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7年ぶり解決 住民安堵

2011年03月28日

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捜査本部となっている宇城署内の会議室

  7年前に起きた未解決の殺人事件が26日、急展開した。2004年3月に宇土市で医師の妻を殺害し、現金を奪ったとして県警に強盗殺人容疑などで再逮捕されたのは、2月に熊本市で夫婦が殺傷された事件をめぐり強盗殺人罪などで起訴された同市城南町丹生宮、無職田尻賢一容疑者(39)。この事件との類似性が7年前の犯行を解くかぎとなった。宇土市の現場周辺の住民からは安堵(あん・ど)の声が聞かれた。

  宇土市走潟(はしり・がた)町の「走潟町医院」院長の中津卓郎さん(61)宅で、妻の千鶴子さん(当時49)が頭や顔を鈍器で殴られ、血まみれで死亡した状態で見つかったのは04年3月13日。以来、県警はのべ3万5千人の捜査員を投入し、約2千人の不審者を洗い出すなどしたが、有力な情報は得られずに捜査は難航した。

  県警によると、田尻容疑者は当時、捜査線上に浮かんでいなかった。それが2月の強盗殺人事件後、県警は、裕福そうな家を狙っている点や侵入方法、犯行態様など共通点に着目。7年前の事件についても田尻容疑者を取り調べたところ、今月23日になって犯行を自供したという。

  24日には、田尻容疑者の供述に基づいて捜索した熊本市富合町の山中から、田尻容疑者の靴、被害品とみられるものを発見し、押収。その中には千鶴子さんのキャッシュカードもあったという。さらに、田尻容疑者が当時使用していたという緑色の普通乗用車は、事件発生時に現場周辺で目撃された不審車両の特徴とも一致したという。

  事件が解決に動き出し、千鶴子さんの長女(26)は「あきらめていたところもあったのでホッとしています。だが、なぜ母が殺されなければならなかったのかという思いは消えません」と話した。現場近くに住む女性(73)は「7年間不安だったが、ようやく安心した」。一方で事件については「千鶴子さんは本当にいい人だった。容疑者とは何にも関わりがなかったというのに、かわいそう」と悔やんだ。

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