インド:「ソースコード」開示通達 日米欧は反発

2011年2月17日 19時3分

 インド政府が携帯電話向けなどの通信関連設備の政府調達に絡んで、日米欧などの企業に対して、ソフトウエアの設計図に当たる「ソースコード」の開示を義務付ける通達を出していたことが17日、分かった。インド側は「安全保障上の理由」としているが、日米欧政府は技術情報の流出を懸念して強く反発している。

 日本の経済産業省によると、日米欧の反発を受けて、インド政府はソースコード開示措置の実施を凍結しているという。ただ、実施の構えは変えておらず、新たな通商問題に発展する可能性がある。中国政府も昨年、外国製のIT(情報技術)関連製品に対して、ソースコードを開示させる強制認証制度を導入。ブラジルも検討中で、日米欧には同様の規制が新興国に広がることへの懸念も強い。

 インド政府は昨年7月、通信事業者の免許要件を改正する通達で、携帯電話の基地局など通信設備の納入に関してソースコード開示を義務付ける措置を決めた。「機密情報が外国に傍受される恐れがある」との理由からだが、日米欧は「開示したソースコードが解析されれば、先端技術が流出し、自国企業の競争力が損なわれる」と反発している。

 経産省によると、「安全保障」を理由にした規制の場合、世界貿易機関(WTO)のルール違反に問うのは難しいという。日本がインドと経済連携協定(EPA)を署名した16日、海江田万里経産相は、インドのシャルマ商工相に対して、ソースコード開示措置に懸念を伝えた。しかし、インド側は撤回する意思は表明していない。【立山清也】

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