いわば選挙活動が疑似宗教儀式と化した800万票に“新たな刺客”
4月統一地方選に激震!「全員当選」勝利を続ける創価学会に真如苑が「待った」をかけるか
(SAPIO 2011年3月9日号掲載) 2011年3月26日(土)配信
信仰の成果がかかっているから負けさせるわけにはいかない。創価学会の基礎票はしっかりしており、中選挙区制や大選挙区制の地方議会選挙はどのように票を振り分ければ何人当選できるかを計算できる。各地区の責任者が事前に綿密に分析し、候補者を絞り込んで勝てる態勢を組んで戦う。万が一、落選者が出るとその候補を応援した会員に不満が残り、組織的にもマイナスが大きい。選挙リーダーの責任問題になります」
日蓮正宗の信徒団体からスタートした創価学会は、かつて本山の大石寺への集団参拝などが重要な宗教行事だった。しかし、宗門と絶縁して以来、組織として「宗教的一体感」を感じるイベントは少ない。それだけに、学会員にとって選挙活動は「信仰心が試される重要な疑似宗教儀式」(東京の古参会員)にもなっている。
今回の統一地方選も、手堅く票読みが行なわれ、「完勝」へ綿密な計画が練られると思われる。
宗教団体で最も新しく政界進出をめざしているのが幸福の科学を母体に旗揚げした「幸福実現党」だ。09年の東京都議選に10人の候補者を立てて以来、前回総選挙は全国に337人を擁立、参院選も24人を出馬させたが、これまで全員が落選。総選挙は11億8000万円の供託金を没収された。
総得票数は総選挙が各選挙区の総計で約107万票(比例代表は約46万票)、参院選は候補者を立てた19選挙区の合計約29万票にとどまった。公称信者数の1100万人には遠く及ばないものの、比例代表で46万票というのは宗教団体でもかなりの集票力だ。
同党の主張は国防の強化や日米同盟重視、道徳教育の充実など、自民党のタカ派と近く、それまでの国政選挙では「自民党候補を支援してもらっていた」(自民党幹部)とされる。前回の総選挙でも幸福実現党は安倍晋三氏、古賀誠氏、小池百合子氏など12の選挙区で候補者擁立を見送り、「戦略的選挙支援」を行なうと発表した。単独の政党では議席獲得には至らなかったものの、仮に、自民党参院比例区から候補者を立てていれば1〜2人の議員を送り出せた計算になる。
それもあってか、政界進出への意欲は衰えていない。
幸福実現党は現段階で、次期衆院選公認候補として102名を予定している。さらに4月の統一地方選についても、公認候補として数名が出馬予定だ。
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