木走正水(きばしりまさみず)
1日付けの産経新聞記事から。
地震や津波は天災であり、今回の津波によりすべての電源が失われた福島第一原発の事故も、「想定外」の大津波に襲われた天災であるとも言えましょう。
しかし、この津波は「想定外」ではなく3年前から予測されていたとすれば、対策を怠っていた東京電力側の「人災」の側面が浮上することでしょう。
まだまだ事故が予断を許さない現況で責任追及の話は建設的ではありませんが、完全に解決するのはおそらく年単位の時間が必要と思われます。
今回の津波に警鐘を鳴らしていた人たちがいたことを忘れぬためにも、そして今後の原子力発電の安全対策に反映させるためにも、まとめておくことにします。
・・・
豊浜トンネルは、北海道後志管内の余市町と古平町とを結ぶトンネルで国道229号線にあります。
平成8(1996)年2月10日、古平町側の坑口付近において重さ27,000tと推計される岩盤が大崩落し、トンネル内を走行中だった路線バス(乗客18名、運転手1名)と後続の乗用車(1名乗車)の2台が直撃を受け、20名全員が死亡した惨事が起こりました。
安全対策を怠ったとして北海道開発局の元幹部2名が書類送検されますが、不起訴処分となります。また遺族の一部は責任を追及しようと、道路管理者である国を相手取り民事訴訟を起こしまして、判決では賠償金の支払いは命じたものの、責任については明確にされませんでした。
この事故を受けて国は全国の国道の危険箇所の見直しと総点検、あわせて国道防災管理の強化を建設省(当時)に指示、道路防災管理システムというITシステム化を目指すことになります。
一言で言えば、国道ごとに、崩落、落石、亀裂などの危険箇所をその位置情報、画像情報、状況、地質資料等をデータベース化し、コンピュータで管理させ、画面上で地図情報とともに閲覧可能とするGIS(地理情報システム)であります。
私は当時、IT技術屋として地質調査屋さんや建設省の技師とともに共同でこのシステム作成とデータベース化のお手伝いをしました。
データベース化において、私は東北・北陸地区を担当しました、いくつかの国道の現地にて建設省の技師、国道管理者、地質調査技師とともに危険箇所を車で回り、危険箇所の状況に応じて写真撮影や必要ならば地質調査をしそれらの情報を電子化しデータベース化します。
もちろんすべての国道の危険箇所を私たちが回ることは物理的に不可能ですから数箇所回っては、同行している現地の国道管理者にシステムの操作方法を習得していただき、後は現場にまかせて次の国道に移動するというスケジュールで、それでも一月ほど時間を要したと記憶しています。
「日米同盟や日本、米国人に誇り」キャンベル国務次官補たしかにキャンベル米国務次官補の言うとおり、今の日本は「いずれか一つでも国が屈服するような事態」である地震と津波と原発事故の「三つの災難」に襲われている国難にあります。
2011.4.1 10:47
キャンベル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は3月31日、下院外交委員会アジア・太平洋小委員会の公聴会後、記者団に対し東日本大震災について「日米同盟や日本、米国人に誇りを持っている」と述べ、被災地支援における両国の連携に満足感を示した。
キャンベル氏は「日本が直面している巨大な試練に対処するため、24時間働いているすべての人々を強く信頼している」と述べ、今後もできる限りの支援を行っていく考えを強調した。
また同小委員会に提出した書面証言で、日本が地震と津波と原発事故の「三つの災難」に襲われ「いずれか一つでも国が屈服するような事態だ」と指摘。しかし「日本政府と国民は勇敢に対応し、より強い日本を築き上げる意志を示している」として、日本の対応を評価した。(共同)
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110401/amr11040110490007-n1.htm
地震や津波は天災であり、今回の津波によりすべての電源が失われた福島第一原発の事故も、「想定外」の大津波に襲われた天災であるとも言えましょう。
しかし、この津波は「想定外」ではなく3年前から予測されていたとすれば、対策を怠っていた東京電力側の「人災」の側面が浮上することでしょう。
まだまだ事故が予断を許さない現況で責任追及の話は建設的ではありませんが、完全に解決するのはおそらく年単位の時間が必要と思われます。
今回の津波に警鐘を鳴らしていた人たちがいたことを忘れぬためにも、そして今後の原子力発電の安全対策に反映させるためにも、まとめておくことにします。
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豊浜トンネルは、北海道後志管内の余市町と古平町とを結ぶトンネルで国道229号線にあります。
平成8(1996)年2月10日、古平町側の坑口付近において重さ27,000tと推計される岩盤が大崩落し、トンネル内を走行中だった路線バス(乗客18名、運転手1名)と後続の乗用車(1名乗車)の2台が直撃を受け、20名全員が死亡した惨事が起こりました。
安全対策を怠ったとして北海道開発局の元幹部2名が書類送検されますが、不起訴処分となります。また遺族の一部は責任を追及しようと、道路管理者である国を相手取り民事訴訟を起こしまして、判決では賠償金の支払いは命じたものの、責任については明確にされませんでした。
この事故を受けて国は全国の国道の危険箇所の見直しと総点検、あわせて国道防災管理の強化を建設省(当時)に指示、道路防災管理システムというITシステム化を目指すことになります。
一言で言えば、国道ごとに、崩落、落石、亀裂などの危険箇所をその位置情報、画像情報、状況、地質資料等をデータベース化し、コンピュータで管理させ、画面上で地図情報とともに閲覧可能とするGIS(地理情報システム)であります。
私は当時、IT技術屋として地質調査屋さんや建設省の技師とともに共同でこのシステム作成とデータベース化のお手伝いをしました。
データベース化において、私は東北・北陸地区を担当しました、いくつかの国道の現地にて建設省の技師、国道管理者、地質調査技師とともに危険箇所を車で回り、危険箇所の状況に応じて写真撮影や必要ならば地質調査をしそれらの情報を電子化しデータベース化します。
もちろんすべての国道の危険箇所を私たちが回ることは物理的に不可能ですから数箇所回っては、同行している現地の国道管理者にシステムの操作方法を習得していただき、後は現場にまかせて次の国道に移動するというスケジュールで、それでも一月ほど時間を要したと記憶しています。
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