2011年4月5日12時53分
一方で1号機は、圧力容器内の圧力が5日午前6時現在で3〜6気圧という値を示しており、一定程度密閉性が保たれているようだ。
1号機の圧力容器内の温度を下げるためには、注水して燃料を水で冷やすほかない。しかし、高温の状態の中に水を入れると、熱で蒸気が発生して内部の圧力を高めてしまう。実際に3月23日に水の量を毎時2トンから18トンに増やしたところ圧力が高まった。水素や水蒸気爆発につながる恐れもあるため、現在6トンまで水を減らしている。
圧力容器の底部の温度は115度と上部が200度を超えているのと比べると低い。注入している水が下部から入っているためで、上部は燃料が露出して破損し温度が高いとみられる。
5日午前現在、2号機からの高濃度の放射能汚染水の海への流出が止まっていない。同日午後から、汚染水がたまっている穴の下に敷き詰められた砕石の部分に、ガラスや陶磁器の接着剤などの成分に使われる硬化剤を入れる工事を始める。
また、高濃度の放射能汚染水を収容する場所をつくるために、4日夜に始まった比較的汚染度の低い水の海への放出は5日も続けられている。5、6号機の建屋周辺の地下水は5日に300トンを海に放出、放射性廃棄物処理施設にたまった水は約4800トンを出す予定だ。
さらに、タービン建屋で復旧作業をするための障害になっている、地下の高濃度の放射能汚染水のたまり水を復水器に入れなければならない。このため、復水器にたまっている水を復水貯蔵タンクに移す作業が5日も1、2号機で続けられている。3号機でも5日に始める予定だ。