2011年2月17日 11時26分 更新:2月17日 12時46分
噴火活動が続く、宮崎、鹿児島県境の霧島山系・新燃岳(しんもえだけ、1421メートル)周辺で土石流の恐れがあるとして宮崎県都城市は17日午前11時、1148世帯2523人に避難勧告を発令した。昨夜からの雨が市の基準の「総雨量20ミリ」に達する可能性が高いと判断した。噴火後、同市内での避難勧告発令は初めて。
市は自治会などを通じて避難を呼びかけ、県道の一部を通行止めにし、住民や防災関係者以外の通行を規制する。市は今月10日と13日にも避難準備情報を発表したが、雨量が予報を下回ったため勧告は見送っていた。16日午後10時にも避難準備情報を発表しており、7カ所の避難所にはお年寄りら計7世帯9人が自主避難している。
また、同県高原(たかはる)町も17日午前10時半、避難準備情報を発表した。花堂(はなどう)地区の一部など7地区の99世帯1事業所の計248人が対象。今後の雨量をみて避難勧告発令を判断する。同町では新燃岳噴火による避難勧告を15日に全面解除していた。
宮崎地方気象台によると、降り始めの16日午後5時から17日午前9時までの新燃岳周辺の総雨量は、えびの市25ミリ▽小林市21ミリ▽都城市15ミリ。17日午後から雨が強まり、午後3時から午後6時には最大で1時間15ミリに達すると予想している。18日早朝までの24時間雨量を50ミリと見込んでおり、降灰が多い地域での泥流や土石流に注意を呼びかけている。【中尾祐児、釣田祐喜、川上珠実】