの群れ)、南は空地5(戦場跡)、北は空地20(断崖)に続く道だ。

 ここは以前来たことがある。だまし討ちをしてきた卑怯な泥棒、ネッコーソ・ギウバウと遭遇した空地だ。もちろん奴は俺が殺したから、もうここには何もない。

 これでフェンマージからの道がつながった。退路は確保できたぞ!おかげで心置きなくサソリ沼の奥に進むことができる。

 俺は出てきた小道を逆に戻り、東に向かうことにする。

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地13だ。ここから出ている小道は東、西、北。このうち東は空地9(泥棒)、北は空地35(石橋)に続く道だ。西はわからない。

 さっきはここでサソリの大群に出くわしたが<火炎>の術で追い散らしたんだ。だけど今度もまた、かさかさかさっと、奴らのお出ましだあ(*´д`*)

 もう<火炎>の魔法石は持ってない。どうしようもねえな、よっと!

 俺は群れの上を飛び越えることにした。ぴょーんと跳躍し、奴らの毒針をかわしつつ、ウサギのように爪先立ちで飛び跳ねながら空地を渡る。ほっ、よっ、はあっ!!

 ここで2d6して、体力点以上なら無事成功だ。ということは俺の体力点は19だから、絶対成功するな。しゅぱあ!バレリーナのジャンプのように華麗に舞いながら、俺はらくらくとサソリをかわしていく。ル〜ララ〜♪

 なんだ楽勝だったんだあ。じゃあ、さっき<火炎>使わなきゃよかったよ…(><)

 さあ、やってきた道をさっさと戻ろう。俺はここから北に向かう。

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地35だ。ここから出ている小道は南、北。このうち南は空地13(サソリの群れ)、北は空地16(大ワシの巣)に続く道だ。

 相変わらず腐蛆病川にしっかりと架かっている石橋。さっき調べてワナじゃないとわかったので、俺はさっさとこの橋を渡り、腐蛆病川の北岸に着いた。

 さあ、サソリ沼の調査を再開するぞ!!( ´∀`)

 

 

 

やっぱりドワーフはやられ役… --Scorpion Swamp-- 

 

【技術点9/11 体力点19/19 運点8/13

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地16だ。ここから出ている小道は東、西、南。このうち南は空地35(石橋)に続く道だ。東と西はわからない。

 一度来たことはあるが、今度は落ち着いてこの空地を調べてみる。するとむき出しの地面の上に大木が1本聳え立っていて、そのてっぺんには、俺をここまで運んでくれた大ワシの巣があった。この大ワシ−−俺をここまで運んでくれたワグイヒアって名前なんだけど−−どこかに飛び去ってしまっていて、今、巣は無人状態だ。

 どっしよっかな…(・∀・)

 俺は何となく好奇心に駆られて、木に登って巣を調べてみることにする。いや、見るだけよ、見るだけ。(文字通りそのまんま)空き巣狙いってわけじゃないからね。イヤホント。

 そうっと…運試し…吉。俺は何事もなく大木のてっぺんにある大ワシの巣まで到達する。そこの近くの小枝には、たぶんワグイヒアが拾ったんだろう、重い金の鎖が巻きつけてあった!

 (゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)

 おうっと、こりゃあ貴重品だあ。盗まれたらタイヘンだ。俺が預かっといてやるよ♪というわけで俺は、この高価なアイテムをザックにしまい、ホクホクしながら大木を降りる。

 

 さあここからどっちに行こうか。南はさっき調べたので、東か西だ。鳥の女あるじの話では「北東の方角にアンセリカが生えている」ってことなんだけど…なんか最短コースは引っかかるんだよなあ…スゲエ怪物が待ちかまえていそうな気がする…。

 というわけで、あえて迂回するコースをとる。つまり西だ。なあに、もし見当違いだったら、またここまで戻ってくればいいさ(パラグラフ双方向型は便利だね!)。

 あ、ちょっと待った、その前に!

 運試しをここまでけっこうやって、現在の運点は7。ちょっとヤバ目になってきた。だからここでユニコーンからもらった<開運>の魔法石を発動させておこう。原運点の1/2(端数切り上げ)回復して、運点+7。原運点まで回復したよ!(^v^)

 さあ、リフレッシュしたところで、西に向かおう。

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地32だ。ここから出ている小道は東、北。このうち東は空地16(大ワシの巣)に続く道だ。北はわからない。

 ガチャン!キイィィン!戦闘音が聞こえる!!

 なんだなんだ、物騒だぞ?俺はすかさずこの時点で<技術回復>の魔法石を発動させ、念のため技術点を原点まで戻しておく(まだこのパラグラフ段階は戦闘中と見なされないので、魔法石の発動はセーフです)。

 周りの木々がなぎ倒されて出来上がったこの空地では、大サソリドワーフ戦士が戦っていた。そして明らかに、ドワーフのほうが不利だ。

 

 あちゃあ、今回もまた、そんな役回りか。ドワーフ…(´Д`υ) 

 

 そしてお約束どおり(笑)大サソリは自分の鋏をドワーフの首筋にぶっすり刺し込み、そのまま地面に叩きつけた。これまたお約束どおり(笑)ドワーフはピクリとも動かなくなってしまう。さあさあ、これから素敵なディナーが始まる、といった感じかな?

 しょうがねえなあ、見捨てるわけにもいかねえよ!ヽ(`Д´)

 ほら、俺、今回<善>だからさ。剣を抜いて大サソリと戦うことにする。奴は俺に気づくと、大鋏を持ち上げて威嚇してきた。さしてドワーフによる傷は負っていない。どうやらここまではワンサイドゲームだったらしいな。だが、俺はひと味違うぜ!

 

【大サソリ 技術点9 体力点10

1R (大サソリ/17)(ブリッツ/21) 大サソリ/体力点-2

2R (大サソリ/13)(ブリッツ/17) 大サソリ/体力点-2

3R (大サソリ/11)(ブリッツ/19) 大サソリ/体力点-2

4R (大サソリ/17)(ブリッツ/20) 大サソリ/体力点-2

5R (大サソリ/18)(ブリッツ/19) 大サソリ/体力点-2 ←Kill!!

 

 今度はブリッツ様のパーフェクトゲームさっ!!!(^v^)

 戦闘後、急いでドワーフに駆け寄るが、もう息はしていなかった。死んじまったか…。<祝福>の魔法石も使いきってしまったので、もうどうしようもないな。手厚く葬る代金として、俺は彼の持ち物を調べてみる。

 すると、小さな水薬のビンを見つけた。どうする?飲む?

 いやあ実は、今、能力値3つともMAXなんだよね。だからもし回復薬だとしても、あえてリスクを冒して飲む必要もないんだよなーあははー(゜∀゜) というわけでスルー。不運なドワーフといっしょに埋めておくことにした。

 そうしてから、俺はまだ行ってない方角の北に向かう。

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地じゃない。小道が交差した単なる十字路だ。

 ここから出ている小道は東、西、南、北。このうち南は空地32(大サソリ)に続く道だ。東と西と北はわからない。

 北に行き、突き当たってから、東に向かうとするか…。

 俺はそう考え、この十字路を北に通り抜ける。

 

 

 

すげえや<善>ネットワーク!! --Scorpion Swamp-- 

 

【技術点11/11 体力点19/19 運点13/13

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地19だ。ここから出ている小道は東、南。このうち南は十字路(空地番号なし)に続く道だ。東はわからない。

 不意に霧が晴れると、いつのまにか周りは空地になっていた。中央には丸石があり、そこには男が腰掛けている。彼は背が高くすっかり日に焼けて、緑ずくめの服装をしている。どうやら沼地の番人(Swamp Rangerらしい。

 俺を見ると、ゆっくり余裕ある態度で話しかけてきた。「やあ、戦士!君は<善>の側か、<悪>の側か?」

 んー、人を見た目で判断するのも良くないとは思うが、真鍮の指輪も熱くならないし、どうも悪人じゃないみたいだ。というわけで俺は正直に、微笑んで返事をする。

 

ブリッツ「<善>さ。セレイターの依頼でここまでやってきたんだ」

沼地の番人「そうか!じゃあ、喜んで手を貸してあげよう!」

 

 沼地の番人もセレイターのことを知っていた!(^v^) がっつぃり握手した後、彼は俺に、頭のスッキリする薬草をくれる(技術点+1、しかし原点なのでこれ以上増えない)。うーむ、<善>ルートはなかなかオイシイことが多いなあ。

 あ、まてよ、そうだ。彼はレンジャーだろ?だったら植物のことも知ってるかな?俺はアンセリカの植生地を彼に聞いてみた…

 

沼地の番人「僕は植物について研究をしてきたし、その植物のことも耳にしているが、ここに生えているとは知らなかったな。東へまっすぐ行けば“庭園のあるじ”という善い魔法使いの住まいが見つかるよ。植物の生えている場所を教わりたいなら、彼に聞くのがいちばんだね」

 

 そう朗らかに答えてくれる沼地の番人。口の中から歯がキラーン☆

 親切に教えてくれてアリガd。アディオス・アミーゴォ!!(≧∇≦)

 俺は礼を言ってから旅を続ける。さあ、彼に教えられたとおり、東に行ってみよう。

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地27だ。ここから出ている小道は西のみ。このうち西は空地19(沼地の番人)に続く道だ。

 きちんと茂みが刈り込まれて、手入れの行き届いた小道を歩いて着いた先は、ありとあらゆる植物が生い茂ったきれいな空地だ。いやすばらしい…(・∀・)

 俺はガーデニングのことはよくわからないけど、それでも魅力的なことがわかるくらい、心安らぐ場所だ。自然そのものというには美しすぎ、庭というには自然に近すぎる…。

 「気に入ってもらえたかな?」見とれて突っ立っているところに、一人の中年男が近づいてきて、話しかけてきた。背が高く肩幅が広く、染みのついた作業着を着ているが、首にかけた銀の花の護符がきらりと光る。そう、彼が“庭園のあるじ”なのだ。

 すでにさっきの空地の沼地の番人から、庭園のあるじは<善>ということを教わっていた。だから俺はリラックスしつつ、にこやかに返事する。

 

ブリッツ「素敵な場所ですね。あ…っと、俺はブリッツ。<善>の魔法使いセレイターの依頼で、アンセリカの実を探しにきた戦士です」

庭園のあるじ「ほう、セレイターの使いか!」

ブリッツ「ええ、植物の専門家のあなたなら、知っているんじゃないかと思いまして」

庭園のあるじ「何ともはや!アンセリカがまだ残っていて、この沼地で育っているとはね!ここを見つけたときは、何かしら取り得のある場所のように思えたが。やはりそうだったのか」

 

 彼はそう言うと、しばらくぼーっと考え込み始めた。あれ、ちょっと、もしもし…???

 

庭園のあるじ「(ばちっと目を開けて)エウレーカ!!」

ブリッツ「うわ、ビックリしたヽ(ヽ・∀・)アヒャ」

 

 彼の念視によると、アンセリカはここから真東の空地に生えている。しかし、そこに真っ直ぐ行ける道はない。ここにやってきた道を戻り、ぐるっと反時計回りに進むしかないそうだ。

 ふむふむ…。ちょっと遠回りしちゃったけど、よし、これでだんだん目的地に近づいてきたぞ!!ガゼンやる気になってきた俺様。

 そんな俺をニコニコ見つめている庭園のあるじは「若いっていいなあ!」とか何とか爽やかに呟くと、旅の幸運を祈ってくれた。そしてさらに、<善>の魔法石を1つくれる!

 (゚∀゚)アヒャヒャヒャヒャどれにしよっかなー。<友情>か<繁茂>か<祝福>か…。よし、まだ使ったことのない<繁茂>の魔法石にしよう!

 

ブリッツ「ありがとう、おじさん!」

庭園のあるじ「いやいや、どういたしまして♪」

 

 この人もいい人ダワァ*:....:*・゚(n‘∀‘)η゚・*:....:* ミ ☆

 <善>コネクション恐るべし。ねえねえ、ちょっと、今回のこの冒険、なんかすっごく順調に行ってない?

 いやあ、さっきの沼地の番人といい、庭園のあるじといい、セレイターの人脈は対したもんだわ。やっぱり依頼人はよく考えて選ばなきゃな。

 俺は鼻唄混じりで西の小道を戻る。

 

 

 

ハンカチをなくした泣き虫の巨人さん♪ --Scorpion Swamp-- 

 

【技術点11/11 体力点19/19 運点13/13

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地19だ。ここから出ている小道は東、南。このうち東は空地27(庭園のあるじ)、南は十字路(空地番号なし)に続く道だ。

 以前俺は、ここで沼地の番人と友好的に会話を交わしたのだが…今はもう誰もいない。彼は木立の中に姿を消したのだ。

 だったら、さっさとこの空地を通り抜けよう。俺は来た道を戻りつつ、南に向かう。

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 そして、名も無い十字路にまたやってきた。

 ここから出ている小道は東、西、南、北。このうち北は空地19(沼地の番人)、南は空地32(大サソリ)に続く道だ。東と西はわからない。

 庭園のあるじの話だと、時計と逆周りに進めばアンセリカの木があるということだから…

 うん、ここは東に向かえばいいな。さあ、ドンドン先に行くべよー!=====((((´ー`)

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地7だ。ここから出ている小道は西、南、北。このうち西は十字路に続く道だ。南と北はわからない。

 こけっc⌒っ゚Д゚) ここまで順調に歩いてきた俺は、突然つまずいて転んだ。地面に作られた穴にはまり込んだ…って、うわお!俺がいるのは、長さ50cmもある、鋲を打ったブーツの足跡の窪みだ!!

 どすん、どすん、どすぅん!

 地響きとともに、足跡の主が現れる。そう、この空地にいたのは巨人だ!彼は怒っているらしく、いくつもの突起がついた棍棒を振り回しながら「ここは通さんぞお!」と雄たけびを上げた。さあ、どうする?

 

1)『彼に襲いかかるか?』

2)『説得を試みるか?』

3)『術をかけるか?』

 

 真鍮の指輪は冷えている。だから<悪>ではない…<悪>ではないが…危険だ。間違えた選択をすると、プチっと、つぶされちゃうぞぉー(´д`)

 ええっと、戦闘は避けたいし、魔法をかけるのもなんか面倒くさいことになりそうな気がする。だからまずは(2)で話しかけてみよう。いったい何を怒ってるんだ?というのを、丁寧に言葉のオブラートに包んでみる。

 

ブリッツ「ごめんなさい巨人さん。あなたの土地に侵入したとは気がつきませんでした。話してください。何があったんですか?」

巨人「… … …ホロリ(と、涙を流す)」

 

 俺がゆっくり、言い聞かすように語りかけると、彼は元気なさそうに腰を下ろし、グスングスン鼻をすすり始めた。

 あらあ?泣いちゃったよ?どうやら顔に似合わず、気の優しい奴みたいだ(A )

 何となく気の毒に思い、俺はうんしょっと彼の肩によじ登り、手を置いてなぐさめる。

 

ブリッツ「俺は冒険者のブリッツ。ひょっとしたら力になれるかもよ?」

巨人「誰かが俺の新しいハンカチを盗みやがった!」

ブリッツ「ええっと…ハンカチ…って、ええ???」

巨人「女房がこしらえてくれたのを、すぐになくしちまったんだ。女房はさぞやガッカリすることだろう!どこにも見当たらないんだよ。あれがなくちゃ、俺は家に帰れない!!」

 

 また突拍子もないイベントだなあ(((;-д- =3

 でもなんかメルヘンチックで、たまにはこういうのもいいかもね(´∀` )

 さてさて、戦う気力のない愛妻家の巨人さんは、奥さんからもらったハンカチをなくしたくらいでオイオイ嘆いている。どうしたもんかな?力になって探してあげたいのは山々だが、道草を食っているわけにも…

 あれ?巨人にとってハンカチの大きさって、もしかしたら…???

 俺は空地9の泥棒、ネッコーソから奪った赤マントを、巨人の前にひらひらと見せてみた。「ねえねえ、あんたのハンカチって、これ?」

 すると巨人の顔がぱあっと明るく輝いた!「どこにあったんだね?」

 俺はクスクス笑いながら、事の経緯を説明する。巨人の持ち物を盗んだのは、あの泥棒だったのか!(^v^)

 

巨人「うれしいい!これでワイフに怒られなくてすむぞぉーーーー!!!」

ブリッツ「(思わず耳をふさぐ)うわwwwちょwwwwwwうるせえよ!!ヽ(`Д´)ノ」

巨人「いやゴメンゴメン。ほい、握手握手♪」

ブリッツ「(全身をぶんぶん振り回されて)やめろー俺の身体が分解するうう…(*´д`*)

 

 こうして赤マントをプレゼントした俺に、泣き虫の巨人は、また涙(だけど今度はうれし涙)を流しつつ、友情を誓ってくれた。俺がアンセリカの実を探しているという旅の目的を話すと、すぐ北にある空地でそんな植物を見た、と確実な情報を言ってくれる。そして「狼どもに気をつけろ!」という簡単な警告も与えてくれた。

 よーしよーし、庭園のあるじに教わったとおりだ。着実に近づいているぞ。俺はこの心優しい巨人と別れの挨拶を交わしてから一路北に進む。

 

 心なしか足が早まっている。もうすぐだ!

 

 

 

旅の目的を半分達成する --Scorpion Swamp-- 

 

【技術点11/11 体力点19/19 運点13/13

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地11だ。ここから出ている小道は南のみ。このうち南は空地7(巨人)に続く道だ。

 小道は次第に上り坂となって、地面が乾いてきて、あたりは沼地というより深い森になった。そして木立がまばらになり、俺は大きな空地に入る。

 アンセリカの木はどこにあるのか…ぎくっ!殺気!二頭の大きな狼が、茂みの中から俺を睨みつけているのを悟った。距離は近い。まさに一触即発って状況だ。

 ここでアイテムチェック。『君は狼の護符を持っているか?』…いや、持ってない。

 だったら『狼のあるじに呪文を教わっているか?』

 

 それなら知ってる!(^v^) ええっと、確か時代遅れの流行歌のような文句だったな。たしか…「イサナケツオキ、ヨノナミカオオハコトオ!!」

 彼に教わったとおりに俺は呪文を唱える。すると二頭の狼はだらりと舌を垂れて、のこのこと俺に近づき、じゃれついてきた。さすが狼のあるじだ。狼に言うことを聞かす呪文は、てきめんに効果を表した!

 

ブリッツ「お座り!」

狼たち「わう!」

ブリッツ「さあ、行け(遠くを指差す)!!」

狼たち「わぉーん♪」

 

 狼たちは俺に命じられたとおり、この空地から去ってどこかに行ってしまう。ふうー、やれやれだぜ┐(´ー`)

 さあ、邪魔な獣がいないうちに、さっさと空地を調べてしまおう。俺はキョロキョロと辺りを見回す。すると…空地の真ん中近くに…

 

 『真ん中近くに変わった灌木が一本生えている。葉は深緑で、花は白い。上の方に紫色の大きな果実が一つなっている。君はどうするか?』

 

 キタコレわしょーい ヽ(´∀`)(・ω・)( ゚Д゚)

 

1)『果実を食べるか?』

2)『果実を摘んで、とっておくか?』

3)『無視して南へ戻るか?』

 

 いやちょっと(1)はダメ!食べたらアカンでしょう(゚◇゚;)!!!

 

 この世に1個しかないんだから、もう!!

 俺は迷うことなく(2)を選択する。ゆっくりと注意深く、探し求めていた果実を摘み、丁寧にザックの中に入れた。そして1つ、大きなため息をつく。

 

 ついに手に入れた!アンセリカの実だ!!!

 

 俺は小さくガッツポーズを作った。へへっやったぜ♪(^v^)

 あとはフェンマージまで無事に帰還して、<善>の魔法使いセレイターにこの実を渡せば、任務完了だ。さて、呪文がきれて狼が戻ってくる前に、さっさとこの空地から離れようぜ。

 俺は来た道を戻り、南に向かう。

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地7だ。ここから出ている小道は西、南、北。このうち西は十字路、北は空地11(狼)に続く道だ。南はわからない。

 ここはさっき、泣き虫巨人に赤マント(彼にとってみればハンカチ)をプレゼントした場所だ。だがもうここに巨人はいない。どこかへ立ち去ったようだ。

 

 さて、どうしようかな…。

 このパラグラフ双方向型のGamebookの特性からして、今までやってきた道を確実に戻っていけば、フェンマージに着くって寸法だ。しかし、まだ行ってない空地も、けっこうある。

 ここで俺はセレイターの言葉を思い出した。『…あの沼地に眠るたくさんの宝物は、全て君のものだ。わしはアンセリカの実が1個あればいい…』

 って、言ってたよな。うむむ。幸い<善>コネクションで様々な人物から助けをもらって、能力値は3つともMAXで余裕はある…うむむむむ…

 

 ち、ちょっと寄り道しても、かまわなくってよ!(・◇・)(←なにそのツンデレ口調)

 

 つーわけで、俺は単なる好奇心から、まだ行ってない方向に足を向けた。ひょっとしたらお宝がどこかに眠っているかもしれないしー!!(゜∀゜)

 だからここは西の十字路に行くんじゃなくて、南だ。南に向かおう。

 

 

 

流砂にハマルも、順調に退却中デス --Scorpion Swamp-- 

 

【技術点11/11 体力点19/19 運点13/13

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地30だ。ここから出ている小道は西、北。このうち北は空地7(巨人)に続く道だ。西はわからない。

 まだ踏破していないところを調べようと行き着いた先は、ツタの絡まる木々に囲まれた小さな空地だ。特に何も目立ったものは…ない。

 なーんだ、ここにはお宝はなさそうだな。ガッカリして引き上げようとする俺。

 ところが…ずるっ、ずるずるっ…あれ?何だか足が上がらねえぞ?いつの間にやら俺の両足は、スネまで地中に埋まっている。って、どうしてぇー???(゚Д゚ )

 

 流砂だ!!!Σ(゚д゚lll

 

 気づいたときは後の祭り、すでに俺の身体は、腰くらいまで埋まってしまった!やべえ、このままじゃ底なしの砂に飲み込まれる!

 …ってところで、ここで運試しだ。幸い運点は13もあるので、文句なしに、吉。胸まで埋まったくらいで足先が底についた!ふえー、たすかったあああ(TдT)

 

(もしここで運試しが凶だったら、原技術点-2という凶悪ペナルティでした)三(lll´Д`)アブネー!!

 

 砂に半身埋まったまま、俺は悪戦苦闘、もがき苦しんで体力点-2だ。だがなんとか、流砂からゆっくりと身体を脱出させることに成功する。ずざあーーーっ。うえ、ぺっぺっ、全身砂だらけだ!(><)

 だけど持ち物で失ったものはなかっただけ、ラッキーだったな。俺は気を取り直して西に向かうことにした。

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 おや、この空地は何回も来たことがあるぞ。

 ここは空地16だ。ここから出ている小道は東、西、南。このうち東は空地32(大サソリ)、西は空地30(流砂)、南は空地35(石橋)に続く道だ。

 以前と同じく、大ワシの巣がある老木が立っている。そうそう、ついさっき来たときは、その巣から金の鎖をちょろまかしたんだっけ(=゚ω゚=)

 大ワシのワグイヒアはまだ戻ってきていない。ここに留まってても意味ないし、さっさと南に下ろう。

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 また石橋だ。通過通過〜♪

 ここは空地35だ。ここから出ている小道は南、北。このうち南は空地13(サソリの群れ)、北は空地16(大ワシの巣)に続く道だ。

 この石橋にワナはないことはわかっている。だからそそくさを南に進む。するとその先にあるのは…

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ああそうだ、サソリの群れでしたよ!

 ここは空地13だ。ここから出ている小道は東、西、北。このうち西は空地9(泥棒)、北は空地35(石橋)に続く道だ。東はわからない。

 通算3度目の遭遇だが、性懲りもなく、カサカサカサっと毒針を掲げてサソリの大群が俺の周りに這い寄ってくる。

 フンだ、そのことはもう、想定済みさっ!(`・ω・´)

 用意ができていた俺は、前と同じように飛び跳ねながら空地を渡る。ほいほいほいっ!2d6で体力点以下だから、今なら絶対に成功するぜ!!

 俺はサソリに刺されることなく次の小道に向かうことができる。うーんと、まだ行ってない方角は…東か。

 次は何が出てくる空地かな?(・∀・) 能力値に余裕があるせいか、何だかワクワクしている自分がいる。この調子でフェンマージまで戻れるといいんだけど…。

 

 

 

沼オークの弓矢攻撃 --Scorpion Swamp-- 

 

【技術点11/11 体力点17/19 運点12/13

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地3だ。ここから出ている小道は東、西、南。このうち西は空地13(サソリの群れ)に続く道だ。東と南はわからない。

 俺は辺りを見回す。しーんとして、静かだ。この空地には何もない。

 え?ホントに?? …うん、どうやらそうみたい。なんだかなあ…┐(´ー`)

 拍子抜けした俺は次の小道を選ぶ。よーし、このまま、東に行ってみよう!

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地21だ。ここから出ている小道は西のみ。このうち西は空地3(何もない)に続く道だ。

 ずいぶん東に歩いたが、草深い空地に辿り着いた。どうやら突き当たりみたいだな。空地の真ん中には、澄みきった水をたたえたがある。

 他に危険があるかもしれないので、回りを注意深く観察する。こういうときこそ用心深くしておかないとな。だが、トカゲがちょろちょろっとやってきて泉の水を飲み、再び遠ざかっていく。それくらいしか変わったことはない。

 俺も何だか、喉が渇いてきたな…(´・ω・`)

 ちょっとだけ、ちょっとだけな。舐めてみて毒臭かったら、すぐに「ペッ」するからね、いい?そう自分に言い聞かすと、そろそろーっと、泉の水を口に含んでみる。

 お? …おおお? …おおおおお???

 美味い!まさにマウンテン・デュー!!

 清冽な水は俺の疲れを癒してくれる。さらに調子に乗って靴を脱いで、足を泉につけて洗っちゃったりなんかして。ふうう、生き返るねえ…ヽ(´ー`)

 すっかり甦った気分の俺は体力点+3だ。これで原点まで回復したぜ!

 さて、それでは出発しようか。ここは突き当たりだし、また西に戻ろう。

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地3だ。ここから出ている小道は東、西、南。このうち東は空地21(泉)、西は空地13(サソリの群れ)に続く道だ。南はわからない。

 相変わらず平和で何もない空地だなあ。前半戦の剣の木やら恐怖の花やら、様々な凶悪イベントがウソみたいだ。( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / /

 まあ、ここまできたらゆっくり行こうや。俺はまだ行ってない方角の南に向かう。

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地26だ。ここから出ている小道は西、南、北。このうち北は空地3(何もない)に続く道だ。西と南はわからない。

 前方に空地が現れて、俺が足を踏み入れた瞬間、ひゅん!と矢が飛んできた。

 おわ、あぶねえっ!!俺は反射的に身を伏せる。べちゃ。衣服が泥だらけになっちまった…。向こうを覗うと、3人の汚らしい沼オークが弓を構えている。そして俺目がけてひゅんひゅん!!と、ショートボウでアウトレンジ攻撃を仕掛けてきたぞ!

 

 ここでアイテムチェック『君は金の磁石を持っているか?』あー、あれね、戦場跡で人間の戦士の死体が持っていた…って、確かあいつも矢ぶすまにされて死んでた…いや、今は俺が持っているわけだけど…い、いやな予感がするな…運試しぃー!?

 結果は吉。大きく狙いを外れた2本の矢…だったはずが!急にカーブを描いて俺のザックに命中する!どしゅ!!はぶう!!!

 俺は体力点-1だ。そうか、わかったぞ、この金の磁石は、矢を引き寄せる呪いの護符だったんだ!うひゃー、こいつをザックにしまっといて助かった。ペンダントとして胸に下げていたら今ごろ…((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル

 だが、このまま寝っ転がっていても、いずれ弓に射抜かれて死んじまうな。だったら、選択肢は1つだ。いっくぜえーーー!

 

 とーつーげーきー!!ウラーーーーーー!!!(◎皿◎)

 俺は抜剣突撃を敢行する。あたふたと弓を構える沼オークたちだが、ふっ、動きが鈍いわあ!

 たちまち剣が届く範囲に肉薄する俺。こうなればしょうがないと、沼オークも短剣を抜いて応戦してきた。この戦闘では3人同時に相手しなきゃならない。俺は攻撃する1体を指定するが、それ以外の2体からも攻撃を受ける。もし俺の攻撃点を上回れば、そいつらからもダメージを受けてしまうわけだ。

 いっちょまえにフォーメーションをとっているってわけか!

 

【沼オーク1 技術点6 体力点7

【沼オーク2 技術点7 体力点7

【沼オーク3 技術点6 体力点5

1R 沼オーク3を指定 (沼オーク1/16)(沼オーク2/15)(沼オーク3/9)(ブリッツ/18) 沼オーク3/体力点-2

 よし、まずはいちばんひ弱そうな奴から片付けちまおう。これ、戦いのセオリーな♪

2R 沼オーク3を指定 (沼オーク1/13)(沼オーク2/17)(沼オーク3/14)(ブリッツ/21) 沼オーク3/体力点-2

3R 沼オーク3を指定 (沼オーク1/13)(沼オーク2/11)(沼オーク3/15)(ブリッツ/21) 沼オーク3/体力点-2 ←OverKill!!

 どさあ!胴体を真っ二つに粉砕してやった。さあ、あと2人!

4R 沼オーク2を指定 (沼オーク1/15)(沼オーク2/14)(ブリッツ/19) 沼オーク2/体力点-2

5R 沼オーク2を指定 (沼オーク1/12)(沼オーク2/11)(ブリッツ/17) 沼オーク2/体力点-2

6R 沼オーク2を指定 (沼オーク1/13)(沼オーク2/9)(ブリッツ/23) 沼オーク2/体力点-2

7R 沼オーク2を指定 (沼オーク1/12)(沼オーク2/16)(ブリッツ/21) 沼オーク2/体力点-2 ←OverKill!!

 がしゅ!俺は沼オークの2人目の犠牲者の頭部を吹っ飛ばす。あと1人!!

8R (沼オーク1/14)(ブリッツ/19) 沼オーク1/体力点-2

9R (沼オーク1/12)(ブリッツ/18) 沼オーク1/体力点-2

10R (沼オーク1/13)(ブリッツ/15) 沼オーク1/体力点-2

 逃げないのは誉めてやる。だがな…

11R (沼オーク1/9)(ブリッツ/16) 沼オーク1/体力点-2 ←OverKill!!

 しょせんは俺の敵じゃねえっ!!!≪゚Д゚≫

 

 俺は一方的な戦いで沼オーク3匹を屠った。奴らの死骸を調べてみると…

 おっ、こいつはサソリ沼の地図じゃねえか。俺が今まで書き付けてきたメモ紙と、沼オークのそれとをつき合わせると、大まかな位置がつかめる。これによるとだいぶ南下して、フェンマージまで着実に近づいてきているみたいだな。よしよし♪

 そして奴らの地図には、ここから南の小道を行ったところに、王冠をかぶったカエルの絵が描いてある。こりゃあいったい何を意味するんだ???

 俺はそっちの方角の南に行ってみることにした。

 

 

 

カエルのあるじとの不幸なすれ違い --Scorpion Swamp-- 

 

【技術点11/11 体力点18/19 運点11/13

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地8だ。ここから出ている小道は北のみ。このうち北は空地26(沼オーク)に続く道だ。

 水溜まりの点在する空地には、ゲコゲコと大小さまざまなカエルが鳴いている。巨大なキノコの群生地も目に入った。そして、その巨大キノコの上に座り込んでいる男の姿も。

 男はずんぐりとした体つきで、背は小さく、黒い目をせわしなく動かしている。口はやたらと幅広い(要するにカエルそっくりなのだ!)。胸にカエルの形をした銀の護符をかけている。

 彼の両脇にはまるで護衛のように大きなウシガエルがうずくまっていた。そして男は警戒してじろりと俺をにらみ、こう言う。

 

カエルのあるじ「わしはカエルのあるじじゃ。何の用でわしの住まいへやってきた?」

ブリッツ「俺はブリッツ。セレイターの依頼で、探索の旅をしている戦士です」

 

 指輪は熱くならない。ということは、こいつは<悪>じゃないのだろう。だから無難に自己紹介してみたぜ。そして旅の目的も話した。アンセリカの実を見つけて、フェンマージに帰るところなんですが…。

 

カエルのあるじ「うん、あれか!あの植物がまだ残っていたとは知らなかったね。もっとも、わしに役立つものじゃないんだよ。わしは<中立>だし、あの植物を利用できるのは<善>の魔法使いだけなのさ。だから、君を助けてはやれんだろうが?」

 

 あー、さいですか。アンタ<中立>ですか。ほんじゃあまあ、お邪魔しました〜、と別れて空地を出たいところなのだが…ここでの選択肢は…

 

1)『剣を抜いて彼を脅すか?』

2)『彼に術をかけるか?』

3)『彼に賄賂を差し出すか?』

 

 なんだよ、この中から選ぶしかないのか(><) じゃあとりあえず(3)の賄賂だ。この金の磁石のペンダントでも、ドゾー(=゚ω゚)

 だけどカエルのあるじは「それは呪いの品なのでイラネ。水溜りの中に捨テレ」と冷たいお言葉。あはは、そりゃそうだ。俺はそれを水の中に投げた。ぽちゃん。

 

 このとき、お互いにとって不幸な事態が起こった。

 

 投げ捨てたときの水音に、主人の両脇に控えていた大ガエルが2匹とも驚いて「グワッ!」と飛び跳ねる。

 そのリアクションに対して、不意打ちを怖れた俺は反射的に剣を抜き放ち、自分の身を守るため防御の構えをとる。

 そしてそんな俺の行動を見て、カエルのあるじは、俺が襲いかかってくるんじゃないかと誤解したんだ。

 

 カエルのあるじは急いでキノコから飛び降り、後ろに着地する。そして「グゲェッ!」と一声鳴いた。それは大ガエルたちに攻撃を許可する合図だ。さっそく猟犬のように俺に向かってくる2匹の大ガエル。なんと、口の中には小さく鋭い歯がぎっしりと生えている!!

 こうしてなし崩し的に戦闘が始まっちまった。この戦闘もさっきの沼オーク戦と同じで、俺は2体同時に相手しなきゃならない。俺は攻撃する1体を指定するが、それ以外の1体からも攻撃を受ける方式だ。あーあ、めんどくせえなあ。ヽ(´Д`)

 

【大ガエル1 技術点5 体力点6

【大ガエル2 技術点6 体力点5

1R 大ガエル1を指定 (大ガエル1/7)(大ガエル2/12)(ブリッツ/19) 大ガエル1/体力点-2

2R 大ガエル1を指定 (大ガエル1/13)(大ガエル2/14)(ブリッツ/19) 大ガエル1/体力点-2

3R 大ガエル1を指定 (大ガエル1/10)(大ガエル2/12)(ブリッツ/19) 大ガエル1/体力点-2 ←Kill!!

4R (大ガエル2/17)(ブリッツ/19) 大ガエル2/体力点-2

5R (大ガエル2/16)(ブリッツ/17) 大ガエル2/体力点-2

6R (大ガエル2/12)(ブリッツ/19) 大ガエル2/体力点-2 ←OverKill!!

 

 だが、しょせんは両生類。ファングの地下迷宮を突破した俺様の敵じゃねえ。鎧袖一触、さっさと片付けてしまう。

 だがこの戦闘の間に、カエルのあるじは逃げ失せてしまっていた。たぶん湿原に隠れちゃったんだろう。とすれば、もうここから何も得る物はないので、俺は用心しつつさっきの小道を戻って北に退却することにする。

 やれやれ、不幸な遭遇だった。お邪魔様〜(´・ω・`)/~~

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地26だ。ここから出ている小道は西、南、北。このうち北は空地3(何もない)、南は空地8(カエルのあるじ)に続く道だ。西はわからない。

 さっき沼オークどもを撃退した場所だ。奴らの死体は3つとも泥の中にずぶずぶと沈んでいる。なのでもうこの場所は安全だ。

 ここから行ってない方角は、あとは西だけだな。よし、そっちに行ってみよう。

 

 

 

緑のグラウンドを作ろうよ --Scorpion Swamp-- 

 

【技術点11/11 体力点18/19 運点11/13

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地24だ。ここから出ている小道は東、西、南。このうち東は空地26(沼オーク)に続く道だ。西と南はわからない。

 芝草の生えた感じのいい空地だ。さわ。爽やかな草原の風ってところかな。さわさわ。湿っぽい泥だらけの沼地とは違ってホッとするね。さわさわさわさわ。

 って、ちょっと待て、さっきから“さわさわ”って何だぁ?(゚Д゚ )

 俺は辺りを見回す。そして飛び上がって驚いた!

 足元の草がとてつもない速さで伸びて、俺の下半身にまとわりついてくる((( ;゚Д゚)))

 見る見るうちに茎の先にハサミが出来上がり、俺に襲いかかってきた。ここはお化けヒメシバの野原なのだ!

 ここは魔法の術を使うか…今、使える魔法石は何を持ってる?…<繁茂>って、ダメじゃん。

 逆にこいつら育ててどうするよ。

 くそ、こういうときにこそ<火炎>の魔法石なのに、使いきっちまったyo!!ヽ(`Д´)ノウワァァァン

 しょうがねえ力技だ。俺は剣でお化けヒメシバを斬り払うことにする。ハサミの部分は斬りやすいが、草はあとからあとから生えてくる。ちっきしょうめ!これらの飢えた草をひとかたまりと考えて、戦闘だ!!

 

【お化けヒメシバ 技術点6 体力点16

1R (お化けヒメシバ/18)(ブリッツ/18) Draw

 うわ!体力点16もあるのぉー。何てだだっ広い草原だぁー…

2R (お化けヒメシバ/12)(ブリッツ/16) お化けヒメシバ/体力点-2

3R (お化けヒメシバ/15)(ブリッツ/17) お化けヒメシバ/体力点-2

4R (お化けヒメシバ/12)(ブリッツ/15) お化けヒメシバ/体力点-2

5R (お化けヒメシバ/9)(ブリッツ/21) お化けヒメシバ/体力点-2

 ふうう、やっと半分くらいかあ。

6R (お化けヒメシバ/12)(ブリッツ/23) お化けヒメシバ/体力点-2

 よいしょ!

7R (お化けヒメシバ/17)(ブリッツ/19) お化けヒメシバ/体力点-2

 うんしょ!

8R (お化けヒメシバ/13)(ブリッツ/18) お化けヒメシバ/体力点-2

 どっこいしょー!!

9R (お化けヒメシバ/14)(ブリッツ/18) お化けヒメシバ/体力点-2 ←Destroy!!

 こいつで仕上げだぁーー!!!

 

 俺はバッサバッサと剣を振るい、お化けヒメシバを退治してきれいに刈り込んでやった。おかげでこの空地は、Mr.ピッチも喜んでくれそうな見事な芝生のグラウンドになったぜ!(注:当ブログは『Jリーグ百年構想』の賛同スポンサーです)←ウソ

 

 ふうう、ファンブルさえ出さなければ楽勝の敵とはいえ、腕が疲れたなあ。空地を調べて回ると、木の幹に焼き焦げた文字が残っていた。「オークに気をつけろ!」だってさ。いやあ、沼オークはもうやっつけましたからアハハ( ´∀`)

 それ以外に何も得る物はないので、さっさとこの空地から立ち去ろう。ここから西に行けば、おそらくたぶん…。

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 や っ ぱ り ね 。

 ここは空地5だ。ここから出ている小道は東、西、北。このうち東は空地29(ユニコーン)、西は空地24(お化けヒメシバ)、北は空地9(泥棒)に続く道だ。西と南はわからない。

 この空地は以前も来たことがある戦場跡だ。俺がていねいに埋葬した戦士の墓の十字架が、寂しげに迎えてくれた。

 これで行きの時に通ったところと小道がつながったわけだ、ふむふむ…。うなずきながら俺はまた東に戻ることにする。

 あ、ちょっと待てよ、剣の木のようにお化けヒメシバも生え変わっていたらイヤだなあ…。

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地24だ。ここから出ている小道は東、西、南。このうち東は空地26(沼オーク)、西は空地5(戦場跡)に続く道だ。南はわからない。

 ホッとしたことに、お化けヒメシバは甦っていなかった。相変わらず緑のピッチが眼前に広がっている。「石の上にも三年、芝の上にも百年」ってカンジだなヘ(゚∀゚ヘ)アヒャ

 

 さ、関係ない話はこれくらいにして、ここから南に向かうとするか。

 

 

 

クモのあるじを倒し、空地が火に包まれる --Scorpion Swamp-- 

 

【技術点11/11 体力点18/19 運点11/13

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地17だ。ここから出ている小道は南、北。このうち北は空地24(お化けヒメシバ)に続く道だ。南はわからない。

 空地に辿り着かないうちから、周りの木々は蜘蛛の巣だらけだ。ずいぶん誰も来たことのないところ…いや待てよ、違う。単純に、巣を張るクモの数が多いんだΣ(゚Д゚)ガーン

 空地の真ん中に豪華な天幕があった。天幕は銀灰色をして、クモの糸で紡いだ絹のような光沢だ。中には大男が腰かけている。濃いあごひげと白い眉、銀灰色のローブを着て、胸にはクモの護符を下げている。そうか、こいつは“クモのあるじ”だ!

 ぎろりん!クモのあるじは燃えるような緑の目で俺を睨みつける。その瞬間、真鍮の指輪がとてつもなく熱くなる。奴は<悪>だ。間違いなく<悪>だと、警告を発しているのだ。

 さあ、だったら、俺はどうする?

 

1)術をかけるか?

2)ただちに攻撃するか?

3)彼に愛想よく話しかけるか?

 

 奴が<悪>であるなら、何らかのワナを仕かけているに間違いない。だから(3)のように下手に出てダラダラ時間稼ぎするのは危険だ。だったら(1)で<友情>の魔法石を使おうか?んー、だけど、ここで奴と仲良くなったとしても、今さら何も得る物はないんだよなあ。

 結論としては…悪・即・斬!!先手必勝だ!!俺は(2)を選択し、剣を抜いて飛びかかる!うらあっ!!( ゚Д゚)

 不気味な無言のままで、クモのあるじはぬらぬら輝く杖で応戦してきた。杖の先は鋭く尖り、汚らしい緑の液体が塗りつけてある(たぶんクモの毒だろう)。このおかげで奴の攻撃が命中したら、俺は体力点-2じゃなくて-3ダメージだ。注意しろブリッツ!

 

【クモのあるじ 技術点9 体力点6

1R (クモのあるじ/20)(ブリッツ/14) ブリッツ/体力点-3

 奴は杖をクルクルと振り回し、トリッキーな動きで俺を刺す。う、くそ!

2R (クモのあるじ/15)(ブリッツ/15) Draw

 カキン、カン!俺は杖を振り払うことで精一杯だ

3R (クモのあるじ/19)(ブリッツ/17) ブリッツ/体力点-3

 だが、俺の身体を打ちすえた毒杖をがしっとつかむ。つかまえたぜえー!

4R (クモのあるじ/13)(ブリッツ/20) クモのあるじ/体力点-2

 まずは奴の身体の動きを止めたまま、蹴り一閃!胃袋をぶち破るくらい膝をいれる。

5R (クモのあるじ/17)(ブリッツ/17) Draw

 そしてそのままつばぜり合いだ。ぎりぎりぎり…だがここで!

6R (クモのあるじ/20)(ブリッツ/16) ブリッツ/体力点-3

 ぷしゃー!奴は靴から毒霧を吐きやがった。てめえ、味な真似を!!

7R (クモのあるじ/16)(ブリッツ/16) Draw

 だが俺は、奴の武器である毒の杖を決して離さない。

8R (クモのあるじ/17)(ブリッツ/20) 運試し吉 クモのあるじ/体力点-4 ←Kill!!

 拳1つ分のスペースが空いたな。居合い抜きの0距離「運試しスマッシュ」だ!!!

 

 ずばあっ!奴の身体は横真っ二つに分断される。トリッキーな動きに惑わされ、出目も不調だったが、接近戦を制した俺はやっとこさクモのあるじを倒した。ふうう。

 だが、死骸から剣を引き抜いてホッとしたのもつかの間、かさかさかさ…。あたり一面に潜んでいたクモがこちらに近づいてくる!いろいろ探しているヒマなんかねえ、俺は奴の首からクモの護符を奪うのが精一杯だった。

 そして俺がそれを手にしたとき、突然火花が散って死骸が発火する!ぼおっ、パチパチパチ…瞬く間に火が燃え広がる天幕、そして空地全体。

 焼死する前に、俺は慌ててこの空地を出て、南に立ち去る。この炎が邪悪なクモどもを全て燃やし尽くしてくれるといいんだが…

 

 

 

沼怪獣を退治してスミレ石を手に入れる --Scorpion Swamp-- 

 

【技術点11/11 体力点9/19 運点10/13

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地12だ。ここから出ている小道は東、西、北。このうち北は空地17(クモのあるじ)に続く道だ。東と西はわからない。

 ここは沼地じゃなく地面が固い。大きくて平らな石がいくつか、それに中がウロになった大木がある。

 ふう、クモのあるじ戦はハードだったし、ここでちょっと休もうか。俺は平らな石に腰掛けて休息をとる。ちょうどいい高さの石で、俺はゆっくり休めて体力点+1だ。ふへええ( ´∀`)

 だがそんな感じでマッタリしていた俺は、ヒュッヒュッ、という音を聞いた。大木の方から聞こえてくるぞ?俺は用心して剣を抜きつつ、木のウロに歩み寄る。

 悪臭が漂う…ここは大きな動物の棲み処だ…中にいたものは…巨大な…クマー!!

 奴は毛むくじゃらの頭を突き出しながら、俺に襲いかかってきたクマー!!(;´Д`)

 

【クマ 技術点7 体力点8

1R (クマ/11)(ブリッツ/15) クマ/体力点-2

2R (クマ/10)(ブリッツ/1ゾロ) ブリッツ/体力点-3

 出ましたふぁんぶるー!!ここ最近ツイてないな俺…(泣)

3R (クマ/17)(ブリッツ/20) クマ/体力点-2

4R (クマ/19)(ブリッツ/19) Draw

5R (クマ/15)(ブリッツ/15) Draw

6R (クマ/15)(ブリッツ/19) クマ/体力点-2

7R (クマ/16)(ブリッツ/19) クマ/体力点-2

 

 実力からいけば順当に勝てるんだけどな(´・ω・`)ショボーン。

 悪運乱気流に巻き込まれた俺は、ずるずると手こずりながらもクマを倒した。だが文章によると『棲み処を探ってもに価値のある物は1つも見つからない』だってさ。ああさいですか。もういちど(´・ω・`)ショボーン。

 さすがに連戦続きで体力点がヤバくなり気味なので、俺はここで<体力増強>の魔法石を発動させた。これにより体力点が10点分回復する。だが、体力回復手段は、これで最後だ。もうそろそろフェンマージも近くなっているはずだから、大丈夫だとは思うが…。

 俺はこの空地を出て、東に向かうことにする。お宝、出てこないなあ…(´・ω・`)ショボーン。

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地25だ。ここから出ている小道は西のみ。このうち西は空地12(クマ)に続く道だ。

 小さな沼のある空地だ。俺が調べようと近づいてみると…ぐぶぶぶぶっ、ごぼお!

 皮膚が茶色のゴムのような、巨大なヒトデに似た怪物が出現し、俺に向かって触手を伸ばしてくる!!わあーぁグロテスク!!!(;´Д`)

 だがちょっと待て、この怪物、沼怪獣って言うんだけど、そいつの額には…

 

 『美しいスミレ石が輝いている』

 

 お☆た☆か☆ら☆キタ━━(゚∀゚)━━ヨ! だったら逃げずに戦闘だーい!!

 

【沼怪獣 技術点8 体力点10

1R (沼怪獣/13)(ブリッツ/16) 沼怪獣/体力点-2

2R (沼怪獣/11)(ブリッツ/17) 沼怪獣/体力点-2

3R (沼怪獣/14)(ブリッツ/19) 沼怪獣/体力点-2

4R (沼怪獣/20)(ブリッツ/20) Draw

5R (沼怪獣/12)(ブリッツ/16) 沼怪獣/体力点-2

6R (沼怪獣/12)(ブリッツ/14) 沼怪獣/体力点-2

 

 いやあ、自分で言うのもなんだが…

 金目の物がぶら下がっていると、ハリキリ方が違うねえ(゜∀゜)

 俺はダメージなしで沼怪獣を一蹴して、ぶよぶよした肉塊に変えた。それから剣で巨大なスミレ石を切り離し、ザックに詰め込む。ずっしりとした勝利の重さ。にへら、と笑う俺。

 よーし、これで「サソリ沼」に眠っていた宝も手に入れたし、あとは沼地を出て、フェンマージのセレイターの元に戻るだけだ!!(^v^)

 ここは突き当たりなので、俺はさっさと来た道を戻ることにして、西に行く。

 

 

 

フェンマージに帰還!! --Scorpion Swamp-- 

 

【技術点11/11 体力点17/19 運点10/13

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 ここは空地12だ。ここから出ている小道は東、西、北。このうち北は空地17(クモのあるじ)、東は空地25(沼怪獣)に続く道だ。西はわからない。

 以前、木のウロに住むクマを退治した空地だ。だから今は、しゃぶりつくされた骨の他には何も見当たらない。俺はここを通り抜けて、東の小道に向かう。

 たぶん、もうそろそろ…今回の冒険も終わりのはずだ…

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 戻ってきた!!!(゜∀゜)

 ここは空地1だ。ここから出ている小道は東、西。このうち東は空地4(狼のあるじ)、西は空地12(クマ)に続く道だ。

 ついに「サソリ沼」の入り口の空地まで辿り着いたぞ、やったー!!!

 ここには泥沼があり、俺は土の柔らかいところをさっと飛び越える。2d6で現在の体力点以下なら成功だ。失敗したら技術点-1という凶悪なペナルティだが、俺の体力点は17なのでチェックする必要もなーし( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / /

 そして俺は南に向かう。霧が立ち込めてジメジメした湿地帯とはこれでオサラバだ。歩き進むにつれて、あたりが明るくなり、木々の間から青空が見えてくる!

 

〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜 ・ 〜

 

 俺は広々とした場所に足を踏み入れた。とうとう「サソリ沼」を抜け出したのだ!

 前方には、俺の依頼主である<善>の魔法使いセレイターの住む村、フェンマージが見える。

 ここでもう一回ザックの中を確認…うん、ある!(^v^)

 しっかりアンセリカの実は手に入れている。さあ、彼に旅の成果を報告するとしようか!!

 

 こうして俺はフェンマージの村に着いた。

 泥だらけになりながらも、俺がサソリ沼から生還できたことを、一般ピーポーの村人達は信じられなかったらしい。迷信深い奴は「幽霊だー!((( ;゚Д゚)))とか騒ぎ出す始末だ。

 だけど俺がザックから取り出した鉤爪獣の爪とか、金の鎖とか、スミレ石といった数々の獲得品を見せびらかすと、驚嘆の叫び声とともに認識してくれる。

 俺が一流の冒険者だってことをな。へへへへ、いい気分だね。o(*・∀・)

 

 それからさっそく、俺は足取り軽くセレイターの住まいへ行くことにした。思いのほか予想より早かったらしく、セレイターはビックリしながらも、相変わらず快活な笑顔で俺を歓迎してくれた。台所では暖炉の火が楽しげな音を立て、おいしそうな料理の匂いが漂っている。ああ、ほっとするねえ(´∀` )

 

セレイター「それで、あの実を持ってきてくれたかね?」

ブリッツ「ほい、どうぞ!!」

 

 ごとん、と俺はテーブルの上に紫色のアンセリカの実を置いた。セレイターは破顔一笑!「うひゃっほう!゜+.(・∀・)+.゜」と喜びの叫び声を上げる。

 そして下手だが楽しそうなステップを踏み、陽気なダンスを踊りだした!その格好はいかにも滑稽で微笑ましいが、彼はそんなこと気にしていない。「アンセリカったらアンセリカ♪ル〜ららら〜♪」とでたらめな歌も口ずさんでいる。

 へえ、暗黒大陸クールの踊りってのは、アランシアと違って、おもしろいねえ。見よう見まねで俺もそれに付き合うことにした。

 

 ♪〜ヽ(゚∀゚)(ノ゚∀゚)(ノ゚∀)(ノ゚)( )ノヽ(∀゚ヽ)(゚∀゚ヽ)(゚∀゚)ノ ヒャハハハ〜♪

 

 

 

175!そして次の冒険への幕間 --Scorpion Swamp-- 

 

【技術点11/11 体力点17/19 運点10/13

 

 どうしてGOOD ENDのパラグラフが400でないかというと、今回のGamebook<善><中立><悪>のルートによって、それぞれエンディングが違うからなんだな。世界初のマルチエンディング方式でもあったわけだ。さすがスティーブ・ジャクソン(米)。革新的だ!

 

 さてさて、セレイターはそのつややかな果実を庭に埋め、呪文を唱える。

 …おおお、瞬く間に芽が生えてきて、灌木に成長し、花が咲いて芳香が漂い、たくさんの紫色の実を結ぶ。それらをまた庭に植えると、また芽を出して…素敵な拡大再生さーん!!(^v^)

 じきに誰もがもう一度アンセリカの実を持てるようになるだろう。「全ては君のおかげだ。本当に素晴らしいことをしてくれたね!」とセレイターは俺の偉業をほめてくれる。

 へへっ、照れるなあ(ノ´∀`*)

 そして俺は家の中に再び入り、セレイターのとっておきの料理を振舞われた。食事をしながら、俺は1枚の紙を懐から取り出した。まあ、温かい料理へのサービスってことで…

 

俺は今回の冒険の地図を、ちゃっかり作っていたのさ!!(クリックすると出ます)

 

 そしてその地図を指差しながら、俺は今回の冒険の数々の出来事を、セレイターに聞かせるのだった。あはは、いやあ、ここはこうなってね、ほうほうふむふむ…。談笑に満ちたひととき。心休まるなあ。こういうほのぼのした冒険の報酬ってのも、なかなかいいやね。(^v^)

 

♪ たのしかーったひとときがー いまはもーう すぎてゆくー ♪

 やがて食事が終わり、いよいよセレイターからサヨナラするときがきた。虹色に輝く<瞬間移動>の魔法石を発動させるのだ。

 ぶわあああん!変な振動音がする。そして俺の身体は暗黒大陸クールを離れ、なつかしのアランシア、ブリッツ・キャッスルの元へ…

 ゆらゆらゆら…視界がゆらめいている…ゆらめきの向こう、まだかすかに見えているセレイターは、名残惜しそうに別れ際、こう言った。

 

セレイター「ひとつだけ言っておこう。グロナールのことだ」

ブリッツ「ああ、俺をこの大陸に呼び込んだ、あの怪しげな男か」

セレイター「彼は君をとても見込んでいる。いずれまたいつか、ここ暗黒大陸クールに危機が訪れた際は、再び君は、彼に呼ばれるかもしれないよ」

ブリッツ「え、ちょっと待っ…奴はいっ…どういう男…」

セレイター「それではこれからもご武運を!!」

 

 … … … 次の瞬間、俺はブリッツ・キャッスルの正門前にいた。

 

 俺様を別の大陸にまで呼びつけたグロナール、奴の正体は、いったい???首をかしげて辺りを見回す俺。ふと上方を見ると…うわ、あっぶねえ!(゚Д゚)

 城壁の上から野獣のように、ぴょーンと飛び降りてくる女がいる!すっかり忘れてた。うちんとこのトラブルメーカー、タイガー・ガールだ!!(←前回の冒険で拾ってきた未開人娘。『トカゲ王の島』参照)

 

タイガー・ガール「ぶりつーーーー!しんぱいしたぞいままでどこにいたーー!」

ブリッツ「いやあ、まあ、話せば長いことながら…あ、そうだ!」

タイガー・ガール「なんだ?」

ブリッツ「いつまでも名無しってのもなんだし、お前の名前“アンセリカ”ってのは、どうだ?」

タイガー・ガール「あんせりか?」

ブリッツ「この果物の名前さ」(ごそごそと、セレイターからもらった果実を見せる)

タイガー・ガール「おおいいにおいだぞ!」

ブリッツ「バカ、てめえ、喰うな!1個しかねえんだぞ!!ヽ(`Д´)ノ」

 

〜 ☆ 〜 ☆ 〜 ☆ 〜 ☆ 〜 ☆ 〜 ☆ 〜 ☆ 〜 ☆ 〜 ☆ 〜 ☆ 〜 ☆ 〜

 

 こうして俺は暗黒大陸クールから無事戻ってきたわけで、そんときはそりゃあもう、神隠しに遭った君主が戻ってきたってもんだから、タイガー・ガール改めアンセリカを始め、領民みんなが大騒ぎさ。

 それに、俺はちょっとした宝を持って帰ってきた。セレイターからもらってきたアンセリカの実だ。

 これを庭に埋めて、っと。冒険で使わなかった<繁茂>の魔法石を発動させて掛け合わせ…むむむむ…できたー!栽培成功!!!(≧∇≦)b

 こうしてアンセリカの実は、ブリッツ・キャッスルの特産品となりました♪

 アランシアでこの植物が生えているのはウチの領地だけだもん。それはもう大もうけさ。ひっきりなしに商人がやってきて、いろんな薬作りに役立つこの果実を、買い付けていくようになった。

 俺の領地の財政状況は見事に好転するんだが、でもなんだか、金勘定ばかりで退屈だなあ。あーあ、つまんねえなあ…。

 

 さて、そんなこんなの日常の中、うちにやってきた商人のうちの1人で、キャラバンを率いるビッグ・ジム・サンという経験豊かな老人がいた。彼はアランシア北部、氷指山脈の向こうからやってきたんだ。

 ビッグ・ジムは、自分の肉親を探すためにトカゲ王の火山島から抜け出てきた孤児娘、アンセリカにふと目を止める。「ほほう、彼女はひょっとしたら…!」

 

 え?知ってるの??(゚д゚;)

 

 何でもビッグ・ジムが言うには、自分の交易範囲である氷指山脈の北辺に、彼女と同じような金髪碧眼の民がいるらしい。

 その中でもいちばんの取引相手でスゴ腕の毛皮猟師(やっぱりアンセリカと同じ金髪碧眼)がいる。彼は15年前、奴隷商人に自分の娘を連れ去られてしまい、そのことをひどく気に病んでいる。火酒を飲むとしょっちゅうその話をする…のだそうだ。

 

ビッグ・ジム「彼女が連れ去られた時は3歳の幼な児。ちょうど年の頃も合う…。あいつが言うには、彼女は右太ももに雪狼に噛まれた歯形の傷があるから、すぐにわかると…」

アンセリカ「あるよわたし!」(ぺろんと右脚をめくる)

ブリッツ「うわお!間違いねえじゃん、そいつがおめえの父さんだよ♪」

ビッグ・ジム「これも何かの思し召し。私はこれから氷指山脈に戻っていきますが、よかったらアンセリカのお嬢さんも行きますかね?」

アンセリカ「うぃ!おまえもくるかぶりつ?」

ブリッツ「うええっ、俺もぉ???(゚Д゚ )

 

 まあ、確かにここで金勘定しているのもヒマだし、「感動の親子の対面」ってのを見てみるのも悪くはない。俺も元は孤児だったしな、こういう話に弱えんだ。へっ…

 それに、北方は冒険者もめったに寄りつかねえ、誰も行ったことのない辺境だ。だからこそ、誰にも手が触れられていないお宝が眠ってそうな予感も…

 もしそんな財宝がないとしても、話の種に、氷指山脈の民の暮らしを見ておくってのも手だな。今回のアンセリカの実のように、ウチの領地にとって上手い儲け話があるかも…

 よーっし、決めた!(゜∀゜)

 

ブリッツ「ビッグ・ジム。俺もいっしょに連れてってくれよ。邪魔はしないからさ」

アンセリカ「ぶりつもいくか!あんせりかうれしいぞ!!」

ビッグ・ジム「おお!そりゃあ願ったり叶ったり。あんたのような熟練の剣士がいっしょなら、道中は安心だわい!!」

 

 こうして俺とアンセリカは、隊商のビッグ・ジム・サンといっしょに、北の氷指山脈へ旅立つことになった。

 わりいな領地のみんな、またちょっと留守するぜっ!!(^v^)ノシ

 

 

 

【『雪の魔女の洞窟』へ続く】