野村HD:幹部給与ドル建てに統一 為替リスク抑制狙う

2011年2月18日 2時30分

 国内証券最大手、野村ホールディングス(HD)は、東京や香港、ロンドンなど国内外で勤務する計約1500人の幹部社員の報酬算定基準について、従来の「円」や「ポンド」など現地通貨建てから米ドル建てに統一する。今年4月以降の報酬から適用する。日本国内では債券部と株式部の次長級以上の約150人が対象。例えば、報酬が「10万ドル」とされた日本国内で働く幹部社員の場合、円相場が1ドル=100円なら日本円で1000万円がもらえるが、円高で1ドル=80円になれば、手取り額は800万円に目減りする。

 報酬算定基準をドル建てに統一する動きは、一部の外資系企業の日本法人などでは見られるが、日本の大手企業では異例。野村HDは、これまで拠点ごとにドルや円、ポンドなど現地通貨建てで報酬額を算定していた。しかし、旧リーマン・ブラザーズの欧州・アジア太平洋部門の買収などに伴い、外国人社員が増加。グローバル経営を目指す観点から、同一職種で同じような業績を上げている幹部社員なら、働く国が違っても、ドル建てで同額の報酬を支払う姿勢を徹底する。

 経費の半分を占める人件費支払いの際の為替変動リスクを抑える狙いもある。野村の試みについて、経済産業研究所の鶴光太郎・上席研究員は「海外の人材を多数抱える企業の『内外融合策』といえる。日本企業がグローバル化する上でのモデルケースになる」と指摘している。【田所柳子】

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