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【ゴルフ】

遼&松山 東北愛を世界に発信

2011年4月6日 紙面から

 【オーガスタ寺西雅広】日本の19歳コンビが、世界に“東北愛”を発信した。男子ゴルフのマスターズ・トーナメント開幕を前に公式練習が行われた4日、石川遼=パナソニック=とアマチュアの松山英樹=東北福祉大2年=が公式会見で海外メディアに対し、東日本大震災で多大な被害を受けた東北への強い思いを打ち明けた。マスターズ前の公式会見で日本人選手2人が呼ばれるのは史上初。震災の影響もあって注目を集める日本の若手が、日の丸を世界にアピールする。

 強い思いがにじみ出た。初出場の2年前以来、2度目の公式会見。居並ぶ海外メディアを前に、遼が静かに口を開いた。

 「今、日本のスポーツ界は中断、延期が続いている。こういう機会だからこそ、スポーツの無限の力を伝えたい。東北の人たちとつながっていると信じて、この1週間をプレーしたい」

 約50人が集まった会見場。テーマは当然、東日本大震災だった。「心境は」「友人の安否は」「地震当日は」。約30分にわたり、矢継ぎ早に繰り出されたクエスチョン。その一つ一つに遼が丁寧に答える。特に3月下旬に発表した「賞金全額寄付」には海外メディアも注目。「僕はプロとして多くの方に支えられてきた。今度は恩返しをする番。東北に恩返しをしたい」との遼の言葉に、誰もがペンを走らせた。

 続いて会見に呼ばれたのは、もう一人の19歳・松山だ。日本人アマチュアとして初めて“ゴルフの祭典”に出場する大学生は、まず英語で「被災地への世界中の支援に感謝します」と用意していた声明文を発表。「まさか仙台がこうなるとは思わなかった」と言葉を詰まらせながらも、「応援してくれる人のためにも、この舞台に立とうと決めた」と決意を語った。

 ともに幼少期からマスターズにあこがれ、腕を磨き合ってきた2人。同年代のライバルが、くしくも同じ日に会見に出席した。日本人2人が公式会見に出るのは、75回の歴史でも史上初。注目の高まりには震災も影響しているが、遼は世界ランク50位以内、松山はアジアアマチュア選手権を制しての出場権獲得。実力的にも、どちらも視線を集める素質があるのは間違いない。

 「日本人が海外で活躍するのはうれしい。そういう人が一人でも増えるといい。今週はいいプレーを見せたい」

 冷静に、でも、熱い口調で決意を語った遼。一方の松山も「自分が頑張っている姿を仙台に見せたい」と被災地への思いを口にした。世界に向け、10代コンビで声をそろえた“東北愛”。難敵・オーガスタに挑む姿が、きっと日本にも届くと信じている。

 

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