【 Intel(インテル)社の一般的な CPU 】
Core i7 (2008年末から登場、高性能型 CPU) |
Intel(インテル)社が2008年11月に発表した、最新型のCPUです。
「コア」(処理を行う中心部分)が4つある「クアッドコア」の CPU で、複数の作業を同時に行う事ができます。
メモリとデータをやり取りする速度も大幅に向上しており、最新型のメモリの性能を引き出す事ができます。
また、コアが複数ある CPU は1つあたりのコアの性能が低めになる欠点がありましたが、使っているコアに電力を集中し、使用中のコアの性能を高める技術(ターボブーストテクノロジー)が導入されています。 |
Core i5 (700 シリーズ) (2009年秋から登場、中間型の CPU) |
Intel 社が2009年10月に発表した中間性能型の CPU です。 Core 2 Quad という CPU の後継とされています。
「クアッドコア(コアが4つ)」の CPU で、Core i7 の新技術を応用して作られています。
基本的な性質は Core i7 と変わりませんが、Core i7 にある「ハイパースレッディング」という技術(CPU がその時に使っていない部分を有効利用して、1つのコアで2つの作業をするもの)は使用されていません。
しかしそのぶん、消費電力や発熱が抑えられています。
価格も Core i7 より安く、中間性能型の CPU として売り出されています。 |
Core i5 (600 シリーズ) (2010年初頭に登場、中間型の新 CPU) |
Intel 社が 2010 年1月に発表した、Core i5 の新型です。
名前は同じ「Core i5」ですが、性質が大きく変わっているため、ここでは別の CPU として紹介します。
コア(処理を行う中心部分)が2つの「デュアルコア」の CPU で、コアが4つある Core i5 700 番シリーズよりコア数が少ないのですが、「ハイパースレッディング」(1つのコアで2つの作業が行える技術)が使用されていて、同時に行える作業の数を補っています。
また、コアが少なくなった分、コア1つあたりの性能(クロック数)は引き上げられています。
グラフィック(画像や映像)を表示する機能を内蔵しており、ビデオカード(グラフィックカード)がなくても、この CPU 単体で画面を表示できるようになっています。(ただしその性能はビデオカードには劣ります)
消費電力はさらに抑えられており、新しい中間型の CPU として発売されています。 |
Core i3 (2010年初頭に登場、廉価型の CPU) |
Intel 社が 2010 年1月に発表した、Core i7 や Core i5 の技術を応用して作った低価格型の CPU です。
「デュアルコア(コアが2つ)」の CPU ですが、「ハイパースレッディング」(1つのコアで2つの作業が行える技術)によって同時に4つの作業(4スレッド処理)を行えるようになっています。
しかし Core i7 や Core i5 にある、「ターボブーストテクノロジー」(使っているコアに電力を集中させて、その性能を高める技術)は導入されていません。
Core i5 600 シリーズと同じく、グラフィック表示機能を内蔵しています。
性能は Core i5 より下ですが、そのぶん低価格となっており、安価な新型パソコンによく使用されています。 |
※ Core i7 / i5 / i3 の特徴一覧表
|
コアの数 |
ハイパー
スレッディング |
同時処理数
(スレッド数) |
メモリ
使用数 |
ターボブースト
テクノロジー |
グラフィック
機能内蔵 |
Core i7 900 |
4 |
あり |
4×2 |
3枚1組 |
あり |
なし |
Core i7 800 |
4 |
あり |
4×2 |
2枚1組 |
あり |
なし |
Core i5 700 |
4 |
なし |
4 |
2枚1組 |
あり |
なし |
Core i5 600 |
2 |
あり |
2×2 |
2枚1組 |
あり |
あり |
Core i3 |
2 |
あり |
2×2 |
2枚1組 |
なし |
あり |
|
Core i7 / i5 / i3 (2000 シリーズ) (2011年1月に登場、新型 CPU) |
Intel 社が 2011年1月に発売した最新型の CPU です。
俗に「Sandy Bridge」(サンディブリッジ)や、「第2世代 Core i」とも呼ばれます。
中間価格の最新 CPU として販売されており、購入しやすい値段でありながら、用途によっては従来の最上位型よりも高い性能を発揮するコストパフォーマンスに優れた CPU となっています。
さらに消費電力が軽減され、全ての CPU に新型の「内蔵グラフィック機能」も搭載されました。
しかし作業に得手不得手があり、ソフトウェアによっては従来型と同程度の性能しか出ない事もあるようです。
Core i7 800 シリーズと Core i5 / Core i3 の後継型と言えますが、使用するマザーボードが異なるため、以前の Core i シリーズのパソコンに、この CPU を取り付ける事は出来ません。
※2011年2月、この CPU を使うマザーボード(チップセット)に欠陥が見つかってリコール(回収)対象となり、この CPU を使うパソコンの多くは出荷が停止されました。
このマザーボードには HDD/SSD を取り付ける SATA というスロット(取付口)が SATA3 と SATA2 の2種類用意されているのですが、そのうち SATA2 のスピードが低下してしまうという問題が起こっています。
ただ、新型の SATA3 スロットは2つ用意されていて、こちらで SATA2 の HDD/SSD も使えるので、SATA2 のスロットを使わなければ特に問題はありません。
よって、HDD/SSD を3つ以上取り付ける人でないと困ることはないので、メーカーによって対応はまちまちです。
この欠陥の発覚によって新型 Core i の普及は大きく遅れていましたが、現在は問題を修正した「B3ステップ」と呼ばれるチップセットが出回り始めたため、トラブルは終息に向かっています。 |
Core 2 Duo (2006年から登場、当時の高性能型 CPU) |
Intel(インテル)社が 2006年の7月に発表した、主流の CPU です。
「コア」(処理を行う中心部分)が2つある「デュアルコア(Dual Core)」の CPU であり、同時に2つの作業を平行して行えます。
最新技術により速い処理速度を持ち、消費電力や発熱も低くて、価格も一般的というとても優れた CPU でした。
デスクトップパソコン用のものと、ノートパソコン用のものの2種類が存在します。
現在は Core i7 や Core i5 の登場と、Core 2 Quad の低価格化によって、徐々に旧式化しています。
しかしノートパソコンではまだまだ主流の CPU です。 |
Core 2 Quad (2007年から登場、高性能型 CPU) |
Intel 社が 2007 年に入って発表した、「コア(中心部)」 が4つある CPU です。
最初の「クアッドコア(Quad Core)」の CPU で、同時に4つの作業を平行して行えます。
対応したソフトを使う場合や、たくさんのソフトを一度に動かす場合に、処理を4つに分散して行えるため処理効率が上がります。
高かった価格も徐々に下がっており、現在は一般化しています。
2009年の春までは最上位クラスの CPU でしたが、Core i7 の登場によって中間型の性能となりました。 |
Celeron (CeleronD、CeleronM) (1998年から登場、廉価型 CPU) |
Intel 社の廉価版CPUです。 最大の特徴はコストパフォーマンスで、値段が安いのが大きな特徴です。
能力は他の CPU に劣りますが、ホームページを見たり、会計ソフトなどの高処理を必要としないソフトを使う範囲であれば、他の CPU と大きく変わりません。
しかし高度な処理を必要とするソフトを使う時や、多くのソフトが同時に動く時は、明らかに他よりも速度が劣ります。
普通のパソコン向けは「Celeron D」、ノートパソコン用は「Celeron M」と呼ばれていましたが、現在は「Celeron」に統一されています。
コアが2つのものは「Celeron Dual-Core」と呼ばれていたのですが、2010年の1月に単なる「Celeron」に改名され、同時にコアが1つの Celeron は製造されなくなりました。
現在は古い Celeron か、コアが2つの新しい Celeron かは名前で区別できず、コア数で確認しなければならないので注意して下さい。 |
Pentium (Dual-Core) (2007年から登場、廉価型 CPU) |
Intel 社の新しい廉価版CPUです。 「Core 2 Duo」の廉価版として開発されたものです。
かつて主流だった Pentium という名前のブランドイメージが強いため、「Pentium Dual-Core」という Pentium と Core
の両方が入っている名前になりました。 「Pentium DC」という略称で呼ばれる場合もあります。
性能的には Core2 世代の Celeron ですが、デュアルコアCPU(コアが2つ)となっています。
高度な処理を必要とするゲームなどでは Core 2 Duo に劣るのですが、Celeron よりは高性能で、お値段も Core 2 Duo と
Celeron の中間ですね。
2010年1月、名前から「Dual-Core」を外して単に「Pentium」にすることが発表されましたが、古い Pentium と呼び名がごっちゃになるため、情報誌やお店ではまだ Dual-Core(DC)を表記している所が多いです。 |
Atom (2008年から登場、小型パソコン、およびモバイル用 CPU) |
Intel 社の小型機器用のCPUです。 2008年の4月に登場しました。
「Core 2 Duo」 の技術を元にして、低価格と低消費電力を目指して開発されたもので、性能は限られていますが携帯電話や小型携帯機器などの CPU としては最適です。
そして2008年には、「Netbook(ネットブック)」 や 「ミニノート」 と呼ばれる小型・軽量・低価格(ただし低性能)のノートパソコンが登場、それに最適な CPU として広く使われるようになりました。
ただ、あくまで小型機向けの CPU であるため、一般のパソコンで使うには性能不足と言えます。 |
【 AMD 社の一般的な CPU 】
Phenom、Phenom X4、Phenom X3 (2007年末から登場、高性能型 CPU) |
AMD 社のクアッドコア(コア4つ)の CPU で、Intel社の Core 2 Quad に対抗して開発されたものです。
2007年末に登場した初期型には欠陥があり、そのため予定されていた性能を発揮できず、2007年度の最大の失敗作と言われる CPU になってしまいました。
2008年にその欠陥が改良された Phenom X4 が登場し、クアッドコア(コア4つ)の CPU としてようやく評価され始めましたが、やはり Core 2 Quad よりも性能が劣り苦戦が続いています。
Phenom X3 はコアが3つの CPU で、その実態は Phenom X4 のコアの1つを無効化し、そのぶん消費電力を減らして、不良品率や価格を下げたものです。 |
Phenom II X4 (2009年の始めに登場、高性能型 CPU) |
AMD 社の Phenom という CPU は初期に欠陥があり、最大の失敗作とまで言われる CPU になってしまいました。
その後、改良が行われて性能も向上しましたが、Core 2 Quad や Core i7 には敵わず、今ひとつな状況が続きます。
そのため、2009年に入って新設計されたものが登場しました。 これが Phenom II です。
Phenom や Core i7 と同じ「クアッドコア」(コアが4つ)の CPU で、内部の細かさ(製造プロセス)も Core i7
や Core 2 Quad と同等のものとなり、さらに様々な新機能や省電力機能にも対応しています。
性能は Core 2 Quad と同等で、Core i7 には敵いませんが価格は Core i7 より安く、コストパフォーマンスに優れます。 |
Phenom II X3、X2 (2009年から登場、廉価型 CPU) |
AMD 社のクアッドコア(コア4つ)の CPU 「Phenom II X4」 のコアを、1つ無効にしてコア3つにしたのが X3、2つ無効にしてコアを2つにしたのが X2 です。
「せっかくのコアを無効にするのは無駄じゃない?」 と思うかもしれませが、この方が消費電力を軽減でき、不良品の出る確率も下げる事ができるそうで、性能は低くなりますが、そのぶん低価格となっています。
工場の仕組みとしても、その方が X4 と同じ生産ラインで作れるので都合が良いようですね。
つまり X3 や X2 は、X4 の低価格型の CPU と言えます。 |
Athlon II X4、X3、X2 (2009年から登場、廉価型の CPU) |
AMD 社の廉価型の CPU で、Phenom II X2 の「キャッシュ」(CPU 内のデータ保存場所)を減らしたものが Athlon X2 です。
低価格の新型 CPU として登場したもので、安くパソコンを作りたい人をターゲットにしていました。
発熱や消費電力が低いのもウリとなっており、Athlon II X2 のコアが3つのバージョンである Athlon II X3、コアが4つのバージョンである
Athlon II X4 も登場しています。
Athlon X4 はクアッドコアの CPU としては最安値と言え、コストパフォーマンスに優れた CPU となっています。 |
Athlon X2 (2007年から登場、当時の高性能型 CPU) |
AMD 社のデュアルコアの CPU で、Intel 社の「Core 2 Duo」に対抗するために発売された CPU です。
しかし基本的な性能はすでに発売されいた「Athlon 64 X2」とあまり変わらず、全く新しい CPU という訳ではありませんでした。
消費電力が低いのがウリとなっており、価格も安めでしたが、Core 2 Duo の性能には敵わず、Core 2 Duo の大ヒットの影響もあって、低電力型の
CPU として一部で使用された程度でした。
現在は Phenom を元にして作られた Athlon II の登場で旧式化しています。 |
Duron、Sempron、Athlon LE (2000年、2004年から登場、廉価型 CPU) |
AMD 社の廉価版CPUで、Celeron のライバルと言えます。
性能的には他の CPU に劣りますが、価格が安いのが最大の特徴で、以前は Celeron より発熱や消費電力が少ないという利点もありました。
Duron は2004年まで使われていた名称で、2004年以降は Sempron という名称に変わりましたが、CPU の特徴は大きく変わっていません。
現在は AMD 社の廉価版 CPU は Athlon II に移行したため、すでに旧式化していますが、ノートパソコン用にメーカーに直接納入される低価格
CPU の中に、Sempron の名前は残っています。 |
Turion (2005年から登場、ノートパソコン用の CPU) |
AMD 社のノートパソコン用の CPU です。 Turion 64、Turion X2 など複数のバージョンがあります。
消費電力と発熱が非常に低いのが特徴で、この点に関しては Intel 社の CPU よりも優れていました。
しかし、Intel 社が Core や Core 2 Duo のノートパソコン用のものを開発したため、性能でそれにら劣る事になり、あまり普及しませんでした。
新型の Turion II は一部のノートパソコンやミノノート(ネットブック)で使われていますが、一般的ではありません。 |
【 高級な CPU 】
Core 980X Extreme (2010年から登場、初の6コアCPU) |
Intel(インテル)社が 2010 年の3月に発表した、コアが6つ(ヘキサコア)の CPU です。
コア6つとしては初の CPU で、そのため話題になりましたが、価格がすごく高いので一般的ではありません。
最高性能の CPU と言えますが、やや試作機・実験機の性質を持つ CPU だと言えます。 |
Core ○○ Extreme (2006年から登場、最高級 CPU) |
Intel(インテル)社が発売している、新型 CPU の最上位版には「Extreme」という名前が付けられます。
最強クラスの CPU と言えますが、お値段がものすごーく高いです!
こうしたモデルは「フラグシップモデル」と呼ばれ、メーカーが技術力を誇示するために作成するという側面もあります。
性能的には最高と言えますが、ものすごーく高く、使うには対応したマザーボード(基盤)も必要です。
要するに、お金持ち用(?)ですね。 |
Xeon (サーバー用CPU) |
Intel(インテル)社が販売しているサーバー用のCPUが「Xeon」です。
「サーバー」とは多くのパソコンが通信を行う時に、その中心となって処理を行うコンピューターのことで、一般のパソコンよりも高い処理能力が必要とされます。
主に企業などで利用されるものであり、一般の人が使う CPU ではありません。
高性能なので、パソコンのマニアだと欲しがる人も多いですけどね。 |
Phenom II X6 (2010年に登場、6コアのCPU) |
AMD 社が 2010 年の5月から発売した、コアが6つもある CPU です。
コアが6つ(ヘキサコア)でありながら、お値段がそんなに高くない、廉価型ヘキサコアと言える存在です。
性能的には Core i7 の普通の4コアクラスと同等で、6コアですがそんなに高性能な訳ではありません。
しかし Phenom II が Core i7 の上位型に性能で追いついた CPU でもあります。 |
Opteron (サーバー用CPU) |
こちらは AMD 社が販売しているサーバー用のCPUです。
やはり企業の大型コンピューター向けのものであり、一般の人が使うCPUではありません。 |
【 昔の CPU 】
Pentium II、Pentium III (1997年、1999年に登場、昔のCPU) |
Intel 社のCPUで、かつて最も普及していた一般的なCPUでした。
その後、後継の Pentium4 にその座を譲っています。 |
Pentium 4 (2000年から登場、かつての高性能型 CPU、現在は旧式化) |
かつて最も普及していた CPU です。 開発したのは Intel (インテル)社です。
安定性が高く、余力もあり、トラブルも少なく、使いやすい CPU でした。
現在は新型の Pentium や Core の登場で旧式化しています。 |
Pentium D (2005年から登場、かつての高性能型 CPU、すでに旧式化) |
「コア」(処理を行う中心となる部分)が2つある「デュアルコア」の CPU として、最初に登場したものです。
同時に2つの処理を行う事が出来るため、実質2つのCPUを積んでいるような使用環境になり、処理能力の向上が計られました。
ただ、すぐにデュアルコアの主流は Core 2 Duo に移ったため、もう旧式となりつつあります。 |
Core (2006年から登場、ノートパソコン用の CPU、すでに旧式化) |
Intel 社のノートパソコン用のCPUです。 2006年1月に登場しました。
「Core Duo」と「Core Soro」の2種類があり、Core Duo の方は Pentium D のようにデュアルコア(コアが2つ)の
CPU となっています。
様々な最新技術に対応し、処理速度を向上させ、ノートパソコンのために消費電力を抑えて発熱も低くなっています。
ただ、この Core の技術を応用して作った新型 CPU が「Core 2 Duo」であり、そのため Core 2 Duo が普及するとこちらはあまり作られなくなりました。 よって短期間で生産は終了していますが、その後の
CPU の礎になったと言えます。 |
Pentium M (2003年から登場、かつてのノートパソコン用 CPU) |
ノートパソコン用のCPUで、熱に弱いノートパソコンを守り、バッテリーも長持ちさせるために消費電力を抑えて、発熱量も少なくなっています。 また、新技術によって処理速度も通常の
Pentium より高くなっていました。
その後、Core シリーズの登場によって、古いタイプとなりました。 |
Pentium EE (2004年〜2006年、かつての最高級 CPU) |
Intel 社の最高ランクの CPU でした。 EEとは「エクストリーム・エディション」の略です。
シングルコア(コアが1つ)の 「Pentium4 EE」 とデュアルコアとなった 「Pentium EE」 があり、高性能でしたが、値段がすご〜く高い、お金持ち用の CPU でした。 Core 2 Duo の登場により現在はすでに旧式化しています。 |
K6、K6-2、Athlon (1997年、1998年、2000年に登場、昔のCPU) |
AMD 社の昔のCPUで、K6 が PentiumII、Athlon が PentiumIII のライバルでした。
K6-2 は値段が安めの CPU で初期の Celeron のライバルと言えました。 |
Athlon XP (2001年から登場、かつての高性能型 CPU) |
AMD 社のCPUで、Pentium4 のライバルでした。
高性能な割に値段が安めという、お得なCPUとして普及しました。
現在は Athlon64 の登場で旧式化しています。 |
Athlon 64 (2004年から登場、かつての高性能型 CPU) |
Athlon XP の上位版の CPU です。 Pentium4 の後期型のライバルでした。
Intel 社の Pentium4 とAMD社の Athlon XP は激しい開発競争を続けていましたが、常に Pentium4 が一歩リードする状態が続いていました。 そこで
CPU を設計し直し、「64bit」 という新しいシステムの Athlon として登場したのが Athlon64 です。
AMD社の CPU の中では一番普及していたものの1つですが、現在は旧式化しています。 |
Athlon 64 X2 (2005年から登場、かつての高性能型 CPU) |
デュアルコア(コア2つ)の CPU で、Pentium D のライバルと言えました。
しかし Intel 社が「Core」や「Core 2 Duo」を発売したため、その性能に対抗できず遅れを取る形になり、価格を安くすることで対抗しようとしました。 そのため結果的にコストパフォーマンスで勝負する
CPU となっています。
2008年末、Athlon 64 X2 は全て「Athlon X2」に改名されました。 |
Athlon 64 FX (2004年から登場、かつての AMD 社の最高級 CPU) |
AMD 社の最高ランクだった CPU で、Pentium EE の Athlon 版といった性能です。
PentiumEE と同じく、コアが1つのものと2つのものがあります。
高性能&高価格でしたが、例によってお金持ち用です。 すでに旧式化しています。 |
現在、一般的に普及しているCPUは上記のものです。
廉価版のCPU(Celeron、Athlon)と、上位のCPU(Core、Phenom)ではどのぐらい性能が違うかですが・・・ これは用途によります。
ホームページを見たり会計や表計算のソフトを使う範囲なら、どちらでもあまり変わりません。
しかし、ゲームをやったりビデオ編集をしたりするのであれば、高い処理能力がないと動きが遅くなったり、ぎこちなくなったりしてしまいます。
例えば、もし3Dグラフィックのゲームをやるのであれば、Celeron 2GHz よりも Core 2 Duo の 1.5GHz
の方がスムーズに、かつ高速に動く事でしょう。
CPU 能力の目安にしやすいのはクロック数ですが、CPUの種類も、使用するソフトや用途によってはそれ以上の影響を持つので注意して下さい。
パソコンをいろんな用途で使いたいのであれば、やはり廉価版のCPUよりも、上位 CPU である Core や Phenom の方がいいですね。
最初に、CPU の性能を現す数値として「クロック数」を上げました。
でも最近の CPU は名前にクロック数を表す「MHz」の単位ではなく、「520」とか「2000+」とかの数字が書かれているものが多いです。
これは、今の CPU は特殊技術によってクロック数以上の性能を発揮するようになったため、従来のクロック数の表記のままでは性能をアピールできないという事で、別の表記になったためです。
「プロセッサナンバー」は Intel 社(Pentium や Core など)での呼び名です。
「モデルナンバー」は AMD 社(Athlon など)での呼び名です。
どちらも用途は同じです。 要するに「型番」ですね。
現在は、ナンバーと性能の関連性がなくなりつつありますが・・・
基本的に、ナンバーが高いほど高性能の新しいタイプだと思って構いません。
参考に、最近のCPUのナンバーを少し一覧表記しておきますので、もしナンバーを見る機会があったらチェックしてみて下さい。
【参考:最近のCPUのナンバー】

Intel 社 |
Core i7 |
870、860
930、960
920、940、950
965EE、975EE
980X EE
860S、875K
970 |
Core i7 から型番が3桁になりました。
百の位はCPUの種類、十の位が大きいほど高性能か改良型、一の位は派生型や修正型を表します。
920 と 940 が初期の一般型、965 は Extreme Edition という高性能型、全てクアッドコア。
2009年春に登場した 950 と 975EE は、940 と 965EE を新設計にしたタイプです。
2009年秋には 870 と 860 が登場しており、これは 950 と 920 の改良型で、さらに 870/860 を元に改良した 930
と 960 も登場しています。
980X は2010年の春に登場した6コアのCPUです。 970 もその廉価型の6コア CPU です。
860S は消費電力が低いモデル、875K は性能を調整できるマニア向けです。 |
Core i7
(Sandy Bridge) |
2600、2600K |
2011年の始めに登場したモデル。 サンディブリッジという開発ネームで呼ばれます。
内蔵グラフィック機能があり、新技術が使われていて、消費電力も軽減されています。
2600K は性能の上限をユーザーが調整出来るマニア向け CPU です。 |
Core i5 |
750、750S
680
670、660、650
661、665K |
2009年秋に登場したモデル。 700 番台はクアッドコアです。
750 は最初に登場した上位型、750S はその消費電力軽減型です。
600番台は2010年初頭に登場したデュアルコアでグラフィック機能内蔵の新型です。
661 のみ、内蔵グラフィック機能の性能が他より若干高いです。
680 は2010年夏の新モデル、665K は性能を調整できるマニア向けです。 |
Core i5
(Sandy Bridge) |
2300、2400
2500、2500K |
2011年の始めに登場した「サンディブリッジ」と呼ばれるタイプの Core i5 版。
グラフィック機能を内蔵したクアッドコア CPU で、ハイパースレッディング非対応。
2300 は 2.8Ghz、2400 は 3.1Ghz、2500 は 3.3Ghz です。
2500K は上限性能をユーザーが調整可能なマニア向けです。 |
Core i3 |
540、530 |
2010年初頭に登場した CPU。 デュアルコアでグラフィック機能内蔵型。
ハイパースレッディングやターボブーストテクノロジーには非対応。
540 は 3.06 GHz、530 は 2.93 GHz です。 |
Core i3
(Sandy Bridge) |
2100、2120 |
2011年の始めに登場した「サンディブリッジ」と呼ばれるタイプの Core i3 版。
グラフィック機能内蔵のデュアルコア CPU でターボブーストテクノロジー非対応。
2100 は 3.1Ghz、2120 は 3.3Ghz です。 |
Core i7
(モバイル型) |
940XM、920XM
820QM、720QM
640、620
M、LM、UM |
900、800、700 番代は2009年秋に登場したノートPC用の Core i7 でクアッドコア。
640 と 620 は2010年に登場したノートPC用の Core i7 ですがデュアルコア、しかし消費電力は旧タイプより低くなっていて、コア1つあたりの性能も向上しています。
M、LM、UM の3種類があり、後者ほど消費電力が低いですが、性能も低くなります。
600 はグラフィック機能を内蔵していて性質としては Core i5 や Core i3 に近いです。 |
Core i5
(モバイル型) |
540、520、430
M、UM |
ノートパソコン用の Core i5 でデュアルコア。 グラフィック機能を内蔵。
M、UM があり、UM は消費電力が半分ですがクロック数も半分以下です。
520M だと 2.4 GHz ですが 520UM だと1.06 GHzです。 |
Core i3
(モバイル型) |
350M、330M など |
ノートパソコン用に消費電力を抑えた Core i3。 グラフィック機能内蔵。
このタイプの Core i7、Core i5、Core i3 は2010年初頭に同時発売されました。 |
Core 2 Duo
(一般型) |
E8200〜E8600
E6300〜E6850 |
E6000番台が2007年までのタイプ。
E8000番台は2008年以降の新型タイプです。
百の位が大きいものほど高性能で、十の位が高いものは改良型や新型を意味しています。 |
Core 2 Duo
(廉価型) |
E7200〜E7600
E4300〜E4700 |
E4000番台は少し古いマザーボードでも使えるようにしたやや性能の低い廉価版のタイプで、E7000番台はその廉価版 CPU の新型です。
E4000番台はE6000番台の廉価型、E7000番台はE8000番台の廉価型と言っていいでしょう。 |
Core 2 Duo
(モバイル型) |
T5200〜T9600
L7200〜L7600
U7500〜U7700
U2100、U2200 |
最初のアルファベットが「T」や「U」のものはノートパソコン用で、千の位が奇数のナンバーになっており、最新型は9000番台です。
消費電力をさらに抑えてノートパソコンに最適化したものが L、もっと抑えた物が U ですが、消費電力が抑えられるほど性能も低下します。
メーカーに直接納入されるタイプで、一般販売は普通ありません。
|
Core 2 Quad |
Q9300〜Q9650
Q8200、Q8300
Q6600〜Q6700 |
Q6000番台は2007年度のタイプです。
Q9000番台は2008年度に登場した新しい高性能型です。
Q8000番台はQ9000番台の廉価型です。
番号の後に「s」の付いたものは省電力型で、やや価格が高くなります。 |
Core 2 Extream |
QX9650〜QX9775
QX6700〜QX6850
X6800 |
最初が「QX」のものはコアが4つのクアッドコアです。
最初が「X」ならコア2つのデュアルコアですね。
QX9650以降は、2008年に登場した新型です。 |
Pentium
Dual-Core |
G6950
E6300〜E6500
E5200〜E5400
E2140〜E2220
T2060〜T2130 |
E5000 番台は2008年〜2009年のタイプ、E2000 番台は2007〜2008年のタイプです。
最初が「T」のものはノートパソコン用で、消費電力が抑えられていますが、一般型より性能は低めです。
E6000 番台は2009年の秋に登場した性能向上型です。
G6950 は2010年初頭に登場したもので、内部の細かさ(プロセスルール)が上がっています。 |
Celeron
Dual-Core |
E3200、E3300
E1500、E1600
E1200、E1400 |
E1200 は 1.6GHz、E1400 は 2GHz です。
E1500 は2008年末に登場したもので 2.2GHz、E1600 は2009年夏に登場し 2.4GHz です。
E3200 と E3300 は2009年の秋に登場、「キャッシュ」(CPU内メモリ)が増加しています。 |
Atom |
D410、D510
230、330
N270 |
230は 1.6 GHz のシングルコア、330は 1.6GHz でデュアルコアです。
N270 は 1.6GHz ですが、ネットブック用にさらに消費電力を下げています。
D410、D510 は 2009年末に登場したもので、グラフィック機能を内蔵し、これによりパソコン全体の消費電力をさらに軽減できるようになっています。
D410 は1コア、D510 は2コアです。 |
Core |
T2700〜T2300
T1300 |
T1300(1000番台)はCoreSoroです。
T2300〜T2700がCoreDuoで、数値が高い方が高性能ですが全てほぼ同時期に登場しました。 |
Pentium 4 |
670、672
660、661、662
650、651
640、641
630、631 |
630番が3GHz、640番が3.2GHzという感じで0.2GHzずつ上がって行き、670番で3.8GHzになります。
つまり十の位が高いものほど高性能です。
また、一の位が1や2のものは新型や改良型のCPUです。
500番台は2005年〜2004年のタイプです。 |
Pentium D |
960〜920
840〜820 |
900番台が2006年に販売開始された後期型です。
800番台は2005年に登場していた初期型ですね。
クロック数は共に、2.8GHz〜3.6GHzです。 |
Pentium EE |
965、955
840 |
965、955の方が2006年に登場の後期型です。
840の方が2005年に出た初期型です。 |
Celeron |
420〜450
523〜550 |
2007年、通常の Celeron D とノートパソコン用の Celeron M は統合され、名前がただの「Celeron」になりました。 よってこちらの方が後期型です。
400番台は普通のパソコン用、500番台はノートパソコン用です。
523 は性能は抑えめですが、消費電力が非常に低い特殊タイプです。 |
Celeron D |
326〜365 |
基本的に、数値が高いほど新しくて高性能です。
326で2.5GHz、346で3GHz、365は3.6GHzです。 |

AMD 社 |
Phenom II X4 |
965 BE
955 BE、945
940 BE、920
945
910、810、805
905e
720、710 |
Phenom は II からナンバーが3桁になりました。 クアッドコアの CPU です。
940 BE が 3GHz で上位型、920 が 2.8GHz で、この2つが初期型です。
それ以外は AM3 という新型のソケットに対応したもので、910 がやや上位、810 と 805 が一般型です。
955 Black Edition と 945 は2009年春に登場した新しいタイプの上位型です。
965 Black Edition は2009年秋に登場したモデルで、性能の調整が出来るマニア向けです。
「e」が付いているものは省電力タイプですが、ややお値段高めです。 |
Phenom II
X3、X2 |
720BE、710
705e
550BE、545 |
700 番台はコアが3つの「X3」、500番台はコアが2つの「X2」です。
その正体は X4 のコアを1つ〜2つ無効化したもので、そのぶん性能は低めですが、消費電力は少なく、不良品率を抑えられるため価格も安めです。 |
Phenom II X6 |
1055T、1090T BE |
2010年の夏に登場した6コアの CPU です。
6コアですが性能的には Core i7 の4コア相当で、価格もそのぐらいです。 |
Athlon II
X4、X3、X2 |
600〜640
400〜445
235〜260 |
全て登場は 2009 年度以降。
600番台がコア4つの X4、400番台はコア3つの X3、200番台はコア2つの X2 です。
新型が随時登場しており、そのため種類がかなり豊富です。
それぞれ型番に e が付いた低消費電力型も用意されています。 |
Phenom |
9600 BE
9500、9600 |
9500 と 9600 は2007年末に登場したものですが・・・
欠陥があって想定された性能を発揮できず、失敗作となりました。
「BE」 は Black Edition の略で、調整が可能なマニア向けの CPU です。 |
Phenom X4 |
9550〜9950
9100e〜9350e |
欠陥を改善した Phenom の完成型でコアが4つのクアッドコアです。
ナンバーは下二桁が 50 になっています。
「e」が付いたものはノートパソコンなどに向いた消費電力の低いタイプです。 |
Phenom X3 |
8400〜8750 |
コアが3つの CPU で、Phenom X4 の廉価型という位置付けです。
2008年春に登場したものです。
|
Athlon 64 X2 |
3800+〜6400+
6400+BE |
3800+から6000+まで200ずつ違うものがあります。
3800が2GHz、5400は2.8GHz、6000だと3GHzになります。
BE(Black Edition)というのは調整が可能なマニア向けCPUです。
同じクロック数(GHz)でナンバーの高いものは高性能・高価格、低い方は廉価型です。
現在、Athlon 64 X2 は Athlon X2 に改名されています。 よって、旧 Athlon 64 X2 かどうかは型番で判別する必要があります。 |
Athlon X2 |
7850 BE
7550、7750 BE
4050e〜4850e
BE-2300〜2400 |
BE2300〜2400 は2007年末に登場したタイプ。
4000番台で e が付いているものは、消費電力を軽減した新型です。
7000番台は Phenom で使われた技術を応用して 2008 年末に作られた新型で、開発中の名前が kuma だったのでクマさんとか熊とか呼ばれています。
7850 BE は2009年に登場したもので、価格が安くコストパフォーマンス重視型です。 |
Athlon 64 FX |
70〜74
57、62 |
50番台は初期型のタイプで、やや性能に劣ります。
60以上は新型タイプで、デュアルコアとなっています。
70以上は2007年に登場した新型ですが、ソケット(取付部)が異なります。 |
Athlon LE |
1600〜1640 |
1600が2.2GHz、1620が2.4GHz、1640が2.6GHzです。 |
Sempron |
2100、2300
LE1100〜LE1300 |
LE-1000番台は2007年に発売されたタイプ。 2000番台は2008年のタイプです。
LE-1100は1.9GHz、LE-1200は2.1GHz、LE-1300は2.3GHzです。
2100 と 2300 は Sempron X2 とも呼ばれます。 |
Athlon 64 |
4000+〜3000+ |
こちらも数が多いほど高性能なのですが、4000と3700だけはやや新型で、それまでのものより少し高い性能を持ちます。 |
ちなみに、最近の CPU のナンバーの付け方は、各社で以下のような感じになっています。
Intel 社 |
AMD 社 |
2000番代 |
Core i7/i5/i3 の新型です
「Sandy Bridge」と呼ばれます |
900番台 |
Core i7 です |
800番台 |
Core i7 の改良型です |
700番台 |
Core i5 です |
600番台 |
Core i5 の改良型です
もしくは Core i7 のモバイル用 |
500番台 |
Core i3 です
もしくは Core i5 のモバイル用 |
400番台 |
Celeron です |
300番台 |
Atom で使用されています
もしくは Core i3 のモバイル用 |
200番台 |
Atom です |
9000番台 |
Core 2 Quad (コア4つ)で、
2008年度以降のタイプです |
8000番台 |
上位型の Core 2 Duo(コア2つ)か
廉価型の Core 2 Quad です |
E7000番台 |
Core 2 Duo の廉価型です |
6000番台 |
2007年度までのタイプか、
Pentium Dual-Core の新型です |
5000番台 |
Pentium Dual-Core の中期型 |
4000番台 |
Core 2 Duo の初期廉価型です |
3000番台 |
Celeron Dual-Core 後期型です |
2000番台 |
Pentium Dual-Core で使用 |
1000番台 |
Celeron Dual-Core で使用 |
S |
最後に「S」が付いているのは、
省電力型のタイプです。 |
K |
調整が可能なマニア向けです。 |
EE |
最上位型の高級 CPU です。 |
|
1000番台 |
Phenom II X6 です |
900番台 |
Phenom II X4 の上位型です |
800番台 |
Phenom II X4(クアッドコア)です |
700番台 |
Phenom II X3(コア3つ)です |
600番台 |
Athlon II X4 です |
500番台 |
Phenom II X2(コア2つ)か、
Athlon II X3 です。 |
200番台 |
Athlon II X2 です。 |
9000番台 |
Phenom X4(クアッドコア)です |
8000番台 |
Phenom X3(コア3つ)です |
7000番台 |
Athlon X2 の後期型です |
6000番台 |
Athlon 64 X2 の高性能型です |
5000番台 |
Athlon 64 X2 の中間性能型 |
4000番台 |
廉価型や消費電力軽減型
および2006年頃のタイプです |
1000番台 |
Sempron などの廉価型 CPU |
e |
最後に「e」が付いているのは、
省電力型のタイプです。 |
BE |
Black Edition の略で、
調整が可能なマニア向けです。 |
T |
Phenom II X6 です。 |
|
FSB とは「フロント・サイド・バス」の略で、CPU がそれ以外のパーツとデータをやり取りするスピードを表します。
ですので同じクロック数でも、この FSB が高い CPU の方が性能が良くなります。
またマザーボードには「FSB 200MHz までの CPU が動作可能です」みたいに使用可能な CPU の FSB 制限があります。
自分のマザーボードが FSB 533MHz までなのに、FSB 800 で 3GHz の CPU を買ってしまうと、付けても全く動いてくれません。
この場合どうしても 3GHz の CPU が付けたいなら、FSB 533 のものを買えば動いてくれる訳です。
メモリ(というパーツ)にも FSB があって、昔は「マザーボード」と「CPU」と「メモリ」の FSB は全部同じにしないといけませんでした。
しかし最近は CPU とメモリの FSB はそれぞれ別になっていて、メモリ側の FSB は「メモリーバス」と呼びます。
最新型の CPU(Core i7 や Core i5)は、FSB の代わりに「QPI」や「DMI」というものが使われています。
AMD 社の CPU(Athlon や Phenom)は、FSB の代わりに「HyperTransport」という用語が使われています。
これらは厳密に言うと違うものですが、難しい話になりますし、同じようなものだという認識でも構いません。
どれも 「CPU と それ以外のパーツがデータをやり取りするスピード」 である事は変わらないからです。
こうした CPU がデータをやり取りするスピードを、最近はひとまとめに「データバス」と呼ぶことも多くなっています。
これらのデータバスは、数値が大きいほど性能がよいと思えばいいでしょう。
主に CPU の交換などをする際に、注目すべき数値だと言えますね。
これは正確には CPU の性能と言うより、Intel 社の CPU の独自機能なのですが・・・
近年の CPU の性能を考えるのに非常に重要なので、個別に解説しておきましょう。
「コア」がたくさんある CPU は消費電力や発熱が大きくなるために、コア1つ1つの性能を抑える必要がありました。
そのためコアを1つしか使っていない時は、コアが少ない CPU の方が処理速度が早い、という状況が生じていました。
この問題を解消するため、Intel 社は「あまり使っていないコアがある時に、その分の電力をよく使っているコアに集中させて、使っているコアの性能を引き上げる技術」を開発しました。
これが「ターボ・ブースト・テクノロジー」(Turbo Boost Technology)と呼ばれる技術です。
ちょっと難しい話になりますが・・・ CPU のクロック数は、「ベースクロック」と呼ばれる速度を何倍かして、実際に動作するクロック数にしています。
例えばクロック数が 2.66GHz(2660MHz)の CPU があったとして、ベースクロックが 133MHz
だった場合、この CPU は 133MHz のベースクロックを 20 倍にして実際の動作クロックにしています。(133×20=2660)
ターボブーストテクノロジーは CPU の温度に余裕がある時に、この倍率を引き上げます。
例えば前述の CPU で、倍率を 20 倍から 23 倍にすると、133×23 で 3059、つまり約 3Ghz の性能になる訳です。
性能を引き上げると発熱が増すため CPU が焼け付く危険がある訳ですが、ターボブーストテクノロジーは CPU の温度をチェックして、安全な範囲でコアの性能を引き上げてくれます。
ただし際限なく引き上げていると危険なため、CPU ごとに「ターボブーストテクノロジーで引き上げられるクロック数の上限」が設けられています。
つまりこの上限が、現在は CPU の重要な性能の1つとなっています。
使っているコアがいくつの時に、最大でどれだけ各コアの性能が引き上げられるかは、CPU によって違います。
最近の CPU のターボブーストテクノロジーによる能力引き上げは以下の様になっています。
|
コア1つ |
コア2つ |
コア3つ |
コア4つ |
Core i7 900 シリーズ |
倍率 +2 |
倍率 +1 |
倍率 +1 |
倍率 +1 |
Core i7 870 |
倍率 +5 |
倍率 +4 |
倍率 +2 |
倍率 +2 |
Core i7 860 |
倍率 +5 |
倍率 +4 |
倍率 +1 |
倍率 +1 |
Core i5 750 |
倍率 +4 |
倍率 +4 |
倍率 +1 |
倍率 +1 |
Core i5 600 シリーズ |
倍率 +2 |
倍率 +1 |
-- |
-- |
Core i7 870 は基本の倍率が 22 で、ベースクロックが 133MHz なので、クロック数は 133×22 で約 2.9 GHz です。
2つのコアを主に使っている時は倍率が最大で +4 されるので、クロック数は 133×(22+4) で最大 3.5 GHz になります。
ただしこれはあくまで「最大値」であり、実際には CPU の温度や負荷、コアの使用状況が監視され、「安全な範囲」のクロック数で動作します。
Core i7 / i5 / i3 の 2000 シリーズの CPU では 「ターボブーストテクノロジー 2.0」というものが使われていて、こちらはより CPU の負荷や温度を反映した、柔軟なコアのスピード調整を行うようになっています。
ターボブーストテクノロジーの上限は言わば、CPU の最高速度と言えますね。
CPU は負荷が低いときは、能力を抑えて動いています。 例えば 1GHz の処理速度でも問題ない状況なら、1GHz の性能で動いて、消費電力や発熱を抑えています。
だから標準のクロック数が 3GHz の CPU でもターボブーストがあれば、負荷が低いときはそれよりゆっくりと、負荷が高いときはそれより高速に動いています。
そのためターボブーストテクノロジーのある CPU の場合、もう「標準のクロック数」にはあまり意味がないと言えます。
CPU の性能としては、ターボブーストテクノロジーが導入されていて最大クロック数(最大倍率)も高い方が、性能が良いと言えますね。
最近は最大倍率をユーザーが設定出来る、マニア向けの CPU も登場するようになって来ました。
なお、AMD 社の CPU でも、同等の技術である「ターボコア」というものが使われ始めました。
しかしこれに対応した CPU はまだ数が少なく、これからと言ったところです。
これも正確には CPU の性能と言うより、Intel 社の CPU の独自機能なのですが・・・
近年の CPU の性能を考えるのに重要なものです。
これは CPU (の中にあるコア)がその時に使っていない部分を有効利用して、もう1つの処理を行うものです。
例えば、何かの作業を CPU (のコア)が行っていて、それがフルパワーを出すほどじゃない簡単な作業だったとします。
この場合、余っているパワーの分がもったいないですね。
この余っている部分を利用して、もう1つ別の作業もやってしまおうというのが「ハイパースレッディング(HT、HyperThreading)」です。
この技術が導入されていると、1つのコアが最大で2つの作業を行う事が出来ます。
よってコアが2つの CPU なら同時に4つの作業が、コアが4つの CPU なら同時に8つの作業が行える訳です。
この同時に行える作業の数を「スレッド」と言い、「最大8スレッドの処理が可能」などと言われます。
ただ、ハイパースレッディングがあると、CPU (のコア)が常にフル活用される状態になります。
よって発熱も消費電力も通常より多くなってしまいます。
加えて、2つ目の作業は言わば「余力のある部分で行う追加の作業」ですから、1つ目の作業より処理速度に劣ります。
これらの問題のため、ハイパースレッディングは Pentium4 という CPU で最初に導入されましたが、次のタイプの Core 2 Duo や Core 2 Quad では使用されませんでした。
現在は、Core i7 や Core i5、Atom などの新型 CPU で、改良されたハイパースレッディングが使用されています。
しかし Core i3 などの低価格 CPU では使われておらず、発熱や消費電力を抑えなければならないノートパソコン用の CPU でも使われていないものがあります。
CPU の性能としては基本的に、ハイパースレッディングが使われているものの方が高性能だと思っていいでしょう。
キャッシュとは、データを一時的に保存しておく場所の事です。
データを一時的に保存しておく場所には他に「メモリ」がありますが、「メモリとやり取りするよりも、CPU自体に必要なデータを置いてしまえば、もっと高速になるじゃないか」という考えがあって、そのために CPU にもデータの保存場所が設けられました。
キャッシュには「1次キャッシュ(L1キャッシュ)」と「2次キャッシュ(L2キャッシュ)」がありますが、同じようなものだと思って構いません。
最近は3次キャッシュ(L3キャッシュ)のある CPU も一般化しています。
デュアルコア(コア2つ)やクアッドコア(コア4つ)の CPU は、コアごとにキャッシュが儲けられていたり、逆に共用のキャッシュが用意されています。
とにかくキャッシュがたくさんあってサイズも大きいほど、たくさんのデータを一時的に記録出来るので CPU も高速化します。
キャッシュが特に影響するのは、同じような計算をひたすら繰り返すような処理の場合・・・
つまり、ゲームや高度なグラフィックの表示、動画のエンコード(動画データの変換作業)などです。
この時にはキャッシュが多い CPU の方が動きが高速化するでしょう。
基本的にキャッシュ(主に2次キャッシュ)は、Celeron や Sempron などの廉価版の CPU は少なく、Core や Phenom
などの高性能な CPU は多めです。
CPU には、32bit(ビット) のものと、64bit のものがあります。
64bit の方が新型の設計であり、そのため性能が高いのですが、具体的には次の2つに関係します。
「使えるOS(Windows などの種類)」 と、「メモリの最大量」 です。
Windows には、32bit 版と 64bit 版があります。
そして 64bit の CPU を使うなら、Windows も 64bit 版を使った方が性能を十分に発揮できるのですが、CPU が 32bit なのに 64bit 版の Windows を使っても動きません。
逆に Windows が 32bit 版で、CPU が 64bit の場合は、Windows は問題なく動きますが、64bit の CPU の性能はフル活用できません。
でも CPU が 32bit なのか 64bit なのか(もしくは 64bit 動作に対応しているかどうか)は、性能表などにはあまり書いていません。
また、64bit 版の Windows だと、対応していない古いソフトウェアや周辺機器が動作しなかったり、不安定になる場合があるため、64bit の CPU でもあえて 32bit 版の Windows が使われるのが一般的です。
CPU の種類ごとの 32bit/64bit 対応については以下のようになっています。
32bit の CPU で
64bit には非対応 |
32bit のものと
64bit 対応のものがある |
64bit のCPU
および 64bit 対応CPU |
Core Duo/Solo
Pentium III、II
Celeron M
Pentium M
(旧型) Celeron
それ以前の旧型CPU |
Pentium4
(500番以降の後期型が対応)
Celeron D
(300番以降の後期型が対応) |
Core i7
Core i5
Core i3
Core 2 Quad
Core 2 Duo
Pentium D
Pentium Dual-Core
Celeron Dual-Core
(新型) Celeron
Atom |
Athlon
Athlon XP
Duron |
Sempron
(初期型は非対応) |
Phenom II
Phenom
Athlon II
Athlon X2
Athlon 64 (X2/FX 含む)
Turion (64/X2 含む) |
Athlon だと名前に 「64」 が付いている製品があり、64bit 版である事がアピールされていますね。
64bit の CPU を使い、さらに 64bit 版の Windows を使う事の最大の利点はメモリの最大量が増える事です。
32bit 版の Windows だと、メモリの最大量は 4GB(実質 3.12GB)です。
どんなにメモリを積んでも、3.12GB 以上は使ってくれない訳ですね。
しかし 64bit 版の CPU&Windows なら、メモリの最大量は 8GB 以上まで対応可能です!
(Windows Vista だと、Home Basic で 8GB、Home Premium で 16GB、Ultimate で 128GB
まで対応します)
(Windows 7 なら Home Premium で 16GB、Professional と Ultimate で 192GB に対応可能です)
でも仕事でフルに活用している人や、画像や映像の加工ソフトを駆使しているような人でないと、そこまでメモリは必要ありません。
メモリはあればあるほど良いのですが、一般的な使い方をするなら 2G 程度でも問題ありません。
しかし CPU と Windows の双方が 64bit 版である方が、パソコンの動作速度は向上すると言われています。
(具体的には CPU の計算速度やメモリのデータの送受信速度が 32bit 版より向上するようです)
また、最近の CPU はほぼ全て 64bit に対応しています。
よって Windows 7 が登場してからは、急速に 64bit 版の普及が始まっています。
Windows を 64bit 対応版にするべきかどうかは、用途によると言えますね。
今は 64bit 版でも動かないソフトウェアはほとんどないので、新しくパソコンを買う人は 64bit 版がいいでしょう。
ただし周辺機器については 32bit 版でないと動かないものがまだまだ多いので、そう言ったものを多く持っている人は 32bit 版にした方が無難です。
これは性能ではないですが・・・
CPU をはめるための取り付け口の事を「ソケット」と言い、その形のことです。
これがマザーボードと合ってないと、当然付けられません。
LGA775、Socket478、Socket939 など、色々な種類がありますが、Intel 社の CPU と、AMD 社の CPU はソケット形状が違うので、取り替え時には同じ会社の CPU を使う必要があります。
交換とかを考える時は、まずマザーボードのソケットタイプをチェックしておきましょう。
いま使っている CPU がどのソケットに対応したものなのかを調べれば、マザーボードのソケットタイプを知る事ができます。
これは CPU の内部の細かさの事です。
内部が細かいほど、CPU の中にたくさんの回路を詰め込むことができますし、電気の通る距離が短くなるので、消費電力や発熱の低減にも繋がります。
0.13μm(マイクロメートル)とか、90nm(ナノメートル)とかいう、もはや想像もつかないほどミクロの世界です。
(ちなみに、1nm は 0.000001 ミリです)
製造工場の改善や技術の改革によって年々 CPU の中身はどんどん細かくなっており、製造プロセスがどのぐらいの細かさなのかで、CPU の性能・性質は変わってきます。
簡単に言うと、製造プロセス(プロセスルール)が小さいほど、高性能で新型と言えますね。
代表的な CPU とその製造プロセスは以下のようになっています。
製造プロセス |
製品登場年代 |
代表的 CPU |
0.18μm
(180nm) |
2000年以前 |
Pentium III、Athlon など |
0.13μm
(130nm) |
2001年 |
Pentium 4、Athlon XP、
Athlon 64 初期型 など |
90nm |
2004年 |
Pentium D、Pentium 4 後期型
Athlon 64 後期型 など |
65nm |
2006年 |
Core 2 Duo、Pentium D 後期型
Athlon 64 X2、Athlon X2、Phenom など |
45nm |
2008年 |
Core 2 Duo 後期型、Core 2 Quad、
Core i7、Phenom II など |
32nm |
2010年 |
新型 Core i5、Core i3、
Core i7/i5/i3 2000 など |
それ以外にCPUの性能でよく言われている事を説明します。
まず、「コアの名称」。
CPU の中央部の核となる部分「コア」には、それぞれに名称があります。
どのコアを使っているかでCPUの性能は変わってくるので、パソコンの上級者はこのコアでCPUの話をしたりします。 石、と呼ぶ場合もあります。
でも、初心者の方は特に気にしなくても構いません。
ウルフデール(後期 Core 2 Duo)、ブルームフィールド(初期 Core i7)、デネブ(Phenom II X4)など、色々な呼び名があります。
他に、SIMD拡張命令とか、SSE拡張命令など、色々な「拡張命令」が CPU の性能に表記されている場合もあります。
これらは CPU のデータ処理を効率化するための追加技術の事で、これらに対応しているソフトを使った場合にデータの処理速度が高速化します。
ただ、あまり気にする必要はありません。
他にも電力消費を押さえる「エンハンスド・スピード・ステップ(ESS、SS)」や、特殊な使用方法が出来る「バーチャライゼーション・テクノロジー(VT、仮想化技術)」、「ウィルス保護機能」などの新技術があります。
今後も様々な技術が登場し、CPU の性能を高めていくことでしょうね。
でも、初心者の方はここまで気にする必要はないでしょう。
CPU の種類とナンバー、クロック数やコア数が解れば、性能はほぼ解りますからね。
交換などをする際には、FSB(マザーボードの対応)とソケット形状なども気にする必要がありますけどね。
参考までに、簡単にCPUの取り付けについて説明します。
CPUは、「CPUソケット」と呼ばれるマザーボードの台座に取りつけられます。
ソケットにはいくつか種類があって、それに合ったCPUしか付きません。
もしCPUの交換をする場合は、自分のマザーボードのCPUソケットのタイプを知らなければいけませんね。
(そんなにたくさんの種類がある訳ではないです)
右のようなソケットの場合は・・・
CPUを外すには、まずファンを外し、台座の横にあるレバーを手前に引きます。
ネジが付いているものは、ネジをドライバーで外します。
するとCPUが浮き上がるので、手で取って取り外します。
取り付ける場合も、トゲトゲをツブツブの穴にはめる感じで台座の上に置き、レバーをゆっくり倒すか、もしくはネジを止めるだけです。
トゲトゲとツブツブは一部分が欠けているので、その部分を合わせて置く様にします。
この点にだけ注意しましょう。
と、CPUの着脱はこれだけで、簡単なのですが・・・
難しいのが「CPUファン(CPUクーラー)」です!
CPUファンはまず、「グリス」と呼ばれる油をCPUの上部に薄く塗ってから、ファンをその上に静かに乗せます。
このグリスは CPU とファンを密着させるために塗るのですが、最近はファン側にグリスに相当する薬剤が最初から付いているものも多く、そうしたものだと塗る必要はありません。
そして取り付けを行うのですが・・・ CPUファンによって、取り付け方がそれぞれ異なります。
一昔前の CPU ファンは着脱の大変なものが多かったのですが、最近のものは取り付けやすいようにレバーがついていたり、ネジ止めするようなタイプが増えていますので、前よりも付けやすくなっています。
しかし特殊な器具ではめ込むものや、専用の金具を使って取り付けるものもあります。
いずれにせよ、ファンによって付け方・外し方が違うので、説明書で確認して行って下さい。
例:代表的なファンの着脱方法の一例
 |
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 |
Core 2 Duo や Core 2 Quad、Core i7 などの
CPU 付属の純正品のファンの多くはこのタイプ。
四隅に突起部分があって、ここが固定部分です。 |
マイナスドライバーを差して、矢印が書いてある
反時計回りに回すと緩みます。
その後、引っ張って固定具を外します。 (付ける時は時計回りに回して締めます) |
これは Core 2 Duo に多くあったタイプ。
金具を使うタイプで、一方を差し込んでから、
反対側を指で押して引っかけます。
ファンにレバーが付いているタイプもあります。
|
どの方法を取るにせよ、マザーボードに傷を付けないよう慎重に行いましょう。
邪魔なパーツがある時は外した方が無難ですね。
取りつけたら、CPUファンについている電源コードを、マザーボードのファン用の電源ソケットに付けます。
これは CPU ソケットの近くにあるはずで、3〜4つのピンが出ているのでそこに刺し込みます。
マザーボード上に小さく 「CPUFAN」 という字も書いてあるはず。
当然、電源コードがついてないとファンも動かないので注意です。
付けたらパソコンの電源を入れてみて、ファンが回っているか確認しましょう。
もしファンが回っていないと、CPU が焼け付きます!
CPU はパソコンの中心部ですから、うまく付いていなければパソコンも動かないので、パソコンが起動したら、その時点で取り付けは成功ですね。
実際にパソコンパーツを交換する場合は、
書籍などを買ってそれを見ながら行う事をお勧めします。
ここで、CPUファンと熱について少し説明しておきましょう。
「CPUファン」は CPU にくっつける扇風機であり、風を送ってCPUを冷却するもので、回転数が速いほど冷やす力も高いと考えて構いません。
ただし、回転が速いと音がうるさかったりするので注意です。
これはモノにもよりますけどね。
CPUファンは「ヒートシンク」と「ファン」と呼ばれる部分に分かれています。
「ファン」は要するに扇風機の事ですね。
「ヒートシンク」とは鉄の板が縦にたくさん並んでいるような部分で、ファンの下にあります。
伝導してきた熱がヒートシンクから放熱され、ファンからの風で冷やされる訳です。
CPUファンは風を送って冷やすものですが、他に水冷式の大がかりなものもあり、こうした物を含めてCPUを冷やすもの全般を「CPUクーラー」と言います。
CPUファンもCPUクーラーの1つという事ですね。
まあ特殊な状況でない限り、普通はファン(送風式)のもの使うと思って構いません。
CPUは熱に弱く、通常60℃〜70℃を越えると危険と言われています。
この温度はマザーボードによっては測定可能ですが、対応していない場合は測定できません。
温度にはケース内の換気、風通しの良さ、ケース自体の大きさなんかも関係してきます。
もちろんCPUの種類によっても異なります。
普通に使う限りあまり気にする必要はないのですが、熱に弱い事は頭に入れておいて、通気孔を塞いだりとか、暑い中で長時間使うとか、そういう事をすると誤動作の元になる事ぐらいは覚えておくべきです。
特に夏は注意ですね。
最近は「TDP」という数値が CPU の性能説明に付いている場合もあります。
これは「Thermal Design Power(サーモ・デザイン・パワー)」の略で、直訳すると「熱設計電力」です。
この数値が高いほど熱くなる事を意味するので、CPUファンを選ぶ際には目安になります。
なお、CPU ファンは扇風機ですから、長期間使っているとだんだんホコリが付着していきます。
部屋のクーラーのフィルターがホコリで目詰まりして行くように、ファンの下にあるヒートシンクにもホコリが貯まっていき、それが冷却能力の妨げになっていく事があります。
もし CPU ファンの騒音が大きくなってきたら、それはホコリなどの影響で冷却能力が下がり、それをカバーするために扇風機が必要以上に回っている可能性が高いです。
もちろんそのままでは CPU が焼け付いたり、パソコンが止まる原因になります。
たまには CPU ファンの掃除もしておきましょう。
外側から掃除機で「ブォー」っと吸い込んでも取れますが、中に入り込んだホコリまで取るのは難しいです。
CPU ファンはネジを外せば、扇風機の部分だけを取り外すことが出来ます。
丸ごと取り外すと着脱が大変なのですが、扇風機の羽を外すだけなら簡単な場合が多いので、出来れば年に1度ぐらいは扇風機を外してヒートシンクに付いたホコリの掃除をしたいところですね。
「エアスプレー」を買ってきて、シューっと吹き付けてもかなりのホコリを取ることが出来ます。
最近はパソコンショップで精密機器のお掃除セットを売っている事もあるので、そういうものを利用するのもいいですね。
○ おまけコメント (クロックアップ)
CPUの性能を表す「クロック数」は買った時に決まっていますが、これをムリヤリ規定値以上に引き上げる方法があります。
これを、「クロックアップ」と言います。
その名の通り、クロック数をアップさせて通常以上の性能を発揮させる事で、よくパソコンの説明にも出てきます。
なぜこんな事が出来るかというと、例えば 2GHz の CPU は本当は 2.5GHz で動作する事も可能だったりするのですが、限界ギリギリの性能を発揮していたのでは
CPU の安定性に問題が出たり、トラブルが発生しやすくなるため、安全のために少しパワーを落として使用するようになっているのです。
しかし、「本当はもっと高いパワーを出せるのなら、限界まで出してやろう」という考えもある訳で、マシンの性能を追い求める人の中にはクロックアップを積極的にやっている人もいます。
最近はソフトで簡単にクロックアップできたり、マザーボードやパーツの中にもクロックアップを考えて作られた製品があったりします。
ですが安全のためにセーブしているパワーを限界まで出す訳ですから、それはメーカー保証外の行動ですし、トラブルも発生しやすく、それで壊れても自分の責任です。
またパーツの寿命も確実に縮まり、熱対策も強化しなくてはなりません。
いずれにせよコンピューターの知識が豊富で、行動に責任の持てる人だけがやるものであり、良い子は手を出さないようにしましょう。
良い子じゃない人は、インターネットの検索などで「クロックアップ」という言葉を調べてみれば、説明しているページがたくさん見つかるでしょう。
しかし、あくまで参考程度にするべきです。
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