汚染水流出防ぐ特殊薬剤注入
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汚染水流出防ぐ特殊薬剤注入

4月5日 18時24分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

東京電力福島第一原子力発電所2号機に設けられた「ピット」という施設で続く汚染された水の海への流出を止めるため、東京電力は、5日午後3時ごろから「水ガラス」と呼ばれる特殊な薬剤を注入する作業を行いました。

福島第一原発2号機のピットと呼ばれる施設から、海に向けての高濃度の放射性物質を含んだ水の流出は、見つかって3日がたっても止まっていません。東京電力は、これまでにコンクリートを流し込んだり、ピットにつながる配管に水を含むと膨張する「吸水性ポリマー」を投入したりしましたが、目立った効果は上がりませんでした。このため、東京電力は、汚染された水が配管の亀裂などから下にある石を詰めた層にしみ出し、それがピットを通じて海に流れ出しているとみて、新たに穴を掘って石を詰めた層に白い粉末を流したところ、ピットから白い水が流れ出し、流出経路の可能性が高まったということです。これを受けて東京電力は、5日午後3時から「水ガラス」と呼ばれる特殊な薬剤を石を詰めた層に流し込み、水の通り道を塞ぐ作業を始めました。また、東京電力は、海に流れ出た水が周辺に拡散するのを防ぐため、防波堤の崩れた部分に止水板を設置することを検討しているほか、ピットからの水が流れ込んでいる2号機の取水口付近など海の中の合わせて3か所に「シルトフェンス」と呼ばれるカーテン状の覆いを設置することを計画しています。一方、原発のタービン建屋では、汚染された水を取り除くための作業も続けられています。取り除いた水をためる復水器を空にする作業は、1号機、2号機に加えて、3号機でも5日中に始まる予定で、いずれも復水器が空になりしだい、作業の妨げとなっている高濃度の放射性物質に汚染された水を排水する計画です。