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[26791] 死体の視界
Name: 叫芽◆8aff19b3 ID:e25b8c25
Date: 2011/04/06 06:30



早く早く早く早く。
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[26791]
Name: 叫芽◆8aff19b3 ID:e25b8c25
Date: 2011/03/29 16:10
 下校前、教室で男子に告白された。その人の名前は知らない。その人は男子にしては髪が長かったので、私はその人の髪を掴んで、その頭を机の角に叩きつけた。角は目に当たったらしく、目は潰れたらしい。その男子は叫んだ。痛いとか言っていた。いてぇ、だったかも。何しやがる、とも言っていたのかな。よく覚えてない。ああああって。少しうるさかったから、私はそれをもう少し速くもう三回叩きつけた。それでも黙らなかったから、もうちょっと速くもう六回叩きつけた。静かになった。
 教室は二人っきりってわけではなくて、その告白はクラスの生徒に公開されていた。でもその現場を止めようとする人は一人もいなくて、場は静かだった。怖くて動けなかったのかもしれないし、あるいは観ていたみんなは人じゃなくて人形だったのかもしれない。マネキン…。うんマネキン。あと少ししたら、先生とか警察とか来るのだろうか。でも、どうしようもないと思う。
 なぜそんなことをしたのかと訊かれても、その男子の髪が長かったからとしか答えられないし、特に大した理由は無いと思う。それより気になるのは、今何時なのかってことと、今私は何歳で、ここは小学校なのか、中学なのか、高校なのかってこと。制服があるから中学だろうか。それとも高校。でも制服を着た小学生もいる気がする。背の高さも、高い人もいれば低い人もいるし、そもそも誰も何も言わないものだから、私にはわからない。



 目を覚ますと15時…午後三時だった。時計が目に入って助かった。部屋は静かで、外からも音は聴こえないから、たぶん家には私一人なのだろう。今、私が知りたいのは私が小学生なのか中学生なのか高校生なのかということだった。部屋に制服はかけてあったから、やっぱり学生なのはわかったが、それでもわからない。私は制服のポケットをあさった。中にはハンカチとティッシュと、あとカッターしかなかった。手帳でもあればよかったのだが。
 とりあえず着替えた。鏡はこの部屋に無いものだから、私は部屋を出て、手洗い場に向かった。一応、顔は洗った。順番を間違えたと思った。普通は顔を洗ってから制服を着るんだっけ。袖が濡れた。鏡を視ても、自分の年齢がいまいちわからない。小学校の低学年ではなさそうなのはわかった。少なくとも一年や二年ではない気がする。たぶんかっこいい男子に告白されたのだから、たぶんそこまで悪い顔でもないかもしれない。
 家にはやっぱり私一人で、そもそも私に両親や兄弟といった家族がいるのかもわからなかった。おなかは空いてなかったし、顔も洗って制服にも着替えたのだから、次にするべきことはやはり登校だろうか。だけど、この時間に行っても仕方がない気もする。それにどこに私の行くべき学校があるのかもわからない。そもそも、今まで学校に行ったことがあったのかもわからない。学校らしきところに居たことは覚えているのだけど。



 妙に臭かったから、私は外に出た。そしたらさらに臭かったものだから、最終的にはたぶん自分の部屋に戻った。たぶん自分の部屋は臭くなかった。制服でいても仕方がなかったから、脱いだ。部屋を見回すと、さっきよりも物が増えている気がした。少なくとも本棚や机、パソコンは無かった気がする。物が増えるなら、今度はエアコンが欲しいと思った。
 本棚には一冊のノートと、漫画や小説がいくつかあった。私は漫画の方を手に取り、ベッドで(ベッドもあった)横になって読んだ。ただその漫画は、シリアスなのかギャグなのかよくわからなくて、少なくとも面白いものではなかった。あるいは両方なのかもしれない。内容はやくざさんの抗争。二時間もしないうちに、全二十巻読み終えてしまった。主人公がころころ変わっていたけど、最後は主人公が死んでおしまい。
 次に、私はノートを取った。最初の一ページ以外は、すべて白紙だった。そのページには「一人殺せ」と書かれていた。一人なら、たぶん殺したと思う。実感はあまりないものだから自信はない。そもそも、あの程度で人は死ぬのだろうか。もしかしたら気絶しているだけかもしれない。少し不安になった。私は今からでも学校に行くべきなのだろうか。だが、道がわからない。二時間ほど、考え込んだ。



 一応、外に出てみた。暗くなっていて、もうこれでは学校にはどのみち行けなかった。家に戻ると、人間が三人倒れていた。臭かった原因がわかった。念のため、その中の大人の男性の首を切ろうと思った。私は台所に向かった。包丁はあった。そしてそれで切ろうと試みたけど、骨が切れなかった。首と胴体を切り離すことが出来なくて残念だったけど、これだけ血が出ればもう大丈夫だろうか。
 ノルマは達成した、ということにしておこう。最初の一人が殺せていれば、今日は二人ということになる。明日あのノートが更新されるなら、明日は誰も殺さなくていいのだろうか。それとも明日は違う内容が更新されるのだろうか。けど、どっちでもいいか。私は浴室でシャワーを浴びた。でも風呂には入れなかった。風呂には裸の女性が入っていた。
 部屋に戻って、もう今日は寝た。



[26791]
Name: 叫芽◆8aff19b3 ID:e25b8c25
Date: 2011/03/31 08:49
 朝、あまりの寒さに目を覚ました。やはりエアコンが欲しい。そう思っていたら、エアコンはあった。リモコンも時計のそばにあったので、スイッチを点けた。時計を見ると五時。今日は学校に行ってみようと思った。今度は先に顔を洗い、それから制服に着替え、外に出た。だけど朝飯を食べていないことを思い出して、家に戻った。冷蔵庫にはサンドイッチがいくつかあった。ツナのを取って、それを片手にもう一度外に出た。
 食べながら見回した。田んぼが視界の6から7割を占めていたので、おそらく田舎なのだと知った。家は山の上の方にあったので、そこから下の町が視えた。駅を発見した。私はそこに向かった。不思議なことかもしれないが、外は暖かかった。丁度よくて、空も青空だったものだから気持ちがよかった。サンドイッチを食べ終えた私は、勢いよく山を駆け下りた。途中でこけた。その時、鞄を持ってくるのを忘れたのを思い出して、家に取りに帰った。
 鞄は私の部屋にあった。手提げ。教科書やノートらしきものはすでに中にあって、財布(お金)もあって部屋の中で他に要りそうな物はわからなかった。その時私は思い出したように、ついでに本棚のノートを確認した。更新はされていなかった。今日は何もしなくていいのだろうか。でも…でも…でも…でも包丁は要ると思った。万が一のために要ると思った。部屋のエアコンを消し忘れているのを思い出し、消した後私は台所に行った。包丁を回収して鞄の中に入れた。

「いってきます」



 駅に向かった理由は、こんな田舎でも移動する人間が一番多いと思ったから。通勤時間に近かったのもある。実際ホームには2、30人程居た。学生もいた。私と同じ制服を着た人もいた。4人の女子のグループで、私はその子達を追跡しようと思った。別にゲームをしているわけじゃなかったけど、なんかゲームをしているような感じで、結構その時はワクワクしていた。まるで冒険。奇妙な冒険だった。
 電車は満員だった。4人のグループは視界のなかにいた。それを見つけたあたりで、後ろの会社員に尻を触られた。実際は事故だったのかもしれない。触れたのは1から2秒。撫でまわされたわけでもなかった。手ではなく、もしかしたら鞄だったのかもしれない。でも、刺激があって面白かった。正直事故でなくてもよかった。私は電車の揺れに合わせて少し後ろに下がり、その会社員の何かに体が触れるようにした。しかし会社員も後ろに下がったようで、実際は何も当たらず、少しだけ残念だった。
 四つ目の駅に止まった頃には、人も半分以下になっていた。椅子が空いたので座った。あの4人のグループもまだいる。どこで降りるのだろう。彼女たちを見ていたら、その視界に三人の男子が入ってきた。制服を着ているからたぶん学生。三人とも背は高い。彼らは私の前あたりに立った。偏見だとは思うが、服装はだらしがなかったからたぶん不良なのだろう。そのうちの一人と目があった。



 私は次の駅で下された。三人は私を人気のない橋の下に連れて行った。橋の下の壁には落書きがしてあったが読めなかった。漢字や英語は読めない。どうしてこうなったのか。三人が言うには、私は誘っていたらしい。どうしよう。抵抗しようか。負けるだろうけど、抵抗したら抵抗したで面白そうだ。嫌々言いながら犯されるのは、向こうにとってもこっちのとってもたぶん楽しいだろう。だが、私はそれ以上に面白い遊び方を思いついた。

「抵抗はしません。ただ少し待ってもらえますか?」

 私は鞄から包丁を取り出した。

「安心してください。貴方たちを刺したりはしません」

 私はそれを自分の腹に刺し、横に流した。状況は違うけど、やくざさんの漫画にこういうのが確かあった。実行していたのは15歳の少年。責任を取るためにしていた。私は少し違う。彼らの反応が視たかった。さあ…どう動くだろうか。興奮するだろうか。これから死にゆく人間を犯す機会などそうはない。一方私は痛みと快楽を同時に味わいながら逝けるのだろうか。それならそれで、やはり面白い。

「おい!救急車!」

 何でそんな単語が出てくるのか理解できなかった。何を血迷ったことを言っている。貴様らは下種だろう。下種なら最後まで下種らしくしていろ。



「ただいま」

 あまりにもつまらなかったから、私は家に帰った。学校は明日でいいや。
 部屋の本棚のノートを確認した。腹を切れ、と書かれていた。つまりこのノートは私が実行したことが記録されるのだろうか。あまり面白いものではなさそうだということが分かった。
 制服を脱いだ。部屋は少し寒かったから、私はエアコンを点けて、ベッドに横になって、もう今日は寝た。



[26791]
Name: 叫芽◆8aff19b3 ID:e25b8c25
Date: 2011/04/06 06:32
 昔、数年前なのか、それとも数か月前なのかは知らないけれど、援交がバレた。恥を知れ、と言われた。言われた通り私は恥を覚えた。裸になれば胸などは隠すようになったし、相手に対し「嫌」だとか「やめて」だとかを言うようにもなった。相手の行為は以前より激しさを増した。私が行為を拒めば拒むほど、相手の望みは増大するそうで、それ自体は別に構わなかったけど、醜かった。気持ち悪い。私はそう言った。そしたら頭を掴まれて壁に叩きつけられた。回数は途中で数えるのをやめた。
 子供ができたらしい。相手はおろせと言ってきた。その時その言葉の意味はよくわからなかったけど、たぶん恥ずかしいことなのだと思った。相手が求めて来た内容など、全てそうだった。だから断った。そして怒られた。翌日には、たぶん相手は死んだ。最終的に私は浴槽で産んだ。でもどうすればいいかわからなかったものだから、そのままにしておいた。
 お腹が空いたものだから、その日は肉を食べた。全部は食べきれなかった。その後シャワーを浴びて、うがいをした。口の中に変な臭いが残っていて、何度もうがいをした。結局臭いはとれなくて、私は諦めてもうその日は寝た。2、3日寝たら臭いは消えた。ただ、部屋はやけに臭くなっていたものだから、もう私は外に出た。あまりにも寒かったが、臭いよりはましだった。



 今日こそ学校とやらに行こう。朝、目を覚ましたら真っ先にそう思った。顔を洗って制服に着替えて、そして鞄を持って家を出た。駅まで走った。駅には昨日見た四人もいて、時間はぴったりだったらしい。相変わらず人もそれなりに多く、電車は満員だった。前と同じように、あの四人を見失わないようにした。ただ、朝飯を食べてくるのを忘れたことを思い出した。
 前と同じように、電車の中の人がある程度減ったあたりで(もう私は席に座っていた)あの三人の男子を見つけた。少し離れた位置に居た。そのうちの一人と目を合わしたら、そいつは目をそらした。そして他の二人となにやらこそこそと話し出した。非常に不快だった。一言ほど言ってやろうと思って席を立ったら、あの四人は下車した。三人の方は諦めて、私は四人の後を追って下車した。
 それからずいぶんと長い時間歩いたように思えた。たぶん朝飯を抜いていたからか、力やら何やらが出ないのだろう。少し視界も歪んでいたかもしれない。途中で車にクラクションを鳴らされた。ごめんなさい。それでもなんとか目的地らしきところにはついた。門の所には学校の名前が記されているが、漢字が読めないものだから、結局小学校なのか、中学校なのか、それとも高校なのかはわからなかった。四人が校舎に入っていくのを追って私も校舎に入った。そのあたりで力尽きたのか、私は倒れた。



 目を覚ますとベッドで寝ていた。根拠はあまりないが私は保健室だと断定した。体を起こしたらそこに保健の先生(と断定)が居たから挨拶をした。こんにちは。ここはどこですか。

「ここは病院です」

 小学校でしょうか。中学校でしょうか。高校でしょうか。

「ここは病院です」

 私は私と同じ制服を着た、女子生徒の後をつけてここまで来ました。ここは学校ではないのですか。

「ここは病院です」

 正確にはここは精神病院らしい。病院の中に学校があって、小学校もあるし中学校もあるし高校もある。驚いたことに大学もあるそうだ。また、いくつもの企業も中にあり、会社に勤めているものもいるらしい。

「君がここの在校生なのか、それとももう卒業した子なのかは私は知りません。調べるのも少し時間が掛かりますし、また明日来てください。君が知らないのでしたら、ですが」

 私は承諾し、少しばかしご飯(白いお米)を頂いて、それから家に帰った。



 家に帰って、私は真っ先にシャワーを浴びた。なんとなく浴槽に目を向けた。寒気がしたものだから、すぐに目を前に戻した。終えたら部屋に戻って、ノートだけ確認した。白紙だった。線も無くの白紙だから、何か意味はあるのかもしれないが、もう今日は寝た。


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