経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭院長が、昨年5月26日の衆院経済産業委員会で、福島第1原発で起きたような原発の全電源喪失による炉心溶融事故について、ほぼ起きないと説明していたことが分かった。寺坂院長はこうした事故の可能性は認めたものの、「ゼロじゃないという意味の論理的世界」と答弁していた。
吉井英勝議員(共産)の質問に答えた。
寺坂院長は、全電源喪失事故とは「外部電源が喪失し、非常用ディーゼル発電機や隣の発電所からの電源融通もできない事態」と説明。「非常に小さな確率(のトラブル)が一つ一つ実現して、冷却機能が長時間失われると、炉心溶融は論理的には考え得る」と述べた。【酒造唯】
毎日新聞 2011年3月26日 東京朝刊