2011年2月18日 10時51分 更新:2月18日 11時14分
【カイロ和田浩明】北アフリカのリビアで発生した反体制デモは17日、国内の少なくとも5都市に拡大した。毎日新聞が接触した複数の地元住民によると、治安部隊はデモ隊に実弾を発砲しているという。AP通信は反体制リビア人団体などの情報をもとに、全国で少なくとも20人が死亡したと報じている。
デモは最高指導者カダフィ大佐の41年にわたる強権支配に抗議するもの。地元紙や在外リビア人団体、反体制派ウェブサイトなどの情報を総合すると、17日までに東部では同国第2の都市ベンガジ、アルベイダ、アジュダビア、デルナの4都市で、西部ではゼンタンでデモが発生。首都トリポリでも散発的にデモが起きているとの情報がある。
ベンガジの男性住民は毎日新聞に「戦場のようだ。治安部隊は実弾を発砲している。特にベンガジとアルベイダがひどい。アルベイダでは25人が死亡した」と語った。別の住民は「政府が雇ったアフリカ人の傭兵(ようへい)がデモ隊を攻撃している」と話した。
国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、アルベイダで17日までに3人が死亡し、30人が負傷したとしている。またAFP通信によると、東部アジュダビアではデモ隊が政府庁舎などに放火、治安部隊と衝突し4人が死亡した。ゼンタンでも住民が警察署などに放火したとの情報がある。
17日は在外反体制団体などが「怒りの日」としてインターネットなどで抗議デモの実施を呼びかけていた。