1次リーグF組の名古屋は名古屋市瑞穂陸上競技場でFCソウル(韓国)と1−1で引き分け、通算成績は1分け1敗で勝ち点1となった。FCソウルは2勝1分けで同7。名古屋は前半、新人の永井のゴールで先制したが、後半に追い付かれ、初勝利を逃した。H組の鹿島は水原(韓国)で水原と1−1で引き分けた。鹿島は勝ち点2、水原は同5とした。名古屋と鹿島は東日本大震災の影響で1試合が延期となり、この日が1次リーグ2試合目で、地震発生後は初の公式戦だった。
永井のスピードは韓国王者にとっても想定外だった。藤本が左前のスペースに出したパスを相手DFがカット。「DFが内側にトラップした瞬間に行けると思った」。永井は1度奪われたボールをかっさらうと、そのままドリブルで突き進み、右足のアウトサイドでボールをたたき込んだ。前半14分、プロ初得点は貴重な先制弾となった。
練習でもなかった「4−4−2」の2トップでプロ初先発。しかし戸惑いはなかった。むしろ「DFの裏に抜けやすい」と大物ぶりを発揮。「ゴールシーンはイメージ通りで良かった。藤本さんがうまくボールを出してくれた」と言ってのけた。しかし藤本は「あれはミスパス。永井が走ってカバーしてくれた」と逆に感謝したほどだ。
先月のウズベキスタン遠征でも同じように得点を決めていた。「あの形は得意なんです」と、少しだけはにかんだ。
J1開幕の横浜M戦では土壇場でPKを獲得し、負け試合を引き分けに持ち込んだ。それでも「まだ何も結果を残していない」と、貪欲に得点を求めた。ACLでチーム初得点をもぎ取っても満足はできなかった。
90分フル出場し、特に後半は球際で負けていたことを痛感した。「勝って次につなげたかったから悔しい。激しく寄せられても決めるようにしたい」。永井は次戦に向けて、気持ちを奮い立たせた。 (伊東朋子)
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