『フリーター全般労働組合メールマガジン 2010/8-03 (3)フリーターに役立つ法律知識』より
お客の売掛金未回収分が自分の借金になってしまいます
Q.クラブでホステスとして働いています。日給は5万円ですが、お客の売り掛け(ツケ)を2ヶ月以内に回収できないと自分の借金となり、給与から引かれてしまいます。また、遅刻15分につき日給の10%を罰金として給料から差し引かれたり、事前に連絡しても欠勤すると、日当の50〜100%を罰金として引かれます。そのため、額面の給料は、毎月40万円ほどになっているのですが、ほとんど手元に残らず、生活できないので前借りをし、また借金が増えていきます。どうしたらいいでしょうか。
A.雇われて働いている労働者の給与から、お客のツケを天引きするのは、給与を全額支払うことを定めた労働基準法24条に違反し、違法です。すでに天引きされてしまった分は、お店を経営している会社に、返還を求めましょう。仮に、お客のツケを給料から引くことに同意するような書面にサインをしてしまっていても、交渉は十分可能です。
また、給料から罰金を引く場合、方法と上限が決まっています。労働基準法第第91条には、「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない。」とあります。
罰金が、平均賃金の1日分の半額を超えたり(単なる日当ではなく、平均賃金の1日分の半額なので日当より低い金額になります)、罰金の総額が1賃金支払期(日給、週給、月給など)における賃金の総額の10分の1を超えていたら明らかに法律違反です。違法な罰金も返還を求めましょう。
もし、就業規則そのものが存在しないのに、勝手に高額の罰金についての決まりを作って、実際に給料から罰金を引いたら、「賃金の支払い」について定めた労働基準法第24条にも違反することになります。
※バックナンバーも参考にしてください。
第33回 意味の分からない天引きするな! 高額な罰金取るな!
http://freeter-union.org/union/labor_law/labor_law0033.html
お客のツケがホステスの借金にされてしまったり、高額な罰金を取られることについて、業界や土地柄、当たり前、というふうに、雇う側も働いている側も思ってしまっているところがありますが、違法は違法。フリーター労組に加入して一緒に取り返しましょう!
☆ お問い合わせ
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<F労解決案件>
・学習塾において行われた「雇い止め」=不当解雇、および講師の労働者性について争っていた問題で、当該が納得する条件での和解が成立しました。
・1ヶ月という超短期の有期雇用を繰り返し、ホテルへの派遣を行っていた会社が、一方的に再契約を拒否する「雇い止め」=不当解雇を為してきた問題で、当該が納得する条件での和解が成立しました。
・賃金未払い案件において、会社が責任を取れず、会社への出資者に支払いを求めていた問題で、当該が納得する条件での和解が成立しました。
<P団争議案件>
・国立市にある清掃会社の有限会社クリーンウェーブは、ハローワークにパート求人をしておきながら、面接に来た人すべてに「請負契約」を強制し、実際には労働者として働かせています。現職3人・元職2人は未払い賃金の支払い・違法な罰金の返還・雇用保険加入・月給制の導入などを掲げ、F労に加入し団体交渉を申し入れましたが、会社側はその申し入れを理由に現職の就労を拒否、さらには自ら確保した交渉会場を当日直前にキャンセルするなど、絵に描いたような不当労働行為を堂々と行ってきています。F労はクリーンウェーブに対し、不当労働行為をただちに辞め、団体交渉に応じ誠実に対応することを求めています。
・赤羽の昼キャバクラ「アイビス」(北区赤羽1-3-16 CDSビルB1F)は、以前「ジャイル」という名前で営業していました。ここで働いていたボーイのXさんは未払い賃金の支払いを求め、キャバクラユニオンに加入し団体交渉を行い、和解協定書を締結しました。しかし店側は協定書で約束した和解金の支払いを拒んでいます。F労・キャバユニはこのような和解の一方的破棄を絶対に許しません。今後アイビスに対し、徹底的な争議行動を行います。
・恵比寿のキャバクラ「アビーロード」(渋谷区恵比寿南1-4-13)は、キャバクラユニオン組合員Aさんを含む大量のキャストを賃金未払いのまま突然解雇しました。団交拒否のアビーロードに対し、キャバユニは東京都労働委員会に不当労働行為救済申立を行いましたが、店側は都労委の出張呼び出しを無視し続けています。F労・キャバユニは、都労委の場に店側を引きずり出し、労働組合に対するなめくさった姿勢を公の場で徹底的に追及し、未払い賃金を取り返すために闘います。
・病気を理由に突然の「雇い止め」をしてきたドコモ・サービスに対し、F労は東京都労働委員会に不当労働行為救済申立をしていますが、会社側はこれに全面的に争う姿勢を見せてきました。私たちは不誠実な態度で居直るドコモ・サービスに対し、争議の力を突きつけていきます。また、このような解雇を簡単に強制し、人を人とも思わず使い捨てるドコモグループの責任を追及していきます。
・その他、立川駅北口の熟女キャバクラ「ブラックキャット」、remix(アウトバーン)、グラニフ(グラフィス)、秀英予備校、琉球独立党などにおいて争議状態を継続しています。
<その他活動報告>
・8月1日、F労定期大会か開催されました。今後1年間の活動方針が話し合われ、また役員選出が行われました。
不当解雇を行った『ドコモ・サービス』の実態を知ってもらうために、ドコモ・サービスが多くの派遣社員を送っているドコモタワー前で情宣活動を行い、その後ドコモショップ代々木店前でも情宣活動を行いました。
200枚用意したビラはあっという間になくなりました。決して人通りの多い道ではないのですが・・・
こんなにすぐビラがなくなるということは注目されているということなのでしょう。
情宣活動を行っている時に担当者が出てきたのですが、お話を聞くと『このビルにはドコモサービスから来ている人がいっぱいいるよ』とのこと。
解決するまで何回でも来るしかないですね。
その後、ドコモショップ代々木店前で情宣活動を行ったのですが、ドコモタワーの担当者数名がしばらくこちらの動きを見ていました。
我々フリーター全般労組は、会社側が解決の姿勢を見せるまで至る所でこのような情宣活動や争議行動を行います!