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卵、4割値上がり 震災で飼料減産、加工品に波及も

2011年4月6日21時2分

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写真:たまごの品薄が続き、店頭の売価も上がっている=東京都内のスーパー拡大たまごの品薄が続き、店頭の売価も上がっている=東京都内のスーパー

 東日本大震災の影響が、「物価の優等生」と呼ばれる卵にも及んでいる。東北地方の飼料メーカーが大きな被害を受けて生産が減少。店頭価格は4割も上がった。品不足が長引けば卵が原料の加工品にも影響が及ぶ可能性もある。

 指標となる「JA全農たまご」Mサイズの1キロあたりの平均卸値(東京市場)は6日現在、260円。震災当日の3月11日は185円だった。2005年3月の鳥インフルエンザ発生時に記録した直近の最高値(1キロあたり280円)以来の高い水準だ。

 JA全農たまごによると、震災直後から燃料不足による物流の寸断で出荷量が減少。八戸、石巻などの被災地沿岸に立地する飼料工場の被災で養鶏業者に飼料も行き渡らなくなり、生産数量も落ちており、東京市場の卵の入荷量は震災前より15〜20%減った。

 全農たまごは「飼料の調達が難しく、震災前の価格には当分戻らない」(営業企画課)とみている。

 価格の高騰にともない、首都圏に展開するスーパーのサミットや東急ストアは当面、卵の特売を見合わせる。大手スーパー、イトーヨーカ堂は6日、特売をしたが、価格は198円と震災前(98円)から大幅に上昇。それでも飛ぶように売れたという。

 担当者は「鳥インフルエンザで九州産が入りにくくなっているところに、東日本も入らなくなった。まさに挟み撃ちだ」と嘆く。

 一方、マヨネーズの主原料に卵を使用するキユーピーは「食用油の価格も上がっており、卵の値上がりは痛い」(広報)と嘆く。同社は油価格の上昇を受け、07〜08年にマヨネーズを値上げした。「現状のコスト増はまだ、吸収できる範囲内」としているが、利益の減少は避けられない。

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