韓国  2011年4月4日(月曜日)
輸入車10万台時代の到来:“高級感”人気も、AS費は不満[車両]

韓国で、輸入車の販売数が大幅に増えている。輸入車に対する満足度も高く、継続購買意向率は70%に達する勢いだ。消費スタイルが変化し、高級感や洗練されたデザインを好む30〜40代の男性が多く購入するという。しかし一方で、輸入車は部品が高く負担が大きいとの指摘も。国産の良さを生かし、韓国の自動車メーカーの巻き返しとなるのか。



毎日経済新聞と自動車専門の市場調査機関が行った共同の調査によると、最近輸入車を購入したことがある人のうち、約70%が「また同じメーカーの車を買いたい」「ほかの人にも勧める」など、総合的におおむね満足していることが分かった。対象となったのは、ここ3年以内に自動車を購入したことがある2万7,000人で、このうち1,182人は輸入車購入者。営業、サービス、品質をすべて合計した総合体感満足度では、輸入車が65.5%だったのに対し、韓国国産の大型車は56.6%、一般車は47.8%という結果だった。満足度を計るこのほかの項目でも、韓国車は輸入車に比べ約10〜18ポイント低い数値となっている。

■高まる輸入車人気

2009年には6万台水準だった輸入車の年間販売台数は、昨年48.5%と大幅に増え9万台に突入した。今年に入っても増加傾向は続き、1〜2月の輸入車販売台数は前年同期比20%増加。輸入車10万台突破に向け加速している状況だ。10万台は韓国国内市場全体の7%にすぎないが、販売単価を基準に計算すると20%以上を占めることになる。

輸入車の中でも特に大型車の人気は高く、3,000cc以上の大型車の同販売台数は4,516台で、前年同期比46%の増加率となった。

輸入車の人気が高まっている理由としては、各メーカーのサービス強化による満足度向上が挙げられる。専門家は「マーケティングや提供されるサービスを通じた満足度は、顧客ロイヤルティーに反映される」としており、海外メーカーによるサービス改善努力が奏功したようだ。ブランド別のサービス満足度では、トヨタ「レクサス」が最も高く、ホンダ、独メルセデス・ベンツ、日産「インフィニティ」と続いた。

このほかには、◇性能と品質◇デザイン◇高い安全性――などが主な理由で、特に「韓国車との価格差が縮小したため」とする回答も31.8%と多かったという。海外各社が主力モデルの価格を下げて競争力を高める一方、韓国車の新モデルは200万ウォン(約15万円)程度値上がりしており、輸入車購入者は「同じような価格帯であれば、多少高くても高級感があり、性能のいい輸入車を買いたい」と考える人が多いことも明らかになった。

■高い修理費がネックに

ただ、輸入車にも難点はある。「輸入車を購入する予定はない」とした回答者のうち、78%が「修理費が高く、アフターサービス(AS)が不便な点」をその理由に挙げている。フロントバンパーを交換する費用は、現代自動車の高級セダン「グレンジャー」が68万ウォン程度であるのに対し、日産「インフィニティG35」は95万ウォン、メルセデス・ベンツ「Eクラス」は180万ウォンと、価格差が大きい。このため、輸入車購入者からは部品費用およびAS費用に対する不満の声が大きく、韓国車全体でのAS費用満足度が平均58%であるのに対し、輸入車の平均は32%と大きく差がついた。

また、整備業者が限られていることで迅速なサービスを受けられない、車両の不具合の原因解明に時間がかかる、など不便な点も多い。このことが今後の輸入車人気を阻む要素となるのか、または海外各社が改善に動くのか。日本車を含めた輸入車人気に注目だ。



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