高濃度の放射性物質で汚染された水が海に流れていたのは、ようやく止められたようですが、それまでにずいぶん流れてしまったと思います。
いっぽう、高濃度汚染水を溜めておくために、低濃度の汚染水を1万トンも海に流すというので、ずいぶん大きな問題になりました。
もちろん、流さずにすめばそれに越したことはないとして、どうしても水を捨てなくてはならないなら、低濃度のほうから捨てるのは当然です。ニュースによると低濃度のほうは全体で1700億Bqだそうです。
それに対して、高濃度のほうの濃度は1000万Bq/cm^3 以上とニュースには出ていました。これは、100億Bq/Lです。
すると、低濃度の汚染水1万トン中に含まれる放射性物質の量は、高濃度汚染水約17L分ということになります。
実際、朝日新聞には
..................
汚染度の低い水1万トンに含まれる放射能の量は、2号機の高濃度汚染水10リットル程度に含まれる量と同レベルにあたる。
..................
とはっきり書いてあります
http://www.asahi.com/national/update/0404/TKY201104040245.html?ref=reca
うーん、すでにどれだけ流れてしまったかわからない高濃度汚染水に、あと10Lなり20Lなり足すのはどの程度まずいことなのでしょう・・・。これを流さないことが、海洋汚染の対策になるかといえば、高濃度がかなり流れちゃっている以上(どれだけ流れたのかわかりませんが、ピットから流れ出る写真を見る限り、数10Lとはオーダーが違いそうです・・・)、全然対策にならないです。
高濃度のほうの量を気にするほうが、圧倒的に重要でしょう。
ちなみに、基準値の100倍の汚染水1万トンというのは、東京ドーム一杯分の海水で薄めると基準値以下になる程度の量です。
いや、流さないに越したことはないんですよ、もちろん。国際条約云々もあるでしょう。でも、緊急避難として認められる範囲じゃないかな。少なくとも、国内法上は緊急時として認められるはずです。
ところが、どうも記者会見などを見ていると、記者やジャーナリストのみなさんは「1万トン」という水の量に惑わされて、実際の放射性物質の量を考えていないような気がしてなりません。
それを「鋭く」追求している暇があったら、もっと訊くべきことはあるのじゃないかなあ。なんというか、「水の量」が問題なんじゃなくて、放射性物質の量がだいじだっていうことを本当にわかっているのかなあ、と疑問に感じています。「1万トンは多いか少ないか」なんてのは、まったく意味がないんですよ。問題は放射性物質の量。
記者やジャーナリストのみなさんは、単に「1万トン」というわかりやすい数字があるから、「鋭く」追及しているだけなのではないかなあ、という気がしてなりません。「鋭く」見えるだけで、全然本質じゃないのでは。もっとだいじなことがあるんじゃないのかなあ。
ポイントは「基準値の100倍の濃度の汚染水1万トンと基準値の100万倍の濃度の汚染水1トン中に含まれる放射性物質の量は同じ」ということです。
しかも、薄いのをたくさんのほうが、海中で早く希釈されるでしょうから、よりましなはずです。
これ書くと、みんなに怒られるかもしれないなあと思いつつ
[追記]
そういう誤解はないだろうと思って書いたのですが、やはり誤解があるようなので、改めて書きます。
この記事の意図は「安心」とか「安全」とかではありません。高濃度の汚染水が(おそらくはかなり大量に)海に流れてしまったという事態は深刻です。ただ、その深刻さに比べると、低濃度汚染水1万トンは「無視できる程度」だということです。これは、いいか悪いかの問題ではなく、単なる量の問題です。仮にこの1万トン放出をとりやめたところで、海の放射性物質濃度にも影響しないし、海の汚染対策にもなんの影響もありません。なぜなら、既に桁違いに多くの放射性物質が流出したと考えられるからです。
いいか悪いかではなく、海の汚染度にも今後の海洋汚染対策にもなんの影響もないという事実だけです。
いっぽう、それが1万トン分のタンクを空にできるという意味では、排水してしまうことには意義があります。こちらは水の量の問題ですから。
(ちなみに、デーモン小暮閣下の年齢がジョークになるのは、桁の違うものを足し算したのに、一番下の桁を高精度で言うからです。10万46でも10万47でも、「約10万歳」でいいはずですよね。あのジョークがわかるかたなら、この文章の意味も理解していただけると思います)
[追記]
魚の汚染問題も同じで、高濃度汚染水のほうで決まってしまうので、低濃度の1万トンは影響ありません。もともと深刻な問題に深刻ではない問題を足しても問題の深刻さは変わらないということです。
[追記]
繰り返しますが、ここで「影響ない」と言っているのは、「高濃度のほうですでに深刻な影響があるから」です。高濃度汚染水の流出がなかったとしたら、低濃度汚染水排出の影響を真剣に検討しなくてはなりません。
つまり、「1700億Bqの排出」ということだけを取り出しても意味がなくて、1700億Bqが大きな値なのか小さな値なのかは状況しだいということです。通常時であればこれは大きな値ですが、今の場合には無視できるほど小さな値です。
ひとつの数字だけを見てもだめだということです
この記事に対するコメント[74件]
1. kitagawa — April 6, 2011 @23:09:10
http://www.youtube.com/watch?v=shSO-Q-0O_c
上のニュースの深層に件のジャーナリストがゲスト出演されてますので見れば分かりますが、放射性物質の量については理解しています。
問題は、条約や法に違反していたり他国に事前通告していないことで、今後海外からの協力が得られなくなるかもしれない可能性と、大事の前の小事と称して同じようなことが繰り返されることの危険性を感じて追求しているのだと思います。
実際、多くの原子炉の研究者も事態が収まるのには何年もかかるといってますし、その間に日本だけで収束というわけには行かないでしょう。
ちょっと視野狭窄すぎるのでは?
国内法のほうは問題にならないと思いますが、問題になるなら、あとで刑事事件にすればいいだけ。
どのみち、何年もかかります。「すみません、次回から通告します」で充分です。
3. まや — April 6, 2011 @23:08:59
今朝のニュースでも、
「自主的に放出したことを非難されているけれど、それ以前に、より高濃度で何リットル流れたかわからない量がだだ漏れになっていたいた事態の方が重要ではないか。こちらは全くコントロールできていないわけですから」
と鋭く突っ込んでいました。
ただし、この点について記者が質問したとしても、東電は答えられないと思いますけどね。なにせ、いつから、どこから、どのくらいのものが、どのくらいの量流れ出していたのか? 不明なことがいっぱいなのでしょうし。
低濃度水を放出しないと、更に危ない物が溢れだしちゃうわけで、それは『仕方ない』となるわけですよね。もちろん、こんな事態を引き起こしたこと自体、東電を許せないと思うのは当然なのですが。
韓国政府が抗議してきたという件に関連しては、アクシデント的に流れてしまったことよりも、意図的に放出(しかも各国に無断放出)した事実を問題しているから少し違うのかもしれないですけれど。
コントロールできる範囲はいいので。
直接通告しなかったのは稚拙だったのですが、報道ではたしか大使館には通告したとなっていたはずです。そうではないのかもしれません。
ただ、これは「次回から通告します」でいいはずです。
黒に近いグレイか白に近いグレイかって話にも似てて
どこぞの知事選とも似てるような気がする。
6. andreakasi — April 6, 2011 @23:20:37
全貌を説明されていない国民にしてみれば、東電や保安院などの仲間内だけで故意に排出することまで判断して決定して実行されていくことにたいして憤らないわけにはいかないでしょう。
「事故で大量に流れた」という大変な事実がまずあるわけです。その対策として「ちょっと故意に流しますが、それによって今後の対策が楽になります」ということですよね。
「事故で大量に流れた」ほうが圧倒的に問題なんです。しかも、どれだけ流れたかもよくわからない。
8. kitten — April 6, 2011 @23:35:15
私は、政府を信用しているので「政府がやむをえないと判断してるのなら、仕方ないんだろう」と思いますが、
おそらくそうは思えない人が大勢いるんだろうな、とも想像できます。
叩かれるのを覚悟の上で、それでも「やむをえない」という判断なんでしょう。
韓国は・・・ちょっと神経質なんでしょうか。それとも無神経なんでしょうか。
正直、気分悪いです。日本海側に流したのならともかく。
抗議する権利はありますよ
下の動画(東電記者会見 4月4日 25時)を見たら、(一部の)記者が何も理解していないっての丸わかりですよ。
http://www.ustream.tv/recorded/13775234
なんでこの記者(二人?)は、そこまで「低濃度汚染水」を流すことを問題にしてるんでしょうね。
菊池さんのおっしゃるとおり、単に「1万トン」という水の数量にのみ食いついているようにしか見えません。
今日のニュースでも、全漁連の会長(?)が激怒してましたね。
「事前の連絡もなしに【低濃度汚染水】を放出するなどけしからん!」
と。
漁業関係者の感情は分からないでもないが、パフォーマンスと見えなくもない微妙なニュースでした。
「じゃあ、流出し続けている【高濃度汚染水】はいいの?」
と、勇気ある記者に聞いて欲しかったなw
11. takuzo — April 6, 2011 @23:38:58
これまではコントロール外でダダ漏れ状態だったのが、低濃度のものを排出することである程度コントロール下におくよう試みるという話ですよね?
肉を切らせて骨を断つとかいうと乱暴な表現かも知れませんが、不可抗力か故意かということのみで判断するべきではないでしょう。それによる影響を考えるべきです。worstを避けるためのworse?(betterと言いたいですが)な選択なんじゃないでしょうか。
12. Katase — April 7, 2011 @00:05:24
ただ、気になるのは、放出した海水の放射能が全体で1700億Bqというのは公表されているのですが、海の汚染を気にする人達の立場からすると、その内容も気になるのではないでしょうか。
含まれている放射性物質の種類とその量についても併せて公表してくれる方がより良いのではないかとも思います。
アクシデントで流れ出したのではなく、管理の下で流す汚水なので、その水質を検査してから流すorサンプルを取っておいてそれを検査してデータを公表することは可能なのではないかと思います。
「神の前において絶対善悪を価値観とする西洋人に、こんな泥縄が通じるか!」という視点で論じられる方々がいらっしゃるようです。
私は海水で冷やすという話を聞いたとき、緊急避難として初めから今回の事態を覚悟したのだと思い込んでいました
でも、なんとなく泥縄な様子
説破詰まった緊急避難的処置が必要な状況と、確かに緊急避難的では在るが、平常時に近い安全性を担保する行政側との指導力の統一が出来ていない気がします
私は、一部で御用学者と言われようと各テレビ局で解説される先生達と、政府・行政の発表を見ると、あからさまな隠蔽は無いだろう判断に達しましたが、
14. iseda — April 7, 2011 @00:32:27
きくちさんは倫理学で言うところの「帰結主義」と呼ばれる立場を当然の前提としてとっておられるんだろうと思います。何をしたかではなく結果としてどうなったかが大事だ、という考え方です。この考え方をとるなら、大勢に影響のない行為で責められるのは確かに筋が通りません。
これに対して、倫理学でいうところの義務論という立場であれば、結果の如何に関わらず何をしたかで行為の善し悪しが問われ、徳倫理学と呼ばれる立場では、どういう動機、心情でやったかということが重視されます。倫理学では、帰結主義よりも、これらの立場の方がわれわれの「直観」、無意識のうちに受け入れている倫理観に沿っているということがよく指摘されます。
義務論の考え方からすれば、意図せざる事故で大量の放射性物質の流出がおきるのと、自発的にそれより少量の放射性物質を流出させるのでは、後者の方が重要な倫理問題になる可能性は多々あります。結果よりも自発性が大きくカウントされるわけです。
徳倫理学的に言えば、放射性物質を自発的に流出させるという行為そのものよりも、その行為の仕方に見えてくる意思決定者の人格が問題になります。漁業関係者や周辺諸国への配慮が十分なされた上で苦渋の決断をしたのか、目の前の問題解決に気を取られてあまりそういうところで心を痛めずに決定したのかで全く評価が違ってきます。記者たちはそのあたりをはっきりさせるために追求していると見ることもできます。
私自身はこういう緊急事態では帰結主義的発想が大事だろうと思うのできくちさんのコメントにも納得なのですが、どのレベルで行き違っているか(事実認識の差なのか、基本的倫理観の差なのか)見誤るとコミュニケーションもうまくいかないだろうという趣旨の書き込みでした。
周辺国に通告できたはずだったり、コミュニケーション上の問題点があり、やるべき義務を果たしていないではないかという批判があるのは理解できます。
あまりにもそれに目が行き過ぎているのではないかということと、その目が行く理由が単に「1万」という数だけに注目しているせいではないかという二点が、気になっているところです
16. mainau — April 7, 2011 @02:34:55
ものすごい高濃度の汚染水をどれだけ放出したのかわからないほどにやってしまっているとい事実、動きようのない事実から目をそらせる効果は確かに絶大でしたね。
みんなは、あれー、今から汚染水流れるってー、という方向で一万トンのほうにもろに注意力が行ってしまいましたから。漁業のほうはすっかりそっちに注意が行ってしまいましたからね。
今まで三号機爆発したとき、近くにプルトニウムとかも少量でも出ていれば、あれは重いので海岸線沿いに海の底にでも流れて行ったとすると、大変なことですが。
はい、政府と東電のもくろみはうまくいったようです。
韓国とロシアとも抗議していますが、本当のだあだあもれになったものすごい汚染水から国際社会の目をそらせる
17. 告知ページはCG — April 7, 2011 @02:21:01
問題になっているのは、1700億Bqの放射性物質を意図して海に投げ込んだ行為。
「高濃度」か「低濃度」かの選択を迫られる事態を招くことは、水を掛け始めた時点から予測可能でありかつ防ぎことが可能であったにも拘らず必要な準備を怠ったのだから、仮に故意か過失かはあえて問題にし得たとしても、「緊急避難」などという言い草は論外。
19. FROY — April 7, 2011 @04:49:47
放射性物質を扱う施設が世界にどれだけあって、年間どれだけの汚染水が派生しているのか私は知りませんが、もしかしたら海に流すことは特別なことではなく、日常的に行われていることなのかもしれないと思いました。
20. cg — April 7, 2011 @07:01:34
このブログを書いている人のことも、私はほとんど知らないのですが、#14のような種類の話に、この(ようなタイプの?)ブログを書いている(ようなタイプの?)人(たち)が、どのような反応をするのかな、というのが、私のような(タイプの?)人間にとっては、実はもっとも興味関心をひかれる点だったりもします。
(実際にはその顛末をみるためにここへ来ることはたぶんないと思いますが)
起きている事態そのものの推移よりも、それを巡って人々がどのように振る舞うか、という点をみてしまうというか。
(もちろん、私自身も当事者として考え、行動しもするのですが)
こういう観方も、ある種の人たちからすると、「不謹慎」ということになるのかな?
または「趣味が悪い」?
21. ジルベルト下大利 — April 7, 2011 @08:16:39
原因を作った東電に腹を立てるのは理解できますが、責任を取るのは保安院でしょう。もちろん事故が収まった後の検証で東電の過失が問われることはあるかもしれませんがそれは保安院の仕事。
ただこれが世間の耳目をもっと深刻な汚染からそらす役割は果たさないと思います。
現在進行中の事故について新しい情報に気を取られるのは当然ですが、落ち着けば冷静な判断ができるようになるわけで、いつまでもパニクってると期待するほど甘くはないでしょう。
22. トンデモブラウ — April 7, 2011 @08:22:18
自分の狭い経験から、濃度と容量の関係を理解していない大人は、意外と多いです。
ここを読む人は信じられないだろうけど。
つい最近も話題になったりしたホニャララ・ダムの関係で、(それこそ国が故意に)だだ漏れしている低pH汚染水(温泉を含む)の調査及び対策をナンタラ省の小役人とウダウダやっている時に、「こっちとこっち、あとこれなんかの簡単なとこだけ処理すれば簡単じゃん。」的なことを平気で言われて唖然としたこともありました。
まぁ「pHとは」から説明しなければいけなかった程度の人でしたが…
世間なんてそんなものよ。
でもメディアがアホなのは実に困るなぁ。
記者の仕事は、事実を取材して解釈して伝えることです。その際に、題材を取捨選択して重要なものを大きく扱うわけですが、その「取捨選択」の目が問われているのだと思います
24. 西田一成 — April 7, 2011 @08:48:00
私はあまり放射性物質の汚染に関しては過敏に反応して
きませんでしたが、「大した濃度じゃないから(大丈夫)」という認識は世界では当然ながら通用しません。
汚染水は汚染水です。
しかも放射性ヨウ素だけではなく重金属系やセシウムなど
物理的半減期が比較的長い物質も大量に流れます。
着目点は「濃度が云々」ではなく、
生態系濃縮についても触れるべきで更に沿岸沿いに
高濃度で南下している現状です。
当初東電のトンデモ理解では「海流に乗り世界に拡散してめでたしめでたし」だったわけですが、、、
そもそも流体のシミュレーション自体明確でないので
予想に過ぎない現状を考えると楽観視するのは事態が
収束に向かってからで良いかと。
経済的損失を重視するあまり、最悪の事態を考えた
リスクマネジメントが旨く機能していません。
人命や健康被害の観点からマネジメントしていけば、
混乱や風評被害も拡大せずに冷静に対応できる能力が
日本にはあります。
チェルノブイリでもプルトニウム被曝より高濃度セシウム
による白血病の発症が問題になってますね。
対案というか実は当初13日の時点で循環冷却方式による
外部冷却装置の打診が長崎大学の方からありました。
全溶媒冷却パネル方式の冷却装置で総チタン製、1ユニット5tと
比較的軽い装置でパイプ型より軽量であるという利点と
冷却性能も優れるというものだそうです。
そもそも、電力が落ちても循環する構造に設計してたそうですが、なぜかそういった機関が無くなっているもしくは全く
機能しなくなっていて不思議で仕方がないと言われていました。
政府及び東電の判断ミスにより現状のかけ流しの湯
状態になっています。東電は認識が甘かったようですね。
ニコニコ動画にタイムシフトで見られるようになってますので
ご覧ください。
原口元総務大臣のツイッターでも「もっと早くこの循環方式に
GOを出していれば被害は小さくて済んだだろう」とおっしゃっています。
最近の大学教授は専門外(医学分野)にも随分と
専門的な見識をお持ちのかたが急に増えたので驚いて
おります(笑) 専門分野の方は専門分野以外のことに
口を出して「安全安全」と吹聴しないほうが
自身のリスクマネジメントになるかと(笑)
僕は安全だとも安心だとも言っているわけではなく、問題の重点の置きかたが違うと言っているだけです。
分量が何桁も違うものを同列に扱うのは意味がないんですよ。
出てしまった大量の汚染水に対して、今回の1万Lは「無視できる程度の量」です。これは「いい」とか「悪い」とかいう意味ではないんです。そういう価値判断とはまったく別の話。
実際問題として、これを考えようが考えまいが、事態の深刻さにもとるべき対策にもなんの影響もないという意味です。
低濃度汚染水の排出をやめたところで、海の汚染対策にはなんの影響もありませんよ。量が桁違いだから
26. dora — April 7, 2011 @08:55:18
選択肢としてこれこれを考え、効果、実現可能性を比較検討した結果どうしたいという部分が全く欠落しています。
27. nakanishi — April 7, 2011 @09:11:55
私の印象では、「大丈夫」というよりも、「そんなことを問題にしている場合なのか」という意味で、より強い危機感を持っておられるように思いました。
それに比べれば、量も濃度もはっきりしている低濃度汚染水は問題にならないはず
29. テツ — April 7, 2011 @09:27:44
今ここでは全てのトピックにおいて誰一人として
「安全安全」
とは言ってもないし考えてもいないと思います。
あくまでリスクはどうなのかという所からの話です。
かえってそういう一文を入れる事でミスリードする、それこそ陰謀論を感じます。
30. fisker — April 7, 2011 @10:02:32
通常は閉鎖された冷却水系が熱交換器で海水によって冷却され、海洋には廃熱だけを放出しています。このシステムが失われ、海水にしろ真水にしろ循環させず放水、注水という方法で冷却を続ける以上、放射性物質が蒸気と共にガス又は微粒子として大気中に放出されるか、排水として地表水、地下水を経てあるいは直接に海洋に流出するのは避けられません。炉心が損傷してこれほど高レベルの廃液が格納容器外に漏出するという事態は全く予想できませんでしたが、ある程度周辺海域の放射線レベルが上昇することは早い段階から予想していました。
この可能性について言及がないことに少々違和感はありましたが、それほど気にならなかったのは大気への放出に比べて海洋への廃液放出は比べものにならないほど影響が少ないことを知っているからです。放射性核種の海洋における生物濃縮については十分に研究されており、生体中濃度/環境中濃度で示される濃縮係数は魚類についてヨウ素で10、セシウムで10から50程度です。これは閉鎖水域においてさえ拡散・希釈の効果に比べると遙かに小さい値であり、食品衛生法で海産物に放射性物質に対する規制値がないのもそれが理由だと思います。
過去の核実験や旧ソ連・ロシアによる放射性廃棄物海洋投棄の際も水産物中の放射能調査が行われていますが、影響は認められませんでした。
もちろん、だからといって好き放題流してもいいなんてわけははなく、液体放射性廃棄物の海洋投棄には規制値があります。いかなる形であれ環境中に放射性物質を出してしまうと一義的に責任を問われる電力事業者の人は非常に神経質になると思いますが、私のように外部(一般の方から見れば同じ穴の狢でしょうが)の人間には「どうせ溢れるんだからさっさと海に流しちゃえばいいのに」と思っていた人も多いでしょう。
放出する量をコントロールできるのであれば放射性物質の総量を可能な限り少なくするべきなのは当然で、きくちさんの意見に完全に賛成です。ただ、個人的には海洋への流出は敢えて気にせずにとにかく敷地内の線量レベルを下げて作業性を確保し、一刻も早く循環冷却系を構築することに注力した方が最終的な被害規模は小さく抑えられるんじゃないかとも思っています。電力会社の人なら絶対に言えないですけどね。
31. 亀@渋研X
— April 7, 2011 @10:05:11
・信頼がリスクコミュニケーションを左右する〜合意形成の社会心理〜/中谷内 一也 (なかやち かずや) 帝塚山大学心理福祉学部教授
http://www.mizu.gr.jp/people/ppl_16a.html
この記事の中で、人は自然災害などに比べて人為的介入に対するゼロリスク「要求」が非常に高いということが述べられています。
今回の件はもちろんゼロリスク要求などという話ではありませんが、構図として非常に似通っているので思い出したんでしょう。
もちろん、寝耳に水で「聞いてないよ」とか「ほかの手段はなかったのか」もあるんでしょうね。ぼくだって「あれ? なんでメガフロートは間に合わなかったの?」って思いましたし。
それにしても、一刻も早く閉鎖系というか循環系が回復できますように。
ただ、定量的にはほとんど意味のない量なので、そこのところをきちんと踏まえて問題にしているかどうかだと思います。
「事故で出ちゃった大量」対「わざと出した少量」なら、問題として大きいのが前者であることは間違いないから
循環系の回復には時間がかかると思うよ
この一件で海外メディアの報道が完全にガラッと変わってしまった。それでなくても放射能の風評被害による経済的打撃が避けられないなかで、この一挙は完全な失敗だったと思う。じわじわと真綿のように、日本の経済を苦しめることにつながっていくだろう。
34. disraff — April 7, 2011 @10:25:40
35. 技術開発者 — April 7, 2011 @11:12:16
なんか国際関係になると、とたんに日本の常識が通じなくなると信じ込んで居る人が沢山いるみたいですね。まあ通じない部分もあるんですが、人間の本質的な部分はかなり共通なんですね。それは、どの国の人も人間して同じ様な面を持っているからなんです。
民法の第720条に「緊急避難」なんてのがありましてね。私はそれを説明するのに、「子供が車の通っている道路に飛び出しかけた。あわてて掴んで止めたときに肩を脱臼させてしまった。その治療費を払わなくてはならないか」みたいな話を出します。法的な結論は「払わなくても良い、より大きな損害を避けるための緊急避難そちであるから」と説明します。これは日本の民法なんですが、まあ、たいていの先進国でこの部分は持っているものです、もちろん条文になっていたり、判例基準で運用しているだけの国もあると思いますけどね。緊急避難を国内で運用していて、他国との関係には当てはめないという考え方も、先進国ではありえない気がしますね。
ただ、通告はもっときちんと丁寧にやった方が良いですね。これは、為政者相互の利益の問題なんですね。事前に詳しい情報が届いていると、国内の為政者のプレス会見なんかで急に質問されても「それはね、こういう事情なんだよ」と説明できますからね。「えっ初耳だ」とは為政者への信頼が違って来ちゃう。管さんだってプレスで「えっ、初耳だ」をやったら、その国に対して「事前に教えておいてくれよ、困るだろ」は言うと思います。
36. ハッター — April 7, 2011 @11:19:20
37. 某大学放射線施設職員 — April 7, 2011 @11:17:03
>チェルノブイリでもプルトニウム被曝より高濃度セシウム
>による白血病の発症が問題になってますね。
とありましたが、現状では「甲状腺がんを除く、白血病とガンの発生が、汚染地区の子供、胎児期に被ばくした人々、成人居住者に増加しているという確信できる証拠は無い」というのが、国際的な(確かICRPです。確認します)見解です。
高濃度セシウムというのが、緊急時要員や回復作戦要員の話であれば、話は別ですが、周辺の一般への影響という意味であれば、こちらはちょっと違ってきます。
ご存知お方もいらっしゃるかとは思いますが、念のために書かせていただきました。
今回の低レベルRI排水の放出については、法令に則った手順としては大きく間違ったものではなかったと思います。
経済産業省の発表を見ると、排出することによる線量評価やその後のことも検討したうえでとなっていますので、基本的にはきちんとした手順は踏んでいました。
国会議員に経産省職員が謝っていましたが、高レベル排水の話、今後のリスク、そこまで話したうえで、配慮が足りませんでしたと謝ったと思うのですが…その点はマスコミには載ってこないですね…
一般にも国際的にもそのあたりも含めた上で、説明を行って欲しいですし、限られた時間で情報を発信するので難しいのでしょうけど、マスコミにもそのあたりの努力は…して欲しいものです…
十分な情報を伝えず、心情的に訴えるだけがマスコミなら…情報操作をしているのと同様だと受け取ってしまいます。
また、議員の方々もこういったことを心情的にとらえて、政争の道具に使うようなときではないと思うのですけど…無理でしょうね…
>高濃度汚染された水をいくらストックしたところで、最終的には海に流さざろう得ないような気がします。
時間を掛けて良いなら、放射性物質だけ濃縮して綺麗な水を排出する事が可能ですし、そのようにしています。もともと、今回流した低レベル水はそういう処理を待っていた水ですし、その貯留槽のある建物にはそのための装置もあります。ただ、電力を結構使って処理するので今すぐ処理しろと言われると厳しいと思います。
>もしかしたら海に流すことは特別なことではなく、日常的に行われていることなのかもしれないと思いました。
ソ連の頃のロシアなんかは、かなりいろんな排出をしましてね。核燃料を作るときの排水をそのまま流して、周りの人に障害を出した事件なんてのもあります。さすがに、最近は「流すな」が厳しいので世界中ほとんどの核施設で水も処理をしています。ロシアが「原子力潜水艦を解体する時に出る汚染水を処理する施設がない」なんて言うので、日本がフロート型の処理施設を提供した事がありまして、今回、「貸そうか」といってくれたそうですが、断ったそうです。施設が足りないのではなくて動かす電力が厳しい状況だと思います。
39. fisker — April 7, 2011 @12:47:52
40. とみお — April 7, 2011 @13:24:32
まあ、マスコミはアラ探しと何でも批判を
して正義漢ぶるのが大好きですからね。
本音はセンセーショナルに騒ぎ立てることで
視聴率狙いの営利主義なんですがね。
この国はマスコミにミスリードされていると
思いますね。
マスコミ人とちょっとでもつきあいがあれば
その本質がすぐ見抜けるんですが、
接点のない人が多いんでしょうね。
国民にはだまされないようにしてほしいですね。
41. プリモス — April 7, 2011 @13:25:01
エントリと直接関係あるようなないようなですが、話が出た流れで
ネット上で検索してみると、おおむね関連は見られないという定説
というのが2000年辺りまで行われた調査結果によるもので、その後は
不明、もしくは発病が増加傾向にあるはず(NHKなどでは追求特集が
組まれた、などなど)という話が多く見つかります。やや陰謀論調ですが。
過去の調査の報告を見ても「今のところは関連性はみられないが
今後のさらなる追跡調査も重要不可欠(まだわからない)」という締め
くくりだったりするので、その後の調査というものがあれば確認して
みたかったんですが、とりあえずは見つけられませんでした。
42. 感情論ですが — April 7, 2011 @12:51:54
それが事実であれば10時間で6000000億Bqとなり、24時間では14400000億Bqとなるということでしょう。ましてや”毎秒”の記憶違いだったらさらにもう一桁増えてしまいます。
それに対し低濃度汚染水は1万トンで1700億Bqなのですから確かに桁違いで、数字の大きさの違いが問題の大きさの違いを示しているということですよね。
ピットの排水写真を見ると分あたり100Lでしょうね。2分で風呂桶一杯という感じでしょうか。
そこまで桁違いになると、比較するのも無意味なくらいだと思います。
44. トンデモブラウ — April 7, 2011 @13:41:53
まぁその記者が何を伝えたいかということで、質問する内容も態度も変わるのでしょうけど。
1〜2年もしくは鎮静化するまで、(職を擲ってでも)60Hz圏に退避しようかと真剣に話し合っている地域に住んでいる者にとって、メディアが受け取り手が望む方向で情報を伝えたいわけではないんだと改めて実感しました。
これも主観的なものなので、全ての受け手に広げて議論するつもりはありませんけど。
46. luckdragon2009
— April 7, 2011 @14:14:52
> チェルノブイリ原発事故と発がんとの関係,
> http://ameblo.jp/md-traveler/entry-10841581588.html
オリジナルは、この論文ですね。
> http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/nyas.2009.1181.issue-1/issuetoc
> Chernobyl Consequences of the Catastrophe for People and the Environment.
> Ann New York Acad Sci. 2009, 1181:vii–xvi, 1–327, E1–E39.
47. プリモス — April 7, 2011 @14:44:33
私の検索が甘かったようです。
> http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/nyas.2009.1181.issue-1/issuetoc
アブストラクトを流し読んでみると影響は小児の甲状腺癌だけでは
ないって書いてあるっぽいですね。
関連で調べてみると、ニューヨーク科学アカデミーの査読はかなり
甘い方?であるとか、この報告はWHO、産業界から長年無視され続けてきた
なんていう話も見かけますが、どう受け取ればいいのかむずかしい。
どうもエントリ違いすみませんでした。
とりあえずここではこの辺でやめておきます。
> 通常運転中に発生する液体廃棄物については濃縮減容設備というもので体積を
> 小さくしてから処理します。
いろいろ教えてください。
まず濃縮減容設備ではどういう処理をしているのでしょうか。蒸留でしょうか?
また,環境への放出が懸念されるラドン以外の放射性物質はたいていイオンなので,イオン交換樹脂で集められそうですし,あるいは適当な吸着能をもつ処理剤を使って集めてしまえるのではないかとも想像するのですが,何かその手の手法というのもあるのでしょうか。
49. のざわ温泉 — April 7, 2011 @15:36:44
私なら一生暮らせるだけ握らせて貰わないと、否定派に回れないです。
感覚的にこれを否定してたら、一生はおろか3日も食えませんからねw
ただマスコミに、これを期待するのは、やっぱ彼らの性能限界を越えているとは思いますけどね。
50. あご_のほほん — April 7, 2011 @15:40:12
原発は少し落ち着いただけの現状で、何も問題は解決していないのです。
あと、なんで津波を過去形で語ってるんでしょう。
もう起きない、当分起きないという根拠はないのですが。
51. フロート — April 7, 2011 @16:00:00
http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/100/76922.html
いずれにせよ、既に低濃度汚染水による汚染を気にしても仕方がない状況ですね。
半減期の長いものが主体だった場合、長期間影響を与え続けかねないわけで、一概にベクレルの大小を比べてよりましと判断できる物なのですか
ただ、低濃度のほうを全部セシウムと仮定する最悪の見積もりでも、ここまで桁が違うと影響はありませんね
55. e10go — April 7, 2011 @16:42:14
>による白血病の発症が問題になってますね。
他の人の投稿とダブりますが、
チェルノブイリ事故では甲状腺ガンが増えているというデーターはありますが、白血病は事故処理に携わった作業員を除いて増えているというデーターはありません。
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=09-03-01-12
56. com — April 7, 2011 @16:39:45
あご_のほほんさんのコメント50 April 7, 2011 @15:40:12より。
>あと、なんで津波を過去形で語ってるんでしょう。
どなたのどの発言か、ちょっと特定できないのではっきりしたことは言えませんが、2011年3月11日の地震/津波のことなので、「過去形」になっているだけではないでしょうか?
#原文がそれ以上の深読みが可能なモノなのでしょうか?
#あご_のほほんには、どなたのどの発言を引用したのか、明記していただけるよう、お願いしたいです。
>もう起きない、当分起きないという根拠はないのですが。
これも、どなたのどの発言なのか、特定できなかったのですが…少なくとも、いつも書き込みをされている方々の発言ではないような気がします。
また、「もう起きない」「当分起きない」だろう、との推定をしている方は、いつも書き込みをされている方々の発言ではないような気がします。
#どなたかの書き込みからそう読み取った…というだけでしたらアレなのですが…
#皮肉でも何でもなく、「誰もそんなこと書いていない」のでは?
57. ながぴい — April 7, 2011 @16:44:50
流出源が同じなら、
放射性物質の存在比はだいたい同じなんじゃないのかな?
全体の濃度が濃いか薄いかだけだと思う。
計画停電の初期は、「直前まで実行する・しないが決まらない、停電指定地域でも停電になる・ならない場所がある」のを説明していなかったため、「何故やらないの」、「隣は停電じゃないのに何故うちが停電なの」と苦情が出ましたね。
今回も事前連絡を上手くやっていなかった様で、どうせやるなら事前調整をうまくやればここまで非難される事もなかったように思えます。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110406-00000977-yom-pol
http://megalodon.jp/2011-0407-1648-11/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110406-00000977-yom-pol
まあ、しかし、やるしかないんだから、後は関係国へしっかり理由を説明して少しでも理解を得る努力をするべきでしょう。
同時に、漁業補償をしっかりするべきでしょうね。風評被害を防ぐのは無理と思うから。
59. kopamaru — April 7, 2011 @17:08:11
1000+1の1を足したことを責めたてるマスコミはおかしいということだろ?
60. 諏訪山よしお
— April 7, 2011 @17:05:30
賢明な判断かどうかは別にして素早い行動は評価すべきだと思います。
放射能に関しては事故以前と事故後では自分でも麻痺してしまっているのは恐ろしいとは思います。
事故前だったらこの放水は大問題中の大問題だったとは思いますが。
61. ヨッシー — April 7, 2011 @17:12:08
「正しくない」と主張している人がいるだけではないでしょうか
ということは海に汚染水も出ていなかったんですね。本当に良かったです。
64. 落花生 — April 7, 2011 @17:39:57
> もう私には東電や政府の発表すべてを信じられません
日本国憲法には信仰の自由が明記されてますので、あなたが東電や政府の発表を信じるかどうかは、あなたの自由ですね。
ただ、東電でも政府でもない第三者があちこちで空気、土壌、水なんかの放射線の量を測定して、東電や政府の発表と矛盾する結果はいままで報告されていません。
また、東電や政府が本当に故意にウソをついているとすると、彼らはわざわざ自分から「高濃度汚染水が海に流出した」とか「燃料棒がかなりの程度破損した可能性がある」とか「プルトニウムが土壌から検出された」とか、自分たちの立場を悪くしそうなウソをつくほど頭が悪いということになりますね。
しかも今回は「汚染水を自ら海に捨てる」なんてさらに誤解されそうなことをわざわざ自分で言っちゃってるし。
65. 技術開発者 — April 7, 2011 @17:28:45
なんていうかな、典型的なモラルパニック時のフォーク・デビルとして東電とかをおいている感じですね。今に東電の社員を一人ずつリンチして歩かないで下さいね。関東大震災の時に「**人が井戸に毒を入れる」で**人を殺した人みたいにね。
>低濃度(基準の100倍)って、どなたか東電が測定していたのを確認されたんですか?
普通、あの処理待ちの貯留槽に入っている水はそんなものですけどね、どの原子炉でも。なんていうかな、嘘言ったって、他の原子炉で働いている人が見れば、「東電さん、えらい薄いですね」って言われるだけでしょうね。
>今までの発表で本当のことがどれだけあったのでしょうね。
震災前の「安全対策は万全です」が嘘になっている他は、特に嘘は無いと思っていますよ。一つずつ挙げてみて下さい。
>それにどこからきた1万トンもの水ですかね。
洗浄水と洗濯水じゃないかな、ヨッシーさんはコンセントにさせば電気が通じるとおもってこられたと思うけど、その電気の2割−3割は原発が起こして居た訳ね。でもって原発ってのは1年に一回止めて、点検と整備を行うのね。作業員が作業衣と防護服を来て内部被曝しないようにマスクをしていろんな所を綺麗にするときに洗浄水が出るよね。でもって作業が終わるとその服は洗濯ね。洗濯して計器の中を通して鳴らなくならないとその服は外には出さないからね。その時に防護服についている放射性物質で汚染された洗濯水ができるんです。そして作業員は身体を丹念に洗って、計器の中を通っても鳴らないことを確認して出てくるのね、管理区域からね。この身体を洗うときにも洗浄水が出る。なんていうかな、今、作業員が浴びる1/1000くらいの放射線で騒いでいる人が多いけど、事故が無いときでも、ヨッシーさんが使っていた電気は、そうやって放射線の中で作業する作業員の労力で起こされていたんです。その作業員なんかも東電の関係者なんですよ、ヨッシーさんが悪魔の様にいう東電のね。
66. はいたん — April 7, 2011 @17:37:49
、一分一秒を争う事態、いますぐに放出し始めなければ大変な自体になるという状態だったのか、まあゆくゆくは流さなきゃいけないけれども、その決断はまあ早い方がいいよねという程度だったのか。
少なくとも、前者の状態だったという説明があればまだこれほどまでに騒がれなかったかと。
なんか素人目には、近隣国や水産省などに電話一本ずつ入れるような時間の余裕もなかったのかなあ、という疑問があります。
ただ、外国への通告は国がやる仕事で、枝野さんも陳謝していたかと思います
濃縮減容設備では蒸留し、蒸留水をイオン交換樹脂で脱塩処理した後に再利用又は環境放出します。純度の高い系統では脱塩しただけで再利用する場合もあります。
気体廃棄物については、キセノンは一定時間活性炭で吸着保持して減衰を待ってから放出したり、ヨウ素は添着活性炭のヨウ素フィルターで捕集したりするようです。
改めて調べてみると自分の無知と間違った思い込みを思い知ります。ATOMICAのURLを示しておきます。
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=05-01-02-02
69. iseda — April 7, 2011 @17:54:30
黒木さんのご指摘のポイントは、要するに、ジャーナリストの責任が問題になっていたはずなのに、わたしの書き込みで政府や東電の責任に話がそれてしまった、ということだったと思います。もし本当にわたしの書き込みのせいで以下の話がずれていったのだったら申し訳ないところです。
わたしの意図としても、東電と政府の倫理的問題を直接問題としたかったわけではなく、きくちさんのジャーナリストに対するコメントが、本人たちにうまく通じる仕方で書かれているかどうか、ということが気になっていたのでした。
わたしが答えようとしていたのは、「それを「鋭く」追求している暇があったら、もっと訊くべきことはあるのじゃないかなあ」「放射性物質の量がだいじだっていうことを本当にわかっているのかなあ」というきくちさんのコメントです。前の書き込みでは舌足らずになっていましたが、「きくちさんから見てわかっていないように見えるのは、実はわかっていないのではなくて、そもそも拠って立つ倫理観がちがうからそういう言動になっているのかもしれない」という指摘を本当はしたかったわけです。
もちろん記者会見で追及していたジャーナリストの方達は本当にただ分かっていなかっただけかもしれないので、その場合には、彼らはきくちさんのブログを読んで考えを改めるでしょう。でもそうならなかった場合(そして彼らが悪意でやっているといった想定をしない場合)、倫理観の差というものを考慮に入れるのは大事だろうと思います。
以上、前の書き込みで伝わっていなかったかもしれないことの補足でした。
僕はいちおう善意に解釈できる方向で書くようにしていますが、「わかっているがわざと(しかも、悪意ではなく正義感から)」などの可能性を念頭に置いていないというわけでもありません。書かないけど
71. cg — April 7, 2011 @18:51:43
十全に意を尽くす、ということが、いかに難しいか、というところでしょうか。
(ちらっとみただけの印象ですが)
震災・原発事故のみならず、むしろその後の人々の対応に(こそ)さまざまな現実の諸問題の原因、または当の問題そのものがある、ということかもしれません。
われわれにとっての、(目先の(命(健康))の危険にとどまらない)、本当の問題(とその原因)は、なにか?
そして、それはいかに解決されるのか?
これらのことについて、より深い洞察と、具体的なコミットメント、そして実際の解決を、私は期待しています。
(だれに対して、というわけではなく)
それこそが、希望の可能性です。
(もちろん喫緊の危機を回避するために現場で作業する人々と、広い意味での彼らへの支援、そして実際の解決は必要で、それなしには、それ以降の問題は、問題にすることさえできないような事態に直面しているわけですが)
72. こなみ — April 7, 2011 @18:42:55
どうもありがとうございます。ご紹介の資料でよくわかりました。昔受けた放射化学の授業や実習である程度知ってはいましたが,読んでみたらまさに教科書通りですね。
この種の処理の場合,処理される溶液の量が莫大であることが実施上の手間とコストを引き上げることになりますが,ヨウ素の同位体交換を利用した除去,逆浸透膜やイオン交換樹脂の利用は大量のかなり薄い濃度でも有効ですね。とはいえ,強い放射線を発する溶液でさえも,モル濃度では非常に希薄なわけで「しっかり取り除く」ことの困難もあるのでしょう。反面その条件なら,十分な量の安定同位体を添加しての処理であれば希釈効果がよく利くという面もあるのですが。
ともあれ,これらの手法で高い放射線レベルを何桁か引き下げる作業のためには,低濃度の部分を捨てて容器を空けないわけにはいかなかったのだろうと思います。それは最初から思っていたのですが,例によってまわりへの周知が不十分なままの拙速はまったくいただけないという気がします。
追記と明記されていないとコメントの意味が変わってしまうのですけど。
でも、別に気にせずにコメント書いていただければいいですよ。
「追記」と書いてあるのは大きな追加ですが、細かいところには書き直しがあります。
「そうするな」とか「書き直しがわかるようにせよ」という意見も稀にあるみたいなんですけど、僕は特に気にしていないので。日数が経ってからの分は追記ですが、その日のうちの小さな直し程度は煩雑になりますからいちいち明記しません。