「医院長宅 裕福そうで狙った」田尻被告供述
熊本県宇土市で2004年、医院長の妻、中津千鶴子さん(当時49歳)が殺害された事件で、強盗殺人などの容疑で再逮捕された熊本市城南町、無職田尻賢一被告(39)(別の強盗殺人などの罪で起訴)が、「(事件の)数年前に宅配便の仕事で被害者宅を訪れたことがあり、裕福そうだったので狙った」と供述していることが、熊本県警への取材でわかった。
県警は27日、田尻被告を強盗殺人などの容疑で熊本地検に送検した。
県警の発表によると、田尻被告は04年3月13日、宇土市走潟町の「走潟町医院」院長、中津卓郎さん(61)方で、千鶴子さんの頭部を鈍器で殴るなどして殺害し、約10万円やバッグなどを奪って逃走した疑い。
田尻被告は、今年2月に熊本市内の夫婦を殺傷し、現金などを奪ったとして強盗殺人などの罪で起訴された事件でも、「被害者宅を引っ越しの仕事で訪れたことがあり、狙っていた」と供述している。
卓郎さんは27日、県警を通じてコメントを発表した。「妻は子供にとっては良き母であり、私にとっては良き伴侶でした。犯人について絶対に許すことはできません。悲しみやつらさは言葉で言い表すことができませんし、生涯、消えるものではありません」と心境をつづっている。
(2011年3月28日 読売新聞)