死のワナの地下迷宮
キャラクターコンバート&世界の説明 --Deathtrap
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というわけでブリッツ君は、今度はファング市の迷宮探険競技に挑むことになる。
いよいよ満を持して登場するのは、I.リビングストン畢生の大作GB、地獄のカーニバル『死のワナの地下迷宮』だ。さすがにびびるぜー。
さて、その前に恒例のキャラクターコンバート。
ハウスルールである達成点が1点溜まった。今回血なまぐさいガチ戦闘が多発すると思うから、ここは即座に消費して体力点を1点上昇させよう。これでブリッツの能力値は以下のようになった。
【原技術点11 原体力点17 原運点11】
ちょっと筋肉がついたかな?だいたい敵の攻撃は体力点-2のケースが多いから、8.5発まで耐え切れるようになったのは大きい。この1点が生死を分ける状況もあるかもしれない。
そしてルールの確認。今回もオーソドックス・スタイルなのだが、金貨に関するルールがばっさり削られている。スタート時の金貨30枚もナシだ。つまり今回はダンジョンもぐりっぱだから、金集めなんか意味がない、というわけか・・・。
原点回復薬は前回と同じく1回分。うーんこれは、体力点を原点まで回復させる力の薬にしておこう。今回はとにかく体力勝負!
続いて所持金のハウスルール。前回『盗賊都市』終了時の手持ち金貨は65枚。依頼主オウエン・カラリフの報酬もあったけど、これはまあうやむやになって、シルバートンの街に寄付ってことになっちゃんだよね、毎度のごとく実入りの悪いことで(;´Д⊂)
それ以外のアイテム換金は?おお、けっこうなんかいろいろ、ポート・ブラックサンドで手に入れてたよ。一つ一つ見ていくよ・・・まず、攻撃力+1の魔法の盾が金貨50枚。黒真珠6個が全部で金貨30枚。黄金の眼の指輪が金貨15枚。鍛冶屋が作ってくれた甲冑が金貨10枚。ふくろうのお守りが金貨5枚。それ以外のアイテムはぜーんぶ集めて金貨1枚、ってところが適正価格かな。
全て合計すると、総資産は金貨176枚。×0.1で金貨18枚が初期所持金だ。最初の金貨30枚はないので、この金貨18枚がブリッツ君の総財産となーる。
さてここで、ブリッツの冒険しているFFGBの世界を紹介しよう。
ここは『タイタン(Titan)』というファンタジー世界だ。タイタン、といっても土星最大の衛星とは何の関係もない。まあちょっと危険で、不潔で、混沌で、グロテスクなヨーロッパ中世風の社会だと思ってくれればそれでいい。
間違っても「冒険者ギルド」とか「魔術師協会」なんていう互助組織なんか、ねえっす(><)。冒険者は社会のはみ出し者で喰いっぱぐれ。アウトローの一匹狼が基本スタイル。99.99%が野垂れ死にで、残る0.01%が英雄になる。そんなハイリスク・ハイリターンの冒険が繰り広げられるのだ。
このタイタンには、大きな海にぽっこり浮かぶように、3つの大陸がある。1つは『アランシア(Allansia)』、1つは『旧世界(Old World)』、そして最後の1つは『クール(Khul)』という。それぞれの大陸間は大海をどんぶらこっと帆船で渡っていかなきゃならないが、それはまったく不可能というわけでもない。それなりに命知らずの船乗りによって、人や物の行き来はなされているようだ。
で、今までの「火吹山〜」以来のブリッツ君の冒険は、アランシアの北西部地方で主に行われてきた。それぞれの冒険を繰り広げた地域は、以下の通りだ。
1st 「火吹山の魔法使い」 異教平原
2nd 「バルサスの要塞」 柳谷、サラモニス、ぎざ岩山地
3rd 「運命の森」 ストーンブリッジ、ダークウッドの森
4th 「盗賊都市」 シルバートン、ポート・ブラックサンド
様々な危難が彼を襲ったが、ここら辺はまだ、人間が何とか暮らしていくことのできる、文明の最先端地域(古代中国で言う「中原」ってやつ)なんだそうだ。ということは、これ以外の土地は、どうなっていることやら・・・((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル
ま、とりあえず今回はここまで。ブリッツが無事に今回の冒険をクリアしてきたら、もうちょっと詳しい話を、そのときすることにしよう。
それでは、レッツ・ゴーっ!!(^v^)ノ
ブリッツ、故郷に戻る --Deathtrap
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【技術点11/11 体力点17/17 運点11/11】
チアンマイ北部のコク河流域にあるファングってのは、もともと、ちっちゃこい田舎町だった。
ま、ここは俺様の生まれ故郷なんだけどな。
だが数年前、サカムビット公という貴族のおっさんがこの町を治めることになり、そのお偉いさんがこの町に衆目を集めるため(要するに“町おこし”したかったんだ)、ある一つのアイデアを思いついたことから、この町を取り巻く環境がとんでもないことになっていく。
彼は、住民の協力も得て、街の背後の丘深くに、出口が1つしかない大迷宮を建設しちゃったんだ。迷宮内にはありとあらゆる罠や怪物で満たされており、通り抜けるには、某クイズ番組スペシャルのように『知力、体力、時の運』を最大限発揮しなければならない。
運用試験において、テストメンバーの近衛兵全員が出てこなかった(そん中には俺と同じ横丁出身の奴もいた)のを確認した後、サカムビット公は高らかに宣言した。
『ファングの大迷宮から生還した者には、金貨一万枚とチアンマイの永久統治権を与える!』
・・・ってね。そして毎年1回、5月1日に「迷宮探険競技」が開催されることになった。
さあ、そっからはタイヘンだ。アランシア中の勇者、古強者、ろくでなし、ならず者、その他「腕に覚えのある」奴らがファングに集まって、この迷宮に挑戦する(そして誰も突破できずに死ぬ)お祭りで大盛り上がり。それから物見遊山の観光客もここに来て大盛り上がり。それはつまり相乗経済効果っていうの?そんなこんなでファングの街は見る見るうちに繁栄していった・・・
よっ!俺の名はブリッツ。(^v^)
悪の魔法使いザゴールやバルサス・ダイアを倒し、ストーンブリッジに戦いのハンマーを戻し、ついこの間はザンバー・ボーンを倒してシルバートンの街を救った英雄だ。これでもいろいろがんばってるんだぜ。
ポート・ブラックサンドから北行きの船に乗り、コク河の河口で降り、そこから川筏で4日間旅して、5、6年ぶりに俺はこの街、ファングに戻ってきた。
「迷宮探険競技」に参加するために。
何でそんな命知らずの事にチャレンジするかっていうと・・・まあ、前回、シルバートンのかわいい娘ミレルちゃんにそそのかされたっていうのもあるんだけど(笑)、だけどファングっ子なら誰しも夢見るじゃん。迷宮探険競技のチャンピオンをさ・・・そろそろいい頃合じゃないかと思ったわけ。
さてさて、ファングで俺様が「迷宮探険競技」にチャレンジするっていう噂は、すでに俺の身体より先に到着していた。
これでもいろんな冒険を成功させてきた(その割に金は溜まってないけど)から、「おお、あなたが有名な・・・」と、エントリー係の役人に一目置かれてしまった。えへへ、照れるなあ。
さらには「この街で生まれた若者が、名誉ある挑戦者になって戻ってきた!」と、住民達の熱狂的な出迎えも受ける。あ、あそこにいるのは・・・少年時代、俺を拳骨でぶん殴り続けた果物屋の親父だ。露骨にころっと態度変わるよなー、ったく( ´∀`)
俺は孤児出身だからこの街に身寄りはない。だから競技当日までどう暮らそうかなー、なんて心配も実はしていたけど、杞憂に終わった。なんと迎賓館に連れて行かれ、王侯貴族が泊まるような豪華な部屋の宿舎が用意されている。
うわぁお、まるで生き神様扱いだよ。っつか、生贄っつーか、特攻隊員だな(笑)
何不自由ない贅沢な暮らしが数日たち、いよいよ「迷宮探険競技」の当日がやってきた。トランペットが鳴り響く中、俺は迎賓館を出る。群集の喝采を浴びながら街外れの丘にゆっくりと歩いていく俺様。んー、なかなかにいい気分だ。
やがて、禍々しい彫刻で飾られた2本の巨大な石柱が見えてきた。そのそばに老獪そうな貴族、サカムビット公本人の立ち姿も見える。挑戦者達を出迎えてくれるようだ。
そう、俺の他にも迷宮に挑むライバル達がいる。それぞれが目印となるスミレ色のスカーフをつけて、誇らしげに立っている(もちろん俺も)。今年の挑戦者はこの6人だ。
○筋骨隆々のバーバリアン。
○もう一人の筋骨隆々のバーバリアン。
○艶やかな金髪に猫のような緑の目をした妖精めいた女
○鎧で身を固めた重装備の騎士
○黒いローブと覆面を被った暗殺者
○そして、俺。ブリッツ
この中から、迷宮を通り抜けて勝者になるのは1人だけだ。もしくは全員死亡で今年もチャンピオンは生まれず、来年に持ち越しとなるか、どっちかの可能性しかない。
だからお互いが敵同士なので、誰も何も言わない。じいっと厳しい眼で牽制しあっている。やだなあこのフンイキ、ピリピリしてるなあ(;´Д`)
ちょっと気疲れを感じた頃、サカムビット公がくじ引きの棒を持って近づいてきた。俺が1本引くと、そこには「5」と書いてある。つまりは5番スタートってことだ。後ろから2番目か。最初にスタートすると待ちかまえている罠や怪物ともろにぶち当たるから、危険は少ないにこしたことはない。なかなか恵まれたスタート順と言えるだろう。
歓声が大きくなってきた。ドコドコドコ・・・と太鼓が鳴らされる。
さあ、いよいよ競技開始だ!
群集に手を振りながら、1番のよろいの騎士が迷宮のトンネル内に入っていった。そして30分後、妖精めいた女が続く。それから30分間隔で蛮人のかたっぽ、暗殺者、ときて、俺の番だ。
布告官「次なる勇者は、剣士、ブリーーーーーーッツ!!!」
ブリッツ「うおっしゃあー!いっくぜい!!ヽ(゚∀゚)ノシ」
盛り上がってきたよーっ!チャンピオンは俺だあ!
この街を身一つで飛び出した孤児の俺が、王者に出世するんだ。くー、燃えるじゃん!やってやろうじゃん!
俺は気合を入れ直して顔をパンパンと叩く。そして深呼吸する。美味しい空気の吸い収めだ。それから群集に手を振り、石柱の入り口を通る。トンネルに入る瞬間、サカムビット公と一瞬目が合ったような気がした。いや、それは気のせいか・・・?
やがて群集の歓声は背後で徐々に遠ざかっていく・・・
序盤戦は静かな立ち上がり・・・ --Deathtrap
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【技術点11/11 体力点17/17 運点11/11】
闇に近い暗がりに、次第に目が慣れてくる。といってもトンネルの天井からクリスタルガラスの照明灯が20mおきにかかっているので、光源を自分で用意する必要はない。
もう背後からの大歓声は聞こえなくなった。冷たく湿っぽい空気の中、俺はカツーン、カツーン、と通路を慎重に歩いていく。
いいねえ、これぞダンジョンだよ!(・∀・)
さて、5分ほどそろそろと北に歩くと、左側の壁に石のテーブルがあり、その上に6つの箱がある。そのうち1つは「ブリッツ殿へ」と名指しで記してあった。
この箱を開けてみる?でも罠じゃないか?だけどこんなハナッから仕掛けることもないだろう・・・と、俺はパカッと箱を開けてみた。
中には金貨2枚と、俺宛のメッセージが書かれた羊皮紙が入っていた。どれどれ、何が書かれているのかな?
『よくやった。少なくとも君は、足を止めて、自分に与えられた援助のしるしを受け入れるだけの分別を示したわけだ。そこで君に忠告するが、もし私の死のワナの地下迷宮からの凱旋を望むなら、君は途中でいくつかの品を入手しそれを利用しなくてはならないだろう。サカムビット記す』
ふーん、この地下迷宮のオーナーのサカムビット公とかいうおっさん、なかなかフェアな精神を持っているじゃねえか( ̄ー ̄)ニヤリ
俺はニヤニヤして紙をちぎってばらまく。まあ「特定のアイテムを収集しないとクリアできない」っていうのはGBの基本だから、今さら言われるまでもないけどな。
トンネルを数分間北に歩くと、さっそく東西の分かれ道に出た。片側の壁には白い矢印があり、西を指している。床を見ると、俺より先発してダンジョンに入っていったライバル達の足跡がついていた。3人が矢印通り西に進み、1人は東に進んでいる。さて、俺はどっちに行こうかな・・・
ここで俺は、さっきのサカムビット公の忠告を思い出す。アイテムを手に入れていくかたちなら、ライバルは少ない方が、GETできるチャンスは多くなるってことじゃね?
よし、東に向かおう!(^v^)
やがて前方の床の上に障害物が見えてきた。暗くてよくわからん。もっと近づいてみよう。
んんん?なんだこりゃ?(@ヘ@)
通路にどーんと置かれている障害物は、大きくて茶色の、大石のような物体だ。だが不思議なことに、触ってみるとスポンジのように柔らかい。さてどうする?
(1)よじ登って乗り越える
(2)剣で切り裂いてみる
筋道立てて考えてみよう。この球体がここにあるということは、先発のライバル1名も、剣で切りかかってはいないことがわかる。そして奴の死骸がないということは、無事に乗り越えられたということだ。よし、俺もそれに習おう。(1)だ!
俺は「ふんしょっ!」っと、このスポンジ球に取りつき、えっちらおっちらよじ登り始める。手足がずぶずぶはまり込むのでなかなかタイヘンだが、なんとか乗り越えられて向こう側の地面に着地した。
ふうやれやれ。俺はちょっとホッとして一息ついてから、東に向かい続ける。
まだまだこの冒険は序盤戦。まずは静かで無難な立ち上がりといったところか・・・
・・・かと思ったら、いきなり死にかけてます(笑) --Deathtrap
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【技術点11/11 体力点17/17 運点11/11】
トンネルは北に折れ、そのままずっと続いている。
・・・???おかしい。あのダンジョン特有のジメジメした空気が感じなくなってきた。周りの空気が、乾いた・・・いや、熱気ムンムンになってるぞ。まるで巨大なオーブンの中にいるみたいだ。この熱から逃れて楽になろうとシャツの前ボタンを外す俺。だがこの熱気は耐え難く、頭が朦朧としてきた。足取りがふらふらしてくる。
やべえな、いきなり乾き死にかよ。うううー、みずー(*o*)
そんなとき、まさにグッタイミング。左側の小さなくぼみに竹筒が立てかけてある。中には透明な液体がなみなみと注がれている。まるで「飲め!」と言っているかのようだ。
どうする?飲む?いや、ここはガマンだ!(`・ω・´)
まだ序盤なので、能力値はぜんぜん減ってない。この液体が毒かなんかでペナルティ喰らうリスクの方が怖い!俺は「気合ダー!」っと自分を怒鳴りつけると、この液体を飲まずにそのまま北に進んでいった。だが、しかし・・・
『君は必死でがんばるが、周りの空気はしまいには白熱に近い高温に達し、もうほとんど耐え切れないほどだ。君は竹筒の液体を飲んだだろうか?』
白熱に近い高温て・・・なんだそのオーバーテクノロジーΣ(゚д゚lll)ガーン
飲んでない俺は、ついにバタンキュー!!(←死語)。床に膝をつく。ああもうだめポ。あの液体を素直に飲んどきゃよかった。こんないきなりGAME OVERかよ・・・。
いや待て、ここで技術点チェックだ。成功!
『君は類まれな体力と固い決意があったればこそ、気を失って倒れ伏せずにいられるのだ。歯をくいしばって、君は決然と前進を続ける』
(>Д<)了解! まだまだこんなところでくたばってたまるかおー!今までの冒険の苦難、例えば『運命の森』で食料喰えなかったこととかを思い出せ!(根に持ってるな俺も)あれにくらべたら、こんな熱ぐらいなんだー!!ふぁいとぉー、いっぱああっつ!!
じりじりと身体を動かし、一歩一歩、北へと進む俺。やがて気温は急速に下がり始めた。俺は熱気の通路を通り抜けたのだ。まもなく、ひんやりとした空気が再び俺を包む。
だけどこんな序盤から生死の境を彷徨うとはなぁ・・・マジでガチ勝負だぞ今回は(´Д`;)
さて、ふと気づくと、左手に閉じた扉があった。この扉には小さな鉄のプレートがついている。このプレートをスライドさせると部屋の中が覗けた。
扉の後ろには深い穴があり、穴の向こうの壁には留め金があって、そこに一束のロープがかかっていた。
もしプレートに注意を払わないで、そのまま扉を開けていたら、落とし穴にはまっていたんだろうな。ま、そんなドジを犯すブリッツ様じゃありませんよっと。┐(´ー`)┌
ロープはこれから先、何かと役に立ちそうだな。俺は扉を開け、ぴょーんと穴を飛び越え、こいつをゲットした。そしてまた穴を跳び越して通路に戻り、北に向かう。
前方で急にトンネルは左に折れ、そこを曲がった拍子に・・・
うわぁお!何者かとぶつかりそうになった。
ブリッツ「危ねえな、気をつけろい!(怒)」
オークども「死ねやゴルアアアア!」
ブリッツ「へ?(゚Д゚ )」
俺が正面衝突しそうになったのは、オークの2人組だ!奴らはモーニングスターで武装して待ちかまえていて、もちろん俺に殴りかかってくる。わたわたと剣を抜くのが遅れちまった俺。
くそ、不意打ちか!ここで1d6を振れってさ。えーと5か。出目が5か6だと・・・なになに・・・『オークのモーニングスターは君の盾に当たってはねかえり、君は無傷だ』
がしいん!渾身の力をこめた鉄球が俺の盾に当たり、すさまじい音がしたようだ。どうやらツキがあったみたいだ。俺は落ち着いて彼らに向き直り、トンネル内で順番に1人ずつ相手していく。
【オーク1 技術点5 体力点5】
【オーク2 技術点6 体力点4】
1R 攻撃力(オーク1/16)(ブリッツ/20) オーク1/体力点-2
2R 攻撃力(オーク1/7)(ブリッツ/16) オーク1/体力点-2
3R 攻撃力(オーク1/9)(ブリッツ/21) オーク1/体力点-2 ←OverKill!!
4R 攻撃力(オーク2/15)(ブリッツ/18) オーク2/体力点-2
5R 攻撃力(オーク2/17)(ブリッツ/15) ブリッツ/体力点-2
6R 攻撃力(オーク2/11)(ブリッツ/17) オーク2/体力点-2 ←Kill!!
くそ、モーニングスターの相手なんて戦い慣れてないから、ダメージくらっちまった。この体力点-2が後々響いてこなければいいんだけど・・・(´・ω・`) オークのうちの1人が、ポケットの中に金貨1枚と中空の木の管を持っていた。木の管は何に使うかようわからんが、とにかく持っていくことにしよう。
俺はこの曲がり角から西に向かうことになる。
早くもライバル、一名脱落 --Deathtrap
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【技術点11/11 体力点15/17 運点11/11】
トンネルの床がまた湿ってきて、前に先行していたライバル1人の足跡が、またわかるようになった。足跡は右手の壁にある閉じた鉄の扉につづき、その中に入っていったようだ。
俺はそうっと、このドアを開ける。中は大きな部屋で・・・
おわっ!死体だっ!ヒイィィィ!!(´Д`ノ)ノ 犠牲者は長釘を固定した床トラップに引っかかったらしく、全身串刺しになっちまってる。
こいつは腕にすみれ色のスカーフを巻いてる。ということは・・・ああ、ライバルの1人だ。俺より先に入っていったバーバリアンだ。
○筋骨隆々のバーバリアン。
○もう一人の筋骨隆々のバーバリアン。
○艶やかな金髪に猫のような緑の目をした妖精めいた女
○鎧で身を固めた重装備の騎士
○黒いローブと覆面を被った暗殺者
○そして、俺。ブリッツ
ここで早くも1人脱落か。俺は慎重に床を調べてみる。なるほど、このワイヤに足が引っかかって、釘板がバーンと飛び出して身体にぶちあったんだな。なーむー。(ー人ー)
さて、どうしよっか?俺がまず最初にやったことは・・・
情け容赦なく蛮人の死体をあさってみる(笑)。ま、悪く思うな。あんたが見つけたアイテムはこの俺が立派に活用してやるよ。
だが裸に近い蛮人なので、持っていたのは元の動物が何かわからない乾燥肉だけだ。だが、彼が大事に持っていたので、食料であることは確かだ。毒じゃあないだろう。俺は口にそろっと含んでみることにする。
ぱく。(お!)ぱくぱくぱく。(おおっ!)・・・うまーい!!(・∀・) この肉には精力増強の薬用効果がある。体力点+3だ。俺の体力点は原点まで戻った!
さて、お腹も膨れたし、この部屋をもう少し探ってみるとするか。部屋の片隅に凹所があり、そこには銀のゴブレットが乗っかっている。ここに急いで歩み寄ろうとして、この蛮人は床罠を作動させちゃったんだな。まったく慌てる乞食はなんとやらだ。
へへへ、俺はそんなドジ踏まないぜ。まだ隠れた罠がないかどうか、ゆっくり警戒しながらこの凹所に近づく。ゴブレットの中には赤色にきらめく液体が入っていた。
ゴブレットをそーっと持ち上げると・・・かちっ
あ、何かヤな音(T∀T)
ゴブレットの重みがなくなったことにより、スプリング式の留め金が外れて、下のテーブルの足から投げ矢が飛び出すワナだ!ここで運試し・・・吉!!
俺は微妙に体勢をずらしていた。太ももに突き刺さるはずの投げ矢はスレスレに外れて、反対側の壁にびいぃぃぃん!と突き刺さる。あっぶねえー(*´д`*)
ビックリした弾みに、俺はゴブレットを転がしてしまっていた。だから赤い液体は床にぶちまけられちゃったので、結局なんだったのか調べようがなくなってしまった。
だけどこの銀のゴブレットは、なんかの役に立つかもしれないな。俺はこいつをザックの中に入れた。そして部屋を出て通路に戻り、再び西に向かうことにする。
やがてトンネルは南北の分かれ道に出た。床にはライバル達の足跡が3組くらいついていて、全員南から北に向かっている。どうやらさっきの分岐点から、ここで合流したみたいだな。俺もこの足跡に沿って北に向かうことにした。
ハゲオヤジ像の左眼をほじくり出す --Deathtrap
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【技術点11/11 体力点17/17 運点10/11】
通路は広々とした大洞窟に続いていた。洞窟の中央には巨大な偶像が鎮座している。全高6mはあろうかという、禿げた太っちょ男があぐらをかいた形の、バカでかい石像だ。
この像の両眼にはきらーんと光る宝石がはまっている。そして像の左右には、巨大な鳥に似た生き物の剥製も置かれている。
あの光る宝石を見たら、こりゃあもう、冒険者として素通りはできないでしょう(゜∀゜)
考えるまでもなく俺は石像によじ登ることにする。このハゲオヤジの像はひどくツルツルしていて登りにくいが、幸い、俺にはさっき手に入れたロープがある。投げ縄の要領で・・・よっと!
ロープは見事、像の首に引っかかった。にへら、と笑う俺。
そしてうんしょ、こらしょ、どっこいしょ、と登っていき、ハゲオヤジ像の鼻の上で腰掛ける。さて、どっちの眼の宝石をほじくろうか?右眼か?左眼か?
んー何の手がかりもないし、左眼からいくか!
と、俺が宝石に手を触れたときだ。キーキーキー!!と音がする。何だぁ?
下を見ると、さっきまで剥製だった二羽の鳥が飛び立って、俺に襲いかかってくる。こいつらは鳥型のガーゴイルで空飛ぶ番人(フライング・ガーディアン)という怪物だった!
うわ、こんな足場の悪いところで順番に戦うのかよ!この戦闘の間だけ、俺は技術点-3のペナルティを負ってしまう・・・って、けっこうキツイ・・・(><)
【空飛ぶ番人1 技術点7 体力点8】
【空飛ぶ番人2 技術点8 体力点8】
1R 攻撃力(空飛ぶ番人1/14)(ブリッツ/17) 空飛ぶ番人1/体力点-2
2R 攻撃力(空飛ぶ番人1/14)(ブリッツ/15) 空飛ぶ番人1/体力点-2
3R 攻撃力(空飛ぶ番人1/11)(ブリッツ/14) 空飛ぶ番人1/体力点-2
4R 攻撃力(空飛ぶ番人1/11)(ブリッツ/18) 空飛ぶ番人1/体力点-2 ←Destroy!!
俺は片腕をハゲオヤジ像の鼻の穴に突っ込み、残る片腕で剣を振り回す。
不安定な姿勢で苦労するものの、何とか1体は撃破した。
5R 攻撃力(空飛ぶ番人2/16)(ブリッツ/21) 空飛ぶ番人2/体力点-2
6R 攻撃力(空飛ぶ番人2/14)(ブリッツ/13) ブリッツ/体力点-2
あだだだだ!こいつはさっきの奴より口ばしが鋭い!
7R 攻撃力(空飛ぶ番人2/13)(ブリッツ/14) 空飛ぶ番人2/体力点-2
8R 攻撃力(空飛ぶ番人2/13)(ブリッツ/18) 空飛ぶ番人2/体力点-2
9R 攻撃力(空飛ぶ番人2/17)(ブリッツ/15) ブリッツ/体力点-2
9R 攻撃力(空飛ぶ番人2/18)(ブリッツ/16) ブリッツ/体力点-2
くそ、この、てめえーー!!俺はめったやたらに剣をぶんぶん振り回す。
もう剣術も何もあったもんじゃない。てい、てい、てい!
10R 攻撃力(空飛ぶ番人2/14)(ブリッツ/18) 空飛ぶ番人2/体力点-2 ←Destroy!!
ひゃああ、苦戦したなあー(((;-д- )=3ハァハァ
2羽の空飛ぶ番人は地面に墜落し、その体はひしゃげて動かなくなった。邪魔者がいなくなったのを確認してから、俺は落ち着いて剣の先で左眼をほじくり出すことにする。
ほじほじほじ、ほじほじほじ・・・ごろん。手にずっしりと重たいこの宝石は・・・エメラルドだ!苦労した甲斐はあったな。ニヤニヤしながら俺はそいつをザックに入れた。
さて、もう一方の右眼はどうしようか?同じエメラルドみたいだが・・・。うーん、でもまあ、これくらいにしておくか!(´∀`)
これ以上足場の悪いところに居続けるのも危険だ。次に何が襲ってくるかわかったもんじゃない。さっきの技術点-3の戦闘は結構厳しかったしな。ということで俺は片目だけで満足し、洞窟の固い床の上に着地した。あらよっと!
それからロープを揺すって偶像の首から外そうとする。運試し・・・吉。結び目はちょうどよく緩んで、バラリと床に落ちた。俺は再びロープをしまう。
さあ、これ以上ここでぐずぐずしていても意味がねえ。先に進むとするか!
俺は北に出て、この大洞窟を後にするのだった。
幻影少女からメッセージを受け取る --Deathtrap
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【技術点11/11 体力点11/17 運点9/11】
さて、さほど歩かないうちに、通路の左側に閉じた扉があった。
開けてみると、そこはまったく空っぽの小部屋だ。部屋に入ったらいきなり背後の扉がぴしゃりと閉まる。あらら?閉じ込められちゃったの??Σ(´Д`lll)
そして、天井から大声が聞こえてきた。
「我が主人の巧妙なる殺人迷路、死のワナの地下迷宮へようこそ。冒険者よ、我が主人の名を叫んで、彼に敬意を表してはいかがかな?」
さあて、何と答えたものか・・・。ここでの選択肢は2つ!
(1)「サカムビット公万歳!」と叫ぶか?
(2)「サカムビット公のうじ虫野郎!」と叫ぶか?
そりゃあお前、声は「敬意を表して」って言ってんだろ?じゃあ(1)だよな。悪口言って怒らせて、この部屋から出られなくて餓死なんてやだよ俺。
というわけで、「ばんじゃーい!」ヽ(゚∀゚)ノ と、諸手を挙げてサカムビット公をおだてる俺様。ところが・・・この不思議な声は・・・軽蔑した口調で答えてくる・・・。
「どうやら、我々の巣窟に女々しい雑草が紛れ込んできたようだな」
エエエエェェェェ(゜Д゜;)ェェェェエエエエ
だって「ほめろ」って言ったじゃん、アンタ!ヽ(`Д´)ノ しかし理不尽にも、この声は「我がご主人はお前に特別の贈り物を用意している。この腰抜けの侵入者め!」と言い放つ。
そして、突然天井の穴からドシャーっと、大量の水が室内に流れ込んできた。水牢攻めってやつだ!あわわわわわ・・・Σ(゚д゚lll)
まごまごしているうちに、冷たい水で俺の下半身までがあっという間に浸かる。やばい、脱出口は一つもない、このままじゃ溺れ死ぬしかない!
俺は水を分けて、入ってきた扉のところへ戻る。しかし固く錠がかかっている。そのうち、水位が胸のところまで上がってきた。やば、やば、うわああーーーー!(><)
パニックになりながらも必死で扉に体当たりする俺。
どこっ、げしっ、がすっ!おりゃあー、もういっちょう!ばきいいん!
ここで技術点チェック、成功!俺の体当たりで扉にひび割れが生じた。この亀裂をもっと広げて・・・よし、出れる!俺はどばあっとほとばしる水とともに、この部屋から脱出した!
ぜえはあ、ぜえはあ・・・。ずぶ濡れの体で疲労困憊し、通路に横たわる俺。だけど何とか生き延びたぜぇぇぇ!ひゅうううう!(T▽T)
幸い、水浸しになったけど、ザックの中の食料とかも全部無事だった。俺はちょっと一休みして、ここで食料を1食使う。これで体力点+4だが残り4食か。大事に使わなきゃな・・・。
それから俺は再び通路を北に歩き始めた。
トンネルは曲がりくねりながら、なおも北に続いている。ん?何だ?行く手の先に光が見えるぞ・・・???
俺はここで不思議な光景を目にすることになった。薄青い光の筒が天井から床まで流れ降りていて、筒の中はゆらめき輝いて、光の中に無数の笑った顔が映っているのだ。
幻影魔法の一種なのかな?何だか気持ち悪いなあ・・・(*´Д`)
この光の筒を回避し、脇を通って先に進むこともできる。だけど光の中の顔、こいつら、笑顔なんだよな。フレンドリーになんか情報を教えてくれるかもしれない。よし、突っ切って、あえてこの中に入ってみよう!ずんずん!と、踏み込んだ、ら・・・?
『青い光の下に顔を突っ込むやいなや、くぐもった声が聞こえる。人々の笑顔はかき消えて絶望と苦悶の表情に変わっている。』
(((( ;゜Д゜)))マタカヨー!!
やべえー、また、墓穴掘っちゃった?俺もこの光の中に閉じ込められるとか?そんなデッドエンドっすか?マジでカンベンしてよー!(><)
いや待て、覚悟決めて立ち尽くす俺の前に、悲しげな少女の幻が現れた。彼女は何かヒソヒソと耳打ちしてくる。まるで詩の朗読のようにささやきかけてきた。これは何らかの特別なメッセージらしいぞ・・・。
「通路が水と出会っても、さっさと引き返しては駄目。
競技に打ち勝ちたいならば、ひと息吸ってもぐりなさい」
なるほどなるほど・・・。
俺はこの言葉をしっかり胸に刻み、ウンウンとうなずく。すると少女は悲しい顔のまま、すうっと消えてしまった。
俺は何事もなく光の筒から出ることができる。そして北に向かいつつ、この詩の意味を考えるのだった。
たぶん「火吹山〜」のときみたいに、地下水流か何かが、この先あるんだろうな。そのときはボートとかがなくても、泳げば渡りきれるってことか。そして、それがゴールに辿り着く最善の方法らしい。
水泳かあ。冷たそうだなあ・・・ぶるぶる・・・
大バエの洞窟で吐きそうになる --Deathtrap
Dungeon--
【技術点11/11 体力点15/17 運点9/11】
通路を北に進む俺。右手に重そうな石の扉がある。そこに付いている丸い取っ手を引き、俺は扉を開けてみた。
中の部屋は大洞窟だ。周囲の壁は緑の藻で覆われてじとじとしている。床は藁敷き。何やらうぃ〜ん、うぃ〜ん、という低いハミングのような音がする。
用心しながら洞窟を調べる俺・・・おう、片隅に穴があったぞ・・・そこを覗くと・・・あううっ! 気持ち悪ィ!。゚(゚´Д`゚)゚。
そこには薄青いウジ虫の大群がウジャウジャとうごめいている。うひゃー!思わず吐きそうになってしまう。うえっぷ。ああやだやだ。早くここを出るか!
だがちょっと待て!ウジ虫どもの中心に、短剣が刺さっているのを目ざとく見つけてしまった。この短剣は柄にオパールがはめ込まれ、刃は今まで見たこともない赤味がかった不思議な金属だ。魔法の短剣かもしれん・・・。
だけど、ちょっとだけ問題だ。この短剣を取るには、ウジ虫どもの中に手を突っ込まなきゃならんのだわさ!( TДT)
どうする?取る?うう、そうだよな、取らざるをえないよな・・・ううう・・・(泣)
俺は覚悟して手をウジ虫どもの中に突っ込む。あうあう、ぞっとするような感触だが、何とか短剣の柄をつかみ、ずぶっ、ずぶっ、ずぶぶぶぶぶ・・・と引き抜いた!
しげしげと眺めてみる。魔法がかかっているかどうかはわからんが、やっぱりこれは見事な造りだ。前にこのダンジョンに挑戦した奴の形見かもしれないな。俺はこのオパールをはめ込んだ短剣をしっかりベルトに収めて、この洞窟を出ようとする。
そのとき、背後から・・・ぶ〜ん・・・(ん、何?)・・・ぶ〜〜ん・・・(何だよこの音)・・・ぶ〜〜〜〜〜〜ん!・・・(もう、うっせえなあ!)ヽ(`Д´)ノ
振り返る俺。するとそこには体長1.5mもの大バエのグロテスクな姿が!
ひいいいいいい!≪゚Д゚≫ 思わず背筋が総毛立つ。ここで運試し!結果は吉!
俺は、舞い降りてくる大バエが突き出した足から何とか身をかわし、上空に連れ去られずにすんだ。そして飛びずさって剣を構え、再度攻撃をかけようとするこの虫を迎え撃つ!
【大バエ 技術点7 体力点8】
1R 攻撃力(大バエ/13)(ブリッツ/18) 大バエ/体力点-2
2R 攻撃力(大バエ/16)(ブリッツ/18) 大バエ/体力点-2
3R 攻撃力(大バエ/13)(ブリッツ/21) 大バエ/体力点-2
4R 攻撃力(大バエ/16)(ブリッツ/19) 大バエ/体力点-2
大バエは見かけ気持ち悪いが、所詮は虫だ。生物としてはあまり上等な戦い方はしてこない。実力なら勝てるので、何とか気持ちを落ち着けて、俺は慎重に一撃を重ねて仕留める。
黄色の体液がぐちゃらっと剣に引っ付く。その臭いに、うえっぷ、また吐き気が襲ってきた。あうう・・・トラウマになりそうだぜ・・・(;つД`)
地面に敷かれた藁くずで汚らしいそれをぬぐい、俺はさっさと通路に戻ることにする。
トンネルはやがて東西の分かれ道に出た。さて、どっちに進むべえか・・・ここも例によって何の手がかりもないしな・・・じゃあ、こっちだ!俺はヤマ勘で東に進む。
間もなくトンネルは、深くて暗い穴の淵に突き当たった。
穴の向こう側で通路はなおも東に続いている。つまりこの穴を飛び越えないと進めないわけだ。飛び越えられるかな・・・んー、ちょっと微妙な距離か・・・。
穴の中央部にロープが垂れ下がっている。これを利用してターザンみたいに飛び移ることもできそうだが・・・さあ冒険者ブリッツ、どうする?ここでの選択肢は3つだ。
(1)『盾を向こう側に放り投げてから、穴を飛び越えるか?』
(2)『持ち物全部を身につけたまま、穴を飛び越えるか?』
(3)『剣でロープを引き寄せ、それを使って向こう側に渡るか?』
いやまて、(3)は鉄板でワナだろう。ロープは切れるように細工してあるとか・・・実はヘビだったとか・・・そんなバッドシチュエーションが、もう、どんどん脳裏に浮かんでしまう(苦笑)
じゃあ自力で飛び越えるしかないな。無事に渡れる確率が高くなるのは(1)だが、盾を向こう側に放り投げたら、俺がそっちへ渡る前に、何かが奪い取ってったりするかも。盾がなくなると、たぶん技術点にペナルティつくだろ?例え一瞬でも手放すのは避けたいな・・・。
よっしゃ(2)だ!根性見せて“走り幅跳び”といくか!
俺は助走をつけてから「ふおおおおおおっ!」っとジャンプする。運試しは・・・吉!
ざしいいいっ!(←着地音) 鎧と盾の重みに邪魔されながら、俺は何とか向こう側に跳躍することができた。
それから一刻も無駄にせず、俺は東に進み続ける。
さて、相次ぐデッドエンドを潜り抜けてきたわけだが・・・ここまでは何とか順調か・・・な・・・?
だが一つ、不安要素がある。運試しの連続で俺様の運点は7まで低下しているのだ!どこかで回復しとかねぇと、この先ヤベエぞぉ・・・! ┐(´д`)┌
石じいさんの謎掛け --Deathtrap Dungeon--
【技術点11/11 体力点15/17 運点7/11】
トンネルは左に折れて、俺の進む方角は北に変わった。そのままずーっと歩くと、左側の壁に木の扉がある。もうわかっていると思うけど、ゲームブック、特にFighiting Fantasyの鉄則は「素通りしない!」
・・・というわけで、新たなイベントに期待しつつ、俺はこの扉を開けてみた。
中はろうそくの灯った大きな部屋で、見事な石像が並んでいる。その石像群の陰からひょこりと白髪の老人が現れた。くすくす笑いをして一見気が触れているように見えるが、いや待て、こんな危険なダンジョンに一人でいるわけだから、ただのキ○ガイじゃないはずだ。油断するなよブリッツ!
じじい「やあうれしや!わしの庭にもう一つ石がやってきたわい。ようこそ、ここであんたの友人達の仲間入りをなされ。」
と、このジジイはイキナリ俺様に甲高い声で語りかけてきた。ええっと、つまりこの石像たちは、挑戦者の成れの果てってこと?
「その通り!あんたもわしの作品になるのじゃ!」と、爺さんはにっこりとVサイン。ふざけんなクソジジイ!と、俺は剣に手をかける。爺さんはそれに怖がる風もなく、ニヤニヤ笑って言葉を続けてきた。
じじい「ところで、わしは公正な人間じゃ。だからあんたに一つ質問をしよう。もしあんたが正しく答えられたら、ここから出してやろう。だが、あんたの答えが違っていたら、石に変えてしまうぞ!」
つってもねえ・・・あんた、メデューサとかゴーゴンとか、そういう石化特殊能力があるわけないじゃん。はいはい、言ってろ言ってろ ┐(´ー`)┌
俺は気の触れた爺さんを相手にせず、入ってきた戸口から戻ろうとする。あーあ、とんだ無駄足だったよ。ところがこのキ○ガイジジイは・・・
「走るな。このわしから逃れようとしても無駄だ。止まれ、さもないとこの場でお前を石に変えるぞ!」と、さっきとは違って冷徹な声でスゴんできた。
俺はちょっと立ち止まる。
それはなぜかっていうと、視界の端に、苦悶の表情を浮かべた騎士の石像が目に入ったからだ。待てよ、あの姿は・・・あいつは、そうだ、奴だ!
○筋骨隆々のバーバリアン。
○もう一人の筋骨隆々のバーバリアン。
○艶やかな金髪に猫のような緑の目をした妖精めいた女
○鎧で身を固めた重装備の騎士
○黒いローブと覆面を被った暗殺者
○そして、俺。ブリッツ
そうか、世迷い言じゃないってことか・・・。((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
この老人の石化能力は、どうやら本当らしい。ま、ライバルを一人脱落させてくれたお礼を言わなきゃな。俺はあらためて爺さんに向き直った。
ブリッツ「わーったよぅ。で、どんな謎掛けだい?」
じじい「うひょひょひょ♪そうこなくちゃのっ♪」
爺さんは彫像の一つを指差す。それは、俺が気付いたライバルの1人、元挑戦者だった重装備の騎士だ。だが今はただの物体、永遠の石像と化している。
じじい「この男の重さは、100ポンドプラス彼の体重の半分だ。彼の体重はいくらだと思うかね?」
ブリッツ「はあ?(゚Д゚ ) それがあんたのリドル?」
じじい「(うれしそうにコクコク、とうなずく)うひょひょ〜答えは3択じゃ。
(1)100ポンド (2)150ポンド (3)200ポンド ・・・さあ、どれでしょう!」
やべえ、こういうの、苦手なんだよなあ。(*´д`*)
だけど間違ったら、たぶん、この騎士みたいに石像になっちゃうのか。うーんちょっと待てよ、落ち着いて考えるぞー。
・・・ ・・・ ・・・ (思考フル回転中) ・・・ ・・・ ・・・
ええっと、この像(=彼)の重さは“100ポンド+彼の体重の半分”なんだろ?だから(1)の100ポンドだけってことはないよな。正しい答えは、150ポンドか、200ポンドのどちらかだ。
仮に答えが150ポンドだとすると、石像の重さは100ポンドになるはずだな。100ポンド+(100×1/2)ポンド=150ポンドになるからな。
・・・ん、ちょっとまてよ?矛盾してないか?だって“この男の重さは、100ポンド+彼の体重の半分”なんだろ?つまり100ポンドなわけ、ないってのよ!
では、仮に答えが200ポンドなら、ん・・・つじつまが合うぞ。100ポンド+(200×1/2)ポンド=200ポンドになるからな。そして前提条件の100ポンドoverも満たしている。
と い う こ と は ・・・ ! ( ̄ー ̄)ニヤリ
ブリッツ「この男の重さは200ポンドさ、そうだろ、爺さん?」
じじい「んーっ・・・」
あれ?違った?石になるのはカンベン・・・!(><)
じじい「でかしたぞ!それが正解じゃ!」
ほーっ・・・(((;-д- )=3
何とか石にならずにすんだ俺様。爺さんは見事謎々を解いた俺を、まるで自分のことのように喜んでくれる。そして「この迷宮探険競技におけるお前の幸運を祈ろう」と、幸運の言葉を二言三言つぶやくと、俺の全身に力がみなぎった。ふぉー!(゜∀゜)
俺の技術点・体力点・運点がそれぞれ+1ずつ回復する!
運点が消耗していたので、これは本当にありがたい。俺は爺さんに礼を言うと、トンネルに戻り、再び北に向かうのだった。
しっかしここまで、まさに知力・体力・時の運の総動員だな。
ハードだぜ、今回のミッションは・・・三 (lll´Д`)
骸骨戦士とゴブリンを倒し、さらに迷宮の奥へ・・・ --Deathtrap
Dungeon--
【技術点11/11 体力点16/17 運点8/11】
さほど歩かないうちに、また左側の壁に扉が現れる。扉の中央部には「X」の文字がなぐり書きされていた。
扉を開けるとそこは大きな部屋だ。西の壁に凹所がある。それから中央には石の椅子があって、その椅子には鎧を着た骸骨の戦士が腰掛けている。おそらくこいつも・・・何年か前の挑戦者だな。ここで大往生ってことか。なーむー(ー人ー)
おや?こいつ、右手に羊皮紙を握りしめているぞ??何かヒントが書いてあるかもしれない。俺はそいつを奪い取ろうとした。すると、まあ、予想通りの結果になるわけで・・・(笑)
羊皮紙に手を触れたとたん、骸骨の戦士はガクンと動き出す!そしてギクシャクした動きで剣を振り上げ、俺に襲いかかってきた!戦闘だ!
【骸骨の戦士 技術点8 体力点6】
1R 攻撃力(骸骨の戦士/11)(ブリッツ/19) 骸骨の戦士/体力点-2
2R 攻撃力(骸骨の戦士/14)(ブリッツ/21) 骸骨の戦士/体力点-2
3R 攻撃力(骸骨の戦士/15)(ブリッツ/23) 骸骨の戦士/体力点-2 ←Destroy!!
ま、順当勝ちってか。このあとのボス戦にとっときたいくらい、いいダイス目だった!(^v^)
邪魔者も一蹴したので、俺はあらためて羊皮紙を手に取り、そこに書いてある文言を読み取る。なになに・・・こう書かれているぞ・・・
『マンティコアに出会ったら そいつの尻尾に気をつけろ
うなりを生じて飛んでくる とがった釘から身を守れ』
ふーん、マンティコアっていう怪物に関する警告文か。尻尾から針を発射するらしい。相手するときは気に留めておかないとな。俺はこの警告をしっかり胸に刻み、西の壁の凹所に歩み寄る。
凹所の奥は下の穴倉に続く階段だ。降りきると、穴倉の向こう側にアーチがあって、別のトンネルに続いている。この部屋へ入る扉には「X」印が書いてあったし、こっちが正解ルートかも・・・。
俺はそのトンネルに向けて穴倉を歩いていく。床はゴミやガラクタが散乱しているが、ぽつんと1つ、ゴミの上にキノコが生えているのを見つけた。どうする?食べる?
・・・って、誰が食うかこんな怪しいキノコ( ゚Д゚)ゴルァ!!
どう見たって毒キノコだろこんなトコに生えてるのは。体力点も満タンに近いし、腹痛になってもつまらん。俺はこのキノコを無視して、さっさと別のトンネルへ向かうことにする。
トンネルは西に続き、階段の下で終わった。ここからは上り階段だ。
階段は数段あって、その先は閉じたはね蓋に通じている。はね蓋の向こうからは、なにやらくぐもった話し声がする。頭上に何かいるようだ・・・。
ちなみに、はね蓋には鍵がかかっていない。さあどうする、ここでの選択肢は2つ!
(1)『このはね蓋をノックする。』
(2)『剣を抜いて、不意に飛び出す。』
戦闘でアドバンテージとれるのは(2)だよなあ。だけど上の部屋にいるのが友好的な人物だったら、いきなり襲いかかるのは問題あるような気も・・・
ま、いっか!そんときは謝ればいーや!(・∀・)
俺はどかんっ!とはね蓋をぶち開け、「おうりゃああ!」と怒鳴りながら部屋の中へと突撃する。そこでは2匹のゴブリンが短刀を研いでいたところだ。OK!ゴブリンなら、ぶち殺しても問題なーしっ!(゚∀゚)アヒャヒャヒャヒャ
ゴブリンどもも一瞬不意を突かれたが、すぐに体勢を立て直して、連携だった行動で応戦してくる。なので今回の戦闘はちょっとメンドクサくなったぞ。各ラウンドでゴブリン1とゴブリン2、2匹とも殴りかかってくる。俺は攻撃点の比較で2匹ともに勝ったとしても、指定した方にしか体力点-2できない。だが、攻撃点の比較で俺が負けたとしたら、俺の方は1匹ないし2匹から通常通りダメージを受けなきゃならん。
つまり俺の方は一気に体力点-4とかっていう状況も生まれるわけだ。まあ、こんなひ弱なゴブリン相手にそんなことはなさそうだけどな。とにかく戦ってみるぜ!
【ゴブリン1 技術点5 体力点4】 【ゴブリン2 技術点5 体力点5】
1R ゴブリン1を指定 攻撃力(ゴブリン1/12)(ゴブリン2/12)(ブリッツ/16)
ゴブリン1/体力点-2
2R ゴブリン1を指定 攻撃力(ゴブリン1/11)(ゴブリン2/12)(ブリッツ/21)
ゴブリン1/体力点-2 ←Kill!!
ほらね。あっという間にゴブリン1は剣の藻屑になる。
これで1対1となり、通常の戦闘の形に戻ったぞ。ところが・・・
3R 攻撃力(ゴブリン2/14)(ブリッツ/1ゾロ) ブリッツ/体力点-3
あっちゃー!何でこんな楽勝の戦闘で出るんだ、ファンブルっ!(><)
4R 攻撃力(ゴブリン2/13)(ブリッツ/20) ゴブリン2/体力点-2
5R 攻撃力(ゴブリン2/11)(ブリッツ/18) ゴブリン2/体力点-2
6R 攻撃力(ゴブリン2/13)(ブリッツ/14) ゴブリン2/体力点-2 ←OverKill!!
あーあ、無駄な体力点消費-3が・・・のちのち響いてこなければいいんだが・・・。
まあ、気を取り直して、っと。さてこの部屋を見回すと、壁際に戸棚がある。開けてみるとそこには木槌と鉄釘10本が入っていた。もちろんいそいそとザックにしまう俺。絶対これは、どこかで何かの役に立つはずだ。
それから出口を探す。このゴブリン部屋には、俺が入ってきた床のはね蓋以外に、北と西に扉がある。だんだんわかってきたけど、このダンジョンの大まかな進行方向って北だよな・・・というわけで俺は北の扉を開けることにした。
扉を開けるとそこからはトンネルで、北にまっすぐ続く緩やかな上り坂だ。しばらく歩いた後、やがて右手の壁に扉が現れた。その扉は・・・ぎょぎょっ!(@o@) 干からびた手が釘で打ちつけられている!このグロテスクな扉の向こうに、いったい何がいるんだ・・・?
俺は、そうっと、その扉を開けてみた・・・。
ある冒険者の転落人生 --Deathtrap
Dungeon--
【技術点11/11 体力点13/17 運点8/11】
「ひいっ!お、お助けくださいっ!」
扉を開けた俺は、そんな怯えた声に出迎えられた。部屋の中にはボロをまとった囚人の男がいた。そいつは左腕を鎖で留められ、右腕は切断されている(そうか、扉にかかっていた干からびた手はこいつのものか・・・)。彼は慈悲を請いながら、俺から尻込みして、来るべき暴力から逃れようとしている。
なんかかわいそうになっちゃったな(;´Д⊂)。俺はこのオジサンの鎖を剣で切ってあげた。
がきん☆ ほら、自由になったぜ。好きなとこに逃げな。男は「ありがとうございますー!」と、ひざまずいて何度も礼を言う。そしてぽつぽつと身の上話を始めた。
彼の名はウンガワール・カッターネといい、4年前の迷宮探険競技に参加した挑戦者の1人だったのだ。ところが・・・
○まあ、例の如くワナにひっかかって失敗に終わった。落とし穴から出られなくなった。
○そのとき「競技監督」に救出される。その代償として彼の奴隷になった。まあ、アシスタントディレクターってやつだな。
○だけど「競技監督」のこき使いぶりは非道いもんだった。過重労働に耐え切れなくなったので脱走を試みた。
○しかしそれも失敗。オークどもに捕らえられる。オークは見せしめで彼の片手を切断し、この牢獄で禁固刑にした。
○そして1年たって、今に至る、と・・・。
うう、なかなかに悲惨な転落人生よのう。俺の未来が一瞬垣間見えて、精神が思わずズーンと落ち込んでしまう(´・ω・`) いやいや、まあ、これで自由になったことだし、第二の人生を生きなよ・・・ウンガワールさん・・・
ウンガワール「ありがとうございますー。この恩はいつかきっと・・・」
ブリッツ「なあにそんなのいいってば( ̄ー ̄) あ、そうだ、この先の情報、何か知ってる?」
ポリポリと頭をかくウンガワール。「さあねえ、何しろ私自身、ここでの首尾はよくなかったもので・・・」 (はは、そりゃそうだな、と苦笑する俺) 「・・・だが、これだけは確かですよ。もしここから出たいと思うなら、宝石や宝物を集めて回る必要があります。なぜかは知りませんが、ぜひそうなさい」
OK、それだけ聞ければ十分だ。俺は囚人のウンガワール・カッターネと別れて、さらに北へ向かうことにする。彼は部屋から駆け出し、トンネルの中へと消えていった。
あいつ、生還できるかなあ・・・まず・・・ムリだろうなあ・・・。 ┐(´ー`)┌
さて、引き続き北に進む俺は、右手の壁に直径1mはある鉄管を見つけた。こいつは壁にドカンとめり込んでいて、管の先のほうは暗すぎて見えない。って、なんでこんなとこに、唐突にこんなものがあるの?
怪しい、絶対あやしいよな・・・。顔を突っ込んで「うぉーい!」と呼びかけてみるが、何の反応もないようだ。さてさて、どうしようか?
何かアイテムが隠されているかも!! (・∀・)
・・・という天の声が聞こえた(笑)。いやまあ、実は単なる好奇心でしかなかったんだけど、管の直径はちょうど身体が入るくらいだったので、俺はそこに潜り込んでみることにする。
匍匐前進でずるずる〜とミミズのように這いつくばっていく。すると、俺の手が、何か固くて四角い物体に触れた。振ってみるとカタカタ音がする。どうやら木製の箱のようだ。
むー、ここじゃ暗いな、よし、いったん管から出よう!俺はまたずるずる〜と戻って、元の通路に戻った。
そこであらためて発見品を調べてみると、ウホッ!( ・∀・) 中には鉄のカギと大きな宝石が入っている!この宝石はサファイアだ。この幸運に運点+1だって。ラッキー!
さっきのウンガワールの話によると、宝石を集めてきゃいいってことだからな。これで任務達成にまた一歩近づいたぞ。俺はていねいにそれらをザックにしまい、北に向かうトンネルを歩き続けるのだった。
スロム・ザ・バーバリアン --Deathtrap
Dungeon--
【技術点11/11 体力点13/17 運点9/11】
北に続くトンネルの左に間道があった。だが、扉も生き物も見えないので、こちらに行くのはやめにする。
なぜならそれよりも、トンネルの前方の床に横たわっている2つの身体の方が気になったからだ。俺は用心して剣を抜き、そっちのほうに近づいていく。
横たわっているのは死体だ。二匹のオークの番兵。どうやらライバルの挑戦者が、俺の前に先行しているようだな・・・。
死体を手早く調べてみると、オークのうち1匹が歯のついたネックレスを首にかけていた。こいつを剥ぎ取り、首にかけてみると・・・このネックレスは力のお守りだ。技術点と体力点が+1される。技術点はもともと原点だったので動かないが、体力点+1は助かるな。
さあ、早いとこ北に行って、ライバルが何者であるか、確かめるとするか!
トンネルはやがて東西の分かれ道に着いた。そのT字路にぽつんと立っているのは、「迷宮探険競技」のライバルの一人、バーバリアンの片方だ。俺が近づくと振り返り、じいっとこちらを睨みつける。
ブリッツ「よ、よお・・・(=゚ω゚)ノ」
バーバリアン「・・・」
蛮人の男は返事しない。手にはでっかいバトルアクスを持ち、鎧は着てないが筋骨隆々で、こいつと戦うのは、うーむ骨が折れそうだ。今はまだ、刺激し合わないほうがいいな・・・。俺は何気ない話題を振ることにする。
ブリッツ「東と西、どっちに行くんだい、アンタ?」
バーバリアン「西だ・・・お前も来るか・・・?」
同行する?ときたか・・・。いやー、なんかこいつ、スゲエ無愛想で話が弾まないしなあ。1人のほうが気楽でめんどくさくないな。悪いけどここは断ろう( ´∀`)
ブリッツ「あー、俺はじゃあ、東にするよ。んじゃ、がんばってな・・・」
バーバリアン「む・・・」
鷹揚にうなずく蛮人と別れて俺は東に向かう。
しかしそっちはすぐに行き止まりになった。あーらら・・・(><) どん詰まりの壁に茶色に変色した紙がピンで止めてある。なんて書いてあるのかな?
はがして読んでみると「競技監督に気をつけろ」という簡単な警告文だ。俺はその紙を元に戻し、通路を戻って、西に進むバーバリアンに追いついた。
ブリッツ「あっちは行き止まりだったぜ。簡単なメモがあった。“競技監督に気をつけろ”だってさ」
バーバリアン「ふむ・・・」
並んで西に歩く俺たち2人。気まずい沈黙が支配する。言うまでもなく「迷宮探険競技」の勝利者は1人だけだ。あーあ、なんか妙なコトになっちゃったな・・・ヽ(´Д`)ノ
だけど・・・ここまで俺に斬りかからないということは・・・
きっとこのバーバリアンも、俺と同じことを言いたいけど、黙っているのだろう。
よし、俺から、まあダメもとで、お互いに言いたいことを言ってみるか。
ブリッツ「なあ・・・手を組まねえか?」
バーバリアン「いいだろう」
がくっ( ゚Д゚) あっさり承諾するので拍子抜けする俺。
かくして俺らは休戦して、お互いに同盟を組み、協力して難関を突破することにした。そうすれば生き残る確率も増えるしな!(^v^)
お互いに遭遇した物事を情報交換していると(つっても、9割がたしゃべっているのは俺なんだけど・・・)やがて通路は大きな穴にぶち当たった。
穴は深くて暗い。とても底までは見えない。無口なバーバリアンはこう提案してきた。
バーバリアン「手持ちのロープで底まで下ろしてやる。松明もあるから、それも使え」
ブリッツ「ああ、いいよ」
あっさりOKする俺。今度は、蛮人が拍子抜けした顔をする。
あ、そうか。俺がグダグダ言って拒否すると思ってたんだな。ま、俺はそんなケチじゃないってのよ。ここは身軽なブリッツ様に任せなっ!(´∇`)
腰にロープを巻き、このバーバリアンが上で支えてくれることを信じて、俺は穴の壁面に沿って20mほど垂直降下する。やがて穴の底に着いた。ここには北に伸びる新しいトンネルがある。そのことを大声で報告する俺。すると上方から「おう、今降りる!」と返事があった。
やがてするするとバーバリアンが降りてきた。その顔つきは、さっきよりもずっと優しい。どうやら俺のことを信頼できる仲間だと感じ始めてるようだ。
バーバリアン「やるな、お前・・・」
ブリッツ「へへっ、まあね♪」
バーバリアン「俺は、スロムという名だ。お前は?」
ブリッツ「俺様はブリッツ。まあよろしく」(親指を上に立てる)
バーバリアン「うむ!」(大きくうなずく)
あはは、こいつ、なかなかいいヤツじゃん。(^v^)
ちょっと心強くなった俺は、バーバリアンのスロムとともに、新しいトンネル沿いに北へ向かう。
洞穴トロール戦で実力差を痛感させられる --Deathtrap
Dungeon--
【技術点11/11 体力点14/17 運点9/11】
俺とスロムは地中を北に伸びる新しいトンネルを進む。するとトンネルの岩棚の上に、2冊の本が埃まみれでのっかっているのを見つけた。それぞれ、赤い皮表紙と、黒い皮表紙だ。
スロムは蛮人だから文字が読めない。なので値打ちもわからず「そんなものはほうっておけ!」と言い放つ。
だけど何か手がかりが書いてあるかもしれないよヽ(ヽ・∀・) 俺は「まあちょっと待ちなよ・・・」と、まず赤皮の本を開いてみることにした。
赤皮の本は開けたとたんページがばらばらと崩れてしまう。どうにか破片をかき集めてみると、どうやら怪物の解説本らしい。特にブラッドビースト(血獣)という怪物について、詳細にメモが取られている。
「・・・ブラッドビーストはぶくぶく太った外見で固い皮膚を持ち、顔の水泡が割れて開くとニセの目となり、唯一の弱点箇所である本当の眼を隠してしまう。この怪物は有毒ガスを発する泥の中に住んでいる。自重が大きすぎてそこから出られないものの、長く伸びる舌を犠牲者に巻きつけ、泥池の中に引きずり込む。毒性の泥土の中で犠牲者の肉が分解し始めてから、ブラッドビーストはそれに喰らいつく・・・」
・・・だってさ。このことをそのままスロムに情報として伝える。スロムはフン!と鼻を鳴らし、ただ肩をすくめる。どうにもこうにも、遭遇してみないと、いまいちビジュアル的にピンとこないのは確かだ。
さて、もう一つの黒皮の本も開けてみよう。ぱかっ。こっちは中央部に穴がうがってあって、そこには透明な液体の入ったビンが収まっていた。開封されていないようだ。
スロムは眉根を寄せて「そんな怪しいものは捨てて先に行くぞ!」と促す。だんだん彼の性格がわかってきたが、得体の知れない呪術的な物に対する不信感は非常に根強いようだ。いやでも待てよ、この本に書いてあることによると・・・!
俺はビンの栓を開け、一気にんぐっっと飲み干す。そう、これは隠れたワナを探知できる魔法薬なんだ!気分爽快、頭すっきり!運点が+2される俺(^v^)
心配そうなスロムに対してニコッと笑顔を返す。ああ得した得した。さあ、北に進もう。
トンネルは急角度で右に折れて、今度は東に続いている。ぴた、とスロムが足を止めた。俺にも手振りで「止まれ」と合図する。そして彼は頭をゆっくりと左右に回す。
ブリッツ「どうした、なんだ?」
スロム「こっちにやってくる足音が聞こえる。剣を抜け」
俺らは暗がりにしゃがんで身を隠す。ほどなくして2つの武装した影が近づいてきた。
洞穴トロールだ!なかなかに厄介な相手だ。ここで隠れてやり過ごそうよ・・・と俺がささやこうとした瞬間・・・!
こんな奴ら朝飯前だと言わんばかりに、スロムがバトルアクスを振り回して突撃した!
スロム「うおおおおおりゃあああああ!ヽ(`д´;)/ 」
ブリッツ「あ、ちょ、待っ・・・もう、しょうがねえなあ┐(゚〜゚)┌ 」
やむなく俺も戦闘に参加する。スロムが先頭の奴と戦っているので、俺は2番目の洞穴トロールを相手するだけでよい。
【洞穴トロール 技術点10 体力点11】
1R 攻撃力(洞穴トロール/20)(ブリッツ/15) ブリッツ/体力点-2
おわあっ、相手の剛力に思わず後ずさる俺。こいつボスキャラ並じゃねえか!
2R 攻撃力(洞穴トロール/18)(ブリッツ/19) 洞穴トロール/体力点-2
3R 攻撃力(洞穴トロール/13)(ブリッツ/22) 洞穴トロール/体力点-2
4R 攻撃力(洞穴トロール/15)(ブリッツ/16) 洞穴トロール/体力点-2
だが、何とか、俺は連撃を重ねていく!
5R 攻撃力(洞穴トロール/20)(ブリッツ/18) ブリッツ/体力点-2
あいてっ、くそ、トロールも死に物狂いで反撃してきた。
6R 攻撃力(洞穴トロール/20)(ブリッツ/21) 洞穴トロール/体力点-2
7R 攻撃力(洞穴トロール/17)(ブリッツ/19) 洞穴トロール/体力点-2
だけどここで退くわけにはいかねえ。紙一重で俺は戦い続ける。
8R 攻撃力(洞穴トロール/19)(ブリッツ/18) ブリッツ/体力点-2
なかなか往生際の悪い奴だ。だが、次で決める!
9R 攻撃力(洞穴トロール/17)(ブリッツ/19) 洞穴トロール/体力点-2 ←OverKill!!
どりゃああ!
・・・ ・・・ ・・・ ぷはあっ!(;´Д`)
激戦を潜り抜けて息を大きく吐く俺。見るとスロムはさっさともう一方を片付け、戦斧にこびりついた血糊を余裕しゃくしゃくで拭き取っている。肩に傷がついてはいるが、まったく気にしていない様子だ。マジかよ。俺がこんなに苦戦した洞穴トロール相手に・・・。このスロムは、相当な戦闘力の持ち主だ!!
対して俺は、とうとう体力点1ケタに低下。(´・ω・`)ショボーン
そして芽生える友情 --Deathtrap Dungeon--
【技術点11/11 体力点8/17 運点11/11】
さっきの戦闘で何となく味わった敗北感をスロムに気取られないようにして、俺はさっさとトロールどもの死体を探る。
するとトロールのうち1匹が、皮紐に骨の指輪を通した装身具を首にかけていた。この骨の指輪には、何か印が刻んである。
スロムには見覚えがあるようだ。これは北方のドルイド僧の指輪で、身につけた者の力を強める働きがある。だがその力を肉体が受け付ければ、の話だが・・・。もちろんスロムはそんな物には手を触れない。
だが俺は、さっきの戦いぶりでのスロムとの差がちょっと悔しかったんだな。
だから「俺には力が、力が必要なんだっ!ヽ(`Д´)ノ」と、すっぽり指にそいつをはめてみることにした。すると・・・
お、お、お、お、お!全身がガタガタと震えだす!(((( ;゜Д゜)))ガクガク
あうあう、ここで技術点チェックだとう!うーん、2d6で11、ぎりちょんで成功!ショックに持ちこたえた!まるで死にかかっているようなヒドイ痙攣が徐々に収まっていく。そして身体がポカポカと暖かくなってきた・・・体力点+3だ・・・はふう・・・( ´∀`)
スロム「おい、おい!ブリッツ?」
ブリッツ「ああ、大丈夫だよ。もう平気。ふううううう」
スロム「まったく街の人間は無茶をする!心配させるな!」
怒ってるんだか安心してるんだかわからない口調で、この頑固な蛮人は大股でスタスタと先に進み始める。慌てて後を追う俺様。あーん、ちょっと待ってえ・・・⊂(´∀`⊂
トンネルは天井が高くて湿っぽい洞窟に通じていた。その天井には、牙のような鍾乳石がつららのようにぶら下がっている。洞窟の先にはアーチ状の出口があり、またそこからトンネルが北に始まっているようだ。
俺らはこの洞窟をちょっと調べてみることにした。ここでスロムが1つの皮袋を見つける。用心しながら袋の口を開けると・・・
ちゅう。
1匹の小ネズミが飛び出し、そそくさっと岩の隙間に隠れていった・・・。
俺らはポカーンとその光景を見つめる。そして拍子抜けした後、どうしようもない可笑しさが襲ってきた。特にスロムは大ウケだ。「ガハハハハハっ!(≧∇≦)」っと、彼の大声が洞窟内に響き渡っていく!
(ぱきっ) (ぱきっ)
俺もつられて笑う。あはははは(・∀・) ・・・ん・・・なんだこの音・・・??(・A ・)
(ぱきん) (ぼきりっ) (ばきいん☆)
何か上のほうから・・・って、ああっ!Σ(゚д゚lll)
スロムの大哄笑による音波震動により、天井の鍾乳石がはがれ始めている。そして槍の穂先のような石筍が、まっすぐ俺たちに降り注いできた!
(どがっ!) (ずどどどどどどど・・・!!!!)
ブリッツ「スロム!笑ってる場合じゃねえ!上を見ろ!」
スロム「ぐはは・・・ん?おおっ!!(@o@)」
ブリッツ「アーチに向かって走れ、この洞窟から出るぞ!」
崩落する洞窟の中を、俺とスロムは一目散に走り抜ける。ここで運試し・・・吉!
鍾乳石があたり一面に砕け散ったが、俺は何とか無傷でアーチから脱出することに成功した。スロムも腕で頭をかばいながら、何とか俺の方へ向かってくるところだ。俺たちはトンネル内に駆け込み、冷たい壁に寄りかかってハアハアあえぐ。
スロム「よく気づいてくれた。すまん、俺がバカ声で笑ったせいだ・・・」
ブリッツ「ま、いいってことよ。だが・・・」
スロム「だが?」
ブリッツ「今後は笑うときも身振り手振りにすべきだな」
俺はにやっと笑い、スロムも微笑む。そして男同士がっちり握手して、再びトンネルを東に向かうのだった。
うーんホントにいい奴じゃんスロム(^v^)
だけど「迷宮探険競技」のチャンピオンって、やっぱり2人同時には、なれないんだよなあ・・・。何だか決着をつけるのが惜しくなってきたな・・・。
競技監督によるテストを受ける --Deathtrap
Dungeon--
【技術点11/11 体力点11/17 運点10/11】
トンネルは大きな樫材の扉で行き止まりだ。こんな豪勢なドアなのに、カギがかかっていないことにいささかビックリする。中に入ると・・・立派な装飾椅子の上に、1人のドワーフがぽつんと座っていた。奴は深みのある声で俺たちにこう言う。
ドワーフ「冒険者達よ、よくぞここまでやってこられたな。私はサカムビット公より、この迷宮の競技監督を任されている。私の務めは、いちばん有能な者だけに冒険を続行させることだ」
競技監督!( ゚Д゚) そうか、こいつがウンガワール・カッターネさんを奴隷にしてこき使ってた奴だな。背筋にぞくっと冷たいものが走る。こんな過酷な地下迷宮で仕事してんだ。おそらく相当にずる賢い奴だぞ・・・!
奴は「この部屋から出る秘密の出口は一つだけ。それも自分しか知らない。だから私に刃向かっても自滅するだけだ」と冷酷な声で言う。「さあ、どちらから先に“テスト”を受けるか、決めたまえ・・・」
俺とスロムはお互いを見つめる・・・。
せっかくイイカンジでやってきた相棒と、ここで別れなきゃならん、だとぉ?偉そうな奴の物言いにムカツク俺たち。スロムがヒソヒソ声でささやいた。「このドワーフを殺してしまおう。秘密の出口はその後で考えればいい」
だが、しかし・・・俺が気になることは・・・だ。さっきの突き当たりの壁に刺さっていた紙切れを思い出す。それには「競技監督に気をつけろ」と書いてあった。
たぶんこのドワーフは相当のワルだ。地下迷宮に長年暮らしていて、俺達のような荒くれ者の扱いなんざしっかり心得ているはず。ここで襲いかかっても「想定の範囲内」で逆襲されちまうだろうな。
ブリッツ「いや、時期が悪いぜ。今は。」
スロム「むう、ブリッツ・・・!」
ブリッツ「奴の不意を打つなら、いきなりここじゃマズイ。出し抜くのはここからの出口を見つけてからだ。チャンスを待とうじゃないか」
スロム「うむむむ・・・お前がそう言うなら・・・」
ブリッツ「競技監督さん、アンタの“テスト”とやら、チャレンジしてみようじゃないの!(`д´)」
俺はドワーフに向き直って言い放つ。奴はにやりと笑う。そして俺に「ついてこい」と命じる。やがて秘密の通路が開き、俺はスロムを置いてドワーフとその中に入った。スロムと別れる直前に親指を立ててにやりと笑う俺。スロムも「がんばれよ!」と俺を送り出してくれた。
そこは小さな円形の部屋だった。ドワーフは骨でできたサイコロを2個渡し、俺に振れと言う。コロコロ・・・6と2、二つ合わせた出目は「8」だ。
ドワーフはもう一度振れと言う。だが今度は、出目の合計が8より上か、8より小さいか、それともジャスト8か、予測しろという。
なるほどね、幸運度のテストってわけか・・・。2d6だろ・・・平均値は7だから・・・まあ、オーソドックスにいくか。俺は「8より小さい」と予測した。そして俺様はもう一度サイコロを振る(注;本文中では、実際にここで2d6を振るように指示しています)。
コロコロ・・・出目は1,1。見事に正解!しかもピンゾロだ!ドワーフは俺をジロッと見る。イカサマじゃないよ。単なる偶然だお・・・いや、マジでマジで(・∀・)
ドワーフ「まあいい。予想が当たっておめでとう。テストの第二段階に進め」
そう言うととドワーフは、籠に手を伸ばして俺の方に持ってくる。そして籠を軽く叩くと、ぽとっと、何かの生物が床に落ちた。コブラだ!その毒蛇は頭をするすると上げ、俺に対して攻撃の姿勢をとる。
ドワーフは「これは反射神経のテストだ」と冷徹に言う。俺はコブラの毒牙を避けて、素手で頭部の真下をつかまねばならない。
ブリッツ「おい競技監督さんよ、やっぱこいつ、毒持ってるよね・・・」
ドワーフ「うむ、技術点マイナスくらいじゃ利かないくらい、強烈な毒だ」
ずいぶん冷静に言ってくれんじゃん。はあ・・・(ため息)
俺は全身を緊張させて、この毒蛇の首筋をつかむ瞬間をうかがう。さあここで技術点チェックだ・・・ドキドキ・・・出目は・・・5と6で11!ギリギリ成功っ!あっぶねー!!!(*´Д`)
きしゃーっ!と噛みついてきたコブラを、俺はカウンターで何とかつかまえた。ふいいいー!大きく息を吐く。そして捕まえたコブラを、自慢げにドワーフに見せた。どうだ!
ところがドワーフはおもしろくも何ともなさそうに「コブラを籠に戻し、最後のテストの用意をしろ」と言うだけ。淡々とした口調に怒りすら感じる。てめえ、こっちは命削ってやってるのに、他人事かyo!ヽ(`Д´)ノ
俺はまたドワーフの後について別のところに向かわされる。移動途中、ちらっとスロムが見えた。あいつはあいつで、何か居心地悪そうに行ったり来たりしている。手を振ってみたが気づいてくれなかったみたいだ・・・。
着いたところは小さな円形闘技場のような部屋だ。周りにはバルコニーが走っていて、俺が入ってきた扉の反対側に不気味な木製の扉がある。見上げると、ドワーフはバルコニーにいて、俺に2枚の紙切れを投げ入れた。それぞれこう書かれている。
オソオサリ ウスノロミタ
ドワーフは例によって穏やかな声で「それらの文字を並び替えると、二匹の生き物の名前になることがわかるだろう。どちらでも好きな方を選んで、私のこの闘技場で、死をかけて戦うのだ」と言ってきた。
さてさて、どっちと戦ったもんか・・・?「オソオサリ」か?「ウスノロミタ」か?
誇り高きライバルとの別れ --Deathtrap
Dungeon--
【技術点11/11 体力点11/17 運点10/11】
まあ、だいたいは想像つくよ。オソオサリは「オオサソリ」、ウスノロミタは「ミノタウロス」のことだってな。問題は、大サソリかミノタウロスか、どっちと相手するかってことだ。
たしかミノタウロスは『火吹山〜』で戦ったことがあったな。たしか技術点が8か9くらいだった。毒がない分、大サソリよりはマシかもな・・・よし!
俺は「ミノタウロスをよこしてくれ!」と大声で叫ぶ。
木の扉がゆっくりと開き、半身が人間で半身が雄牛の怪物が、闘技場の中に入ってきた。そいつは鼻から激怒の蒸気を噴き出しつつ、二又の斧を振り回して俺に向かってくる!
【ミノタウロス 技術点9 体力点9】
1R 攻撃力(ミノタウロス/13)(ブリッツ/19) ミノタウロス/体力点-2
2R 攻撃力(ミノタウロス/16)(ブリッツ/16) Draw
3R 攻撃力(ミノタウロス/13)(ブリッツ/19) ミノタウロス/体力点-2
4R 攻撃力(ミノタウロス/20)(ブリッツ/16) ブリッツ/体力点-2
5R 攻撃力(ミノタウロス/16)(ブリッツ/16) Draw
6R 攻撃力(ミノタウロス/11)(ブリッツ/16) ミノタウロス/体力点-2
7R 攻撃力(ミノタウロス/19)(ブリッツ/19) Draw
8R 攻撃力(ミノタウロス/19)(ブリッツ/20) ミノタウロス/体力点-2
9R 攻撃力(ミノタウロス/13)(ブリッツ/20) ミノタウロス/体力点-2 ←OverKill!!
がいん!がきん!がしゃーん!剣と斧のぶつかる金属音が闘技場に響き渡る。多少てこずったものの、何とか俺は激闘の末にミノタウロスをぶち殺した!
ドワーフは俺の勝利を祝い、バルコニーから袋を投げてよこす。それから「一息入れて、最終テストに備えて体力をつけたまえ。10分ほどしたら戻ってくる」と言い、姿を消した。俺は袋の中を確かめる。中身はワインのビンと鶏肉だ。
どうする?食べる?・・・そうだな、あの競技監督さんは確かにワルだが、フェアなところもある。こういうとこはしっかりやってそうだ。ということで俺は遠慮なくパクつくことにした。もぐもぐもぐ。
『食べ物と飲み物は素晴らしい味で、キミはぐっと気分がよくなる。体力点2を加えよ』・・・ほらな、ヨミどおりだ!(^v^) ついでに俺の持ってる食料もここで1つ消費しよう。体力点+4で、総計15点まで回復したぞ(ちなみに食料は残り3個)。
俺は腰を下ろしてドワーフの帰りを待つ。最終テストって、いったいどんなことやるのかな?そんなことをボーっと考えているうちに、やがてドワーフが戻ってきた。
不気味なことに、奴は何だか楽しそうだ。「さて、事態は非常におもしろい成り行きになってきた。次の相手と戦う用意をしたまえ」と言う。そしてまた、円形闘技場の木の扉が開く。オーケー、相手が何だろうと俺様の敵じゃ・・・
って、ああああああっ!俺は信じられないものを見る。
中から現れたのは、スロムだ!
彼は全身傷だらけで、意識が朦朧としており、俺が誰だかわからないようだ。だが戦闘本能だけは健在で、斧を振り上げて俺に向かってくる。バルコニーから響くドワーフの哄笑。この見世物がおもしろくてたまらないらしい。
ブリッツ「スロム、俺だ!ブリッツだよ!」
スロム「うがああああっ!」
ドワーフ「コブラに噛まれたのさ。たいていの人間なら死んじまってるところだが、こいつは牡牛みたいな体力のおかげで何とか持ちこたえているんだ」
ブリッツ「わかんねえのかおい、スロムっ!」
スロム「うごぐああああっ!」
ドワーフ「さあ、お前さんはここで彼と戦って、2人のうちどちらかが迷宮探険競技を続けるか、決着をつけるんだ!」
ブリッツ「スロム・・・くそ、てめええ、降りて来い!」
ドワーフ「あっははははははっ!」
俺は喉も嗄れよと卑劣なドワーフを罵るが、どうしようもない。哀れなスロムの錯乱した攻撃から身を守る以外、どうすることもできないのだ。そしてスロムは毒で弱っているにもかかわらず、とんでもなく強い!くそっ、許せ・・・!!
【スロム 技術点10 体力点12】
1R 攻撃力(スロム/19)(ブリッツ/1ゾロ) ブリッツ/体力点-3
うわ、ダメだ!本気を出さないと殺されちまうっ!
2R 攻撃力(スロム/15)(ブリッツ/20) スロム/体力点-2
3R 攻撃力(スロム/19)(ブリッツ/20) スロム/体力点-2
スロムの体力点は残り8点か・・・よし、わかった。
4R 攻撃力(スロム/16)(ブリッツ/18) 運試し吉 スロム/体力点-4
せめてもの慈悲だ
5R 攻撃力(スロム/14)(ブリッツ/19) 運試し吉 スロム/体力点-4 ←Kill!!
長引かせずに楽にしてやるよ
辛い戦いは早く終わらせるに限る。俺は「運試しスマッシュ」を2回も使っちまった。俺の渾身の突きを腹部に受け、スロムは絶命する前に俺に何事か呟く。そうか、最後の最後で正気に戻ったのか・・・スロム・・・。
スロム「ブリッツ、チャンピオンになれ・・・お前なら、なれる・・・」
ブリッツ「ああ、チャンピオンになるさ。だがその前に、お前の仇もとってやるからな・・・!」
それを聞くと微笑むスロム。そして、この誇り高いバーバリアンは、息絶えた。ライバルがまた1人減った。複雑な思いで俺は奴の死を見届ける。
○筋骨隆々のバーバリアン。
○もう一人の筋骨隆々のバーバリアン。
○艶やかな金髪に猫のような緑の目をした妖精めいた女
○鎧で身を固めた重装備の騎士
○黒いローブと覆面を被った暗殺者
○そして、俺。ブリッツ
高慢ちきなドワーフに復讐の刃をぶち込む --Deathtrap
Dungeon--
【技術点11/11 体力点12/17 運点8/11】
長い決闘に疲れ果て、がっくり膝をつく俺。
しかし振り返ると、ドワーフが闘技場の中に入り、クロスボウを持ってしっかり俺の胸に狙いをつけている。「お前が何を考えているかはちゃんとわかっている。だが、ここからの出口はわし一人しか知らないのだということを忘れるな。さあ立て、ここから出してやる」
俺はのっそりと立つ。心の中の声が、俺を辛うじて押しとどめる。
(・・・まだだ、まだ、抑えておけっ・・・)
ドワーフと俺は元の部屋に戻る。奴は壁に歩み寄って石の1つを押すと、壁がぽっかりと開いた。向こうは別のトンネルで、そこから先に進めるようだ。
(・・・まだだ、まだ、早い・・・)
俺たちは部屋の端、新しいトンネルの入り口まで来た。この場所でドワーフの競技監督は得意げにニヤリと笑い、こう言った。「・・・達者でな」
☆ 今だっ! ☆
俺は後ろ蹴りでドワーフが構えていた石弓を蹴り飛ばそうとする。だが奴もさるもの、すっと避けた。くそ、連戦で疲れていたので動きが鈍ったか!
ドワーフはこんなの“想定の範囲内”だったらしく、石弓を捨ててベルトから斧を引き抜く。「その気になりさえすれば、お前をこの場で殺すこともできる。だが、正々堂々と戦うのが私の主義でね」と、戦う気満々だ。
ウルセエてめえ、死ね、コノヤロウ!
さあ、スロムのリベンジだ。しかし俺は疲労困憊しているので、この戦闘では攻撃点-2のペナルティを負わなければならない。だが、そんなハンデがなんだっ!復讐してやるっ!!
【ドワーフ 技術点8 体力点6】
1R 攻撃力(ドワーフ/16)(ブリッツ/13) ブリッツ/体力点-2
2R 攻撃力(ドワーフ/18)(ブリッツ/17) ブリッツ/体力点-2
3R 攻撃力(ドワーフ/16)(ブリッツ/15) ブリッツ/体力点-2
くそ、落ち着けブリッツ!ハートは熱く、頭はクールに!
4R 攻撃力(ドワーフ/13)(ブリッツ/20) ドワーフ/体力点-2
5R 攻撃力(ドワーフ/15)(ブリッツ/17) ドワーフ/体力点-2
そうだ、見切った!これで終わりにしてやる!
6R 攻撃力(ドワーフ/17)(ブリッツ/19) ドワーフ/体力点-2 ←Kill!!
てめえの気取ったクソ面、見飽きたんだよっ!
敵の胸を深々と剣で切り裂く俺。手ごたえありだっ!ドワーフは俺の奮戦に信じられない表情を浮かべて絶命した。ざまあみやがれ!今度こそテストは終わりだ・・・。
だが激戦の果てに、俺の体力点は残り6点になっていた。俺は息が整うまで休憩し、ここでもう1回、食料を摂ることにする。体力点+4、残り食料2個だ。
それから改めて競技監督のドワーフの死骸を探る。奴が着ていた鎖かたびらは、なかなかの名品だ。俺はそいつを分捕って頭から被ることにした(技術点+1だが、もともと原点なのでこれ以上増えない)。
俺は新しいトンネルに入っていく。最後にちょっとだけ後ろを振り返り、滲み出た涙をぬぐう。
あばよスロム。お前のことは忘れないぞ・・・。
そして前を向く。深呼吸し、頭を拳骨でゴンゴン!と叩く。
さあ気持ちを切り替えろ。
俺は「迷宮探険競技」のチャンピオンになるんだ。そう、スロムに誓ったんだからな。だから、この地下迷宮を突破することだけを考えろ!
ズンズンと歩き出す俺。間もなくトンネルは北と西、二手に分かれていた。西からはブーンという音が聞こえてくる。まずはその音を調べに、俺は西に向かうことにした・・・
食料0!あとはガチ勝負だ!! --Deathtrap Dungeon--
【技術点11/11 体力点10/17 運点8/11】
うわ・・・虫かよ・・・よりにもよって・・・(><)
俺はトンネルの左手の壁の前で立ち尽くしていた。そこには大きなガラスのパネルがはめ込まれており、パネル越しに覗くと、向こうは松明が明るく輝く部屋だ。そしてその中は、ありとあらゆる種類の巨大な昆虫で満ちている。ミツバチ、カブトムシ、ダニ、ムカデ・・・凄まじい羽音だ。
そして部屋の中央のテーブルの上には、宝石をちりばめた王冠がある。王冠の真ん中にはめ込まれているのは大きなダイヤモンドだ!
どうする・・・やるう・・・気が進まないんだけどなあ・・・( TДT) だが、このダンジョンをクリアするためには、宝石を集めなきゃならない。覚悟して俺はガラスを破って中に入る。
とたんに情け容赦なく俺の肌に吸い付いてくる虫たち!あつっ!あたっ!アタタタタっ!!俺は松明を振り回すがあまり効果はない。チクチクチク・・・いたーい!三 (lll´Д`)
『サイコロを1個振り、出た目に2を足せ。その数だけ君は刺されたことになり、刺し傷1個につき1点、君の体力点から差し引かねばならない』
あーお!(泣)1d6の出目は幸運にも1だった。俺は体力点-3の代償として、王冠を奪ってごろごろっと通路に戻る。ふうう、ひでえ目に遭ったよ・・・って、ええ!
これ、ダイヤモンドじゃなくて、ただのガラス球じゃん!!王冠もただの鉄に塗料を塗ったものだ。要するに刺され損かよヽ(`Д´)ノウワァァァン
俺は腹立ち紛れにそれらのガラクタを床に叩きつけた。しょうがないのでここでまた食料休憩。体力点+4だが、残り1個になっちゃった。
トボトボとそのまま西に向かう俺。するとひた、ひた、ひた・・・。前方遠くのほうからこっちに向かってくる足音が聞こえる。
何が近づいてくるのか、いまいちよくわからん。どうしよう?隠れることもできるが、ひょっとしたらライバルの挑戦者かも?持ち物を奪える情報交換できるかもしれない。ここは待ち構えてみることにしよう。
だが、やがてやってきたのは、足枷をはめられた足の不自由な男だ。奴は疲れきって惨めな様子で、パンと水をのせた盆を手にしている。以前会った可哀想なウンガワールと同じフンイキがする。たぶんこいつも競技監督の奴隷の1人だな。さあどうしよう。
(1)男に話しかけてみるか?
(2)盆のパンと水を奪うか?
(3)(もしあれば)君の食料をいくらか分け与えるか?
食料10個制なら(3)の選択肢もあったんだけどな・・・(苦笑)。だが、食料は残り1個しかないので大事にいきたい。じゃあ(2)?いや、自分の食料があるから、得体の知れない食い物はカンベンだあ(;´Д`)
というわけで無難に(1)を選び、俺は彼に話しかける。「いよお、俺はブリッツ。迷宮探険競技の挑戦者なんだけど・・・( ゚∀゚)ノ」
男は警戒の眼差しで俺を見るが、立ち話するうちにじょじょに打ち解けてきた。やっぱり彼は競技監督の一人の下で働いている召使いであり(あの糞ドワーフ以外にも競技監督は複数いるわけだ)、ここから逃げ出したいのだが、それは許されていないらしい。だが・・・賄賂を使えば何とか脱出できるかも・・・という淡い期待も抱いている。
「じゃあコレは必要かな?」と、俺は奴にきらーんと光る金貨を1枚渡した。とたんに目の色を変え、ありがたそうに受け取る召使い。お礼に宝物のありかを教えてくれた。
召使い「北の方のトンネル内に悪魔の鳥の形をした木の椅子があって、椅子の腕にはガラスの薬瓶の入った秘密のパネルがあります。それは、私の記憶が正しければ、変身の薬です。幸運を祈ります。この地獄のトンネルの外で、いつかまたお目にかかりたいものですね」
そう言うと、彼は足を引きずって歩み去った。
地獄のトンネルの外でお目にかかれたら・・・か・・・。俺は肩をすくめる。果たしてそんなときが来るのかなあ。何だか太陽の光を浴びたのは、ずうっと前のような気がするなぁ・・・。
うっイカンイカン、ネガティブ入ってる場合じゃないぞお!(`・ω・´)シャキーン
俺は気合を入れ直して歩き続ける。やがて通路は北と西の分かれ道に出た。さっき会った召使いの言うことが正しければ、北に行けば変身薬が手に入るはず。なので俺は北に向かうことにする。
そうするとトンネルの壁面にアーチ状の凹所があり、そこには彼の言ったとおり、悪魔じみた鳥の形に彫られた椅子があった。
さっそく椅子に腰掛けてみる俺。おお、なかなかすわり心地いいじゃん(゜∀゜) よし、落ち着いているうちに、ここで最後の食料も食べちまうか。もぐもぐもぐ・・・体力点+4。そして食料は残り0!俺に残された体力回復手段は、あとは原点まで戻す「力の薬」だけとなった。
俺は覚悟を決めたよ。まあいいさ、死んだらそのときだ!それよりも体力点を原点に近づけておき、これからの強敵との戦闘に備えておいたほうがいい。戦闘中は食料を摂ることができないからな。
さて、椅子を調べてみよう。召使いの忠告に従い、俺は椅子の腕にある秘密のパネルを探る。そうするとぴょんっと引出しが飛び出て、その空洞内にはガラス瓶が入っていた。ラベルには『変身薬、1服分。この液体を飲むと、手近のどんな生き物にも姿を変えられる』と書いてある。
俺はこの不思議な薬をザックに収め、再び北へ歩き出すのだった。
妖精めいた女もデッドエンド --Deathtrap Dungeon--
【技術点11/11 体力点15/17 運点8/11】
トンネルは下り坂になり、やがて行き止まりになった。トンネルの壁に囲まれて大きな水溜りができている。なんだしょうがない。じゃあ引き返すとするか・・・
『幻の少女の詩を覚えているか?』
おお!(゜∀゜) そういえばあったなそんなヒントも。たしか『通路が水と出会っても、さっさと引き返しては駄目。競技に打ち勝ちたいならば、ひと息吸ってもぐりなさい』とか言ってたんだよな。ここがそのところってわけだ。ようし行くか!
俺は着ている服をザックに詰めて、身軽になってから水溜りの中に飛び込む。
ざぶん!ぶくぶくぶく・・・ごぼごぼごぼ・・・
北側の壁は水の下に突出してないので、思い切ってその下を泳ぐことにする。間もなく俺は壁を越える。ううっ、けっこう広いなこの水溜りは。息が続かねえ。ぐーるーじーいーっ!(>Д<)
ざばあっ!ゴホゲホッ!!
俺は咳き込みながら、何とか水面上に出た。壁の向こう側に出たのだ。そこからまた北のトンネルがずっと続いている。
あっそうだ。けっこう水に濡れちゃったけど、持ち物は無事だったかな?俺はザックの中を調べる。ここでの運試しは吉だった。
『水浸しになってもはや食べられない2食分の食料のほかは、君の所持品はすべて無事だ』
・・・だそうだ。元々食料0個だったのでなんともなかったことがわかる。ほっ(^v^)
冷えた身体を衣服で包み、再び身の回りをフル装備状態に戻してから、俺はトンネルを北に進み続ける。たぶんこっちが正解ルートだと思うんだけどな・・・。
トンネルを進むと左手に穴が開いていた。その穴は大洞窟への入口のようだ。俺は何が見えるか近づいていく。と、そのとき・・・
「きゃああああ!誰か!誰か助けてっ!」女の悲鳴が聞こえてきた。見ると洞窟の奥で、床を転げまわっている人型生物の姿が見分けられる。
どうする?何かのワナか?いやいや、ご婦人の窮地を助けなければ、立派なジェントルマンとはいえないでしょう(笑) 俺は好奇心半分で洞窟に入って近づいてみた。
そこには大蛇に巻きつかれ、窒息寸前ながら最後の抵抗を試みている女がいた。あっこいつは、ライバル競技者の一人、妖精めいた女だ!
ヘビとウネウネ絡んでいる美女(;´Д`)ハァハァフンフンホウホウ
なんて変態チックにスケベってる場合じゃねえ!
俺は剣を抜き、大蛇の頭をすぱぁんと切り落とす。予期せぬ攻撃を受けた大蛇はあっけなく死んだ。だが・・・ああ、でもこの人は、もうだめだなあ・・・。首筋にはっきりと毒牙をぶち込まれた跡がある。それでもいちおう助け起こす俺。
ブリッツ「おい、大丈夫かい?」
妖精めいた女「はあ、はあ、ありがとう。でも私はもう・・・」
やっぱりダメか!あーあ、こんな若い身空で可哀想に・・・キレイな女性が死んじゃうのは、世界の損失だよぉ(;´Д`)
彼女はぱくぱく口を動かし、何か俺に伝えようとしている。どうやら自分が知りえた情報を教えたいようだ。それがせめてもの、自分がこの世に生きた証だとでも言いたいかのように。
「この先には出口がありますが、最後の扉を開けるには宝石がいくつか必要です。その1つはダイヤモンドですが、残りが何かはわかりません。残念ながら私はダイヤモンドを見つけることができませんでした。あなたはぜひ見つけられるように。幸運を祈ります・・・」
そして彼女は目を閉じて息絶えた。床にくず折れた身体はひんやりと冷たい。
あーあ・・・。ライバルが減ったのは喜ぶべきなんだが、ちょっと寂しくなってきたな。特に彼女は華やかな笑顔で、スタート地点じゃあギャラリーの一番人気だったから、なおさらだ・・・(;´Д⊂)
○筋骨隆々のバーバリアン
○もう一人の筋骨隆々のバーバリアン
○艶やかな金髪に猫のような緑の目をした妖精めいた女
○鎧で身を固めた重装備の騎士
○黒いローブと覆面を被った暗殺者
○そして、俺。ブリッツ
俺は彼女の遺品をガサゴソ探る。悪く思うなよネエちゃん・・・なむなむなむ・・・(ー人ー)
彼女は2本の短剣、鏡(やっぱりレディだね)、サルのお守り、そしてパンを持っていた。短剣と鏡とお守りは持って行くとして、このパンはどうしようか?
まあ、ここで腐らせちまうこともあるまい。彼女が食料として携帯していたもんだから、毒じゃないだろう。俺は思い切ってパクついてみることにした。
おっ!( ゚Д゚)ウマー このパンには不思議な薬効があり、俺の体力点は+3される。これで原点まで回復したぜ!
そのお礼というわけでもないが、せめてもの弔いとして、俺は彼女の両手を胸の上で組み合わせる。そして遺体は洞窟の端っこに寝かせて安置させた。
それじゃあネエちゃん、短い縁だったけど俺は先を急ぐから、これでサヨナラだ。安らかに眠ってくれよ・・・
俺は洞窟を出て、再びトンネルを北に向かう。
ダイヤモンド・・・かぁ。残念ながらここまで俺はその宝石を手に入れていない。この先どこかで見つかるといいんだが。
穴居人と地底でチェイス --Deathtrap
Dungeon--
【技術点11/11 体力点17/17 運点7/11】
ところで現在・・・運点7のわけだが・・・。
対スロム戦で「運任せスマッシュ」2回も使っちゃったのが、ここんなって効いて来た。あんときは、あそこがもう最終戦闘だと思っていたからな。
まさかその後もこんなに続くとは・・・見込みが狂ったな・・・
などと思いながらトンネルを進んでいると、床に鉄の格子がはまっているのに気づいた。この格子を持ち上げてみると、1mほどの深さの穴の中に、鉄鉤と皮の小袋が見える。
俺は身を乗り出し、そいつをつかもうとした。よいしょっと・・・
穴の中に手を差し込んだとたん、にゅるにゅるっ。え、何だ今の感触??何か生温かくて粘着性のものが腕に巻きついてくる!
ぞわっ!Σ(゚д゚lll) ゾッとして穴から腕を引き抜こうとするが、ものすごく強力な吸盤のついた触手は絡みついたままだ!そのうちチクーンと針で刺されたような痛みが走る!ヤバイ、ゲロヤバイ!てい、ていっ!ようやく腕を触手から抜いた頃には、俺の腕は激痛で痙攣してぶるぶる震えていた。
ここで(またもや)運試し・・・吉。利き腕を突っ込まなかったおかげで、俺のダメージは体力点-1だけですむ。だがそれより何より、ここでまた運試しすることによって、運点1を使っちゃったのがイタイ・・・(;´Д⊂)
まあそれでも何とか、俺は穴の中にあった鉄鉤と皮の小袋を引っ張り出した。袋の中には真鍮の鐘が入っている。これらをザックに収め、なおも北に向かう。
トンネルの左側に扉が見えた。一心に聞き耳を立てるが何も聞こえない。鍵はかかっていないようだ。俺は用心深く扉を開けてみる・・・。
そこは小さな部屋で、向こうの壁際に頑丈そうな宝箱があった。床には誰かの足跡があり、それは宝箱まで向かっていき、また戻ってきている。この足跡はライバルの競技者のもので、俺よりも先行しているのだろうか?それとも競技監督のもので、新たに宝箱が設置されたのだろうか?うーむむむ・・・
ま、考えてもしゃあない。俺は宝箱を開けようとそろそろと近づいてみる。
『君は黒皮の表紙の本の中にあった薬を飲んでいるか?』
あ、はいはい、飲んでまーす!(゜∀゜) あの“隠されたワナがわかる”ってやつだよね。俺の頭がきーんと痛くなる。「罠感知薬」が作用したのだ。ここにはワナが潜んでいる。まちがいない!(←死語)
俺は腕をいっぱいに伸ばしてギリギリのところに立ち、剣の先でちょい、っと蓋を持ち上げる。蓋が上がるや、コードに吊るされた鉄球が揺れ戻って、蓋の内側に固定されたガラスのカプセルを打ち砕き、たちまちガスが放出される!!
幸い対応はできていたので、俺はこの毒ガスを吸い込まずにすんだ。ガスが薄まってから、俺は宝箱を覗く。箱の底に鎖つきのペンダントが入っていたものの、そこにはまっているはずの宝石は、すでに誰かによって抜き取られていた。ガッカリだ・・・(´・ω・`)ショボーン
俺は肩を落としつつ部屋を出てトンネルに戻り、再び北へ向かうことにする。
トンネルの幅が広くなってきて、やがて巨大な洞窟につながった。
「あきゃあ、うきゃあ、うきいい!」と、前方から大勢のキンキン声が聞こえてくる。俺はそおっと物影に隠れて近づいてみる。
そこには長い鼻と耳を持った小人の「穴居人」が20人ばかり、大きな黄金の彫像の周りを駆け巡っている。どうも原始的な宗教儀式かなんかのようで、全員が凶暴化したトランス状態にあるようだ。ここでの選択肢は3つある・・・
(1)歩み寄って奴らに話しかけるか?
(2)奴らのそばをこっそりすり抜けるか?
(3)変身の薬を(もし持っていたら)飲むか?
んー、(1)でいきたいところだが、相手があのザマじゃあ、俺に対して友好的に接してくれるかどうかわからんな。20人と戦うのはちょっと厄介だ。(2)でこっそりすり抜けるときに、また「運試しせよ」なんてきたらタマランし・・・。というわけで(3)にしよう。
俺は悪魔の鳥の椅子で見つけた「変身薬」をここで飲むことにする。ごきゅごきゅごきゅ・・・ぼわん!たちまち俺の外見は奴らと同じ穴居人になった!
俺は奴らの同族に成りすまし「うき、うき、うきいい!」と言いながら、部族の踊りの輪の外を通って、さりげなーく洞窟の向こう側に行こうとする。ところが・・・だ・・・。
俺の身体から変な音が・・・しゅしゅしゅしゅ・・・ ヽ(ヽ・∀・)アヒャ?
薬は古くなっていたらしく、わずかな時間しか効果を発揮しなかった!あっという間に元の人間の姿に戻る俺様。やっべー!(><)
「うきゃあああああ!」と、穴居人の1人が、そんな間抜けな闖入者に気づいて鋭い雄たけびを上げる。たちまち「うきゃ、うきゃ、うきょーっ!!!」と穴居人たちは弓矢を構え、俺に向かってきた。このままじゃハリネズミだ!((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル
死にたくない俺は一目散で逃走する。もちろん逃げるものは追いかける穴居人たち。ひゅん、ひゅん、と飛んでくる矢の風切り音が俺の背後に迫る。
はあはあ・・・こんな地底の奥深くで全力疾走なんてな。くそ、息が上がってきた!(*´д`*)
おっと、前方には俺の進路を遮るように東西に走る川が見えてきた。ここを越えないと北には向かえないっ!
川には木の橋がかかっている。さあ急いで決断しろブリッツ。
この橋を渡って逃げるか?それとも川に飛び込むか?
毒のアイビーを気絶させる --Deathtrap
Dungeon--
【技術点11/11 体力点16/17 運点6/11】
橋か?川か?
一直線の橋を渡るということは、今のように矢を避けながらのジグザグ走りができないっていうことだ。それよりは水中に身を隠したほうが、よっぽど助かる確率は高い。というわけで俺はザブン!と川に飛び込んだ。
ん、なになに?『君は、中空の木の管を持っているか?』・・・持ってるよ、オークから奪ったやつだ。そうか、こいつはこういう風に使えるな。
俺はこの管を口にくわえ、シュノーケルのようにする。そしてゆっくりと水中に息を潜める。ぶくぶくぶく・・・水中の橋げたの一つにつかまり、10分ほどたった頃・・・もう大丈夫?
俺はそろーっと水面に顔を出してみた。穴居人いない?
キョロキョロ。大丈夫誰もいないみたい。ほーっ。また命拾いしたぜ(((;-д- )=3
俺はずぶ濡れの身体で北側の土手に上がる。『残りの食料は、たとえあったとしても全てずぶ濡れで、もう食べられたものではない。冒険記録紙からそれらを抹消せよ』って、もともと食料0個でしたから!( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \
/ \/ \
さて、ヤケになって笑うのをやめて、俺は先を急ぐ。向こうの壁にトンネルが見えてきて、そこに入ると、重い木の扉に出くわした。
ここでまたアイテムチェック。今度は「鉄のカギ」を持っているかどうかだ。大丈夫、持ってるよ。巨大な鉄管の中に、サファイアといっしょに入ってた、アレだろ。俺は鉄のカギを取り出し、ドアの錠前をがちゃっと開ける。
向こう側はトンネルの四つ辻になっていた。どっちを見ても手がかりになる物は見当たらない。ところが「こっち、こっち。こっちが正しい道だ!」と、呼びかける声がする。
声のする方角に行ってみると、そこには長いヒゲを生やした小柄な老人が、大カゴの後ろにしゃがんでいた。大カゴにはロープがついており、そのロープは上方の天井の中へ消えている。
「見知らぬ人よ、この私に手出ししないでくだされ。あなたに危害を加えるつもりはさらさらないのじゃよ」と、老人は俺に慣れ慣れしい口調で語りかける。何でも、ザックから何かアイテムを1つ与えれば、上の階に運んでくれるそうだ。どうする・・・?ワナのような気もするが・・・?
老人の申し出を断り、自分のカンを頼りにうろつきまわる方法もある。だがなあ、それだって何の手がかりもないのであれば、リスクは同じか・・・。
OK、この話、ノッたぜ。俺はザックから一番いらなさそうな「銀のゴブレット」を渡す。
老人は喜び勇んで「引っ張れ、アイビー!」と叫んだ。すると俺を乗せた大カゴはぐぐぐっと上がっていく。
下から老人が呼びかける。「アンタはきっとアイビーが気に入りますよ。素敵な娘ですからね。わしらは彼女を“毒のアイビー”と呼んでいるんですよ!」そしておかしくてたまらないような大笑いをする。
えっと、ちょっと待った、このでかい荷物を一人で引き上げてるのか、その“毒のアイビー”っていう素敵な娘は!(@o@)
ぐいっ、ぐいっ、ぐいっ。
力強く引っ張り上げられる大カゴ。やがて天井の穴を抜けて、上の階の小さな部屋の中に着いた。そこで待っていたのは・・・“毒のアイビー”こと、醜い女のトロールだ!
デタ━━━━(°Д°)━━━━!!!!
アイビーは俺の喉仏をぐわしっとつかみ、がらがら声で「私にも支払っておくれっ!!」と頭を揺さぶって脅してくる。ちょ、ちょっと待て、払うから!ゴホゲホっ!( >д<)
俺は命からがら毛むくじゃらの彼女の手から逃れた。ここでまたアイテムを渡してもいいが、んー、何とかうまくごまかせないかな。俺はアイビーの部屋をぐるりと眺める。すると俺にとってとても見覚えのある肖像画があった。
ありゃ?あいつは確か・・・ポート・ブラックサンドで・・・ええっと・・・「あー、ハンサムなトロールの絵が飾ってあるネエ。知り合い?」と、俺は尋ねてみる。すると態度と表情を一変させるアイビー。
「ええ、そうよ。これは私の最愛の弟、サワベリーなの。彼はポート・ブラックサンドで立派にやってるわ。今じゃアズール卿の精鋭部隊の近衛兵よ!私は彼をとっても誇りにしてるの♪」
弟の自慢話で目はきらきらと輝いている。そっか、本当に可愛がっていたんだね、たった一人の弟を・・・ごめんなさいそのサワベリーをボクはぶち殺しちゃいました。てへっ
こ ろ さ れ る ・・・ (((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル
アイビー「あら、どうかした?」
ブリッツ「あはは・・・。いやそのえーっと、君とサワベリーは、とてもよく似ているね」
アイビー「ほんとうっ?うれしいっ!」
うっとりと肖像画を眺めるアイビー。その乙女っぽい仕草にゲロ吐きそうだ。このスキに俺は傍らにあった壊れた椅子を取り上げ、彼女の背後に回って・・・
がつんっ☆
後頭部をしたたかに殴りつける。女トロールはきゅうーん、と気絶して伸びてしまった。俺は心の底からホッとする。ふうううううー。
さてどうする。部屋の中をあさるか?いや、そうしてるうちにアイビーが起きたら、今度こそ八つ裂きだ。
だから俺は速やかに東の壁の扉から退散するのだった スタタタタタッ(((((((((((_´Д`)
恐竜なんて、も、ムーーーーーリっ!(泣) --Deathtrap
Dungeon--
【技術点11/11 体力点16/17 運点6/11】
トロール女の“毒のアイビー”の頭をぶん殴って気絶させ、俺はトンネルを先に進む。やがてトンネルは行き止まりとなったが、石の階段が下方へと続いており、下からは「がうがう!」と犬の吠え声が聞こえてくる。
なになに、ここでもアイテムチェック。『君は古い骨を持っているだろうか?』・・・うんにゃ、持ってません(´・ω・`)ショボーン。
それでもアイビーの元に引き返すのは死んでもヤなので、俺は剣を抜いて力ずくで突破しようとする。たかが犬ごとき、蹴散らしてやる!この番犬は2匹いるものの、俺は狭い階段で戦闘するので、1匹ずつ順番に叩けばよい。
【番犬1 技術点7 体力点7】
【番犬2 技術点7 体力点8】
1R 攻撃力(番犬1/9)(ブリッツ/16) 番犬1/体力点-2
2R 攻撃力(番犬1/14)(ブリッツ/18) 番犬1/体力点-2
3R 攻撃力(番犬1/13)(ブリッツ/21) 番犬1/体力点-2
4R 攻撃力(番犬1/15)(ブリッツ/17) 番犬1/体力点-2 ←OverKill!!
ようし、サクサクっといけそうだぞ。あと1匹!
5R 攻撃力(番犬2/11)(ブリッツ/18) 番犬2/体力点-2
6R 攻撃力(番犬2/13)(ブリッツ/22) 番犬2/体力点-2
7R 攻撃力(番犬2/15)(ブリッツ/17) 番犬2/体力点-2
8R 攻撃力(番犬2/13)(ブリッツ/17) 番犬2/体力点-2 ←Kill!!
完殺!(^v^) 今回の冒険はずっとダイス目が不調だったが、ここで初めて会心の戦闘ができた気がする。
番犬のうち1匹は首輪に金属のカプセルをくっつけており、それをこじ開けると、ぽろっと小さな歯が出てきた。文章によると・・・
『これはレプラコーンの歯で、持ち主に幸運をもたらすものだ。運点2を加えよ。』
。* ゚ + 。・゚・。・ヽ(*´∀`)ノ
まっ、マジありがてえ・・・。俺はこの歯をポケットに入れて、階段を下りてトンネル沿いに東に向かう。運点が8まで上昇し、これで生き残る望みが出てきたぞ!!!
・・・という望みは、ここで潰えた。(何だイキナリ)
トンネルは急角度で左に曲がって、高い塀に突き当たったのさ。その塀の向こう側から「きょわおおおーーーん!!!!」というすさまじい大咆哮が聞こえてくる。その吠え声の大きさで、俺の背骨がビリビリ震えるほどだ。
いったいどんな大きさの怪物が塀の向こうにいんだよ?今度は何を用意してるんだ?!
塀には扉もついていたが、ここまで十分に用心深くなっていた俺は開けることなんてするもんか。ロープの束と鉄鉤を持っていたので、それらを組み合わせて即席のザイルを作る。そしてうんこらしょっと塀を登り、上から塀越しに覗いてみた。
|-`)ソオット ・・・ ・・・ ・・・ |д゚)フゲエッ!!!
そこにいたのは地底怪獣だ。表皮はまだらの緑色で、全高10m(!)にもなる巨大爬虫類。恐竜ってやつだ。でっかい口には鋭い歯がびっしりと生えて、ガチンガチンと歯軋りしている。あそこに放り込まれたら、人間のヤワな身体なんてたちまちのうちに粉砕だ!!(>ω<ノ)ノ
要するに、戦闘じゃどうにもならんよ。も、ムーーーーーリっ!ヽ(´Д`)ノアゥア
だがあそこを突破しないと、その向こうに行けないんだな。だって塀の内側、俺様が入るべきドアの反対側に、先へと続く扉が続いてんだもん。なのでここの選択肢は・・・
(1)ロープ伝いに穴底へ降りて地底怪獣と戦うか?
(2)(もし持っているなら)骨でできたサルのお守りを投げてみるか?
(3)塀のてっぺんに腰を据えて、鉄鉤を地底怪獣に引っかけようとするか?
だから戦うって言ってもさあ・・・大きさ10mのデカトカゲ相手に何ができんだよ・・・その前に踏み潰されるのがオチだよ。かといって投げ縄みたいに鉄鉤を奴に引っかけたとしても、バカ力に引きずられて落下して首の骨を折るだけだ。俺の腕力で制御できるなんて思えない!
結論として、どうすることもできん!も、ムーーーーーリっ!俺の冒険者人生はここでおしまいだウワァァ-----。゚(゚´Д`゚)゚。-----ン!!!!
どうすることもできなくなって万事窮す。八方手詰まりデッドエンド。俺は絶望して塀の上でショボーンとうなだれ、て・・・え?ちょ、ちょっと待って?(2)の選択肢って何よ???
『(もし持っているなら)骨でできたサルのお守りを投げてみるか?』
サルのお守りって、挑戦者の1人、妖精めいた女冒険者が持っていたのだろ?そりゃあるけどさあ。こんなのがなんの役に立つの???
まあいいや、他に方法はない。貴様にこれをくれてやるわ!
俺はこのちっちゃなお守りを、ぽいっと地底怪獣に投げつけてやった。
恐竜は突破したが、次は忍者が・・・。 --Deathtrap
Dungeon--
【技術点11/11 体力点16/17 運点8/11】
腹を空かせていたのか、地底怪獣は俺が投げたサルのお守りを、ぱっくんちょと口にくわえる。そしてまた、パッと口を開いた。・・・何だ?様子が変だぞ??
地底怪獣は巨体をのけぞらせて苦悶の叫び声を上げ・・・ようとするが、できない!ただただ、ドッタンバッタン、のたうちまわっているだけだ。
あのお守りは毒だったのか?いや、あの巨体を苦しませるには、相当量の毒薬が必要になるはずだぞ?
ああっ!(@o@) 俺は不思議な光景を見る。不思議なことに、口に入れた瞬間にサルのお守りが膨張し、地底怪獣の口いっぱいに広がっていたのだった!それを吐き出そうとフガフガもがく地底怪獣。明らかに驚き、また、呼吸できずに弱っているようだ。
何はともあれ、チャンスだっ!この隙を逃すなっ!!
俺はもがき苦しむ恐竜の脇を抜け、そろーっとロープを使ってラベリング降下して、向こう側の扉の前へ降りたとうとする。頼むぞ、あのドア、カギなんてかかっていないでくれよ・・・ドキドキ・・・
ところが!怒り狂った地底怪獣は一計を案じた。ドシンドシンと塀に自分の身体をぶつけ、その衝撃を利用して口の中の異物を吐き出すことにしたのだ・・・そして運の悪いことに、その場所に俺がいたんだなァ(号泣)
おわああきたああああ!Σ(´Д`lll)
ここで自分の命がかかった運試し・・・うっしゃ、吉と出た!地底怪獣はしたたかに身体をぶつけるものの、俺には当たらず、ロープを放して無事に床へ降りることに成功した。
走れブリッツ!ダッシュだっ!俺は反射神経の塊で向こう側の扉に駆け寄る。ふふふ、逃げ足だけは超一流だぜ俺は。よし、カギはかかっていない!
俺は地底怪獣の棲み処から通路に飛び出す。脱出成功!!(>Д<)
ふうう、何とか命拾いした俺は、トンネル沿いに北へと進む。
すると、トンネルの床を横切って赤い線が引いてあり、壁に「これから先は武器の持ち込み禁止」と書いた表示板があった。
さてどうしよう。武器、捨てる?
ど ア ホ ウ が 。 ┐(´ー`)┌
誰が捨てるかこんなとこまで来て自分の身を守る物を。俺はこの掲示を無視して、そのまま先へと進む。
トンネルの向こうは大理石の床の広間だ。数本の円柱がまっすぐ伸びており、カツーン、コツーン、と俺の足音が反響する。・・・誰もいないのか?
違う!殺気っ!!!
見つめる気配がして俺の髪の毛が逆立つ。襲撃者は音ひとつ立てずに柱の陰から現れ、俺の背中目がけてギザギザの円盤を投げつけてきた!
その一瞬、スミレ色のスカーフが目に入る。奴は「迷宮探険競技」の挑戦者の1人だ!
『相手は例の黒装束に身を固めた暗殺者、忍者だ』
エエエエェェェェ(゜Д゜;)ェェェェエエエエ
忍者て、ちょwwwwおまwwwwwこの世界はいったいどこwwwwwwww
とか考えている場合じゃない!奴の投げた手裏剣は、俺の脊髄を正確に捉えている。運試しーっ!・・・出目は4と2。吉。避けきった!!
剃刀のように鋭い円盤は俺の頭上をかすめ、柱の一つにビイイーン!と突き刺さる。俺は何とか忍者の方に向き直る余裕ができた。そいつは長刀を構え、スタスタスタと音もなく近づいてくる。黒頭巾の下からボソボソとつぶやくような声が漏れてきた。
忍者「お初にお目にかかる。拙者、ハチマン国のシノビにて、名無しにて候・・・」
ブリッツ「そうかい、ここで事実上の決勝戦ってわけかい」
イキナリ卑怯な不意うち喰らわせやがってコノヤロウ!
俺は怒りに任せて剣を抜き、飛びかかる。だが刃を一太刀合わせたとき、俺は自分の誤りに気づいた。俺の頭をカッカさせたのも、全て計算づくのことだったんだ。
奴は冷徹な殺人マシーンだ!!Σ(゚д゚lll)
忍びの者との死闘を制する --Deathtrap
Dungeon--
【技術点11/11 体力点16/17 運点6/11】
がきいいん!うっ、こいつ、強い!
だが、相手も頭巾の奥で目が大きく開いた。俺の一撃の鋭さと力強さに驚いているらしい・・・というか、そうだといいんだが・・・。
腕前は互角、あとは体力勝負だ。気合入れろーっ!ヽ(`Д´)ノ
【忍者 技術点11 体力点9】
1R 攻撃力(忍者/20)(ブリッツ/20) Draw
2R 攻撃力(忍者/17)(ブリッツ/17) Draw
キン、キン!薄暗い洞窟に剣を打ち合う火花が散る。先手を取るのはどっちだ!
3R 攻撃力(忍者/16)(ブリッツ/19) 忍者/体力点-2
俺だ!さあ、このまま攻勢に出るぞ。おらおらおら! もういっちょ!
4R 攻撃力(忍者/20)(ブリッツ/22) 忍者/体力点-2
ところが忍者は俺の3撃目をアクロバットでかわし・・・
5R 攻撃力(忍者/20)(ブリッツ/18) ブリッツ/体力点-2
・・・俺に鋭い突きを食らわす!くそっ!!
6R 攻撃力(忍者/19)(ブリッツ/17) ブリッツ/体力点-2
7R 攻撃力(忍者/18)(ブリッツ/15) ブリッツ/体力点-2
まずい、押し込まれているっ!!
8R 攻撃力(忍者/18)(ブリッツ/21) 忍者/体力点-2
負けるかああ!
9R 攻撃力(忍者/20)(ブリッツ/17) ブリッツ/体力点-2
忍者は俺をけっ転がし、もんどりうって両者とも地面に倒れた。
10R 攻撃力(忍者/15)(ブリッツ/22) 忍者/体力点-2
寝技の組み打ち勝負ってわけかい。だが俺もダテに生き残ってるわけじゃないぜ!
11R 攻撃力(忍者/17)(ブリッツ/16) ブリッツ/体力点-2
しかし奴の方が戦い慣れていた。蛇のように俺の身体に絡み付き、締めつけてくる。
11R 攻撃力(忍者/21)(ブリッツ/16) ブリッツ/体力点-2
やばい、首に手をかけられた。頚動脈目がけて奴の刀が迫る!
12R 攻撃力(忍者/20)(ブリッツ/23) 忍者/体力点-2 ←OverKill!!
その腕を逆手で折るっ!ぼきいっ!「うぐああああ!」初めて苦悶の叫びを上げる忍者。
俺はその瞬間、奴に馬乗りになり、目玉に剣を突き立てた。
ぐっしゃあっ!
断末魔の痙攣を身体全体で押さえこむ。顔をしっかり太股で挟み込んだので、奴の叫び声はくぐもったままだ。そして俺は、奴の生命活動が停止するまで、そのままの姿勢で固まっていた。
数分経ったところで、俺は身体を解き、奴の上から離れる。
そして、もう動けなくなるほど疲労困憊して、床に大の字になって寝っ転がった。
はあ・・・はあ・・・勝ち残るのは・・・俺・・・だ・・・はあ・・・はあ・・・。
○筋骨隆々のバーバリアン
○もう一人の筋骨隆々のバーバリアン
○艶やかな金髪に猫のような緑の目をした妖精めいた女
○鎧で身を固めた重装備の騎士
○黒いローブと覆面を被った暗殺者
○そして、俺。ブリッツ
挑戦者は俺以外みんないなくなった。あとは俺様が生き残ればいいだけだ。
だが・・・残り体力点4か・・・( TДT) とりあえずこいつ、何か持ってないかな。俺は忍者の黒装束を探る。ガサゴソ・・・衣服のひだの下に布袋があった。
それを開くと、中には水筒と竹の皮に包んだ米、それに軟膏のビン、さらには・・・見事なダイヤモンドがあった!!
俺と同じ挑戦者だった、妖精めいた女冒険者の情報によると、ダイヤモンドはこの迷宮を抜け出るのに絶対必要なアイテムだったはずだ!(^v^) イタダキっ!と、思わずガッツポーズをする俺。さっそくザックに収める。これで、ここまで俺の集めた宝石は、エメラルド、サファイア、ダイヤモンドの3種類だ。
他の物も・・・こいつが大事そうにここまで持ってきたとしたら、毒物じゃないだろう・・・。
俺は水筒の水を飲み、風変わりな食物を食べてみた。おっ、粗末だがなかなかイケル。体力点+1だ。さらには調子に乗って軟膏も自分の傷にすり込んでみる。こっちもしっかりした傷薬で体力点+3の回復だ。合計して俺の体力点は8点まで戻った。
さらにここで「力の薬」を使って体力点を全快させるか、考えもしたが・・・まだ、まだいけるだろう。あと1回の戦闘くらいは・・・その後でも遅くはあるまい・・・。
というわけで疲れた身体を引きずりつつ、俺は広間を立ち去った。
ブラッドビーストとマンティコアの二連戦! --Deathtrap
Dungeon--
【技術点11/11 体力点8/17 運点6/11】
さてと、この広間から出る道は・・・見つけた。北側にある射水路だ。
先に何が待ちかまえているかわからんが、ここに忍者の死体といてもしょうがない。俺は運を天に任せて潜り込むことにした。
ずりずりずり・・・ずるるーっ、どさっ。
新しい部屋に仰向けに着地した俺は、見たこともない奇怪な光景に出会った!
目の前の円形池、悪臭を発する泥土の中でのたくっている「それ」は、緑色でトゲトゲの表皮を持ち、ぶくぶくと膨れ上がったおぞましい怪物だ。顔は真紅の水泡の塊で、それが弾けると、下から無数の不気味な複眼が現れる。
俺は以前、スロムといっしょに赤皮の本に書いてあった怪物の解説を思い出した。そうか、こいつがブラッドビースト(血獣)だ・・・。
実際遭遇してみて、その醜悪さに圧倒される俺。残り体力点も少ないのでここは迂回したいところだが、池の縁には幅の狭い通路があり、向こう側のトンネルに通じている。だからここを突破するしかないってわけだ!
しゃあねえ、やるか・・・(´д`)
解説本により、この泥土が有毒ガスを含むことを知っていたので、とりあえず俺は袖で口を覆った。そして奴の伸びる舌に注意してじりじりと近づく。
びゅるるるっ!ブラッドビーストの舌が俺を捕らえようとしてきた。だがそれは想定済みだぜ。俺は剣でその舌に冷静な一撃を加える。苦悶の咆哮をあげるブラッドビースト。
さあ行くぜ!俺は奴に突進し、真の眼を求めて、顔面をめった刺しにしようとする!
【ブラッドビースト 技術点12 体力点10】
1R 攻撃力(ブラッドビースト/15)(ブリッツ/21) ブラッドビースト/体力点-2
ぶしゃ!いや、これは違う。ただのあぶくでニセの眼だ。
2R 攻撃力(ブラッドビースト/24)(ブリッツ/21) ブリッツ/体力点-2
がぶりっと奴の牙が俺の腕に刺し込まれる。体力点は残り6!あと3発分!!
3R 攻撃力(ブラッドビースト/16)(ブリッツ/16) Draw
くそ、泥土の臭気に耐えきれなくなってきた。頭がクラクラする・・・
4R 攻撃力(ブラッドビースト/17)(ブリッツ/18) ブラッドビースト/体力点-2
ごりっ!!
俺の2回目のダメージが、確実にブラッドビーストの真の眼を捉えた。この恐るべき怪物は池の中にへたり込み、じたばたと大暴れする。
戦闘は途中だけど今がチャンスだ!俺は池の周りを駆け抜け、向こう側のトンネル内に飛び込んだ。ふうう、ここでも命拾ったぜ・・・。
トンネルを先に進む俺。さっきの泥土の有毒ガスがまだ残っているのか、身体がフラフラする。やっぱり体力点6じゃキツイかなぁ。次に何が出てくるのかわからんが、ブラッドビースト以上の強敵だったら、もう助からないだろう。
・・・ここで飲んどくか。
俺は最後の頼みの綱である「力の薬」を、ここで服用することにした。ごくごくごく・・・ぷっはー。 体力点が原点の17まで回復する。食料もとっくになくなっているし、ここから先はイベント以外に回復手段はなくなってしまった。いよいよ背水の陣だ!
そしてトンネルは大きな部屋に通じていた。部屋の天井は数本の大理石の柱で支えられている。おそるおそる踏み込んだ俺は、右手の方に奇妙な獣がいることを発見する。こいつは・・・うう・・・強そうだぜ・・・(;´Д`)
ライオンの身体に竜の翼を持っているが、顔はヒゲを生やした老人という奇妙な生物。
そうだ、こいつは・・・マンティコアだ!
『マンティコアに出会ったら そいつの尻尾に気をつけろ
うなりを生じて飛んでくる とがった釘から身を守れ』
俺は骸骨戦士が握りしめていた羊皮紙に書いてあったことを思い出す。
それと同時に、奴は尻尾から、まるでバルカン砲のようにばばばばばばっと鉄釘のように鋭いトゲを発射した!
『君は盾を持っているか?』 ・・・持ってる!捨ててないっ!(^v^) 俺は盾を身体の前面に構えて一連のトゲを防いだ。カンカンカン!盾は十分役に立ち、俺は未だ無傷のままだ。さあ今度はこっちの番だ!
さっさとやっつけ・・・(うわっ能力値強いじゃん!)・・・られるかな・・・??
【マンティコア 技術点11 体力点11】
1R 攻撃力(マンティコア/21)(ブリッツ/16) ブリッツ/体力点-2
2R 攻撃力(マンティコア/16)(ブリッツ/18) マンティコア/体力点-2
3R 攻撃力(マンティコア/17)(ブリッツ/21) マンティコア/体力点-2
4R 攻撃力(マンティコア/17)(ブリッツ/16) ブリッツ/体力点-2
5R 攻撃力(マンティコア/17)(ブリッツ/19) マンティコア/体力点-2
6R 攻撃力(マンティコア/21)(ブリッツ/17) ブリッツ/体力点-2
7R 攻撃力(マンティコア/18)(ブリッツ/18) Draw
8R 攻撃力(マンティコア/15)(ブリッツ/20) マンティコア/体力点-2
9R 攻撃力(マンティコア/18)(ブリッツ/16) ブリッツ/体力点-2
10R 攻撃力(マンティコア/17)(ブリッツ/17) Draw
11R 攻撃力(マンティコア/15)(ブリッツ/20) 運試し凶 マンティコア/体力点-1
12R 攻撃力(マンティコア/16)(ブリッツ/17) マンティコア/体力点-2 ←Kill!!
俺がぶち当てたダメージは6発。対してマンティコアは4発。ほんのちょっとの差だった。そしてその“ちょっと”が勝負の境目だった。すなわちそれは、生き抜こうとする意志の力だ。
マンティコアは俺様のフィニッシュブローにどおっと倒れて動かなくなる。
や っ つ け た ! ! v(^v^)v
ノウムのイグバッドによる最終テスト --Deathtrap
Dungeon--
【技術点11/11 体力点9/17 運点5/11】
マンティコアを何とか仕留め、俺はふううっと一息つき、剣についた血を拭う。
すると、とてててっと、小さな人型生物が飛び出してきた。剣をがっと構える俺。ところが・・・「おおっと、まずは剣を下ろした、下ろした!」と、そいつは快活そうな声を出す。
俺の目の前に出てきたのは、緑の上着を着て、ガラス玉を手に持った小人だ。「あっしはノウムのイグバッド。あんたの最後のテストを司る競技監督さ」と、ちょこんと自己紹介。
彼の背後には3つの投入口がある豪華な装飾の鉄扉がある。ちょっと待て、今、“最後のテスト”って言ったぞ!(゜∀゜)
ブリッツ「じゃあ、あんたの後ろの扉を抜ければ、迷宮を出られるんだな?」
イグバッド「その通り。だが言うまでもなく、私の魔力は強大だから、私を襲おうなんて思わないように!えっへん!!」
ブリッツ「はん、襲おうったって、そんな元気も残ってねえよ(`Д´)」
俺は腰を下ろして奴に目線を合わせる。するとイグバッドは、ここを通過するためのルールを説明し始める。
この鉄扉は勝利への出口だが、そこを開ける方法は1つしかない。それは、3つの宝石を特別な順序で錠前の投入口(スロット)にはめ込むことだ。正しい順序ならば、それぞれの宝石が独特のエネルギーを発し、錠前の機構に働きかける・・・ということだが・・・。
イグバッド「まず第一に、正しい宝石が必要だ。あんたはエメラルドをお持ちかな?」
巨大ハゲオヤジ像の左眼だった宝石だな?持ってる!
イグバッド「よろしい。ところで君はサファイアを持っているかね?」
鉄管の中に入ってあった宝石だろ。ゲットしてるぜ!
イグバッド「素晴らしい!あと1つだけだ。ダイヤモンドは持っているかね?」
忍 者 を 殺 し て 手 に 入 れ た ぜ ! v(^v^)v
「でかしたぞ!これまで3個の宝石を全部見つけた者はいないんだ!」イグバッドは自分のことのように狂喜する。そして、最終関門の鉄扉の前に立った。
イグバッド「この扉にはA、B、C、3つの投入口がついている。あんたは3つの宝石を正しい場所に入れなければならないんだ。これでもし一発で成功すれば万々歳だ。だが間違って投入したら、鍵穴から強烈な毒ガスが噴射されて負傷する」
ぶっ。
簡単に言うなよな。毒ガスって、ちょっと俺、体力点1ケタなんだけど・・・(T∀T)
そんな俺の不安そうな表情を読み取ったのか、イグバッドはにやりと笑って話を続けた。
イグバッド「とはいえ、私はちょっとばかり君の手助けをしてもよいことになっている。あんたが正しいのを入れたら“王冠”と言ってやる。逆に間違ってたら“頭蓋骨”と言ってやろう。だから例えば1個が合っていて、残り2つが間違っていれば、私は“王冠1個に頭蓋骨2個”と叫ぶわけだ」
ブリッツ「・・・」
イグバッド「君は成功するか死ぬかするまで、何回でも試すことができる」
ブリッツ「ちょっといいかい、イグバッドさん」
イグバッド「何だい?」
ブリッツ「他にヒントはないの?例えばさあ、Aの投入口は確実にコレ、とか・・・」
イグバッド「甘ったれんな。さあ、用意はいいかい?」
くぅー、最後まで厳しいねえ(;´Д`)
俺は3つの宝石を手に、鉄扉の前で立ち尽くす。『火吹山〜』の冒険のときも、最後の宝箱でこんなシチュエーションはあったが、今度の事態はもっと深刻だ。俺の試すべき組み合わせは6つもあり、ヤマ勘で正しいのを引きあてる確率は六分の一だ。
そして俺の体力点は残り9点!毒ガスがどれくらいの威力か知らないが、3回・・・いや、2回吸ったくらいでこの世からオサラバ・・・になる・・・だろうな・・・。
ブルブルブルっ!(><) 俺は首を振り、想定する最悪の事態を脳裏から振り払う。
A B C
(1)エメラルド ダイヤモンド サファイア
(2)ダイヤモンド サファイア エメラルド
(3)サファイア エメラルド ダイヤモンド
(4)エメラルド サファイア ダイヤモンド
(5)ダイヤモンド エメラルド サファイヤ
(6)サファイヤ ダイヤモンド エメラルド
さあ、どの組み合わせから試す?
サカムビット公の最後のワナ --Deathtrap
Dungeon--
【技術点11/11 体力点9/17 運点5/11】
何の手がかりもねえし、当てずっぽうでいくしかないが・・・まずはこれらの宝石を手に入れた順番でABCに入れてみるか。だから(4)の『Aエメラルド Bサファイア Cダイヤモンド』だ!
ころっ ころっ ころっ ・・・ ・・・ ・・・
「王冠1個に頭蓋骨2個」(←イグバッドの声) ぶしゅーーーー!!!
俺は鍵穴から白熱したエネルギーを胸にぶち当てられ、もんどりうって倒れる。さて毒ガスの効果は『体力点から1d6+1点が引かれる』だとう!(ToT)
ううっ・・・(ころころ)出目は2だからマイナス3点。残り体力点は6!!
よーくよーく、慎重に考えるんだブリッツ。1個は合っていた。それはABCのどこだ?
A B C
(1)エメラルド ダイヤモンド サファイア
(2)ダイヤモンド サファイア エメラルド
(3)サファイア エメラルド ダイヤモンド
(4)エメラルド サファイア ダイヤモンド (王冠1個に頭蓋骨2個)
(5)ダイヤモンド エメラルド サファイヤ
(6)サファイヤ ダイヤモンド エメラルド
仮にAのエメラルドが正しいなら(1)が、Bのサファイアなら(2)が、Cのダイヤモンドなら(3)が、正しい組み合わせだ。答えは6択から3択になった・・・。
よし、男は度胸だ。(1)の『Aエメラルド Bダイヤモンド Cサファイア』で、どうだ!
ころっ ころっ ころっ ・・・ ・・・ ・・・
「頭蓋骨3個」(←イグバッドの声) ぶしゅーーーーーーー!!!
俺は鍵穴から白熱したエネルギーを(以下略)
あうう・・・5と6だけは・・・5と6だけは出るな・・・(ころころ)・・・出目は1!うひゃっほう!!(゜∀゜) 残り体力点は4!!
ゼエゼエ。俺にはまだツキがある。ぜってえ突破するぞ!生き残ってやるっ!!
A B C
(1)エメラルド ダイヤモンド サファイア (頭蓋骨3個)
(2)ダイヤモンド サファイア エメラルド
(3)サファイア エメラルド ダイヤモンド
(4)エメラルド サファイア ダイヤモンド (王冠1個に頭蓋骨2個)
(5)ダイヤモンド エメラルド サファイヤ
(6)サファイヤ ダイヤモンド エメラルド
選択肢は(2)か(3)だ。それはすなわち、王冠3個または頭蓋骨3個のどっちか。
生か死か、だ。
シーンと静まり返る迷宮内。初のチャンピオン誕生かと、固唾を呑んで見守るイグバッド。
・・・よし、この組み合わせだ!
いちばん入手が困難だったダイヤモンドを軸に考えて、(3)の『Aサファイア Bエメラルド Cダイヤモンド』でいってみようじゃないか!
ころっ ころっ ころっ ・・・ ・・・ ・・・
「王冠3個!!!」(←イグバッドの声)
ぎいいいいっ(←扉の開く音)
よっしゃあああ!!!(←俺のガッツポーズ)
すたたたたっ(←???)
重い鉄扉がついに開く。いやちょっと待て、最後の「すたたたたっ」って、何だ?
それはノウムのイグバッドが俺より先に扉へ駆け寄る音だ。「この時を待っていたんだ。俺は迷宮を抜け出て、惨めな競技監督人生から解放されるんだっ!」
奴はそう叫び、そして手に持っていたガラス玉を俺の足元に投げつける。ぼんっ!それは破裂して、中から緑色のガスが流れ出す。
ガスを吸うまいと顔をそむける俺。ここで運試しは・・・もちろん凶。だって現在の運点、5なんだもん(泣) 『君は毒ガスを吸って窒息しかかる。体力点3を引け』 おお!残り体力点1で、まだ生きてるよぉおおお!
俺の幸運に乾杯ヽ( ^∀^)ノq□ ・・・とか言ってる場合じゃない。
「俺は自由だ!いやっほおおおおおお!」と笑いながら出口へ突進するイグバッド。「てめえええ、待てコラ!!!」と、後を追う俺。
両者は鉄扉の向こうに抜け、別のトンネルに入る。が・・・
ぶすっ ぎゃっ!
そんな小さくてくぐもった音がトンネルの前方から聞こえた。
俺が近づくと・・・そこにはトンネルの中ほどで横たわっているイグバッドの死体があった。即死だ。奴の頭の横から、クロスボウの矢が突き出ている。
この卑怯な(そして哀れな)ノウムは、自由を求めて浮かれ走るあまり、サカムビット公の最後のワナにはまってしまったんだ。
俺は「馬鹿な奴・・・」とつぶやくのが精一杯だった。
そ し て ・・・
よろよろとその脇を抜け、疲れきった身体で、俺はまばゆい陽光の下に出る!
400!そして次の冒険への幕間 --Deathtrap Dungeon--
【技術点11/11 体力点1/17 運点4/11】
↑まあ上の能力値を見てくれよ。いかに壮絶な死闘だったか、わかるというもの。
俺がトンネルの出口から姿を現すと、大勢の群集の歓声が「わああああっ!」と出迎える。あはは、こんなに待ってたの?物好きだねえ・・・
俺は歓呼の人垣を抜け、小さな演壇に座っていたこの競技の主催者、サカムビット公の下に向かった。彼は「ウッソ、マジ?俺のダンジョン生きてクリアしたの?」といった感じで、呆然とした面持ちだ。
今やファングの地下迷宮の秘密は明かされたのだ。俺は演壇の階段を上り、そこで嫌みったらしく大げさにお辞儀する。あのさ、ひとこと、言っていい?
ざまあみさらせ ( ̄▽ ̄)
冷たい表情のサカムビット公は、俺への賞金、金貨1万枚の入った宝箱を開けた。そして俺の頭に月桂冠を載せる。
明らかに悔しそうなサカムビット公の爺様。だが、ここでゴネたら民衆の支持まで失いかねない。為政者として公明正大な態度を見せ付け、徳の高いところを見せなければ・・・というわけで、彼はフェアに「迷宮探険競技」の勝利者が誰であるかを宣言するのだった!
サカムビット公「我輩の地下迷宮を突破したチャンピオン、ブリッツ殿よ。賞金の金貨1万枚、及び、チアンマイの永久統治権を与える!!!」
わあー!わあーー!わああーーーーーーー!!!
今や群集の熱狂は最高潮だ。俺は振り返って両手を天高く掲げ、ガッツポーズする。やったぞ、俺はチャンピオンだ!
天国で俺の姿が見えてるか?スロムよ!!(涙)
・・・
・・・
・・・ そ し て 3 ヶ 月 が 過 ぎ た ・・・
新生活は意外と忙しかった。
冒険者も大変な職業だったけど、領主ってのも、なかなかこれでタイヘンだ。
サカムビット公から金貨1万枚と共に俺が与えられた領地は、コク河下流にあるチアンマイ(Chiang-Mai)という地方だ。小さな町と農村がポツポツとあるだけで、お世辞にも賑わっているところではない。が、それでも地道に開発していけば、それなりの収入は手に入る。ありがたいことに領民も善人そうな奴が多く、まあ、平和な片田舎といったところだな。
古ぼけた空城があったので、さっそく俺はそこを「ブリッツ・キャッスル」と名づけて住み込むことにする。思いのほか中は傷んでいて、改修費用で賞金のほとんどは使い切っちまった・・・。
それでもまあ、今までのその日暮らしに比べたら、大出世と言えるんじゃないの!?
( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \
/ \/ \
だけどひとつ心配なのは・・・俺の領地の中にコク河が海に注ぐ一帯が含まれていて、そこは「サソリ沼」という沼地なんだ。
ここには3人の変てこな地方豪族と、たくさんのおっかない怪物がいる。新参領主の俺なんかまったく相手にしてねえ、って感じの無法地帯だ。領民達もほとほと悩まされているらしい。
いずれ何とかしなきゃ。舐められちゃあイカンぞ(`・ω・´)シャキーン
だけど「サソリ沼」の問題は、まあ、後まわしにしてだな(あらら・・・)。とりあえずゆっくり休息をとり、俺はファングの地下迷宮でボロボロになった身体をいたわる。おかげさんで俺の能力値は完全回復した!!
そうなると・・・ヒマだ・・・ ウロ(゚∀゚ )三 三( ゚∀゚)ウロ
やれ村の羊がいなくなっただの、やれ赤ん坊の名付け親になってくれだの、しょーもない仕事ばっかだね、領主ってのは!!
元からあまり政治能力もないし、徒党をつるむこともなかった俺には、周りに家臣なんていやしない。ガラーンとしたブリッツ・キャッスルで、2つか3つの案件を処理したら、あとはブラブラしているだけ・・・。
退屈だあ。さみしいよう。誰か遊びにきてよお・・・(><)
と、さびしんぼう状態の俺に、ある妙案が浮かんだ。
ブリッツ「そっか、マンゴだ!!(・∀・) 」
マンゴっていうのは果物じゃないぞ。人の名前だ。俺の昔のダチの冒険者仲間だ。気さくでおしゃべりな楽しい男で、数年前に冒険者を引退して、今は南のオイスターベイっていう港で漁師をしているはずだ。
そいつをこの城に呼んで従臣に取り立ててやろう!
さっそく俺は馬を駆りだし、南へ向かう旅の準備をするのだった。そして「ちょっと出かけてくるぜっ!( ゚∀゚)ノ」と領民達に挨拶していく。
領民達「だけどもはあ、ブリッツ様。もうすぐ収穫で納税の季節だでよ・・・?」
ブリッツ「あー、そこらへんはまあ、適当にやりな!」
領民達「んでも・・」
ブリッツ「大丈夫。俺がいなくても何とかなるって!んじゃ1ヵ月後くらいに戻ってくらあ!」
ぱからっ ぱからっ ぱからっ・・・
こうして馬を駆って南に向かう俺。目指すはオイスターベイだ。待ってろよーマンゴ!俺の姿を見てビックリこきやがれっ!ニヒヒヒヒ!(^v^)
あ、なんか、いいなあ。今俺はすげえワクワクしているぞ。新しい冒険の予感だ!!
いやっほう!*:.。..。.:*・゚(n‘∀‘)η゚・*:.。..。.:* ミ ☆
そしてブリッツ・キャッスルでは、残された領民たちは、俺のことを、首を振りながらこう噂するのだった。
領民達「あんれまあ、今度の領主様は、まるで風船のようなお人だベ・・・」