2011年3月24日14時20分
宮城県石巻市で23日、米国バージニア州から来たアンディ・アンダーソンさん(53)が、がれきの上に花や折り鶴を手向けた。海を越え、日本で英語を教えていた娘のテイラーさん(24)が、遺体で発見された場所だった。
アンディさんらは、行方が分からなくなったテイラーさんの身を案じて来日していた。破壊された街を目の当たりにして言葉少なだったアンディさんだが、「ここに来られてよかった。石巻のできるだけ早い復興を祈っています」と、娘が住み慣れた地を思いやった。
中学から日本語を学び、日本の食べ物やアニメが好きだったテイラーさん。2008年夏から、ALT(外国語指導助手)として市内の小中学校で子どもたちと接していた。廊下で子どもたちとハイタッチをする気さくな女性。自転車で街を駆ける姿が知られていた。
「先生、英語の時間です」。万石浦小では、テイラーさんが来ると、子どもたちがいつも職員室まで迎えに来ていた。頼み事をしても、授業の予定が変わっても、嫌な顔をしない。「大丈夫です」。口癖のようにそう言って、にこっとうなずく姿を、周囲の人はよくおぼえている。
地震の時は、その万石浦小にいた。ほかの先生たちと一緒に子どもたちを校庭に避難させた。さらに津波を避けるため、みんなで隣の中学校に移動したはずだった。
「ゴー? バック? 津波だよ?」。教務主任の高田文直さんは声をかけた。
「大丈夫です」。そう言うかのようにうなずいたのが、最後の別れとなった。
宮城県内では23日までに、5人の外国人の死亡が確認されている。(伊藤恵里奈、泗水康信)