2011年2月16日 10時41分 更新:2月16日 12時18分
宮崎、鹿児島県境の霧島山系・新燃岳(しんもえだけ)(1421メートル)噴火で堆積(たいせき)した火山灰の表面が、雨で板状に固まっている場所があることが、国土交通省九州地方整備局宮崎河川国道事務所の調査で確認された。表面が固まると地下に雨水が浸透しにくくなり、雨水が表面を流れて土石流や泥流になる可能性が高まるといい、同事務所は「火山灰が堆積している場所では注意してほしい」と呼び掛けている。
火口から約8キロ離れた宮崎県都城市御池(みいけ)町の御池小学校グラウンドに積もった約5センチの火山灰の層を11日に調査した。表面にビスケットのような厚さ約5ミリの板状の固まりの層ができ、その下は粒状の灰になっていた。都城市では10日夜、総雨量7ミリの弱い雨が降っており同事務所は「さらさらの灰が湿って固まった」とみている。
今後雨が降った場合、傾斜がある場所では、固まった火山灰の層で雨水が地下に浸透せずに一気に斜面を流れ下り、一部の谷筋に流れが集中し、土石流や泥流が発生しやすい状況になるという。
宮崎地方気象台によると、16日夜から17日にかけて都城市や高原町など県南部山沿いで雨が降る見込み。17日午前0時から同日夜までの雨量は1時間あたり5ミリ以上で、多い所では10ミリを予想している。都城市は警戒を強めている。【中尾祐児】