ブラジル高速鉄道受注に暗雲
企業グループ団長を突然解任
「採算が合わない」 参加企業4社が撤退
同グループに参加する企業は今年2月末、ブラジル高速鉄道韓国事業団長だったソ・ソンドク漢陽大学教授を解任していたことが、先ごろ明らかになった。事業団の関係者は「ソ団長がブラジル高速鉄道の事業費をあまりに低く見積もっていたことが分かり、これに対する責任を問い、2月25日の理事会で解任を議決した」と説明している。また、国土海洋部(省に相当)関係者は「ソ団長と民間事業者の間で円滑なコミュニケーションが取れていなかったと聞いている」と話した。
さらに、同グループの現代アムコやコーロン建設、韓信工営、三煥企業の建設4社が今月1日、事業撤退を宣言した。その理由として、事業性の不透明さを挙げたという。
ブラジル高速鉄道は、ブラジル政府が資金の70%を出資し、残る30%は民間から調達する方法で建設される予定だ。民間から調達する30%のうち、80%はブラジル企業が、残り20%は落札した企業グループが出資する。
特に、建設会社が手掛ける土木工事は80%以上をブラジル企業が施工する条件になっていることから、採算が合わない、と建設会社は判断している。事業への参入を検討してきたロッテ建設やサムスン物産、GS建設なども、同様の理由で参入を見送る方向に傾いているという。韓国企業グループは当初、13社・機関で構成されていたが、建設会社4社が抜け、現在は現代重工業やサムスンSDSなど9社・機関となっている。
こうした企業グループ内部の迷走ぶりに、受注を危ぶむ声も出ている。だが、韓国事業団は相次ぐ悪材料にもかかわらず、依然として「ブラジルから友好的な評価を受けており、挑戦する価値はある」との姿勢を崩していない。国土海洋部の関係者は「ソ団長の解任や建設会社の事業撤退などは悪材料だが、今回のプロジェクト受注争いに大きな影響はないだろう。今は土木工事の80%を担うブラジル大手建設会社を引き入れることが鍵となり、これに総力を挙げている」と語った。
ブラジル高速鉄道はリオデジャネイロ~サンパウロ~カンピーナスを結ぶ511キロの区間に建設され、事業費だけで200億ドル(約1兆6870億円)に達すると見込まれている。韓国をはじめ日本、スペイン、中国、ドイツなどが受注を目指している。
キム・ミンチョル記者