５日午後１時１０分ごろ、伊万里市二里町の山元記念病院駐車場で、指定暴力団九州誠道会系の組員ら数人に向け、男が拳銃数発を発砲、２人が撃たれ、１人が死亡、１人がけがを負った。撃った男はそのまま現場から車で逃走した。佐賀県警は殺人などの容疑で捜査、暴力団同士の抗争事件の可能性があるとみて調べている。

　県警によると、撃たれたのは九州誠道会系の暴力団の濱ノ上勝則幹部（５７）＝長崎県大村市玖島＝と、同会系の別の暴力団の田中安孝元組長（６６）＝多久市北多久町。濱ノ上幹部は左胸を撃たれており、午後１時５５分に死亡が確認された。失血死とみられ、６日に司法解剖して死因を調べる。田中元組長は首付近を撃たれ軽傷だった。

　県警組織犯罪対策課によると、死傷した２人は、入院していた同会系の元組長（６９）を見舞った後、玄関付近にとめた車に乗り込むところだった。

　撃った男は４０～５０歳で白髪の長髪、黒っぽいジャンパーと青色のジーンズ、白色のスニーカーをはいていた。男は白色の軽乗用車の助手席に乗り込んで逃走しており、複数による犯行とみられる。

　病院職員が「拳銃の発砲音がした」と１１０番。病院には当時、入院患者ら約１４０人がいた。現場は伊万里駅の北西約５００メートル。中心市街地で、住宅や商店が並んでいる。