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[27063] 【ネタ】量産機ISはダテじゃない!
Name: 鳥頭◆abea7239 ID:b376b2ae
Date: 2011/04/09 00:20
シャルロット・デュノアは困惑していた、母が亡くなりこれから一人で生きていかなくちゃいけないと覚悟していた矢先に交流がなかった父からの連絡。ちなみに電報で、

――来い。

たった一言。しかも何故か日本語、思わずぐしゃりとシャルロットが握り締めこのふざけた内容に父をぶん殴りたい衝動に駆られても無理はないだろう。

迎えにきたデュノア社の黒服の皆さんは歪んだ笑いをする娘、シャルロットに全力で引いた。そして思った、また社長の仕業か! と。

デュノア社はIS、通称インフィニット・ストラトスと呼ばれる飛行パワードスーツを開発する企業だ。今は第三世代のISトライアルに外れている、件の第三世代機の開発が遅れているのだから仕方のないことだが。

自分が呼ばれたのはこれと関係があると事前に黒服さん達から聞いた、勝手だと思う。母と二人、今までほったらかしにしていたくせに。先程会った本妻らしき女性からは何故か同情の目で見られた事が気になった、ここはドラマらしくこの泥棒猫の娘が! とビンタされるかと思ったけど。

思えばこの時、シャルロットは引き返すべきだったのだ。社長室の扉を開いた時点でもう遅いが。

「ハッピーバースディ!」

その声を聞いてシャルロットは瞬時加速、笑顔で両手を広げる父の顔に蹴をかました。机に積み上げられたケーキが崩れる、これが父と娘の再会。そしてデュノア社の始まり、色んな意味で台無しだったけど。

「いい蹴だったなシャルロット……今のお前ならマスクドライダーになれる!」

「もう一発逝く?」

「すみませんもう言いません」

即座に土下座する父、それはそれは美しい土下座だった。シャルロットははぁっと溜め息を吐く、自分はこんな性格だったかなと首を傾げた。まあこんな父を前にすれば性格もはっちゃけるのだろうと納得、何げに社長色に染まっている。もう手遅れかもしれない。

「で、私は何をすればいいの?」

「うむ、全身装甲の試作機IS《バース》の稼働データ収集を……いや冗談ですから! 蹴り体勢に入らないで!?」

銀色のメカっぽい全身装甲ISを取り出す父を見て、シャルロットはこれは蹴っていいよね? ファンの方を馬鹿にしているもんね? と納得して体勢を整える。何処からかジョーカーマキシマムドライブ! と聞こえた気がした。

仕切り直しと本題に入る父、その内容を聞いてシャルロットは唖然とする。

「えっと……フランス代表候補生なんだけど専用機じゃなくデュノア社が開発した《ラファール・リヴァイヴ》、第二世代の量産機ISでIS学園に行け……って?」

「そうだ、我が社の量産機で気合いと根性を駆使してダテじゃないって事を証明してくれ! やあってやるぜぇっ!!」

燃える社長、熱血。対してシャルロットは冷静にスーパー稲妻キックを炸裂させた、沈黙する父。

これは量産機ISで世界に挑むデュノア親子の物語。



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