東日本大震災

文字サイズ変更

福島第1原発:1~4号機回復目指す 6号機は制御可能に

福島第1原発の通電状況
福島第1原発の通電状況

 東日本大震災で被災した東京電力福島第1原発は23日午前、電源喪失による相次ぐ水素爆発などで損傷が激しい1~4号機を中心に電源復旧作業を続けた。6号機は、同日までに非常用電源から外部電源に切り替え、5号機に続き原子炉が制御できる状態になった。一方、経済産業省原子力安全・保安院によると、同日までに1~4号機の計測機器の電源が復旧した結果、1号機の圧力容器の温度が上昇していることが判明、同日未明に海水の注入量を増やした。また2号機タービン建屋内で数日前に毎時500ミリシーベルトの放射線量を観測したと発表した。原因は不明。【江口一、関東晋慈】

 東電は、22日夜に通電を再開し照明がともった3号機の中央制御室に続き、空調や計器類を含めて1~4号機の制御室機能の完全復旧を急ぐ。また3、4号機については、原子炉や使用済み核燃料プールに水を注ぐ「補給水系」といわれる注水ポンプに問題がないことも判明し、その復旧作業も急ぐ方針だ。

 一方、爆発などの影響が比較的小さいと見られていた1、2号機では、外部から使用済み核燃料プールへの放水ができないことから、この補給水系注水ポンプの復旧を優先していたが、津波で交換が必要な状態と判明。さらにこれ以外の冷却システムも点検中だが海水で故障していたり、原子炉建屋内にあって放射線量が高く、近づけないなど、復旧作業は難航している。

 東電によると、補給水系ポンプは、「例えていえば、原発内で水道のような役割を果たす」もの。施設内のあらゆる機能に水を供給でき、原子炉や使用済み核燃料プールへの注水機能としても使える。このため復旧を急いでいるが、冷却機能の完全復旧には、他に海水を介して原子炉内の循環水を冷やしたり、原子炉内にたまった熱を取り除く機能の復旧なども欠かせない。これには水を送り出すポンプやモーターの機能だけでなく、配管などの点検も必要となるため、作業は長期間、かかる見通しだ。

 一方、保安院によると、1号機の圧力容器内の温度が上昇したため、23日未明から圧力容器内への海水注入量を1時間当たり2トンから18トンに増量した。

毎日新聞 2011年3月23日 11時45分(最終更新 3月23日 13時27分)

PR情報

スポンサーサイト検索

東日本大震災 最新記事

東日本大震災 アーカイブ一覧

 

おすすめ情報

注目ブランド