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[事件]ニュース
野外に水冷却装置検討 福島原発1~3号機
2011.4.6 01:30
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深刻な状況が続く東京電力福島第1原発事故で、政府と同社で設置した事故対策統合本部が、1~3号機の原子炉を安定的に冷やすため、建屋外部に水の循環・冷却システムを新たに構築することを検討していることが5日、分かった。既存のシステムの復旧が大量の汚染水に阻まれ、難航しているうえ、配管などの損傷によって水を循環させると汚染水として漏出する可能性があるためだ。放射線量の低い外部に構築すれば、作業員の被(ひ)曝(ばく)線量を抑えるメリットもある。
既存設備の復旧と同時並行で進める。原子炉から建屋外に出ている5本の配管のうち2本を利用、途中に熱交換冷却装置を仮設してループ状につなぐ案などが浮上しており、必要な機材など具体的な調査に入る。大がかりな作業のため、月単位の時間がかかる可能性もあるが、既存設備の復旧よりも早いとの見方もある。実現すれば、原子炉冷却は大きく前進する。
震災時に運転中だった1~3号機の原子炉には、外部から仮設ポンプで注水を続けているが、すぐに蒸発する高温状態にある。大量に注水すると、蒸気で圧力が上昇し、原子炉が破損する危険性が高まる。また一部溶融した燃料棒に触れ、高濃度の放射性物質(放射能)を含み、圧力容器や格納容器、配管の損傷から漏出し、汚染水が増え続ける悪循環にある。
注水だけで原子炉を100度未満の「冷温停止」状態にするのは難しく、水を循環させ、海水との熱交換で水を冷やす「残留熱除去システム」の復旧が不可欠。しかし、建屋内の汚染水と高い放射線量でシステムに外部電源を接続する作業は中断。故障や損傷のチェックもできないでいる。
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