東京海洋大学職員の懲戒処分等の公表について
Last Update : 2011-04-05 09:51
平成 23 年 4月 5日
国立大学法人 東京海洋大学
国立大学法人 東京海洋大学
東京海洋大学職員の懲戒処分等の公表について
この度、平成23年4月5日に、下記のとおり当事者等に対し処分を行いましたので公表します。
記
1 処分年月日 平成23年4月5日
2 被処分者及び処分内容
准教授A(海洋科学部) (30歳代・男性) 停職2ヶ月
教授B(海洋科学部) (40歳代・男性) 停職14日
教授C(海洋科学部) (50歳代・男性) 戒告
3 処分事案の概要
本学の教員の選考は、原則として応募者による研究業績等をもとに、教員選考委員会において数次の選考を経て候補者を
1名に絞り込み、教授会における審議(投票を含む。)が最終審査となる。本件処分の件については、平成20年8月15日を応
募期限とした公募に対し8名の応募があり、数次の選考を経て、最終候補者となった准教授Aについて、平成21年5月14日
の教授会で最終審査が行われ、選考された。
<准教授A>
准教授Aは、応募時の研究業績のうち分担執筆していた著書の原稿2編を「印刷中」として記載した。一般に著書における
「印刷中」とは、原稿が出版社に入稿された以降のものをさすが、同人の著書原稿2編は、編著者への原稿提出の段階であ
り当該著書を「印刷中」とする表記は到底認められるものではない。なお、当該著書は、准教授Aが採用された後の平成22
年6月に出版されている。
また、学術論文において「投稿中」としていたもののうち1編については、とりまとめである研究代表者が実際には投稿して
いなかったことが判明した。同人は応募にあたり記載内容について厳正に記載する責務があるが、確認を行うことなく応募書
類に「投稿中」と記載した。なお、当該学術論文については、最終審査が行われた教授会の研究業績資料には記載されてい
ない。
准教授Aのこれらの行為は、研究者が有すべき倫理・規範から著しく逸脱した行為であり、今回の処分となった。
<教授B>
教授Bは、准教授Aが研究業績において「印刷中」と記述した著書の編著者であり、かつ、本件教員選考委員会の一委員
でもあった。
同人は、当該著書の出版に至るまでの状況の変化を最も熟知した者であり、原稿が出版社に入稿しておらず、出版予定が
大幅にずれ込むことを承知しながら、数次にわたる選考過程において、准教授Aが記述した「印刷中」という研究業績の記述
について、何らの指摘も行わなかった。
同人のこの行為は、公平・公正であるべき教員選考に対する信用を大きく傷つけ、ひいては、大学の信用を失墜させること
となり、その責任は極めて大きい。
加えて、本件に関する調査過程において、同人は就業規則に違反して無届けで兼業を行い、かつ大学を離れて兼業に従
事していることが判明した。
このことは重大な職務規律違反であり、それも含めて、今回の処分となった。
<教授C>
教授Cは、本件採用人事の教員選考委員会委員長であり、当該委員会の運営等に対して責任ある立場にあるが、当該委
員会の適正な運営を著しく怠った。また、同人は委員長としての職責上、応募者から提出された研究業績が真正なものであ
るか確認する義務を負っているが、その確認が適正に行われなかった。
同人のこれらの行為は、公平・公正であるべき教員選考に対する信用を大きく傷つけ、ひいては、大学の信用を失墜させた
ものであり、当該教員選考委員会委員長としての責任は重大であることから、今回の処分となった。
4.学長コメント
今般、社会的な責務を有する本学が、公平・公正であるべき教員選考に対する信頼・信用を貶めるような事態を招いたこと
について、皆様に心からお詫び申し上げます。
今回の事態は、研究業績の取扱い及び教員選考委員会の運営について厳正さを欠いたために生じたものであると深く反省
しております。
本学としては、事態の深刻さを真摯に受け止め、今後二度とこのような事態が生じないよう、徹底して再発防止に取り組ん
でいく所存です。
本件に関する問合わせ先
東京海洋大学 総務部総務課広報室長 小野(直通03-5463-0353)