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【コラム 撃戦記】原発に留まる彼らに感じる武士魂2011年4月5日 東日本大震災被災者の避難が拡大している。地震と大津波に原発事故。避難場所になったさいたまスーパーアリーナは、取材でよく訪れる場所。寝床となる通路で疲れを癒やすにはつらい。妊婦や幼子を抱える家族が気掛かりになった。主宰する空手道場が同市内にあり「何か手助けができないか」と、道場とは別に借りている6畳一間の事務所の開放を思い付いた。電気、ガスが通り、台所とふろ、トイレ付き。避難者に短期間でも熟睡してもらえればと思ったが、厳しい規制があってだめだった。 一方、避難者とともに国民が固唾(かたず)をのんで注視しているのが原発事故。命がけで発電所にとどまる東京電力関係者や作業員には心が痛む。外国では“英雄”と称賛。それだけ彼らの勇気に注目と期待が注がれているのだ。 剣豪・宮本武蔵は吉岡一門との決闘を前に独行道で「我神仏を尊び神仏に頼まず」と自戒。剣に運命を託した。地震や大津波の自然災害と違い原発は人災。「国民を守りたい」と現場にとどまる彼らに武士魂を思う。彼らの無事を祈らずにはいられない。 (格闘技評論家) PR情報
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