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気象庁が放射性物質の拡散予測 国内では公表せず

2011年4月4日22時1分

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 気象庁が、福島第一原子力発電所の事故を受けて放射性物質の拡散を予測し、国際原子力機関(IAEA)に提供していたことを、枝野幸男官房長官が4日の記者会見で明らかにした。同庁は、国内対策の参考にならないことなどを理由に公表していなかったが、枝野長官は「公表すべきだった」と述べた。

 国の防災基本計画では、放射性物質の拡散は文部科学省所管の緊急時迅速放射能影響予測(SPEEDI)で予測することになっている。気象庁が行っていた予測はこれとは異なり、世界気象機関(WMO)の枠組みの中で実施され、放射性物質が地球規模でどのように広がるかを予測するのが狙いだ。

 具体的には、IAEAが放出継続期間や放出物などのデータを気象庁に提示。同庁が気象条件を加味して予測し、東日本大震災が起きた3月11日以降、1日1〜2回報告している。

 枝野長官は会見で、気象庁が公表してこなかった理由について、予測が仮定の数値に基づくことや、対応している範囲が100キロ四方のマス目で区切られていて粗く、国内の対策の参考にはならないと説明した。気象庁企画課は「国の仕組みとしてはSPEEDIがある。IAEAのデータの根拠も把握しておらず、公表は適切でないと考えているが、隠す必要もないので、要望があれば公表したい」としている。

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