たつの市は新年度から、生活道路や側溝など公共施設の補修を自主的に行う住民グループに対し、砂利やセメントなどの資材を年間20万円分を限度に支給することを決めた。市民参画の市政に向けた「自立のまちづくり事業」の一環。事業費312万円を新年度一般会計予算案に計上しており、4月から募集を開始する。
市は昨年10月、行政改革大綱の見直し編として「まちづくり改革プラン」を策定した。その中で、規律ある行財政の確立に向けた事務事業の見直しとともに、市民主体のまちづくり促進を明記。その具体化として公共施設補修への現物支給を計画した。
支給対象となる施設は、市道以外の生活道路や農道、用排水路、都市公園、植栽など。舗装やわだちの穴埋め、のり面補修などに必要なアスファルトや生コン、U字溝などを支給する。支給資材の限度額は1団体につき年間20万円で、分割も可能。
実施主体は地域の自治会や婦人会、子ども会のほか、NPO団体、事業所、有志の集まりなど5人以上のグループであればよい。4月10日の市広報に募集要項を掲載し、審査のうえ、支給団体を決定する。市は「行政に依存しがちな市民意識の改革が最大の狙い。費用助成ではなく、現物支給は珍しいのではないか。住民間の連帯感や愛郷心の向上にもつながるはず」と事業の効果を期待している。
問い合わせ先はたつの市行政改革推進室(0791・64・3199)。【渕脇直樹】
〔播磨・姫路版〕
毎日新聞 2011年3月17日 地方版