2011県議選 注目区を追う
唯一の自・民一騎打ち 戦い方は対照的
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南秋田郡選挙区は、民主新人の芳賀洋介さん(35)が自民現職の平山晴彦さん(56)に挑む。自民対民主の公認候補が一騎打ちするのは県内で唯一。戦い方も対照的だ。
2日午前9時、恒例の朝市でにぎわう五城目町字下タ町の商店街。赤いジャンパー姿の芳賀さんが出店者や買い物客に「ごぶさたしてます」と声を掛け、握手を交わした。
秋田市で音楽イベントを立ち上げるなど、まちづくり活動に携わった芳賀さん。2009年からは商店街の一角にある朝市案内所のスタッフを務めていた。案内所は町の協議会が国の補助を受けて運営、朝市ツアーなども企画していたが、事務担当の町職員の事業費着服が発覚し昨年11月で事業が終了。同時に芳賀さんは仕事を失った。
民主県連から打診を受けたのはこのころ。「地域活性化という目的は同じ」と出馬を決め、八郎潟町の父の実家に居を移した。「なるべく金を使わない選挙をする」と自宅を事務所にし自転車で移動。後援会は組織せず、町村議など有力者の支援も求めない。
朝市会場の周辺では、道行く人に「南秋田の魅力を全国に発信しよう」「東日本大震災からの復興に、秋田の力を発揮すべき」と呼び掛けた。選挙戦初日は緊張した表情を見せたが、有権者の反応に手応えを得るにつれて余裕も。「若い力を訴えて勝利を目指す」と芳賀さん。
平山さんも2日午前、朝市会場周辺の五城目町中心部を遊説していた。朝市会場では選挙カーを降り、買い物客らと握手。「いっぱい買い物して」と笑顔で語り掛け、気さくさをアピールした。
上下グレーの防災服姿。震災翌日の3月12日以降、いつでも現場に駆け付けられるようにとこの服装で通している。街頭では防災対策と湖東総合病院(八郎潟町)改築を「必ず実現させる」と訴えた。
祖父は元県議、父は元能代市議。自身は野呂田芳成・元衆院議員の秘書を経て、妻の出身地である五城目町を地盤として県議選に出馬した。「秘書時代から、停滞している南秋田をもっと発展させたいという思いがあった」と平山さん。2度目の挑戦となった03年に初当選し、区割り変更が行われた前回の07年は無投票で再選した。
今回は8年ぶりの選挙戦。震災に配慮して午後6時以降の遊説は控えているが、「やるからには全力で戦う」と後援会組織をフルに生かして活動。「湖東病院のためなら、相手が知事でも県議会で激しく追及している。なれ合いという批判は当たらない。地元の発展に全力を尽くす」と話した。
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