(抜粋)

全国各自動車整備相談所に寄せられた相談事例の紹介


平成21年度第1四半期に全国の整備相談所に寄せられた整備相談のうち主な事例を掲載しました。

平成21年4月3日(金)三重県 男性

【相 談】

平成21年1月29日にA整備工場へブレーキ関係の部品交換を依頼し、2月8日に整備完了で納車後、2月10日に左後輪がパンクした為にBガソリンスタンドで修理を行った。
数日後に左後輪が外れて事故を起こした。
ガソリンスタンドでは、タイヤを外さずに修理を行っているので、外れた原因が整備不良に当たるのではないかと相談である。

【対 応】

当該苦情の内容をA整備工場に連絡したところ、作業時にタイヤを外して整備を行ったが復元時には、トルクレンチを使用し規定の数値にて締め付けて作業しているのを複数の工員が確認しており、整備ミスとは考えられず、当社としてはパンク修理をしたガソリンスタンドの整備に原因があるのではないかと思われるとの回答があった。
A整備工場と相談者の間では、「ガソリンスタンドでは、タイヤを外して修理を行っていない」との言い分の為に、何度か話し合いを行ったが、解決に至っていない状況である。
当会の対応として相談者に連絡し、両者の見解が平行線の為にもう一度、スタンドの方もまじえて三者で話し合って頂くことを提案し相談を終了した。その後、相談者からの連絡なし。

平成21年4月20日(月) 沖縄県 男性

【相 談】

去年(平成20年)12月に自損事故(右側フロント)を起こし、警察の紹介でレッカー移動させた。翌日レッカー会社の提携先のS自動車で見積りをお願いした。しばらくしてS自動車から中古部品を使い25万円で修理出来ますとの電話連絡があり、車検もあわせて35万円で依頼した。
今月に入り修理完了の連絡、引取りに行くと、ホイールは曲がったまま、ハンドルは右に曲がっていて、エアバックにガタがある。車内は水浸しでカビ臭いと苦情を言って帰った。再度連絡があり、車を引取る時にタイヤホイルは見積りに入っていないと言われ、中古のタイヤとホイールが装着されていた。試乗したが、ハンドルを直進状態にしても右に流れ、安全に乗れるのか不安である。
社長には、陸運事務所で車検も済んでいるので問題ないと言われた。電話だけで修理を依頼した自分も悪いのだろうが、S自動車の社長の対応も納得がいかないので、車検の諸費用以外には支払いには応じたくないとの相談である。

【対 応】

翌日、S自動車の社長が来所し相談者からの苦情を説明、社長から状況確認を行った。
鈑金関係は外注でユーザーに立ち会ってもらい、普通に乗れる状態まで直すとのことで本人も了承していた。
1.最初に引渡した時、ラジエターから水漏れ(腐食部分から)がするとクレームを言ってきたので、当方のミスでは無いが修理が長期になった事もあり、新品のラジエター(2万円)に交換してあげた。
2.レッカー代金もいまだ立て替えてある。
3.殆ど電話での対応でこちらも反省はしているが、相談者が言ってきたことには対応しているつもりである。こちらとしても、外注への支払いもあり、諸費用だけで済ますような事は出来ない。全額の支払いをしてもらい。
その後、出来る限りの調整については相談にのるつもりである。
以上を相談者へ伝えると、再度検討してみると電話を切った。
その後、S自動車の社長から解決しましたと聞いた。

平成21年4月21日(火) 神奈川県 女性

【相 談】

整備相談の冒頭、荒い口調で日本車は長持ちするのではないか、購入して10年足らずで調子が悪くなるのかとの苦情を受ける。
内容を聞きだしたところ、平成21年3月28日、定期点検整備を依頼した際、タイミングベルト及びオイル漏れの追加整備の連絡を受け、予算の都合で追加整備は断ったが点検整備後、車のバランスが崩れ、調子が悪くなったとのことであった。

【対 応】

相談者には、一般的な例として、車も同様に経年劣化すること、定期点検整備することにより、事前に消耗している部品等を交換するなどして長くお乗り頂きたい旨を説明する。

平成21年5月7日(木) 兵庫県 男性

【相 談】

電話を取ると同時に、内容は、急にオイルがなくなってオイル警告ランプが点灯し、修理代金に数十万円の修理代金が必要だと、まくし立てるような苦情である。こういったタイプの苦情相談は下手に説明するのはマイナスで、好きなだけ、言わせ、疲れたところを見計らって反問する。
今回は“オイル交換の頻度”“オイル漏れの有無”(事故の有無は感情を逆なでることにもつながるのであえて聞かない)“オイル交換の履歴”“ディーラーへの相談”など。
「オイルは“足して”乗り続けたということですか?」と聞くと、「交換せずに乗るものがいるか!」と一喝された。では、と、オイル交換の履歴・頻度は?と聞くと「そんなもんあるはずない!」と「だれがそんなもん控えとるか!」と、履歴はまったく分からない。
ユーザーの保守管理責任について話そうとしても耳を貸さない、とにかく「車がおかしい、欠陥車」との一点張り。とりあえず当方からディーラーの担当者へ事実確認をしたいと一旦電話を切らせてもらった。

【対 応】

ディーラーの担当者に聞くと、車は当該ディーラーで新車購入しているが、オイルの交換履歴がなく、伝え聞いた話ではガソリンスタンドなどで継ぎ足しているようだ。
メーカーにも電話し「ただで修理しろ」といったらしい。メーカーはディーラーと話をするように諭したそうだ。
振興会として、お金の絡む話には関与できないので、とりあえず、当方から、ユーザーに「ディーラーから連絡が入るので一両日待ってください」と連絡。すると、今度は電話に出たのが息子で、息子は意外と話が分かる。そこでユーザーの保守管理について説明した。
息子さんの話をまとめると「大金を出して修理しても後から別の箇所が壊れないか」とか、「見えない場所の修理なので不当な請求がされないか」という。
黄色い看板を掲げている店が、そういったわけのわからない請求をすることはないと前置きした上で、「どうしても心配ならショートエンジン載せ換えといった方法もある」と提案してみたところ、ディーラーともよくよく相談し、妥協点を見つけて話を進めてみるとのことで電話を切った。
以後、ディーラーから「オークションでエンジンを見つけ、他工場で載せ代えすると、ユーザーから連絡があった」と報告を受けた。
その後、ユーザーから連絡はない。

平成21年5月11日(月) 奈良県 男性

【相 談】

軽自動車の車検後に起きたエンジントラブルについて
平成21年1月に車検。その時、マフラー、燃料タンクなどを交換して結構費用がかかった。
車検後、4月に高速道路を走行中、突然マフラーから煙を吐いた。命に関わるような事故を起こす可能性もあり、危険な思いをした。
何故、車検後3ヶ月位でこのようなことが起きるのか。業者には、責任は無いのか。
故障の原因は、ターボチャージャ内部のフィンが欠損して、エンジン内にフィンが入り込みプラグなどを破損させてトラブルを起こした模様。

【対 応】

この方は、車検時には車の全てを点検しているものと思っておられた。「車検」と「点検」は、別であることと、定期点検項目には、ターボチャージャの内部点検は規定されておらず、整備事業者も今回のような事態が起こることを想定することは困難であった旨を説明しご理解いただいた。
また、このような場合の整備に関する保証について質問があったが、整備事業者は、自社が点検整備した部分については、保証すると思うが今回の場合は、難しいのではないかと回答し、了解を得た。

平成21年6月8日(月) 福岡県 女性

【相 談】

@2年間乗らずに放置していたベンツの車検見積りを依頼した。
A見積りを依頼したところ449,577円でしたので整備及び登録手続をお願いした。
B車検有効期間が切れていたので、積載車で事業場へ持ち帰り整備点検したところ、
 (1)エアコンが効かない
 (2)タイヤが偏摩耗して走行中異音がするなどのトラブルが生じており、追加料金が643,781円発生する旨、連絡があった。
Cこの見積りは承服できないことを事業場に話したところ、タイヤ代106,000円を支払っていただければ、エアコンの修理代537,781円はサービスする旨の提案があった。
Dイ. 50万円以上サービスする旨の提案を受けたが、本当に整備していただけるかどうか不安になった。
ロ. 100万円以上となった見積りが、半額になるのだったら、最初から価格を過剰請求していたのではないか疑わしい。
イ.ロ.の理由から車を引き上げることにし、事業場に連絡したところ、既に整備完了した部分267,224円を支払請求され、現在そのままになっている。
今後どのようにすれば良いかとの相談である。
奥さんの意向は、安心して車に乗れれば、この条件で整備完了したほうがいいと思っているが、Dイ.ロ.で不信感を持っていることと、ご主人の方が態度を硬化させているので、間に入ってもらった方がよいと思い、整備相談に連絡された。

【対 応】

事業場に確認すると、内容は相談されたこと全て事実である旨を説明された。また、ご主人から「見積りのプロとして甘い」と言われタイヤ代106,000円を支払っていただければ、エアコンの修理代537,781円はサービスする旨提案したところ激怒され追い返された。
6月9日奥さんより
1.タイヤは自分で替えるので追加料金「エアコン修理」をサービス出来ないか再度連絡があった。
同日事業場へ上記の件を連絡
2.タイヤ交換をすることで、エアコンサービスとなっているのでタイヤ交換無で費用無料には出来ない。先方にも連絡。
6月10日奥さんから
1.50万円以上サービスする旨の提案を受けたが、本当に整備していただけるか不安であり、また、後で追加整備が発生した場合支払い出来ないので555,577円以上費用が発生しない旨の書面を頂けるのであれば、整備をお願いしたいと連絡された。
同日事業場へ連絡
2.書面は出来ないとのこと、事業場へ先方にも連絡するとのことであり話し合いを行なう事となった。それ以来ユーザーからの電話連絡は来なくなった。

平成21年6月19日(金) 長野県 事業者

【相 談】

お得意先のユーザーへ新車を販売した。
ユーザーより購入した新車がカタログ10・15モード23kmと表示されている燃費基準と大きく違い、実際10km程度であり燃費が悪いとクレームを受けた。ディーラーで預り、走行テスト等燃費状態または異常個所等を診断して頂いたが車両にはなんら原因・問題はなかった。その旨をユーザーへ説明したが、受け入れられず車を引き取ってほしいと要望された。
相談者によると、坂道が多い場所に住んでいて、あまり遠距離走行しないユーザーとのこと。

【対 応】

整備関係の相談ではないこと、振興会より販売関係なので、長野県査定協会(公正取引協議会長野県支部)を紹介した。なお、査定協会にて対応しない場合は振興会の会員であるため、こちらで対応する旨の話しをし、了解を得た。

平成21年6月19日(金) 神奈川県 男性

【相 談】

修理の際、塗装ムラが発生し、苦情を申し入れたところ、無料でコーティングして頂いたが、数ヶ月で元の状態となった。現在、全塗装の見積りを取得中であり、再三の故障修理が原因であることから、ディーラーに応分の負担をするよう検討している。

【対 応】

ディーラー担当者に苦情内容を説明。ディーラーの担当者談、「全塗装の件は伺っている。しかしながら、新車購入後、3年弱が経過しており、かつ、炎天下の駐車場でもあることから、全塗装の一部負担は応じられない旨、お伝えしている」とのこと。
状況によっては裁判決着も検討したいとのこと。