中日新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 速報ニュース一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

福島原発1号機、窒素注入順調 容器の圧力上昇

2011年4月7日 13時09分

写真

 福島第1原発の事故で東京電力は7日、1号機の原子炉格納容器で行っている窒素注入作業で容器の圧力が上昇し、窒素が順調に入っているとみられることを明らかにした。容器内の水素と酸素の濃度が一定比率になると爆発する危険性があるため、不燃性の窒素を入れて水素の濃度を低下させる狙い。6日間で計6千立方メートルを注入する予定。

 東電は「今すぐに爆発するような状況とは考えていない。あくまで予防的な措置」としている。2、3号機でも行う。

 窒素をすべて入れると容器の圧力が1気圧程度高まり、内部の放射性物質が周囲に飛散する恐れがある。このため、東電は周辺自治体に事前連絡。容器の圧力や周辺の放射線量を監視しながら注入を続ける一方、注水など1号機周辺での作業を一時中断した。

 1号機原子炉では、損傷した燃料棒を覆う合金と冷却水が反応し水素が発生。放射線で分解された水からも水素と酸素が出て、格納容器に漏れているとみられる。さらに、本来格納容器内を満たす窒素も事故で外部に漏れ出た可能性がある。

 炉心への外部からの注水で発生した水蒸気が冷えると、格納容器内の圧力が下がり、容器の隙間などから空気が入って酸素の比率が高まる。水素4%、酸素5%以上になると水素爆発が起こる恐れがある。

 1号機は2、3号機に比べ格納容器内の圧力が高く、容器の健全性が保たれているとして注入を優先した。配管から酸素が入らないように作業を進め、7日午前1時半ごろから窒素が格納容器内に入り始めた。

 1号機では3月12日、3号機は14日にいずれも格納容器から漏れたとみられる水素が爆発、原子炉建屋上部が破壊された。

 一方、2号機取水口付近の亀裂からの高濃度の放射能汚染水漏れは止まっているが、東電は6日、念のために亀裂を合成ゴムの板でふさいだ。海に流れた汚染水の拡散を防ぐため、取水口前面の柵も鋼板で閉鎖する。

 経済産業省原子力安全・保安院は7日、2号機の建屋外の立て坑にたまった汚染水の水位が一時、4センチ上昇したが、その後元の水位に戻ったと発表した。亀裂からの漏水を止めた影響かは不明。立て坑の水位は地表まで1メートル以上の余裕がある。

(中日新聞)

 

この記事を印刷する

PR情報



おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ