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■ 「トモダチ作戦」海兵隊に密着
今回の震災直後から、アメリカ軍は「トモダチ作戦」と称して、過去最大規模の災害支援を行っています。宮城県気仙沼の沖合にある、今もほぼ孤立状態の島で瓦礫の除去作業などに当たっている海兵隊の活動に密着しました。
宮城県沖で活動する、アメリカ海軍の強襲揚陸艦「エセックス」。戦地や被災地に物資と人員をいち早く届けるのが役割のこの船で、3日夜明け前、海兵隊の兵士たちに集合がかかりました。 「遺体を発見しても決して触れるなよ。日本側に知らせて収容してもらうことになっているから」(海兵隊員) 彼らは沖縄のキャンプ・ハンセンを拠点とする、第31海兵遠征部隊の兵士たち。イラク戦争に派遣されたこともある、海兵隊の精鋭部隊です。 「準備はいいか?乗り込め」(海兵隊員) テントや寝袋など、野営生活に必要な装備を背負ったおよそ170人の兵士たちが乗り込むのは、「エセックス」に備えつけられた2艇の上陸用舟艇。水深の浅い場所への上陸に使われるものです。 大量の援助物資や重機のすき間を埋めるように乗り込んだ兵士たち。吹きすさぶ三陸沖の冷たい海風に、思わず身を縮めます。 「日本の人々を助けるために、自分ができるかぎりのことをしたい。今は寒さをしのぐので精いっぱいだけどね」(海兵隊員) 3日早朝、沖合の艦船から上陸用の船で運ばれてきたアメリカ海兵隊の兵士たちと重機が、気仙沼湾の大島に到着しました。人口およそ3500人。観光と漁業が盛んな島として知られる大島は、津波で壊滅的な被害を受けたものの支援の手が届かず、しばらく孤立状態となっていました。 物資が届くようになった今でも自衛隊の手が回らず、瓦礫はほとんど手つかずのままとなっています。 アメリカ軍が主に行っているのが、島の人々の生活に欠かせない浦の浜港周辺の復旧作業です。陸上自衛隊と海上自衛隊から派遣された隊員が、島の人たちが何をしてほしいのかを伝える調整役を務めています。 「本当に穏やかで、皆さんに親切にしていただいてありがたいです」(島の女性) 「助かりますね」(島の男性) 実は、ほとんどの海兵隊員にとっては、「トモダチ作戦」の派遣命令を受けて17日に宮城沖に到着して以来、これが初めての本格的な活動となります。 「長い間待ちました。皆早く船を下りて大島の人たちを助けたかったので、やっと叶いました」(海兵隊員) アメリカ軍は、今週中には港周辺の瓦礫の撤去を終えたいとしています。作業が始まってまだ3日目ですが、兵士たちにとって大島は既に特別な存在になっているようです。(04日18:08)
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