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東通原発電源トラブル 村職員情報収集に奔走

 東北電力・東通原発1号機は外部電源が絶たれた。定期点検中だったものの、原子炉建屋内の使用済み核燃料プールを冷却するなどのために電源は欠かせず、非常用ディーゼル発電機で建屋に電力を供給した。8日午前3時半頃に外部電源が復旧した後も、安定供給させるため発電機の稼働を続けた。

 しかし、8日午後1時55分頃になって、発電機の燃料である軽油がポンプ付近で漏れ出しているのが分かり、発電機を急きょ停止した。残り二つの発電機は点検中で動かせず、バックアップ機能が乏しい中で電力供給を強いられた。

 東北電力はこの事態を受け、保安規定や安全協定に基づき、国や県に報告。緊急の記者会見を開き、仮に外部電力が再び途絶えても、大震災の後に配備した電源車でまかなえると説明した。ただ、電源車が機能しない場合の想定については、「次の方策を検討中」とするにとどめた。

 東通村の原子力対策課は情報収集に追われた。外部電源の復旧を確認して職員は帰宅したが、軽油漏れのトラブルが伝わり、「非常用電源の故障は原発にとっては重要なトラブル」とやきもきした。担当職員1人が現地に入り、県などと調査にあたった。

 また、日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(六ヶ所村)も外部電源を失い、非常用発電機を稼働。同社によると、同工場で非常用発電機に切り替えたのは大震災以来で、「ほかに過去に例がないのではないか」とした。8日午後には外部電源に戻した。

2011年4月9日  読売新聞)
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